ザ・グレート・展開予測ショー

しょーと・しょーと [絶チル 1st senseより]


投稿者名:dry
投稿日時:(05/ 7/13)

※『絶対可憐チルドレン 1st sense 天使で悪魔』(05/33号)のネタバレを含んでいます。
 未読の方はご注意下さい。

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(……くん、君の能力はすでに――)

 放課後の教室で、担任教師とひとり向かい合う少年。

(――だから、特別プログラムに進むべき――)

 今でも鮮明に思い出せる、僕の原風景。

「正直言うとね、君がいると迷惑なんだ」

 遠いあの日、僕は、いつか「普通」になれたらと夢見ていた。



 ――夢を見られるほど、僕は幼かったのだと思う。
 多分、周りにいた人達が考えていたよりもずっと。
 それでも成長するにつれて、それが叶わぬ夢だという事を理解してしまった。
 決して普通にはなれない。なぜなら僕は周りとは違ったから。



「君がいると迷惑なんだ」

 未だ心の奥底に突き刺さったままのあの言葉。
 違う場所で、違うフレーズで、違う声で、何度も何度も聞かされた言葉。
 特別だから疎まれ、普通の人達の中に僕の居場所は無かった。



 だったら――だったら、特別である事が普通になる場所へ。
 自分の能力を活かせる場所へ。
 そう考えて、僕は超能力支援研究局――通称・バベルの門を叩いた。

「君は、ここにいていいんだ」
 
 今思えば、誰かにそう言われたかったのかもしれない。



 そして時は流れ……。










「予知能力者52番、交代!! 2軍からやり直せ!!」
「カントク、もう一度チャンスを――!!」

 ……エスパーの世界に居場所を作るのも、結構難しかった。





          ― END ―

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