ザ・グレート・展開予測ショー

模擬試合


投稿者名:NEWTYPE[改]
投稿日時:(00/ 6/11)

「いやービックリしたなー。あの人只者じゃなかったなー。」
用意された部屋に戻った横島は、老師の鋭い眼光を思い出しながらゴロッとベッドに横たわった。
そして、疲れからかそのまま深い眠りについた。
五時間ほど経っただろうか・・・
コンコン・・・
コンコンコン・・・
「ん・・んん・・・。」
誰かがドアをノックしているようだ。
「・・・誰っスかー?」
目をこすりながら返事する横島。
「横島殿、シロでござる!ここをあけて欲しいでござる!」
バンバンバン・・・
ドアを叩く音が激しくなる。
「分かった分かった、今開けるから。」
横島はしぶしぶベッドから起き上がってロックを外した。
ガチャッ!
「何の用だ、シロ・・・・・うわっ!?」
「あっ・・・!!」
シロはいきなり開いたドアに躓き、勢いあまって横島に抱きついたままどっとベッドへ倒れこんだ。
キョトンとしながら見つめ合う二人。
「よ・・・横島殿・・・こ・・・こんな所では困るでござる。拙者まだ子供でござるし、その・・・心の準備が・・・。」
体を震わせてみるみる顔を紅潮させていくシロ。
「ば、バカを言うな!俺がそんなことするわけ・・・するわけ・・・(か、かわいいぜ)
はっ!そうじゃねー俺はロリじゃねー!!俺は真人間だーーーーーっ!!!」
横島は、バッとベッドから飛び降りると、凄まじい勢いで壁にヘッドバッドを噛まし始めた。
ガンガンガンガンっ!!!
「な・・・何をやってるんでござる、横島殿っ!?」
突然の事にビックリしたシロが慌てて横島を止めに入った。
「話せ、シロ!!俺は正気に戻らねばならんっ!!」
横島はシロを突き飛ばすと尚も激しく頭を壁に打ちつけた。
「横島殿・・・」
シロはただ呆然と横島の行為を眺めていた。
五分後・・・
ようやく儀式を終えた横島がシロに振り向いた。
「ふ〜おまたせ。で、何の用だ、シロ?」
「!!」
シロは振り向いた横島の顔を見た途端サーッと血の気が引いた。
「よ・・・横島殿・・・・傷が・・・完全に癒えてるでござる。」
「ああこれか。俺も不思議だったんだよなー。もしかしてこれもニュータイプの力なのかもな!」
「・・・すごいでござるなー。ニュータイプは伊達じゃないって感じでござるなー。(オイオイ違うだろっ!)それはそうと横島殿、拙者と模擬試合する約束、忘れたのでござるか?」
「ああ!そのことか、すまんすまん寝てたもんでさ。それじゃこれからやるか!?」
「はい、でござる!拙者、横島殿のノーマルスーツも持ってきたでござる!」
「お前、準備がいいな。」
シロがニッコリ笑う。


二人はノーマルスーツに着替えるとMSデッキへ流れていった。
「浪人さん、MK-Uとディアスの整備終わってますか?」
横島が大声で機体の足元にいる浪人に呼びかけた。
「あっ・・・横島君にシロちゃん。整備は一応終わってるっすけど・・・・・何かするんすか?」
「ええ、ちょっとシロと模擬試合でもしようかと・・・。」
「模擬試合っすか・・・まあいいっすけど、あんまり機体を壊さないで下さいよ。それとあまり遠く行かないように。いつ指令がくるか分からないっすからね。」
「分かってますよ。」
「承知してるでござる!」
二人はそれぞれの機体に乗り込むと勢いよく宇宙の闇に飛び出していった。
「横島殿、手加減なしでござるよっ!」
「ああ、お前もなっ!」
二人は一定の間合いを取るとジッとお互いにらみ合った。
しばしの沈黙・・・そして・・・
ダンダンダン・・・!!
シロは横島との距離を取りながらビームピストルを数発放った。
だが、横島はそれを軽々かわし、背中からサーベルを抜いて一気にシロとの間を詰めにかかった。
「さすがでござるっ!・・・接近戦でござるかっ!望むところっ!!」
シロもサーベルを抜くと、高速で近づいてくる横島の動きを捉えようとモノアイをさかんに動かした。
「そこっ!!」
バチバチッ!!
サーベル同士がぶつかり合って強烈にスパークする。
「くっ!」
シロはあまりの勢いに一瞬機体を退かせた。
だが、その一瞬の隙を横島は見逃さなかった。
横島はすぐにライフルでシロのサーベルを手から弾き飛ばすと自分のサーベルをビシッとシロのコックピットに突きつけた。
「勝負・・・あったな・・・。」
横島は一度深呼吸するとゆっくりサーベルを引いてシロの弾かれたサーベルを取りに行った。
「・・・・・・・」
シロはコックピットの中でしばし呆然としていた。
横島の異常な反応速度にだ。
ここまで簡単に負かされたのは西条戦以来だ。
「これが・・・ニュータイプの力でござるか・・・」
シロはフフっと笑いながら顔を上げると、なにか納得したような表情で戻ってきた横島にあっさり負けを認めた。
「降参でござる。拙者の負けでござる。」
「あ・・・・・ああ。」
「どうしたんでござるか?拙者なんかに勝ってもうれしくないでござるか?」
「いやな・・・最近の俺、メッチャ操縦が上手くなってるんだけど・・・。これも作者の意図なのかな。」
「それは拙者にも分からないでござる。でも、今回の事で先生の凄さが分かったから拙者満足でござる。」
「先生?」
「そうでござるっ!横島殿は拙者の先生になってほしいでござるっ!拙者にこれからいっぱい稽古つけてほしいでござるっ!いいでござるかっ!?」
「・・・まあ、いいけどよ。俺、教えるの下手だぞ。」
「大丈夫でござるっ!拙者、飲み込みは早い方でござるからっ!」
「ふ〜ん。まあ頑張れよっ!」
「はいっ!!」
シロはコックピットの中でしっぽを振りながら笑顔で答えた。
と、その時二人に無線が入った。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa