ザ・グレート・展開予測ショー

モンジュは反則 (1)


投稿者名:Nar9912
投稿日時:(05/ 8/ 2)

※ ”注意書き”の前書き風言い訳味 ※

 本展開予想には性質上の欠点があります。下記をご確認の上、読んでも良いと思われた懐の深い奇特な
方がいらしたならば、ご一読頂ければ嬉しく思います。


・演出という大義名分のもと、読点が異様に少なく、一文一文が非常…むしろ非情…に長くて修飾過多。
 漢字も多過ぎ。故意の誤用も。

・色々くどくど理屈を捏ねます。キャラの心情も、原作を基に捏造レベルで妄想を展開して書き連ねます。
 特に、妄想集中を行なって書かれた箇所は色んなモノが増大しています。
 それはもう、我が輩のしつこさうざったさ加減を甘く見るなよとばかりに。

・本筋に影響する程ではない”パクリではない、オマージュだ”が入る時もあります。付け合わせ程度に。
 シリアス一辺倒回避の為にも、被災される方には申し訳御座いませんが非才の身では仕方がないのです。

…要約すれば、無茶苦茶読み難いのです。頭が痛くなっても当方は関知致しません。
いえ決して大好きな小説の未邦訳だった外伝が漸く日本語で読めると思ったら頁辺りの文字密度が小学生
向け並に薄くなっていてラノベが悪いと八つ当たり気味に熱暴走した頭が妄想を(中略)ではありません。
ありませんよ?













では、上記の事など問題にならないタフで勇者な方がおられましたら、ここは一つ宜しくお願い致します。




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 只のアシスタントに過ぎない横島忠夫の異常とも思える急成長の連続という、美神家にとっての幸運が
続いた結果、手の打ち様が無かった人類の限界はおろか人界に駐留する神魔全てをもってしても歯牙にも
掛けない強敵と言うも烏滸がましい力量差を誇る果てを知ろうと考える事すら馬鹿らしいと思しき巨大に
過ぎる壁である魔神への、対抗手段となり得る可能性を持つ作戦すなわち霊力の完全同期連携を見出して、
一縷の望みが今見えたとばかりにその為の訓練を始めさせようとしたのだが、美神令子暗殺という自身に
取って最悪の手段を実行されないが為にICPO実動部隊の拠点と化した都庁地下へと分身を送り込んだ
魔神の、その分身が伴った妖蜂に刺され倒れた実動部隊隊長、美神美智恵。

一流のGSである美智恵を意識不明に追いやった妖蜂に備わる致死性のその毒を解毒する血清は魔神本人
しか持っていないと宣告された美神令子、横島忠夫らその場にいた面々……既に刺した妖蜂は消滅しその
場に残ったのは道先案内者として現れた蛍のみであったので妖蜂から血清を作る事も当然ながら実現不能
であった……は、生半に霊的パワーが集中する場に居続けた所為か自身の霊力低下にすら気付いてさえも
いなかった情報の収集と分析が専門である筈の神族調査官ヒャクメのリタイアを受けて、同じくその場に
いた彼ら同様魔神と前世からの因縁を持つ代理指揮官である西条輝彦の信じるその正義のもと……


 美神令子に至っては、母を救う事乃至自身に降りかかった災いを根絶せしめんが為……他に、現状を
 鑑みてバカな悪霊にコールミークイーンな仕打ちを行ない金金金な日々へと戻らんが為の障害打倒と
 いう意味合いが強かったのかも知れず。然れども人類の敵を打ち倒さんとする思いは本物で。

 横島忠夫に至っては、自分の女を軛から解放してやりたい放題せんが為……他に、美人のねーちゃん
 を殺させる訳には行かない乃至は元を取る為にも将を射んとせばまず馬を射よとばかりに親へ恩をと
 邪な心を持っていたかも知れず。然れども身内と見なした女子供には無類の優しさを持つその性質が
 大きく、彼女らや自らの恋人を救う為にも敵中に向かうとの行動しか選択肢に無かったので。

 氷室キヌに至っては、お世話になっている美神さんとその母を救うのは当然で……他に、想う相手に
 良いところを見せたいとの考えも少しばかりはあったかも知れず。然れども美神除霊事務所のいつも
 の面々で強過ぎる敵にでも打ち勝たんとする意志、リタイアしてしまった者を案じつつその者の分も
 活躍しなければならないと思う優しいその意志はヒャクメから預かった心眼にも通じつつ。


……動機はどうあれ一致団結したままの彼らを率いる西条輝彦は、行動を起こす為に状況を確認した。
魔神の待つ南極到達不能極へと赴き、最悪でも魔神から血清を奪って戻る事、出来るなら魔神を倒そうと
の試みである。
図らずも魔神自らが自身エネルギー不足であると告げた事も手伝っての考えではあるが、それ自体、魔神
が目的を楽に果たさんが為の方便であるやも知れず。しかし乍ら仮に方便であれども無かれども力の差が
馬鹿馬鹿しいまでにある事自体は変わらず、血清を手に入れなければならぬ以上主な行動に変化は無い。




だが、身内で構成されたメンバーではこの考えが通じようともICPO上層部並びに世界GS本部乃至は
日本を含めた世界各国の政府、国連にとっては単に恐ろしくリスクが大きい分の悪い博打でしかない。
大人である西条輝彦には、いや、美神令子は言うまでもなく未だ高校生故に人生経験の少ない横島忠夫や
氷室キヌでさえ表立って動けない事は理解出来ていた。

漢、西条輝彦……本人は貴族と称される方を好むだろうが……は人類の為であれ犠牲を強いる事を、それ
も自らの恩師と可愛い妹分を死なせる事など容認する筈が無い。彼は、自らの正義のもとに、己の理想を
信じてオカルトGメンにて培った指揮官としての全知を尽くして対策を練った。
……結局の所、自らを含む信用の置ける一流のGS達に声を掛けて戦力とし、共に強引に敵地へ向かおう
との案しか無かった訳ではあるが、それでも迅速且つ秘密裏に連絡を取り事を運べたのは彼の存在に因る
点が大きい。その際、多方面への影響力が強い六道家の嫡子冥子や、権力者達を比較的手軽に呪い得るで
あろう事からも有名な小笠原エミ、無欲でありながら十年後には日本GS協会会長にまで登り詰めている
信用と人望を持つ唐巣和宏らを彼ら自身の意志で着実に引き入れたのは見事と言えなくも無かろう。






が、倒れた美智恵と、間違っても魔神に渡す訳には行かぬエネルギー結晶内在者である令子を文字通りに
繋ぎ止めている魔鈴めぐみ……西条がわざわざ令子と反りの合わない彼女を選んだ理由は敢えて個人的に
反発してもらってその事で大局的な視野に立たせず自らとその母の留守を守らせる為であり、いざと言う
時には魔法の箒での霊的打撃から霊波砲までをこなして個人での戦術の幅が広く知識も判断力もある魔鈴
が一番役立つであろう事、己がその目で見てきた互いに信頼し合う後輩である事にあろう。尤も、西条は
彼女に全面的な信頼を寄せているが、彼女が西条に寄せる信頼は、ある一点すなわち女性関係においては
全く存在しないまでに成り果てているのであるが……に任せ、集めたメンバー総出で、いざ人の法を超越
して……別段法を無視するなどはいつもの事ではあるのだが、今回ばかりはスケールが違って……各々の
理念と思惑の中出発した彼らが乗る砕氷船に、令子抜きならば追われはしないだろうという願いも空しく、
一大船団が近づいて来たのである。

……広い海の只中での事、望遠鏡で見える範囲は遠大である。気付いた時点では船団との距離は未だ十分
にあった。
海を埋め尽くす船団を相手に兵器も碌に備わっていない一隻で臨む以上は先制攻撃しかないと、この場合
集団に因る威圧効果もあり、且つ各々の生業へ積極的に関わって来る者は敵か味方と二分し易い職に就く
者達であった事も手伝った挙げ句、魔神を相手にしようとする命知らずに戦力比で一旦押さえつけるなど
としようともそもそもが聞く道理もなく、呆気なく必要のない前哨戦の幕が開けた。
常識的に考えるならば、如何に訳の分からない能力を持っていようとも火力差が凄まじく、勝負を挑もう
とする事自体が想定外であるのだが、通常軍隊である船団の者達にとっては相手が悪かったとしか言い様
が無い。

少数精鋭での戦いはおろかゲリラ戦までこなせる有能な指揮官である西条の指示の下、GS側がある程度
を制圧した……何だか分からない能力を持った者達は、何だか分かり切っている通常兵器を持つ者達より
強くなり得る事が判明した為にこれ以後いよいよ警戒される様になるのであるが……その時、









反則的な手段を得意として自分達より強い敵にでも打ち勝つ美神除霊事務所において、能力自体が反則で
ある横島忠夫だけが持つ筈の切り札、文珠、が偽りの暗闇を切り裂き幾つも纏まって中空から舞い降りて
きた。

……わざわざ演出したのは恐らく術者の質に依るものであり、特に意味は無いのであろうが、少なくとも
既に旗艦が制圧されていた船団側だけでなく、一方的に攻撃していたGS側もあり得ない筈のその出現に
手を止めたのは事実である。





未だ幻の暗冥が支配する中を何故かGSだけでなく誰の目にも光り輝いて見える無駄に演出されたそれら
文珠は、ゆっくり、ゆっくりと降りて、その人界唯一の使い手である彼、横島忠夫の手元に届いた。
両手に持ちきれない程の数があるそれは彼の掌に収まり、収まりきらなかったものは未だ浮いている。

途端、彼の両の掌に収まったそれらの中の一つ、最も先に降りてきた”伝”と刻まれた文珠が周囲を一際
強い輝きで包み込んだ。


……と、”伝”の文珠によってGS達への”伝”言が”伝”えられる。


まず、全員に船団には彼らへの害意が無い事が説明され、魔神が核ミサイルをもって人類を脅迫した為に
人類は団結せざるを得なくなった事、しかし乍ら、神さまであるヒャクメに託された別の”伝”言により
必勝の策が神託という触れ込みで伝えられており、護衛とともにその策を伝え実行させる為に船団が派遣
された事を伝えたのである。

尚、文珠によって霊力が一時的にある程度……起きていられる程度……に回復して、自身への”伝”言を
確認し、神託を伝える役を引き受けたヒャクメが、


「美味しい役なのね〜。」
「私って大活躍なのね〜。」
「神さまで良かったのね〜。」


だの何だの言っていた様子もまたしっかり伝えられたのだが、幸いにしてGS達の中には既にヒャクメと
いう存在とその性格を知っていた為に幻滅する筈もない者がいて、いまいち知らない者達も重い雰囲気を
軽くする為の神の配慮であるとの君は勘違いしていると声を大にして窘めたくもなる考えを持ったが為に
やはり困惑や幻滅は無かった。野暮はするまいと思いつつも前者は後者を見てふと思う。

( 何だかとっても、知らぬがヒャクメ…… )


尚、彼女の名誉の為に一応一言補足するならば最後の台詞は自らが神であるとの立場を利用して戦略的に
GS達を優位に立たせられる事を純粋に喜んだものであり、偏に人間達を思っての台詞なのである、多分。
最前の二言から考えればそうとは取れないと思われようがそうなのである、恐らくは。




……

………

…………

……………

それは、ほんの少し先の未来の横島からのメッセージであった。
それは、ほんの少し先の未来の彼が経験したこの戦いの顛末を余す事無く彼らに告げた。

今はまだ彼しか知りはしなかった彼が自ら彼女と生きる為に自分が魔神を倒すとまで宣言した恋人である
ルシオラが、実の妹であるベスパと相撃って倒れて、更には転生の機会すら碌に無く、かてて加えて転生
出来るとしてもそれは彼自身の娘としてでしか実現しそうにないという、彼に取っては最悪とさえ思えて
来る……未来。

他に手段が無かったとは言えども彼自らが彼女を蘇生させる機会を潰す事で漸くもたらされる人類が勝利
する…………未来。


……………

…………

………

……




如何に相容れないと身内からも見られている西条であってすら、一介の高校生に過ぎなかった若手主戦力
GSである横島が戦いの果てにこのような形の未来を迎える事など認める訳には行かない。
……たとえ動機の一部が可愛い令子ちゃんと交際する可能性のある恋敵と言いたくもない彼を他の人物と
ゴールインさせてしまう為であれど、自らを貴族と称する西条輝彦の目の黒いうちはそのような未来など
認めてしまう事は断じてあってはならないのである。
因みに貴族には陰謀が付き物である。西条は幾つかの意味で貴族らしいと言えよう。
尚主戦力と認めたのはあくまでも今回の件に関してであり常ならば主力であるなどと認めはしない。この
点に関しては他のGS達も意見を同じくするであろうと彼は信じている。
況んや他のGS達にその未来を認める道理が無い。
己の知らぬ間に出来た恋敵が消滅した未来を見せられたおキヌであれ、彼のそれこそ魂の奥底から出たと
しか思えない悲慟を伝えられてしまっては恋情に絡み合った嫉妬が生じる余地も無く、その様な未来など
是が非でも認める訳には行かないのだ。恋敵に勝つには相手が生きていないと話にならないなどとの理屈
は今はまだ思いもよらず、唯々彼を悲しませるその未来を回避するにはどうすれば良いかという唯その事
しか考えられない。

知らなかったのならば起きてしまった以上どうしようもないとの消極的追認の下、各々が各々でせいぜい
横島への対応を如何にすべきか考えるだけで済まされてしまうであろうその未来は、彼が変わらぬ自分で
居続けようとする有り様にどうする事も出来ずに唯なるべく出会わない様にと然れども不自然に避ける事
も無い様に装って出会ってしまったのならば彼の意を酌み変わらぬ関係を演じなければならないと彼らが
自身に強制せざるを得ないのであろうその未来は、生身で大気圏突入という理不尽な現象を扱うGS達の
見地からしてもやはり常識どころか想像の範疇ですらない状況に陥った時でさえも神魔をしてきっと生き
てるとそうだなあいつの事だものと言わしめた程にも頑強な身体と期待させる何かを持っていた彼の心に
大きな傷痕を残す事となったその未来は、ただ起き得ただけの可能性の話と看過するにはあまりにも酷い
離愁であり過ぎた。

彼が常から意識的に戦いの中心へ身を置いて来た歴戦の勇士で覚悟があって、戦いを行なう為に作られた
彼女の死因が彼に直接的な関係が無かったのであれば、或いはせめてその一方が事実であったならば心情
は全く異なるであろう。

しかし告げられた未来は己を助けた事で死にゆく彼へ文字通り命を削って与えたが為に彼女が消滅すると
いうもの。

臆病でいざという時を除き戦力外と言っても良い彼が初めて明確に自分自身の意志で決断して身を投じた
戦いの果てに与えられたものが、一番の動機であり何を置いても守る筈であった彼女の死と、千年前から
縁のあった女性や仲間達がいる世界の全てを救う為に死んでしまった彼女自身の意志により存在していた
平易な蘇生への道を塞ぐ様に告げられて一度は通れそうであったその道を自ら完膚無きまでに破壊する事
を選択させられたその先に、彼女との未来を勝ち取る為にこそ倒すと誓った相手である魔神を倒し得たと
いう只それだけの事実。
目的を果たせなかった戦いの結果はたとえそれがどれほどの殊勲であろうとても彼には殆ど意味を為さず、
彼が結果的に前世と今生を賭けて戦った挙げ句に漸く出会った何より大事なモノを失う事で打ち倒せた仇
でもある魔神は多くの犠牲を伴った挙げ句に敗北する事こそがその目的であったという、事件それ自体を
最早考えたくも無いと感じたとしても何ら不思議ではない何処までも空虚な勝利。いや、果たしてそれを
勝利と呼んで良いものか……


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言葉が出ない。

衝撃的との表現で済ますにはあまりにも惨い己と己の伴侶になる筈であった者の未来に意気が沈み込む。



言葉が出ない。

何事であっても彼らと或いは彼らの知己と共に何とかして来た彼に訪れるその未来に意志が纏まらない。



言葉が出ない。

彼女自身である蛍はどうしようも無かった自らの決断が為に最愛の存在である彼に味わわせてしまう感情
を思い打ち拉がれたかの如く弱々しく彼の肩に留まったまま動けない。







……

………

…………

……………

………………短く、”伝”えられた未来でそうであった様な戦っている最中という緊張状態では無かった
だけに途轍もなく重い一時が過ぎた。


悪霊相手に商売をするタフな彼らはしかし何時までも纏まらない思考の中にはいなかった。
訪れる未来が自分達に取って望ましくないものであるのならば、変えてしまえば良いだけの事である。
それくらい出来ずに魔神を倒すなどと考えてはならない、いや、魔神を倒すからには未来を変える程度の
事はして見せようと各自が自身を叱咤する。

ほんの少し先の未来の横島とて文珠を使って過去に愚痴を送るなど到底しそうにも無い。
やっと出来た、何時でもOKよ、な自身の女を無理を通してでも守ろうと己のエゴを全開にする事こそが
彼らしい。
そこにあるのが魔神であろうが時間の壁であろうが彼の煩悩には及ばない事こそが彼らしい。
図らずも彼自身がその恋人に言った様に彼の煩悩パワーの前には障害など無いに等しくある事こそがその
根拠も無くしかし信じてしまいたくなるそうある状態こそが彼らしいとの考えがGS達の脳裏を占める。

……余談であるが、もしもこの時横島が彼らの思考を覗けたならば、


「何でやーーー。俺だってやる時はやるんやーーーーー。誤解じゃーーーーー。」


とでも言ったかも知れずまたその意見は半ば正解でもある。パイパーと対峙したその時はスタイルの良い
女である美神を助ける為とはいえ煩悩など関係ないところで交渉を行なった。コンプレックスに操られた
おキヌに絞められながらも精霊石を投げ込んだその際もまた美神の危機に身体が動いた。他にも煩悩では
なく他人の危機に際して力を奮った事は幾度もある。横島が原則煩悩で動くとの考えは半ば間違いである。
同じく美神にしてもマリアへ惚れ薬が掛かった際は横島を助ける為に無償で動いた事実がある。雪女の件
もそうであり、モガちゃん人形の件も然り。彼女が無償で動いた事は実はそれなりの回数存在するのだ。
彼らの行動原理が一言で表わし得るかと言えばそうとは限らない。人間はその場その場でどの様な行動を
取るのかその時になってみなければ分からない面も往々にしてあるものである。
しかし一方で横島ならば煩悩、美神ならば金欲、エミならばピート……好みの男……と霊力を向上させる
意欲の基である分かり易いキーワードがあるのもまた事実であり、特に横島と美神のそれは普段から顕著
に過ぎる事から誤解は止むを得ないと評すよりむしろ当然と見るべき面もまたあるのだ。閑話休題。

彼がその未来を経てこの時間に関与すべく行動したのならば、その未来を避ける手段をこそ伝える為だと
その未来にある嗟歎咨嘆嗟咨嗟咨嗟咨からは考えを逸らしながらもGS達は思考を進める。
そもそも自分達は必勝の策とやらをまだ知らない。
策を神託として伝えたであろうヒャクメにそれが”伝”えられた際の様子が想起される。


( 知 ら ぬ が ヒ ャ ク メ … … )


その瞬間の沈黙はしかしそれまでの重いものとは異なっていた。何より一番の衝撃を受けている筈の者と
その近しい者達の雰囲気が一変したのだ。彼ら以外の者は策が必勝とされている事で希望を見出したが故
の沈黙であるが、何故かは分からないが中心人物の雰囲気が良くなった事は敏感に感じ取れた為に意気は
いや増したのである。
敢えて、敢えて注釈しよう、脱力では無く重い雰囲気が軽くなり前向きになったのだ。

或いは、ほんの少し先の未来の横島が神託を告げる役を引き受けたヒャクメの反応をわざわざ”伝”えた
その狙いはここにこそあるのかも知れない。
いやだがしかし、横島にそんな真似が出来るだろうか。一部の者……有り体に言えばヒャクメがオカルト
Gメンのメンバーに同行していた事でその為人を知ってしまった西条輝彦その人の思いである。
……その疑問の答えはもう少し伝言が進むまでは分からない。
ともあれ皆の前に進もうとする思考はその先の伝言を受け入れる態勢を形作るのであった。


   (続く?)

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