ザ・グレート・展開予測ショー

目覚めて見れば…12


投稿者名:K
投稿日時:(05/ 4/ 2)

何とかハーピーの事件も何とか無事?終わり(美智恵が帰った後顔をだしたらボコボコにされたが)。

その二日後、約束通り唐巣神父から最初に任された除霊は山道にある浮遊霊の溜まり場の浄化だった



まあ正直除霊と言えるほど上等なものではなく浮遊霊のたまりやすい場所を盛り塩で清め神社で貰っ

てきた注連縄で簡単な結界を作って終わりという程度のものだったが、

まあ俺にとっては仕事の内容は関係ない、ようは心眼と会ったと言う言い訳を使えればれば問題ない

のだから。


目覚めて見れば…12


「はぁ…気が重い…」

今横島は心眼の人方バージョンの紹介のために美神の事務所に向かっているところだ。

「…凹む気持ちは分からんでもないが、美神殿を無視するわけにもいかんだろ?」

「まあそうなんだけど…でもなあの二人にあそこまで言われると流石にな…」

ガックリと肩を落とし横島が呟いた。


〜少し前〜

「…横島君…」

「…横島さん…」

横島が除霊の結果報告と心眼の紹介を兼ね教会に入ると二人が行き成り凍りつき、

解凍と同時にピートと唐巣神父が顔を見合わせたかと思うと、沈痛そうな言葉で語りかけてきた。

「大丈夫です!僕は…僕は!横島さんがどんな罪を犯そうと親友です!」

「えっ?」

「大丈夫です横島君…償う意思さえあれば神は貴方の罪を許すでしょう…」

「はい?」

二人はそう言って涙を流しながら横島の手をとったり肩を叩いたりしたが横島には何を言っているの

か分からず首をかしげる。

隣の心眼からは『何かやったのか?』と目で問われるが身に覚えが無いと首を振る。

「ピート…お前一体な「良いんです!横島さん…人は生きている限り罪を犯し続けてしまうものです

!重要なのは犯してしまった罪をどうやってそれを償っていくかです!」

横島の質問を遮り自己完結したピートの言葉に『うんうん』と唐巣神父が頷き、

心眼の前に進み出る。

「私は唐巣といいます…弟子の凶行を止められなかった情けない師匠ですが…今回の件は心から謝罪

させていただきます」

行き成りそう言って丁寧に頭を下げる唐巣に心眼も狼狽する。

『きょ、凶行?おい…お主本当に何をやったのだ?しかもこの姿の我とは初対面の筈ではないのか?

なのに何故我なのだ!』

『分かんない!本当に心辺りなんて無いぞ!て言うか便所と風呂以外殆ど心眼と一緒に居るだろ!』

『む…いや!こないだ'目的'のためだと言って一人で行ってしまったではないか、その時何かしたの

ではないのか?』

思念でそんなやり取りをしている心眼に唐巣がさらに言葉を続け混乱に拍車を掛ける。

「さあ、病院にいきましょう…あっ、大丈夫です知り合いの産婦人科の医師なので口も堅いですし信

頼もできます…その後に警察に行きましょう」

「??…産婦人…科?警察?その…すまぬが、唐巣殿…一体の話をしておられるのか我には分ぬのだ

が…説明していただけませぬか?」

流石に訳の分からない事が多すぎるので心眼が説明を求める。、

その言葉を聞いたピートと唐巣神父が『えっ?』といった表情で顔を見合わせた。

「えっと…その…横島さんが抑えきれなくなった黒い劣情をあなたにぶつけ傷物にした挙句、攫って

来てしまったんじゃないんですか?」

恐る恐るといったピートの言葉に、全てを察した横島はショックでビシッ!と固まり立ったまま気絶

した。

その後、気絶した横島の変わりに心眼が、

口裏合わせのために作った『除霊の時に怪我をしている心眼を横島が見つけ助けた。

そのお礼として自身をバンダナに括り横島の手助けをするために式になった』という出会いの話で誤

解は解けなんとか事なきを得た。

まあ、ハッキリ言って出来の良い作り話ではないがワザワザ疑う要素も無い、

加えて何もない所から心眼と横島が最初から知り合いだったと疑うよりかは現実的だろう。

〜回想終了〜


「俺ってどんな印象持たれているんだ?」

ため息混じりに横島が呟く。

「ほら!何時までもウジウジ悩むな。もうここまで来て考えても仕方が在るまい」

既に事務所の前だ。

先ほどのショックが抜けきらない横島を、心眼が引きずられるようにここまで来たのだ。

「そりゃそうだけどな…」

「キチンと最初から説明すれば美神殿も誤解せず分かってくれるはずだ。だからもう少しシャキっと

せい!」

「ああ、そうだと良いな…」(…なんかドツボに填まりそうな気がするんだよな…)

心眼の激励に大きく溜息を付き事務所の扉を横島が開けた。

結論…ドツボに填まりました。

………
……


「なぁ〜んだそう言う事か…もう、早く言ってくれれば良いのに」

自前の血の池地獄に沈んだ横島を前に流石に罪悪感があるのか美神の声は乾いている。

何があったかと言うと横島がドアを開けた瞬間神通棍が閃いた。

『!このクソ外道!馬鹿だとは思っていたしスケベなのは分かっていたけど!こんな子供にまで手を

出すなんて見損なったわ!』

ドアの隙間から心眼の姿が見えたのだろう凄まじい怒声と共に…閃いた神通棍が瞬く間に横島を血だ

るまに変えたのだ。

余りの早業に心眼も止める事が出来ず美神が疲れて手を止めるまで呆然とその様子を眺めているほか

手段がなかった。

「…………」

「えっと…初めまして、おキヌと言います。宜しくお願いしますね」

行き成り起きた惨劇に未だ目を丸くしている眼に気をを使ったのかおキヌがそう自己紹介をする。

「あっ…ご丁寧に、我の名は心眼。事情は今話たもので、この物の式となった。以後見知りおき願お

う」

「えっ心眼…さん?」

「うむ、我は名が無かったのでな…こやつに付けて貰ったのだ。

なんでも、前にバンダナに宿っていた者の名が'心眼'と」

「ふ〜ん…女の子に'心眼'か、まっ…横島君のセンスじゃしょうがないか」

「む…美神殿…今の言葉は撤回していただきたい」

「そうね…御免なさい」

心眼として小竜姫や横島を馬鹿にされて面白いものではないのだ。

美神も名前を馬鹿にするのは良くないと思ったのか素直に謝る。

「ほら!横島君!何時までもそんなところで寝てないでそろそろ起きなさいよ!」

(…それは無茶ではないのか?)

『ココまでやっておいてそれは無茶だろう?』と思っている心眼を他所に横島が頭を振りながら起き

上がる。

「…お主…大丈夫なのか?」

「…まあ美神さんの理不尽は今に始まった事じゃないから」

「だから、それは悪かったって言っているでしょ!もう!男の子なんだからグダグダ言わない!」

横島と美神の関係はある程度理解している心算だがあれ程のことをその程度で流す美神とそれを当然

と対応している横島にに心眼は顔を引きつらせる。

「で?今日は何しに来たの?この子の紹介?」

「まあそれがメインです…後は仕事があれば少し紹介してもらえればなぁ〜と思って来ました」

美神は給料を払わないと言っていたが一応横島が除霊に協力すればスズメの涙程だが給料を出してく

れる。

それに余り条件の良くない仕事は唐巣神父のところにも回してくれるのだ。

まだ100万円の報酬の残りもあるが、このあいだのハーピーの時に使った道具の補充や、

心眼の生活品なども必要なので余り無駄使いも出来ないので少しでも有難いのだ。

「残念ね…今日は何もないわ」

「あっちゃ…そうですか」

心眼の隣で既にリカバーした横島が『アテが外れた』と言う感じの声を上げる。

「全く…もうアンタはこの事務所の人間じゃないのよ?仕事位自分で探しなさいよ」

そう言う美神に横島が『そんな事言わないで下さいよ』と返し雑談モードに入りかけた時、

突然部屋の扉が開かれ冥子が泣きながら駆け込んでくる。

「おねがい玲子ちゃん〜〜!追われているの、かくまって〜〜!」

第一声がこれだったため最初こそ何が起こったのか分からず室内に緊張が走るが、

話を聞いているとガックリと腰砕けになるような内容だ。

『…いつもこんな感じなのか?冥子殿は…』

美神とのコントのようなやり取りを見た心眼が横島に思念でたずねる。

心眼のGS受験の時に受けた印象では戦闘中にも拘らず随分と落ち着いており、肝の据わったた感じを

受けていたからだ。

『まあ、おしなべ…でも凄い人ではあるぞ色々な意味ではあるけどな』

『そうなのか?』

今の状況を見ているとどう見ても'お子様'にしか見えない冥子を見て心眼が首を傾げながら言い争う

二人に視線を送る。

どうやら式神使い同士の決闘をしなくてはならないらしいが冥子はそれが嫌やしい。

「でもでも〜私果し合いなんてしたくないの〜玲子ちゃん何とかして〜!」

「そんなの私に言われたってどうにか出来る分けないでしょ!」

声を強気のようだが美神の腰は引けている。

冥子は涙目になり限界のようだ、

後一押しでメルトダウンを起こし原子炉の如く周りに厄災を撒き散らし下手をすれば事務所を崩壊さ

せるだろう。

その厄災を回避するべく頭を巡らしていた美神とふと視線を戻した心眼と目が合った。

………
……


「何で俺が?」「何故我が?」

「式神一族に伝わる、古いしきたりなの〜」

幽子が横島のと心眼の質問に答えるが内容は全く答えになっていない。

場所は六道邸の広大な庭に移っている。

あの後連れ帰りに来た六道婦人を美神が、

『六道のような名家が没落式神使いなんて相手にするなんて家名に傷を付けてしまうんじゃ無いんで

すか?

幸い横島君も式神使いですし代わりに…』と口先で丸め込み冥子の暴走を逸らしたのだその御蔭で事

務所崩壊の危機は回避された。

まあ、その結果として全く関係ない横島と心眼割を喰らってしまい、今に至った。

だが当然こんな話になって横島と心眼も収まりが付かないがそれ以上に収まりが付かない人達が居る



「わが鬼道家と六道家の運命をかけた真剣勝負に代理を立てるなんて随分と舐めたマネしてくれます

な!」

鬼道の父親が隈の浮いた行っちゃうた目つきで睨みつけてくるが横島達にはどうしようもない。

「まあ、いいんやないか父さん…代理人かて式神使いには変わりないんやろ?そいつの式神奪ってか

ら12神将奪っても変わりあらへんやろ」

鬼道がいきり立つ父親をそう宥める。

がここで横島にとって聞き逃せない言葉があった。

「…すいません…『奪って』何の話なんですか?」

「それはね〜『戦いに負ければ自分の式神を相手に差し出す』って言う約束事があるの〜横島君も負

けたら取られちゃうから頑張るのよ〜」

「ちょっと待て!おばばん!!」

『そんなの常識よ〜』といったように答える幽子にさすがに横島の自制心の限界を超えたようだ。

「うっ!…酷いは横島君…確かに私ももう若くは無いけど…いくらなんでも正面切ってババなんて…



「そんな事言ってないじゃないですか!俺が言いたいのは!」

「いいのいいのよ年寄りなのは本当だから…うぅぅぅぅぅぅぅ」

「くっ…えっと…鬼道だっけ?…お前だって俺となんか戦いたくないよな?」

行き成り泣き出す幽子の説得を横島は放棄しもう片方の当事者の鬼道に話をつけようとする。

「まっ、あんさんに怨みがあるわけじゃあらへんけど…六道に組した事を後悔するんやな…夜叉丸!

!」

「げっ!」「させん!」

行き成りけしかけられた式神が横島に襲い掛かる前に心眼が真横に吹っ飛ばす。

「サンキュー…心眼」

「くっ!式神使い同士の勝負に関係ない者が手を出すなんてルール違反や!」

「戯け…元々こやつに関係のある戦いでは無かろう?それに我はこやつの式だ主を守るのは当然だ」

「なっ!君が式神!?」

鬼道が目を向いて驚きを顕にするが、まあそれも当然だろう。

12神将や夜叉丸といった所謂高等式神はある程度の自我を持つが心眼のように喋る事はマズあり得な

いからだ。

「わかったならば早く式神を引かせろ。我らもくだらなぬ理由でお前と争う心算も理由は無い」

「くだらない…理由やて?」

心眼の言葉に驚いていた鬼道がピクリと反応し雰囲気が変わる。

「くだらない?ボクは!ボクは六道家に復讐するために平均的小学生の幸福を全て奪われ、

死ぬほどの修行をさせられてきたんや!それを…ボクの努力をくだらない!?」

『おい心眼…なんかヤバイ事言ったんじゃないか?』

『うっ…わ、我の責任か?我はお主を助けようとして…』

尋常では無い気を発しだした鬼道を前に二人が少しビビリ出す。

「み、美神さん!」

横島が助けを求めようとするが、

外野では『政樹はわしの復讐の道具としてきちんと育ててきたからな』と美神達に自慢する鬼道父の

声が聞こえるだけで、

横島の助けを求める声は届かなかった。

『…どうやら、戦いは避けられぬようだな…お主は下がっておれ』

外野の状況と鬼道の状態を見て心眼が横島に思念を送ってくる。

『何言ってんだよ!心眼だけに戦わせる分けに行くかよ!それにお前…まだ戦う術が無いだろ!』

『む?我を舐めないでもらおうか…何時までも戦えないと思わないで貰おう…それにここでお主の'

力'を見せても益はあるまい?』

『うっ…そりゃ無いけどよ』

『ならば我に任せよ。お主…前に言ったな、我は'相棒'だと…そう思うなら信じよ…それとも何かそ

の場のみの戯言だったのか?』

『……分かったよ。信用して任せるからな…裏切らないでくれよ!』

『うむ…任された』

「ボクは…六道家を潰して幸せになるんや--!!」

心眼が戦うと決めたと同時にテンパった鬼道が叫び夜叉丸が突っ込んでくる。

「舐めるな!」

気合と共に夜叉丸の攻撃を受け止める心眼のてには片方ずつに棒状の霊波を固めた物を持ったいた。

「霊波刀!?」

そうなのだ、横島が使う霊波刀よりも半分よりも少し長く小太刀のようだがモノだが紛れも無く霊波

刀だ。

その二振りの霊波刀と交差させ夜叉丸の攻撃を心眼が防いだのだ。

まあ、今の心眼の核となったバンダナの心眼を作ったのが『神剣の使い手』といわれる小竜姫で、

生まれ変わらせた横島も霊波刀の使い手なのだから別に心眼が霊波刀を使えても不思議ではないだろ

う。

「式神が霊波刀やて!?」

左右の刀で夜叉丸に切りかかる心眼に鬼道が驚く。

確かに式神の中には12神将程高レベルならば火や雷を使える者も居るがそれとて少数だ。

しか高度な霊波刀を使える式神など普通はまずあり得ない。

「隙あり!」

霊波刀の驚きで一瞬気が逸れた鬼道の隙を突き心眼の霊波刀が夜叉丸を袈裟懸けに切り付ける。

「がっ!」

式神のダメージは術者に帰る。100%ではないにしろ斬られたダメージを受けては勝敗は付いたと言っ

ていいだろう。

「勝負あり…だな」

「…ボクの…負けや」

鬼道のその言葉と共に夜叉丸の首筋に突きつけていた霊波刀を心眼が消し決着が付いた。

………
……


「政樹!」

バキッ!

鬼道の父親の怒鳴り声と鈍い音と共に鬼道が吹っ飛ばされる。

心眼が霊波刀を消すと同時に鬼道が父親に殴られたのだ。

「貴様!六道に負けるなら兎も角あんな間抜面の男の…」

『ゾリ!!』と言う剣呑な音と共にもう一度、鬼道を殴りつけようとしていた父親のヒゲの半分がバ

ラバラと落ちる。

「下郎が…二度は許さん。それに…まさかとは思うが『間抜面』と言うのは我の主を言っておるのか

?」

「き、貴様…鬼道家の頭首に「この場で首を切り落とされるか…いますぐ我の視界の外に行くかどち

らを選ぶ?」

ピタリと二振り霊波刀を喉元に突きつけ抑揚のない心眼の声に鬼道の父親は言葉を失い顔を白くし慌

てて走り出す。

「ふん!クズめが…お主も何時までそうしている心算だ?」

地面に座り込み呆然としている鬼道に心眼が声をかける。

「…もう良いや…戦いに負け、父にも見捨てられた…ボクにはもう何もあらへんもう…終わったんや

…」

「…本気で言っておるのか?」

「本気も糞もあれへん…仕方がないのや…あんさんの主に言っといてくれ、夜叉丸は良い式神や…よ

ろしくたの、ゴハッ!!」

鬼道が話している途中で行き成り心眼が殴りつけたのだ。

「なっ!行き成りなにするんや!」

「ふん!クズの子はクズか…」

「な!なんやて!」

吐き捨てるように言う心眼に対し鬼道いきり立た。

「何故?それはこちらの台詞だ、何故諦める?お主のとって式神はその程度でモノなのか?」

「そんな分けないやろ!子供の頃からの唯一の友達で唯一の味方や…分かれたいわけあるか!」

「ならば何故諦める?何故取り返そうとしない?お主は今まで多くの物を犠牲にして修行してきたの

だろ?

ならば何故友を取り返すために努力をしようとわ思わんのだ!」

心眼自身元は使い捨ての式神の様なモノだった。

横島の様に対等に付き合ってくれる者が特異なのは重々承知してが、それでも鬼道のように簡単に諦

める奴が許せ無かったのだ。

「…確かにそのとうりや…先ほどの言葉は撤回や…夜叉丸は必ず取り返す。それまでよろしく頼んま

す」

「うむ…それで良い…」

今までの言葉が嘘だったかのようにやさしい口調でそう言い柔らかく微笑んだ。

その様子に鬼道は魂を抜かれたように魅入られた。

「ああ、そうそう言い忘れておった…我の主は正規の式神使いではない…

なので新たに式神を手に入れても余り意味が無い筈だ…なあ、横…島?」

そう言って横島達の居る方を振り向いたが振り向いた心眼の目に飛びこんで来たのは予想外の光景だ

った。

横島は美神に捕らえられ『あの子はアンタには勿体無いわ!横島!心眼を私に譲りなさい!』と首を

絞められ勝負が付いた事に気が付いていない。

事の発端となった六道親子に居たっては何処からか持ってきたのかお茶を飲みながら談笑している。

唯一おキヌが心眼に気が付き何とか美神達に伝えようとしているが実を結ばない。

ようはおキヌ以外誰も心眼と鬼道の戦いに注意を払っていなかったということだ。

その様子を見た心眼は無言で両手いっぱいに飛刀のような霊波刀を出し一気に投げつける。

ドス!ドス!ドス!ドス!ドススス!!!

さすがに皆自分の側に恐ろしい音と共に霊波刀が着弾すれば嫌でも気付くすぐに飛んできた方に目を

向け皆一様に固まった。

今日の心眼の服装は白を基調としたワンピースだ。

長い絹のような髪と相まって心眼の清楚さを際立たせている。年若いが間違いなく『美しい』という

言葉が似合う。

表情も最高級の優しい笑みを浮かべておりその微笑みは老若男女関わり無く魅せられるだろう…

両手に持ちきれない程の飛刀型の霊波刀が無ければだが…

「横島…お主は本当に我の事を信頼してくれたようだな…我のこと等髪の毛程も心配せんほどにな…

それと、美神殿…冥子殿…幽子殿…今日は己方のお陰で今日は随分楽しませて頂いた…礼をせねばな

るまい…」

ハッキリ言ってなまじ綺麗過ぎるために今の心眼は霊波刀と相まって怖すぎる。

即座に4人そろって『結構です!』といったようにブンブンと首を横に振るがそれが心眼に通じたと

はとても思えない。

「遠慮することは無い…返礼だ…受け取れ!!!」

その日、何かか風を切り裂く音と共に四者四様の悲鳴が長らく六道邸に響いたという。


〜追記〜

心眼に追いかけられた恐怖で冥子が式神を暴走させるなどして混乱に拍車をかけた。

そんな阿鼻叫喚の地獄絵図を見ていた青年がポツリと呟いた。

「心眼はん…ボクはもっと強ようなって何時か貴方を…」

その呟きも逃げまとい泣いている男女の悲鳴に直ぐにかき消されたが、

奇しくもこれが平均的小学生の幸せを奪われた男の初恋だったとか…

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〜あとがき〜

思った以上に忙しかった…更新のペースが落ちるかもしれません是非読んでください。


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