ザ・グレート・展開予測ショー

おキヌの夕焼け8 〜修行、修行を経て、


投稿者名:nvere green
投稿日時:(05/ 3/17)


妙神山

(そっか。小竜姫たちも記憶が無いのか…。やっかいだな…。)

横島は今頃になってその事に気付いた。
あ〜しよ、こ〜しよ、と考えている間に入口まで着いてしまった。
(また同じ展開をおれは見なくてはいけないのか…。)
呆れてたがそれもしかたない。門に手をかける。
「何をするか無礼者−ッ!!我らはこの門を守る鬼、許可なき者我らをくぐることまかりならん!」
(言葉が昔と変わっちゃいねぇよ…。)

その後の台詞も知っている。そして言い終わったころに出て来る小竜姫も。
「この「右の鬼門」!そしてこの「左の鬼門」があるかぎり、お主のような未熟者には決してこの門開きはせん!!」

− ぎ〜っ −

「あら、お客様?」
「今回は3秒もたってないな…。」
横島は展開を知っていただけに驚きもしなかった。
「不用意に扉を開かれては困ります!我らにも役目というものが…!!」
「あぁ、横島さん久しぶりです。ってあれっ?一人…ですよね?」
「!?何でおれの事覚えるんですか?呪文にかかったんじゃ…。」
小竜姫は横島を覚えていた。
「小竜姫さま!お知り合いですか?」
「知っているも何も…。呪文…?なるほど…。」
小竜姫は一人で納得していた。
「とりあえず中で話をしましょう。大体の見当はつきましたけど。」
小竜姫と横島は中へ入って行った。

−小竜姫達の家

「へぇ〜!なかなか広いですねぇ。」
「えぇまぁ。美神さんが建て直してくれましたから…。
ってそんな事じゃなくて用件は?」
「もちろん修行です。」
「まぁそれしかありませんね。」
「あっ、あと人間界でおれを知っている人は…。」
「いないって言いたいんですね?」
横島は驚いた。
「な、なんでそれを…。ヒャクメの千里眼とかですか?」
「いいえ。鬼門が横島さんの記憶が無いって所でピンときました。」
横島はいきさつを話した。
「なるほど。それでここは結界が強く届かなかったという事ですね…。」
「そうなんです。そういえば他のメンバーは…?」
ここまで来るが妙神山のメンバーには会わない。
少し不思議に思った。
「あぁ。実は極秘なんですが竜族危険人物ブラックリストの一人が発見されたんです。しかし仕留め損ねてしまって…。」
「えっ!?メドーサみたいなのっすか?」
「はい。それで全員総動員で捜しているんです。まだ完全体になってない中に倒さないと危険なので。」
妙神山のメンバーが総出なのを聞き事が深刻なのが分かる。
「で、なんで小竜姫様はここに居るんですか?」
横島はごもっともな意見を発言する。
「今回はかなり深刻な問題なので、他の神族が出動しているので私は控えと言う事になってます。」
「小竜姫様でも控えなんですか!?」
横島は驚いた。
「もちろんです。上には上がいるので…。ところで話を戻しますが…。」
これ以上話を続けると自分の強さが疑わしげになると感じた小竜姫は話を打ち切り横島の当初の問題を切り出した。

「あぁ。まぁ、とりあえず強くなりたいっす。出来れば一番最初に来たときみたいなのじゃなくて戦術とかを教えて欲しいっす。」
「美神さんは教えてくれないのですか?」
横島はたいていの日常を話した。
と言うか美神に戦術などあるのか?
「じゃあとりあえず実力を知らなければなりませんね。少し相手をしましょう。」
「えっ?相手って何の相手ですか?まさかっ…。」
小竜姫は呆れた。久々に見たが相変わらずだ。
横島の目はこれ以上にマジになっている。小竜姫は剣を取った。
「わぁぁあっ!冗談ですよ冗談!」

とりあえずやってみる事に…。

−ガキッ!−

「うわっ!参りました…。強いっすね〜小竜姫様。」
横島は尻餅をついて言った。しかも全く相手にならなかった。
もちろん文珠はなしで。文珠は万能ではないがほぼ反則的だ。
「ふむ、詳しいデータはヒャクメが居ないので分かりませんが霊力はかなりありますね。」
横島の霊力は日本人の中では三本の指に入る実力だ。
「しかし動きに無駄が多いですね。霊波刀やサイキックソーサなどの維持するときに霊力の放出が不安定ですね。」
ふむふむと感じながらも、実はどうしたらいいかなど分からない。
小竜姫が分かりやすく説明する。
「つまり一定に霊力を放出する力が必要です。それには集中力が要ります。剣術や体術は私が稽古をつけましょう。」
それから横島は妙神山に篭って修行をした。
特に集中力をつけるために座禅や滝に打たれる、などの普通の人間でもやれそうな事から取り掛かった。そして除々に修行のレベルを上げていった。体術や剣術は小竜姫がみっちりと扱いた。
三週間ほど経つと横島は来た時と違い格段に強くなった。

「これで修行は終わりです。格段に強くなりましたね。」
「いえ、これも小竜姫様のお蔭ですよ!」
その言葉に小竜姫は少し赤くなる。
「で、この後はどうなさるんですか?人間界に戻って記憶を…。」
「いえ、世界を回ろうと思います。もうちょっと考えたい事もあるし。」
「いいのですか?皆さんの記憶は消えっぱなしですよ。」
「大丈夫です。なんか集中力を身につけてから冷静になってしまって。考えてみると自分の存在意味はあそこにあるのかなぁ?と思って…。」
小竜姫と横島は黙ってしまう。
「………。確かにそう思うかも知れませんが、皆さんは横島さんの事を必要としているんですよ。」
暗くなった横島から言葉が出る。
「ありがとうございます。小竜姫様が言う事は真実だと思います。だけどそれを自分で感じることが出来ないんです。」
無理も無い。これまで散々美神に奴隷として使われいた。
そんな横島には美神が必要意識など持っているとは思わない。
シロからは多少感じるが…。
「だから、もう帰らなくてもいいのかなって…。」
「!! 気持ちは分かりますが…。そういえばこうなったいきさつは聞きましたが、理由は聞いてませんね。聞かせてもらえませんか?」
横島は話した。

「じゃあ尚更あなたは美神さん達の所に戻らないといけないんじゃないんですか?おキヌさんが大切な人としたら!」
「分かってます。ここに来たのもおキヌちゃんや他の人を守るため力をつけに来ました。だけと自分には力がまだまだ足りないと思うんです。」
さすがにこの言葉には言い換えせない。
足りると言っても彼女達を守りきれるという保証はどこにもない。
未来は誰にも分からない。
「分かりました。けど約束があります。」
「?おれに出来る事ならいいですけど…。」
「必ず美神除霊事務所に戻る事!それと修行の成果をここに来て報告すること!約束できますよね?」
「分かりました。約束します。」

こうして妙神山での修行は終わった。しかし今度は世界に向けて修行に行く横島だった。




あとがき〜

こんにちは。読んで頂いている方、本当に感謝です。
前回のコメントの質問の通り妙神山には結界が強いので小竜姫達には効いてません。
だけど事務所の結界は破ったことになっています。(美神達は外にいたから関係ないけど。)ちょっと書くとき気になったんですが、鬼門は結界の中に入ってるのかな〜と思いました。あれはドアだからと思い、ここでは結界には入ってない事になっていますがどうなんでしょう?
入ってないのなら、ちょっとかわいそうな気が・・・。
題名とは裏腹におキヌが出てませんが、次こそは・・・。

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