ザ・グレート・展開予測ショー

蛍の光、3度目の正直


投稿者名:ジェネ
投稿日時:(05/ 7/12)


アシュタロス事件…世界では【核ジャック事件】とも言われる長い長い戦いが、今終わろうとしていた。
ただ一人の少年を除いて…
















横島は東京タワーに来ていた。
ルシオラとの思い出のつまった、あの場所だ

「まだ、2回しか一緒に夕日みてねーんだけどな、ルシオラ」

やがて空は夕日の色に染まり、美しく世界を茜色に変えた

「ルシオラ…お前は綺麗だったけど、一瞬しか見れないからじゃないぞ?
絶対に生き返らせるからその時は…嘘ついた事、たっぷりと怒ってやるからな!」

気分が落ち着いたので、子供に転生させる事以外の方法を考える事にした。

(すぐに、子供に転生の論が出たんだ。ほかにもなにか盲点となってる事はあるはずだ)

「…そういえば、ちぎったりくっつけたりできないとかいいながら、俺の体って結構、他の霊体入ってる事あるよなぁ」

(そうだ、最初の時は韋駄天・九兵衛に投げられて死にそうな時だったな…
あれ?あの時とあんまり状況はかわらないんじゃないか?じゃあなんで八兵衛は何事もなかったみたいになってるんだ?)

横島は考えた、あの時と今の違いを

(ベスパは毒を使うから霊体を腐らせていったって事か?でも九兵衛の速度で投げられたらほぼ即死に近かったはずだ、霊体は消滅していくはずだ。
毒と衝突の違い・・・・・・・・・侵食速度と侵食を止める方法って所だな
多分、毒は解毒してもすぐには完全に止める事はできないって感じだろう、普通の毒もそうだしな、衝突は物理的な侵食だから八兵衛が入れば即止まったんだろう。)

一応、自分なりの結論を出した。だがどうもおかしな所がある

(だったらルシオラは全部俺に入り込めばよかったはずだ…メドーサはそうしたんだしな、全部入り込まなかったのは・・・・・・ダメだ思いつかない。
だけどこれだけの推理が当たってるとすれば方法も見えてくるはずだ!なんか急にやる気が沸いてきたな、ルシオラ!復活したらすぐにヤらせてもらうからなっ!)

この考えが出たらもう横島はとまらない、一刻も早くヤるため、いや、ルシオラを復活させるために妙神山に【転】【移】した









「…というわけなんスよ」

「なるほど、確かに理論的に説明できてそうな感じはしますね、どうですか?ヒャクメ」

「大体あたってるのね〜、疑問に思ってたみたいだけどルシオラの霊体が全部入り込まなかったのは多分、横島さんを安心させようとしたからだと思うのね〜」

「俺を…?」

「そうなのね〜、霊体全て送り込むと毒を治療するために喋られなくなっちゃうのね〜、それも一時的なものだけど、アシュタロスを倒すまでには喋られないと思うのね〜」

「な…でも、あいつは残留思念とかで俺に話しかけてきたぞ?」

「残留思念だからなのね〜、残留思念は元の肉体、霊体があるときより無いときの方が強く残るのね〜」

「そうか、だからすぐに話しかけてこなかったってことか…ほとんど破辺だけになったんだからな…」

「そうなのね〜、だから一部を残してその一部で安心させてからいかせようとしたんだと思うのね」

「そうだな…確かにあの場にルシオラがいなかったらアシュタロスの所へすぐには行かなかっただろうな…」

(ルシオラ…お前はあんな時でも俺の事を考えてくれてたのか)

「でも、その破辺と俺の霊気構造の中あわせたら全部なんだろ?取り出すって考え方を変えて俺の中で混ぜ合わせたらいいんじゃないのか?」

「たしかに、文珠もありますし混ぜ合わせるのは可能なんですが…」

「その方法は100%可能だけど、人間じゃ無理なのね〜」

「なんでだっ!人間でも文珠使えば中で混ぜ合わせる道はすぐに作れるはずだっ!」

「そうじゃないのね〜、確かに混ぜ合わせるのは100%可能だけど魂が眠ってるから固まっても出て来れないのね〜」

「無理矢理起こせないのか?文珠なら【覚】まさせる事もできるんじゃないのか?」

「魂の眠りは普通の眠りと違うのね〜、だから自力で起きてもらうしかないのね〜」

「妖怪の封印が解けて転生した時、前世から現世へ人間の宿る時、こういうのが魂が覚める時です」

「なるほど・・・人間じゃ・・・・寿命が足りないって言いたいんだな?」

「そうです…転生や前世から魂が移るようなときは
普通、最低でも300年〜500年はかかります、
だから完全に横島さんの中へ入った場合、覚醒するまでに横島さんが寿命で死んでしまう可能性が高いのです」

「…そういうことか、でもそういうことなら余計にやりたくなったんだが」

「え!どうしてです!会えないまま一生を終えるかもしれないんですよ?
それも完全に固まったら子供として生み出す事もできません
その子供が二つの魂を所持する事になってしまいますから・・・」

小竜姫がそういうと横島はポケットからなにかを取り出した

「これはルシオラの残留思念がある時に作った文珠です、
なぜか使っても消えません、何回も使って消えてしまうと困るので使わずとっておいてますが」

「それをどうするのね?」

ヒャクメがそう聞くと横島は文珠に文字を刻み込んだ
【不】【老】と

「これを使えば俺は殺されたりしない限り行き続けることが可能なはずです」

「これをずっと使い続けておくという事ですか?、いつかは壊れてしまうような気がするんですが…」

「使い続けるというかこれを飲もうと思うんです」

「え、飲んじゃうのね?」

「飲めばなにか変わるのでしょうか・・・?」

横島は前に【恋】の文字を飲ませた事を話した
まぁ、その話が終わった後にジト目でにらまれた事は自業自得という所だろう・・・

「だから多分飲めば、ルシオラに助けられた時ぐらいに死に掛けるくらいで無い限りは不老の効果が切れないと思うんです」

「確かにそれなら500年は余裕で生きられるのね〜」

「だからこの方法でやってみてもいいでしょうか?」

「私は横島さんがそう決めたならそれで構わないと思いますよ?」

「私も別にいいと思うのね〜、横島さんと長い間、別れなくてもいいっていうのも魅力的なのね〜」

「ただ…その方法の場合、あなたの回りの人間達が死んでいく中、ただ一人生き残っていかなければならない事になりますよ?」

「それは覚悟できてますよ」

「そうですか、それならば何もいう事はありません」

「じゃあ今からでもやりたいので手伝ってくれますか?」

「わかったのね〜」 「わかりました」

「じゃあ行きます!」

そういうと横島はポケットから蛍を取り出し口の中に放りこんだ。
そして一気に飲み込みルシオラの霊気構造を固めるために文珠を取り出す
込めた文字は【集】ルシオラの霊気構造を集め始める
そしてもう一つ取り出し文字を込める
その文字は【道】ルシオラの魂を集めやすくするため霊の道を作り出す
ヒャクメと小竜姫は横島の負担が少しでも軽くなるよう神気を送り込んでいる

そうして、ルシオラの魂を1つに固める事に成功した。














時が経ち1年がたった…
今日はルシオラが俺の命を救ってくれた日、そしてルシオラが目の前から居なくなってしまった日だ…
横島は一人で東京タワーの展望台の上に座っていた
1年前と同じような夕日に包まれた頃、横島はダレに語るでもなく呟き始めた

「もう、1年か…ふつーは最低でもあと299年くらいはまたなきゃダメみたいだけどな〜、お前は普通じゃないと思ってたんだけどな、特別にいい女やったからな〜」

「でも、前の時と違って俺ん中にしっかりルシオラの魂がはいってるってわかるからな、俺は何百年でも待てるぞ、ルシオラ」

そういうと横島は立ち上がり東京タワーを降りようとした
その時、なにか胸に違和感を感じた

「うっ・・・・こ、これはメドーサの時と似てるような気がするまさかルシオラか」

だがメドーサの時と同じなら腹を引き裂かれそうになるはずだ…
横島の顔は青白くなった、今回は腹を殴ってくれる人が居ない
そのまま引きちぎられる事になってしまう

横島は文珠を取り出し
【殴】の文字を込めた
そして腹に違和感ができた瞬間、文珠を腹に当てた

「ぐふぅぅぅぅ、おげぇぇぇ」

口から大きい蛍のような物が出てきた
そしてその真ん中に亀裂ができ
その蛍のような物は割れた


中からはずっと待とうと決めた女性…ルシオラが出てきた
横島はどう声をかけていいかわからず、ただ立ち尽くしていた
するとルシオラの方から声がかかる

「ただいま、ヨコシマ…それと嘘ついた事ごめんなさいね」

「いや、俺の事を考えてやってくれたんだろ、もういいよ」

「ふふっ、怒るって言ってたくせに」

「おかえり、ルシオラ」

「えぇ、ただいま」

そういうと二人は再会を喜び抱きしめあった

「ルシオラ…これで何百回でも一緒に夕日見る約束が果たせるな」

「そうね、これからはずっと…」

「う〜ん、また嘘つかれるとさすがに許せる自信ないからな
 百回だ、百回、一緒に夕日を見たら結婚しないか?
 まだ2回しか一緒に見て無いからな、あと98回だ」

「まだ、返事してないでしょう?」

「なっ!ルシオラお前、俺に惚れとったんやないんか〜!
俺に飽きたんか?飽きたんやな!ちくしょ〜!俺はどうせそういうキャラなんだ〜!」

「バカね〜、誰も断るなんて言ってないでしょ、もちろんOKに決まってるじゃない」

そして、東京タワーの上で3回目となるキスを交わした
(横島が死に掛けになって霊気構造分け与えた時のキスは数に入れていません、言ってしまえば人工呼吸なので)

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