ザ・グレート・展開予測ショー

THE MOVIE「踊るゴーストスイーパー」(7−2)


投稿者名:3馬鹿鳥男
投稿日時:(00/ 6/ 6)

第7章 「魔族」(その2)

横島は「ゴホン」っと咳払いをし、気を取りなおして改めてR君に尋ねた。
「そうそう、そんなことを聞きたくてR君を出してもらったわけではなくて・・・。
逃げ出した魔族についてなんだけど・・・・。
どんな魔族なんだ?そいつ。」
「カミーラの事か?」
R君はほたるに確認するように聞いた。
ほたるは不機嫌にしていたが、横島が手を合わせて教えてとポーズをとったのを見て苦笑し、R君に「そうよ」と言った。
R君はぱたぱた羽をばたつかせ、何か考えるようにくるくる回ってしばらく飛んでいたが、再びほたるの肩に留まり、「ぴ〜」と鳴いて「何が聞きたい?」と横島に聞いた。
「だから・・・どんな魔族なんだ?その・・・「カミーラ」は」
横島は再び同じ質問をした。
R君はしばらく目をきょろきょろさせ考えていたが「どんな魔族って、魔族は魔族だぞ」と答えた。
横島が文句を言ようとしたとき,
「横島さん、そんな質問では答えようがないですよ。
R君も困っているではないですか。
私にまかしてくれませんか?
代わりに聞きますから。ね。」
と、おキヌが言った。
横島がおキヌをしばらく見て、しぶしぶ肯くのを確認してからR君を見て尋ねた。
「じゃあR君、質問するね。
えっと・・・、カミーラは男性ですか?それそも・・・」
「女魔族だぞ。」R君は答えた。
「そう。女性なの・・・。
それではその「カミーラ」の性格は狂暴ですか?」
「どんなのを狂暴と言うのかわからんけど、人間を殺すのは好きだぞ。」
「どのようにして人を殺すの?」
R君はにやっと笑った。
「相手の喉に自分の指を突き刺して、そこから霊力を吸い取る仕方が主かな?
血がいっぱいでるのが好きだからな。やつは。けけけけ。」
おキヌは顔をしかめたが質問を続けた。
「それじゃあ、「カミーラ」の種族は?」
「吸血鬼と同じ系列にあたるぞ。正確には「吸精鬼」だがな。
だから本当は血を流さなくても、ある方法で霊力が吸い取れるけどな。
けけけけけ。」
おキヌは首を傾げて不思議そうに聞いた。
「ある方法って・・・?」
R君は楽しそうな顔をしておキヌに近づいた。そして小声で
「それはな・・・・せ・・」と言おうをしたとき、突然ほたるに口を押さえられた。
「ぐぐぐう」
「ほほほほ。なんでもないですよ。ねっ。R君」
ほたるはR君の口を押さえながらに冷たい微笑をした。
R君は脅えた目で「うんぐうんぐ」と肯いた。
おキヌは頭に「?」を付けて横島を見た。
横島と銀一はうんうんとにやにやして肯いていた。
でも、ほたるに「きっ」と睨まれたとたん、両手を前に出して頭と手を横に振り、
「俺知らないよ」というジェスチャーをした。
おキヌはますます「?」を付けたが、誰も答えそうにないので別の質問をした。
「なら・・・。カミーラはどんな姿なの?」
ほたるから解放されたR君は楽しそうにけたけた笑いながら飛んだ。
「どんな姿だって?
けけけけけ。面白い質問するなあ。
あのな。知らないのか?魔族は精神体だって事。」
「精神体?」
R君はまた「ぴ〜」と、あきれた声で鳴いた。
「おいおい、姉ちゃんが知っている神族にいないのか?変身できるやつ。」
おキヌは小竜姫様を思い浮かべた。
「いるけど・・・」
「ならわかるだろ、どんな姿にもなれるんだ。精神体だからな。
もちろん基本体はあるぞ。
でも、通常は姿を変えているのがほとんど。
それでもってな。魔力が強いほど完璧に別な姿になれるんだ。」
おキヌはそうなんですかと感心した。
「では・・・「カミーラ」は魔族のレベルでどのくらい強いのですか・・・」
「う〜ん。」
R君はぱたぱた飛びながらしばらく考えていたが、何を思ったのかおキヌの近くまで飛んで行き、「ちょっと覗かして」とおキヌの頭に手を置いた。
そして、最初の場所、ほたるの肩に戻ってから答えた。
「姉ちゃんが知っているレベルの魔族では、一番近いのがメドーサかな。」
「メっメドーサだって?」
それまで大人しく聞いていた横島は、驚いた顔をして大きな声を出した。
おキヌも驚いたように目を見開いて横島と目を合わせた。
横島はおキヌに向かって肯き、R君を見た。
「それじゃあ、逃げ出た魔族「カミーラ」は高位魔族なのか?」
R君はそこで「ぴ〜」と鳴き、ほたるを見た。
横島もその視線につられてほたるを見た。
ほたるは外を見ていた。
そして、横島の視線に気付きにこっと笑って、
「もうすぐ家に着きますけど、続きは家でしませんか?」
と全然別な事を言った。
「えっ、もうそんなとこか?」
銀一は驚いたように外を見て「ほんまやあと10分くらいや」と言った。
横島とおキヌはなんだか話をはぐらかされた感じがしたが、
わかったと言ってシートに座り直した。
そして、おキヌは外の雑木林の景色を見ながら考えた。
(なんだかほたるさん・・・ちょっと変な感じがする・・・・。
肝心な話になると誤魔化しているような・・・・。
私の気のせいかしら・・・。)
楽しそうにR君を抱いているほたるを横目で見ると
なんだか今までのほたると少し印象が変わった気がしたおキヌであった。

第7章終わり
第8章「織田家の当主」に続く。

なんだか銀ちゃんが活躍できない・・・。なんで?

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