ザ・グレート・展開予測ショー

病気のすゝめ 2 〜巧みな攻防


投稿者名:never green
投稿日時:(05/ 4/ 7)


「すんませ〜ん!遅れました〜。」

ついに決選の火蓋が切って落とされた。
手に下げた袋の中には、もちろん男達の夢『ホレクッキー』がある。
さらに横島は、この時間帯を狙っていた。
おキヌは学校、タマモはシロの里帰りに付いて行っている。
つまり美神と二人きり。横島を後押しするように絶好のチャンスが味方している。

「遅いわね。今日は仕事ないから帰っていいわよ。」
「へっ?」

予想外の言葉に頭の中がからっぽになった。

「今日から精霊石のオークションがあるの。二、三日戻らないからよろしくね。」

(なぁにぃいいい〜!!?)

美神の机の上には着替えやパスポート等が入っているであろう少し大きめのバックが置いてある。何も変哲もないそれを横島は少し睨み付けた。
場所はいつもの南アフリカらしい。
エミや厄珍や冥子といった日本のトップを誇るGSが参加するのでかなり気合いが入っている。
横島は瞬時にもう止められないと判断した。

「10分後には出るから。」

(10分で仕留めなければ…!)

「何慌ててんのよ。んっ、何よそれ?」

(チャ〜ンス!)

幸運にも美神は横島の手に下げた袋に興味を示した。
横島はここぞとばかりに行動に出る。

「あぁ、魔鈴さんがくれたんですよ。いろいろな薬品やハーブが混ざっていて  運気 がアップするらしいんです。」

   打開作1 薬品&ハーブでホレ薬の匂いを掻き消す。
   口実作1 魔鈴さんと言えば薬品と言っても疑われない!(ホントか?)

袋の中から某お菓子メーカーの箱が取り出され、美神の前のテーブルに置いた。

(怪しい…。横島君ならすぐ食べるはず…。)

美神は逸速く疑いを持った。横島は直方体の箱の側面を開けて、一列目の四つ重なったクッキーの棚をスライドさせた。
上目使いで美神を覗くと食べようという気配を見せない。

(やるな美神さん。だがこれも厄珍の予想通りだ!)

横島はすかさずパターンEに切り換える。
この展開は研究中に厄珍と模擬戦を何度もやってきた。

「うまそうすね!いただきます!」

一番上のクッキーを食べる。・・・美味しくない。

「おいしいっす!」

そう!ここが勝負所だ。前回までは先に美神に飲食させていたが先に食べた。
クッキーの安全面を、まず相手に見せて食べさせようという作戦。
運命の『ホレクッキー』は横島が食べた一つ下。つまり二段目にある。
それ以外は全部、横島がでたらめな薬品を使って作ったクッキーだ。



安全性を言えば、『ホレクッキー』の方が上かもしれない・・・。



笑顔の後ろでは、早く食べろ!と心の底から願っている。

「へ〜おいしそうね。」

ついに美神は運命の『ホレクッキー』をつまみ上げた。

(食べろ!食べろ!早よぅせえ!)

横島の目は 美神の顔→手→クッキー→口  と言う順に右往左往している。

「どうしたの横島君?」
「(ぎくっ!)いえ何でもありません。トイレに行ってきますね。」

先に食べる、に続いて作戦2を開始した。
厄珍とのトレーニングの結果、最後に食べる瞬間が一番怪しまれる。
との事から、美神が食べる時は席を外す事になった。
実際にトイレに行ってドアを開けると、クッキーは無くなっていた。

そして美神の顔を見つめると・・・。










「好きよ・・・横島君!」













          ぶちっ








横島の頭から何かのブレーカーが落ちた。



「美神さぁああああんッ!!」

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