ザ・グレート・展開予測ショー

宇宙へ


投稿者名:NEWTYPE[改]
投稿日時:(00/ 6/ 4)

雪之丞の一号機が、コロニーの外に出ないうちに四機のMSが防衛線上より消えたと知らされた。彼の自尊心が,満たされる事なく、この混乱が終了したのである。
「ICPO・・・必ずぶっ潰してやるっ!!」
雪之丞はコクピット内で怒りに身を震わせながら何度もコンソール・パネルを叩いた。


「厄珍大佐っ!!MK-Uの訓練をなぜコロニー内でやっていたのですっ!?」
「誰アルか、アンタ?」
小柄な体に妙にマッチしている大きなサングラスをかけたちょび髭野郎が素っ気無く答えた。
「連絡線のキャプテン、美神美智恵中佐ですっ!あなた方はコロニーで暮らしている人々の事をどう思っているんですかっ!?」
美神が鬼のような形相で厄珍に詰め寄る。
「あ〜もうウザイアルな〜。コロニーで暮らしてる人間の気持ち?そんなのどうでもいいアル。ICPOを殲滅する兵站基地となっているのはこのコロニーでも変わらないアルよ。」
「ICPOを殲滅するですって!?それは逆です!こんな基地化が進み、一部隊だけが突出すれば、反地球連邦政府を育てるだけです!なぜそのことが分からないのですか!?」
「うるさいアルな〜。」
厄珍は傍らの将校たちに黙らせろ、と顎をしゃくった。
とたんに数人の士官が美神の両腕をつかんだ。
「一般将校は黙ってるんだな!」
「一般将校とあんた達がどう違うのっ!?」
パシッ
「きゃっ!」
士官の一人の平手が美神の頬を打った。
「ヒヒヒ、そんなに市民を守りたければアンタが全員このコロニーから連れ出して避難させればいいアル。」
厄珍は不気味な笑みを浮かべながら上目使いに美神の顔色を伺った。
「くっ・・・」
美神はどうすることもできないまま唇をかみ締めていた。
「コロニー自体を軍事基地にするだなんて・・・。」
部屋の外で聞き耳を立てていた小竜姫はカオス教のやり方に不安を募らせていた。
彼女の両親は全大戦の最中ジャオン軍が攻めてきた際、彼女を守って死んでいった。
そう・・・彼女は親の死を乗り越えて今日まで一人で生きてきたのだ。その意志の強さは筋金入りでジャオン掃討を名目として設立されたカオス教から指名された時に少し怪しんだものの率先して志願したのである。しかし、地球上での訓練期間中、反地球連邦政府を潰すためというような明瞭な目的は一切知らされなかった。
(カオス教はジャオンの掃討部隊ではなかったの・・・?)
小竜姫は心の中で呟いた。


「広い・・・・・」
横島はそのあまりに広大な闇を前に思わず息を呑んだ。
「横島君、宇宙は初めてか?」
「あ・・ああ」
横島はあたり一面の無の世界に目を奪われながらもかろうじて答えた。
「早めにこの無重力空間に慣れておいてくれよ。ここが主な戦場になるのだからなっ!」
「分かってる。」
その時左右から赤いMSと同タイプ色違いの二機のMSが二人の機体に接近してきた。
「見張りご苦労!シロ君、タマモ君。」
「その様子だと作戦は成功したんでござるな、西条殿?」
「ああ、見ての通りだ。今MK-Uには横島という男が乗っている。僕の勘だと彼も・・・ニュータイプだ。」
「それは凄いでござるっ!!タマモ、聞いたでござるか、ニュータイプでござるよっ!!
ああ〜会うのが楽しみでござる〜〜(ワクワク)。」
「シロ、はしゃぎ過ぎだよ。」
(ニュータイプ・・・・・か。)


四機は横一列になって前方にうっすらと浮かぶ白い戦艦に向かった。
「横島君、あれが我々ICPOの母艦「アーギャマ」だ。」
「すげえ・・・。」
横島は始めて見た戦艦のあまりの巨大さにしばし目を奪われた。
その艦のシルエットは、あきらかにかつての地球連邦軍の強襲用重巡洋艦の木馬のものであった。違うのは、全体の印象が、かつての重ったるい印象ではなく、より洗練されたマシーンという感じであることだ。
横島は、西条の指示に従ってその艦の上空に侵入した。
と、その時である。横島は地球連邦のMSが右翼から迫るのを見た。
「ど・・どうすれば・・・」
横島は慌てた。現在MK-Uには何の武器も装備されていなかったからだ。
だがその恐怖も一瞬で消えた。
後方から赤いMSの放ったビームライフルがそのMSのコクピットを正確に捉えたのだ。
次の瞬間、閃光が宇宙の闇の中に咲いた。
横島は絶句した。
「なんだっ?あいつは・・・?」
敵に対するとは違うプレッシャー。悪寒ではないが、極度に恐ろしい力。
横島はこの男の底知れぬ力を改めて痛感した。
「コイツ・・・危険だ。」


キャラ紹介〜〜〜
バ〇ク・・・・厄珍(合うキャラがいない・・)

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