ザ・グレート・展開予測ショー

横島とメドーサ(3)


投稿者名:横叉
投稿日時:(05/ 6/26)

その熊の亡霊は非常に大きなもので3メートルは優に越すものであった。

爪は非常に鋭く、その爪がわずかでも体に引っかかれば、たちまちその部分は体から熊の爪に持っていかれるだろう。

      グフーッ   グフーッ

熊の口から洩れる息と牙に付いた血が雄雄しさと凶暴性を一層大きくしている。

恐らく自分に危害を加えようとする存在であることを本能的に見抜いたのであろう。

「美神さんとタマモには無理しないように言われているけど、ここでこいつを逃すとまた犠牲者が出るかもしれん。」

だが次の瞬間

         グワアアアアアアア

熊がものすごい速さで俺に向かって襲い掛かってきた。

俺はそれを右に跳んでかわし、かわしざまに熊のわき腹を霊波刀で斬った。

            ズシャ

熊のわき腹から血が出るが、熊の勢いは衰えることなくそのまま木にぶつかり、木は大きく裂け前に倒れた。

「浅かったか・・・・・」

普通の熊なら致命傷にも値するがこの熊の分厚い筋肉と脂肪、そしてこの世のものではない体にはまだまだ浅いようだ。


”正面からぶつかると少し手間取るかもしれん。カウンター狙いで行くか”

そこで俺は後方に軽く跳躍し、カウンターを取りやすいように右手に霊力を集中させ、足の重心を指先に集中させた。

だが熊はそんな俺の狙いを見抜いたのか、ぶちかましを止めて後ろ足二本で立ち上がり、ゆっくり俺との距離を詰めていく。

   ズンッ    ズンッ  ズンッ ズンッ

”カウンターを取るのが難しくなったな。だがまだ狙えないわけじゃない”

おそらくこの熊は人を殺していくうちにぶちかまそうが、時間をかけて爪で引き裂こうが、、人間は死ぬことを学んだのだろう。

そして3メートルぐらいに近づいたときに熊は傷ついた左脇腹をかばうように右足を大きく前に出し、俺の顔めがけて鋭い爪を振り下ろした。

俺はそれを屈んでかわすが、熊は左手の爪を前に伸ばし俺を突き刺そうとする。

俺はそれを熊の頭ほどの高さまで跳躍してかわし、右手を大きく振りかぶって霊波刀で頭から敵の体を真っ二つにした。

「ふうーっ」             ずしゃ

俺の一息と共に霊波刀で2つに分かれた物体はそれぞれ地面に崩れ落ちた。

「タマモなしで除霊出来たな。」

俺が除霊成功を確認しようと振り向こうとした瞬間、魔力砲が俺に向かって飛んできた。

   どーーーーーーーーーーーーーーーーん

俺は後方に大きく跳んだため、なんとか爆風だけですんだが、その場にあった熊の霊体は跡形も無く消え去った。

「何者だ!?」

これだけの魔力砲を撃てる奴だ。恐らくはかなりのレベルの妖怪、悪魔だろう。

「ちっ。除霊後だから油断してると思ったんだがねえ。」

どこかで聞いた声と共に煙の先にいる奴に注意を向ける。

豊満な胸、すらりと伸びた脚、そして腰まで届くであろう長い髪、姿、形こそ違えど、

こいつはまさしく.........

















「あら、鬼門じゃないどうしたの?」

「美神殿、聞いてくれ、大変なことが起きたのだ」

除霊が終わった私のところに鬼門の二人がやって来た。

「いったい何が起こったのよ。」
             
「実は小竜姫様はお前にメドーサ復活を伝えた後、他のGSの協力を仰ごうと唐巣神父のところにむかったのじゃ・・・・・・・・・・・・・」

そして鬼門の二人は話し始めた。


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わしらは事務所の入り口で待っておった。

『美神さんには伝えたし次は唐巣さんのところですね。あのかたは美神さんと違って積極的に協力してくれるでしょう。』

小竜姫様はメドーサ復活を知りその事態に協力してくれるものを捜しとった。

そのために唐巣神父は絶対に欠かせない人物じゃった。

『それにしてもわずか三年でこの東京の街もずいぶん変わりましたねえ。来る度に景色が変わってる気がします。』

『まったく仰るとおりでございます。』

このように呑気な事をおっしゃられていたが、この時急いで唐巣神父のところに向かっていたらもう少し変わっていたかもしれんな。



しばらく歩いて唐巣神父の教会に着きなさった。

コンッ    コンッ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



『返事がありませんね。』

『留守じゃないですか。』

コンッ       コンッ

.................................................

またしても返事は無かった。

『唐巣さん、唐巣さん、いますか?小竜姫です。開けますよ。』

そして小竜姫様がドアノブに手をかけなさった、まさにその瞬間、中にはもの凄い強力な妖気を発した妖怪がいることが分かった。

『これはただ事じゃありませんね。右の者、左の者、あなた達はここで待機してなさい。』

『『了解しました。』』

小竜姫様は神剣を構え、ドアを蹴破りなさった。

『唐巣さん、ピートさん、大丈夫ですか!!!!』

蹴破ったドアは吹っ飛び床に転がっている何かにぶつかりその運動を止めた。

『う...ううん..』

『ピートさん大丈夫ですか、小竜姫です。いったい何があったんですか。』

『ぼ..僕よりも....先生を早く....』  ガクッ

『ピートさん、ピートさん、しっかりしてください』

よく見ると足元には既に夥しい量の血があった。

『くっ、何者です、こんなことをしたのは』

『私よ。』

その言葉が聞こえてきた方を振り向くとそこには悪魔に近い姿をした勘九朗がいた。

『勘九朗あなたですか。こんなひどいことをしたのは』

『そうよ。だったら何?』

『お前がいるということは黒幕は・・・・


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「まさか・・・・・・



















         メドーサ(だった)(ですね』)(!?)

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