ザ・グレート・展開予測ショー

おキヌの夕焼け3 〜美神○の疑惑!?


投稿者名:nvere green
投稿日時:(05/ 3/13)

美神除霊事務所

「ただ今帰りました〜。」おキヌは元気よく事務所のドアを開いた。タマモとシロは今にも死にそうな顔をして、おキヌに飛び付いた。
「どうしたのシロちゃん?タマモちゃんまで…。」
「おキヌ殿遅いでござる!せっしゃ腹がへって死にそうでござる!」
「おキヌちゃん、早く油揚げ…。」
二人の会話を聞こえたのか奥の扉から美神が現れた。
「おキヌちゃん遅かったじゃない何してたの?」
「あっ、いや、商店街で友達と会って話してたんで…。」
しかし、何年もの付き合いだ。しどろもどろに答えるおキヌを見逃さなかった。「あの、おれって前回と扱い違いませんか?」
相手にされていなかった横島は事務所の入口で一人呟いた。このギリギリの発言を(も)美神は見逃さなかった。
「なんであんたがここにいるのよ?」
ようやく相手にされたのか、横島は元気よく答えた。
「飯もらいに来ました〜!」
「はぁ…。まあ、いいわ。」
「あれっ?今日は怒らないんですね?」
(これってまさか、美神さんおれに甘えたいってことか!?)
「う・うおぉぉぉ〜!美神さぁあああんっつ〜!」

−ドコッ!バキッ!−

「まだ殴られたい?(にこっ)」
「いえ、も〜結構です…。(ばたっ)」
また溜め息をついた美神は口を開いた。
「あんたに除霊を頼もうと思って、連絡するつもりだったのよ。」
「はぁ、まあそれは構いませんが、どこですかそこ?」
「商店街の近くの公園よ。」
「へ?今なんて言いましたか?美神さん。」
「だから、商店街の近くの公園よ!」
作ったご飯を運んでいたおキヌが答えた。
「そこって、さっき横島さんが除霊した所じゃないですか!」
「え?横島!あんた除霊したの?」
「はぁ、まあ除霊しましたよ。」

    −バキッ!−

「な、なんで殴るんですか!?おれ悪い事なにもしてないっすよ!」
血を流しながら横島は必死に訴えた。
「(ハッ!)…。」
美神も首をひねった。
「最近、考えなしにおれを殴ってません?殴る主旨が変わってますよ…。」
「…。」
全員が沈黙をした。その沈黙を破ったのは以外にもおキヌだった。
〜おキヌの心〜
(こ〜いうのってなんて言うんだっけ…?あっ、思い出した!)
「美神さんって、やっぱり○なんですね?」
「!!」
横島は飲んでいたお茶を吹出し、口からお茶がぽたぽた垂れていた…。おキヌ以外全員がこの世の終わりのような顔でおキヌを見つめていた。
「お、おキヌちゃん意味、分かって使ってる?」
と美神。
「え?どうしたんですか皆そろってびっくりして…。私、変な事言いましたか?」
「っていうか、おキヌちゃん!どこでそんな言葉覚えたの!?」
と今度は横島。
「某○○書店の雑誌で知りましたけど…。」
「いい?おキヌちゃん。そういう言葉はこのコーナーには出せないの。だからもう使ったらダメよ。」
「はぁ、意味不明ですけど、とりあえず使わなきゃいいんですよね?」
「そうよ。もうこの話は止めてご飯を食べましょう。」
〜横島の心〜
(教えるポイントが違うでしょ…。けど確かに美神さんってそうかもしれないな。考えたら軽く一冊でニケタは殴られとるしな…。)
「横島君、聞こえてるわよ…。」
「はっ。またこの癖がぁああああ〜!おれ美神さんが○だなんて思ってませんよ!」
「へ〜。○って思ってたんだ…(にこっ)。」
「ぎゃやややぁあああ〜!また墓穴をっ!すんませ〜ん〜!!」

−ドコッ、バキッ、メキョ!−

この時タマモとシロは…。(○だ…。絶対○だ…。)と台所で震えていた。
「へ〜。シロちゃん、タマモちゃん、誰が絶対○だって?」
普段は呼び捨てで呼ぶ美神あったが今回はちゃんずけで呼んでいた。こうなったときの美神は危険なのは誰でも知っている。
「ぎゃああああああああああ!!」

台所から出て来た美神は、
「おキヌちゃんご飯食べましょう?」
「あの、いいんですか?三人とも…。」
一人と二匹の命は燃え尽きようとしていた。

夕食も済ませ一息ついたメンバーはごろごろと時間をつぶしていた。だか夕食前あんなに元気だった横島はあまりにも元気がなくなっていた。気付けば夕方にはあんなに良い天気だったが、雨が降り始めた。明日は土曜だというのに…。時計の針が十一時を回った。
「じゃあおれそろそろ帰りますね…。」
「じゃあついでに除霊した所の報酬もらって来てくれる?どうせ給料前だから歩きでしょ?」
「じゃあ給料上げて下さいよ。」
と呟いたが今の横島にはそんなことを言う勇気はなかった。
「じゃあここが依頼先だから。ネコババしたらどうなるか分かってるわね?(にこっ)」
「分かってますよ…。」
溜め息をついて横島は言った。
「横島クン元気ないわね?悩むのはいいけど仕事に自分の私情を挟まないでね!」
横島はその言葉を聞いて傘を持って帰って行った。
「あの美神さん、私横島さんに付いていっていいですか?」
(やっぱり横島クンの悩みはおキヌちゃん絡みね…。しかたないわね。)
美神は少し渋ったがそれを認めた。
「いいわ。そのかわりネコババしてないかしっかり見とくのよ!」
そう言うと美神は事務所を後にした。
(私も横島さんに追い付かなきゃ!)

事務所を出たおキヌだったがある問題に気付いた。傘がないことだ。
(傘がない。どうしよう…。横島さん追い付いたとき入れてくれるよね?けどそれって…まさか…きゃ〜きゃ〜私って、私って!)
しかしそれを行動に移せないのがおキヌだった。おキヌは事務所の玄関を行ったり来たりしていた。
「おキヌちゃん。相合い傘したかったら早く行けば?」
いつまでたっても行かないおキヌを見てタマモはおキヌに問いかけた。その言葉を聞いたおキヌは彼のもとへ雨の中を走った。自分を大切な人だと言ってくれた大切な人の所へ。
5分くらい走った。すると暗い道路の先の中に見慣れた背中が見えていた。
「横島さ〜ん!」
おキヌの声を聞いた横島はびっくりして自分のもとへ走ってくるおキヌを見つめていた。
「どうしたの!?びしょ濡れじゃない!」
横島はいつも着慣れた上着を脱ぎおキヌにかぶせ傘におキヌをいれた。
「えへへっ。付いて来ました〜。」
「付いて来たって!風邪引いたらどうするんだよ!事務所に戻ろう!」
びしょ濡れになったおキヌを心配した横島は事務所に戻そうとしたがおキヌは反論した。
「ダメです!美神に言われてネコババしてないか見ろって言われましたから。」
確かに言われたが、付いて行きたいと言いだしたのはおキヌだった。いくらあの冷酷非情の美神といえどもおキヌにはそんな事させない。(横島ならともかく…)
「だけど…。」
「だけどじゃありませんよ。美神さんの命令ですよ。」
嘘だ。命令ではなかった。しかしそこまで言わないと横島は許しそうになかったからだ。なんせ、鈍いと言えばだれもが横島と答えるほどこいつは鈍かった。結局これ以上言っても無駄だと悟った横島はおキヌと一緒に依頼先まで歩いて行った。
報酬をもらい、
「じゃあ、帰りましょうか?」
とおキヌが言い二人は歩き出した。
が、依頼先の道の前で二人は止まってしまった。二人とも帰る方向が違ったからだ。
「事務所まで送るよ。」
横島は優しいおキヌに言った。しかし事務所から依頼先までは30分はかかった。おキヌには横島をそこまで気を使わせたくなかった。
「で、でも横島に悪いですよ…。」
さすがにおキヌには横島のアパートに泊まりたいとは言えなかった。雨はさらに勢いを増していった。
「ははは、大丈夫だって本気を出せば事務所からアパートまですぐ着くから。」
いくら鈍い横島でもおキヌの考えは分かった。自分に気を使っていることを。
(ど、どうしよう事務所まで送ってもらうのも悪いし、家に泊まりたいなんて言えないしなぁ…。)
考え込んでたおキヌに横島が話しかけた。
「ねぇ、おキヌちゃん?何か感じない。」
「え?そういえば少し霊の気配が…。」
おキヌは考えに夢中で気付かなかったが確かに霊の気配だった。
「悪霊かな…?知らなかったことにしようか?」
「何言ってるんですか。除霊しましょうよ。人を助けるためにゴーストスイーパーがあるんでしょ?」
「それはいいけど…。おキヌちゃん大丈夫?ネクロマンサー笛もないし…。」
「ネクロマンサーの笛ならありますよ!」
おキヌの右手にはどこから出したのかしらないが確かにネクロマンサーの笛がしっかり握られていた。
横島はどっから出したんだよって顔をした。
「それに私は横島さんの大切な人なんですから守ってくれますよね?」
その言葉を聞いて真剣な顔で言った。
「分かった、じゃあ行こう!おキヌちゃんは必ず守るよ。」
「頼りにしてますよ〜。」
おキヌと横島は現場へと歩いて行った。


しかしこの除霊がきっかけで横島のある思いを強くしていく事になった。

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