ザ・グレート・展開予測ショー

おキヌの夕焼け10 〜捜索→合流→捜索!


投稿者名:never green
投稿日時:(05/ 3/19)


富士の樹海


木がうっそうと広がっている。
「霊気を感じますね…。」
「せっしゃもかなり感じるでござる!しかし霊力を感じる場所は大体しか分からないでござる。」
「そうね。とりあえず小竜姫様が封印したって言う石碑に行きましょう!」
歩きながら地図を見ている美神が言った。
「えっ?それって危ないんじゃ…。」
これには美智恵が答える。
「そうよ。だけど相手も石碑を探しているから、こっちが先に見つけない事には作戦が立てれないわ。」
「とりあえず探すのよ!」
美神の声が響く。
「こ、こんな所を永遠と探し続けるなんて…。」
タマモは明らかに顔が引きつっている。
「大丈夫よ。大体の場所は小竜姫様の所から聞いたから。」
「ママ。そこって、あとどのくらい?」
「たぶん一時間くらいよ。」
美智恵は軽く言う。
「し、死ぬ…。」
「情けないでござる。」
とシロが呟く。
「散歩だけが趣味の犬に言われたくないわ。」
「狼でござるっ!そっちだって、きつねうどんだけでござる!」
「ふんっ。あんたみたいに走り回るだけの馬鹿じゃないのよっ!」
と言いつつ、足を進めていくタマモ。
シロは言い返そうと思ったが背後から、ただならぬ殺気を感じた。
シロの顔は凍り付いた。吊られてタマモも凍り付く。

「シロちゃん、タマモちゃん。今、ここで殺されたい?」

「い、いいえ(でござる)…。」
それ以降、二人は喋れなくなった。成長のない二人である。


−40分後………

「もうすぐよ皆っ。頑張って!」
美智恵は皆に気合いを入れる。
「なにか感じない?タマモちゃん。」
「うん。強い霊気を感じる。それに他に別のも…。」
「別のも?」
美神が聞く。
「沢山の霊気を感じるでござる。」
これにはシロが答えた。
「何かしら?霊団かしら?」
「う〜ん。めんどくさいわね〜。で、どこらへんに居るか分かる?」
「大体でござるが、このまま真っ直ぐ行けば見つかるでござる。」
「困ったわね。出来るだけ戦力は残しておきたいから…。」
美智恵は頭を抱えた。
「だけど進まないと石碑は見つからないんじゃないですか?」
「そうね!おキヌちゃんの言う通りだわ!シロ、タマモ、居場所が分かったらすぐ知らせなさい!」
「了解(でござるっ)。」
二人は返事をした。
しばらく歩くと沢山の霊気は確実なものになった。
「美神殿、もう近いでござる。」
「そうね…。ここで作戦を立てましょう!」
美智恵が作戦を話すその時だった。


−ドォォオオオン!−



「!!?」
全員は煙の上がった方向を見た。
「今の爆発!?ラボロスよっ!まずいわ!」
美神達は走り出す。
「きっと霊団に攻撃したんだわ。まずいわ、石碑はかなり近くにあるはずだから!」
走りながら美智恵は言う。

着くとそこには木が数本倒れていた。
「マズイわっ!ラボロスが復活する前にトドメをささないとっ!」
しかし前には予想通り霊団が沢山いた。
「シロ、タマモ、おキヌちゃん!ここは頼んだわっ!私とママはラボロスを追うわっ!」
美神はおキヌに結界を作り上げ、美智恵と一緒に走り去っていく。
霊団が美神らを追い掛ける。
「待って!あなた達の相手は私達よ!」
おキヌはネクロマンサーの笛を吹く。
タマモとシロは動きの鈍った悪霊を狐火と霊波刀で払っていく。

走ってすぐ前方に黒い影が見えた。
「いたわ!観念しなさいラボロス!極楽に送ってあげるわっ!」
二メートルくらいの背丈を持つ男だった。
霊力を身に纏った槍を持っている。
槍と言っても、刃先は長く、刺すだけではなく払う事も出来そうだ。
男は笑っていた。
「ほぉ。GSか…。我を倒そうなど百年早い。」
眼は深い茶色の色で邪悪に満ちていた。
「言ってくれるじゃない…。」
美神はそう言うと神通棍をラボロスに振り落とす。
ラボロスは槍を上に振り上げそれを防ぐ。

−バチィィイイっ!−

辺りに火花が散る。その隙に美智恵も神通棍で斬り掛かるが手応えがない。
斬られたのはラボロスの残像だった。
「は、速い!」
そのまま後退して、手に霊力を込めて霊波泡のようなものを二人に打ち込む。

−バァァアアアン!!−

辺りに砂埃が舞う。風が吹き煙りが晴れていく。
ラボロスはいなかった。
「しまった。今のは囮よ令子!奴は石碑を探しに行ったわ。」
「私から逃げるなんていい度胸じゃない!」
二人は奥に進んだ。

「おキヌちゃんまだいける?」
「えぇ。なんとか!」
「斬っても斬ってもキリが無いでござる!」
三人は一進一退の攻防を繰り返していた。
霊団は大分減ったが半分も減っていなかった。
「私も結構霊力を使ったわ。シロ!どう?」
「まだまだいけるでござる!」
と言った隙に悪霊はシロに襲いかかる。
タマモはシロの所に飛んで行き、狐火を放った。
「まだまだね!」
「ち、ちょっと油断しただけでごさる!」
と言っているが二人とも油断していた。
タマモがシロの援護に出たので陣形が崩れてしまう。
もちろん狙われるのはおキヌ。
霊団はここぞとばかりに美神が慌てて作った結界を攻撃する。

−バキィィイイン!−

さすがの結界も大量の悪霊の前では刃が立たなかった。
「おキヌ殿っ!」
タマモとシロが追い掛けたが無理だ。
(やられる…。)
おキヌは眼をつぶった。




−バシュュュゥウ!!−



予想していた衝撃は来なかった。そこに立っているのは一人の男。
回りの悪霊は一掃されていた。
「ふぅ〜。何とか間に合ったな。大丈夫かおキヌちゃん?」
「え、あ、はいっ。助かりました。」
おキヌは唖然としていた。
「待つでござる!おキヌ殿に手を出すな!」
シロは男に向かって霊波刀を構えた。
(おいおい…。記憶がないとはいえ、シロに霊波刀を向けられるとはな…。)
男は頭をかいた。
「大丈夫。おキヌちゃんに手を出さないよ。おれの名前は横島忠夫だ。」
横島は苦笑いをしながら答えた。
文珠の「捜」を使っておキヌ達に追い付いたのだ。
(この人どこかで見た…!)
おキヌはまだ口をあんぐり開けたまま横島を見つめていた。
(ま、まずい。警戒されてるよ…。)
「け、警戒しなくても大丈夫。小竜姫様の仲間だよ。」
それでもシロとタマモ警戒を解かなかった。
(わ、悪い人じゃないみたい…。むしろなにか懐かしさを感じる…。)
「何しに来たの?」
タマモは威嚇する。
「ん?あぁ、ラバロスつ〜奴を倒しに来た。」
「あ、あの〜ラボロスですよ。」
おキヌはつっこむ。
「あっ、それそれ。で、ラボロスが封印を解いて空間隔離を使われる前に倒さなきゃならね〜んだ。」
(と、とりあえず横島さんって人にお礼言わないと…。)
「あのっ!さっきはありがとうございます。」
おキヌはお礼を言う。
「ああいいよ。それより美神さんがいないんだけど、知ってる?」
「ラボロスを追って行ったわ。」
タマモが言う。まだ樹海に残っていた悪霊が現れた。
「そうか。じゃあ行ってくるよ。霊団も少ないし、おキヌちゃんのネクロマンサーの笛を使えば大丈夫だな。」
辺りを見渡しながら判断する。
(えっ?なんで私の事を…。なにか昔もこんな感覚が…。)
横島は走り去ろうとした。
「待って下さい。私も付いて行きます!」
「おキヌ殿!危険でござる!」
「そうよ!こんな奴なんかに付いて行っちゃだめよ!襲われるわよ!」
(いつもタマモには言われるけど、初対面で変態扱いだと!おれは見た感じだけで変態か!?)
横島は複雑な表情をする。
「私の事なら大丈夫よ!美神さんの所まで案内しないといけないから。こっちです横島さん!」
おキヌは横島を追い抜き先に走って行った。
(別に「捜」を使えば大丈夫なんだけどなぁ。まぁいいか、もう行っちゃったし。)
「タマモ、シロ頼むぞ!」
そう言い残して横島はおキヌを追った。



「横島さん。昔会った事ありません?」
樹海の中を走りながらおキヌは横島に聞く。
「う〜ん。あったも何も一緒にいたんだよ。」
横島は頬をぽりぽり掻きながら答えた。
(やっぱり!何かそんな感じがする…。)
しばらく走ると戦闘の後が残っていた。
「仕留め損ねたのかなぁ…。」
周りの痕跡を調べながら横島は言った。
「けど美神さんのお母さんも来てたのに…。」
「えっ隊長も来てるの?」
「隊長さんを知ってるんですか?」
「もちろん。おキヌちゃん。少し静かにしてくれないかな?」
横島は眼をつぶる。何かするのだろうと悟ったおキヌは返事はせず黙った。
気を集中して周りの霊力を感じる。これも修行の成果。
しばらくして横島は言った
「おかしい…。」
「何がですか?」
「実は霊能力者の気配が一人しかしないんだ。霊力からして隊長さんだな…。」
しばらくしておキヌはピンときた。
今回の相手の特徴。それしかない。
「じゃあまさか美神さんは…。」
「あぁ、そのまさかだよ。復活したんだ…。ラボロスは美神さんに空間隔離を使ったんだ。」


横島達は美神美智恵を追った。




あとがき〜

疲れた。やっと戦闘かと思ったらこの話じゃはいれなかった〜(泣)。
あとコメントの質問お返します。
名前の読み方はネバ〜グリ〜ンです。自分が好きな歌の名前です。
あとヒャクメの言葉使いも訂正しないといけないなぁ。ってか、出てくるのか?
これからもコメントよろしくお願いします。
これからも毎日更新と、コメントをもっと貰えるようにがんばっていきます!

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