ザ・グレート・展開予測ショー

極楽大作戦 de 時代劇 第三幕、巻ノ参


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(05/ 3/ 3)

「では御坊、数馬様、ワシは一度城代に戻るとしよう、これでも仕事が溜まっておるのじゃ」
美神藩の古刹、唐巣寺での一息は終わりという事で急ぎ城に戻る家老の毒田薫栖(ドクターカオス)である。
北西での西条等が覇亜非亥を退治している頃であろうか。
暦の上では既に秋になっている。事実既に山間の寒さを感じる日もあるが、まだ本格的な寒さが来てないのである。
その所為で紅葉というよりも、緑と紅の半々といった所か。
四半刻(三十分程)で城に戻ると。
「ご家老様!少しお話が、お時間は宜しいでしょうか?」
建物に入る前に、馬飼役(馬廻役とも)の蛮玄人が声をかけた。
江戸の時代は藩が一国に相当するとして、有る程度の軍備も必要なのである。
この時代、機動力を求めるなら馬が一番であり、美神藩も40を超える軍馬を所持しているのであったのだが。
「ワシに何か用か?玄人よ」
「ご家老様、先の騒乱の時にで御座いますが・・」
「騒乱とは河童やら蛾硫羽唾(ガルーダ)とやらの時の事じゃな」
先の騒乱とは、蝋燭問屋を騙った茂瑠田一味の事である。恐れ多くも城代に堂々と入り、内部崩壊を企んだ一件になる。
「左様に御座います、それで馬達が怯えまして・・。はい、堂々とした体躯の馬ではありますが、存外に修羅場には弱く、衰してるのも少なくないのです」
「ふぅむ。怯える夜を過ごしているという事じゃな」
頭を抱え込むも、元々生物には詳しくないご家老である。
「何か、手はあるのか?」
「一番は、原野にて半月ばかり程解き放つのが妙で御座いますが」
「それは無理じゃ、そちとて、存じておろう、今状況を・・。馬にはちと気の毒じゃが、我慢するほか有るまい・・」
「・・・せめて、ご馳走でも、与えれば機嫌を取り戻すのですが、人参の配給を少し多めにしてもらえないでしょうかや」
「それは、勘定方(会計係)の仕事じゃぞ。余禄はなかろうが、一応聞いてみるとしよう」
と、其処へやって来るは勘定方の算・数太郎、算盤を肌身離さず持ち歩く数字に取り付かれた男である。
「ご家老!何を無茶な事をおっしゃるのですかっ!」
「む、無茶とな?少々、馬に呉れてやる人参を多くすればいいだけの話ではないのか?」
「いいえ、薫栖家老!本年は、荒天候で作物の収穫も例年よりも減っておるのです!」
この男、性格や容姿はともかく計算の能力は随一である。
毎年集計している美神藩の米や名産たる、桃や栗の収穫高をわかり易く表に纏めているのだ。
「これは・・、例年の八割程度の出来高、という事なのじゃな・・」
「左様ですぞ、ご家老、この程度でしたら、今年は正月は過ごせましょうが、来年は判りませぬ、これから切り詰めを始めますぞ!」
切り詰めの言葉に反応したのは馬飼役の蛮、玄人である。
「ちょ、ちょっと待て、算・数太郎、普段から切り詰め切り詰めでは、息が苦しくなるではないか」
何故か、ぎゃーぎゃー言い始めたので、半歩身を引く家老の薫栖。
「ま、アレはあれで真面目なのじゃがね・・」
だが、大局で見れば美神藩始まって以来の大騒動になりそうなのである。
「ま、二人で妥協点を見つけよ、よいな」
そういい捨てた毒田薫栖、勝手口から城内に入ろうとした時。
家老の姿を見て、急いでやって来るは、腰元筆頭のおみこ(卑弥呼様)である。
「ご家老様!何故おしろ(シロ)とおたま(タマモ)が勝手に外に出ているのじゃ?、風紀が乱れるではないか!」
先に筆記したとおり、あの二人は氷室屋夫妻の付き人をしているのだ。
だが、腰元筆頭にしてみれば、若い働き手を取られたも同義。怒りがあるのも無理はない。
「わ、判ったおみこ殿、近いうちに呼び戻すゆえ、今しばらくは勘弁しておくれ・・」
襟元までつかみかかろうかとの勢いに押され、口約束の家老薫栖であった。
城にいれば何処からとも、声がかかる大変な役職なのである。
そして、他にも見回り組みの誰それだの、武具役(武器の手入れをする役人)の誰彼だのからの相談も日常茶飯事なのであった。
ようやく、一心地を付けると思い、自室で茶を飲んでいると。
「ご家老様!目付けの持郁傳李徒(ジークフリート)で御座います。江戸家老の葉沼(ハヌマン)様が早籠にて当藩にお戻りです」
「なんじゃと・・、して葉沼殿は?」
「何でも殿へ伝える一大事が有るのとの事です、お急ぎ御前へ追いでくださいませ」
「判った、直ぐに参る」
着物を軽く治して直ぐに腰を上げる家老薫栖。
激務の中、座布団を暖める暇も無い様である。

そんな雑多な音は耳に入らぬ奥方様にあたる美智恵御前の離宮である。表庭にある大きな池の向こう側に広さは20畳程であろうか。
ここで娘と対面しているのだが・・。
「なんですと?令子に見合いですって?」
高貴な奥方にも関わらず素っ頓狂な声を出している。
「驚いたところを見ると、母上はこの件には関わっていないようですね」
「関わっているも何も、初耳ですよ!そんな報告もありませなんだ!」
娘と同様母もお怒り気味である。
「でしょ?まだ結婚するつもりはありませんよ〜だ」
「そうでしょうねぇ。藩の一大事なのに勝手に進めてるのも気に食わないわ!」
どうしてやろうかと思案していると。
「失礼致します、御前様」
障子の向こうから声がする。令子姫、腰元の一人でもやってきたたと思ったが。
「おや、九麗(ワルキューレ)かい、お入り」
「では失礼します」
と、入ってきたのは、忍装束の女である。
「?母上、こやつは?」
「わらわ付きのくのいちじゃ。して何か用か?」
「はい、実は重要な話があると、部下の一人が。これ、氷牙(九ノ市氷牙)これ入ってまいれ」
「部下?母上は何人か自ら子飼いの忍びがいるのですか?」
「秘密よ」
今の所、娘の令子にも、教えられないらしい。
「失礼します。御前様、お姫様」
入ってきたのは一応忍装束ではあるが、派手な剣を肩にひっさげて登場した氷牙である。
「私は、九麗御御頭配下、氷牙と申します。私はご家老様付きの仕事をしておりましたが・・」
これは願っても無い話である。
「それはワラワの見合いの件じゃな」
令子姫が口火を切る。
「さ、左様で御座います。ご家老様が内密に勧められていた話で御座いますが、ご存知で御座いましたか?」
「先ほど娘から聞いたわ、で、相手の男が何者か判って?」
「数馬、横島数馬という公家侍で御座います」
公家侍とは・・、見ての通りで京(京都)の侍である。
京都出身、という事なのだが、江戸の時代も長きに続き武士と公家の婚姻も少ないながら実在する。
その中でも宮家(天皇家)から公家の位を持つ下級武士も少なからずいるのだ。
確かに徳川が示す武士として下級なのだが、従の位、今風に言えば爵位を持っている武士。
京は二条城の殿様を筆頭に100人にも満たない侍なのである。
「公家侍・・か」
位としては悪くないのだが、である。
「私はまだ結婚なんて考えてないわ!」
それもそうだろう。
いくら武家の、しかも大名の娘であったとしても、元の気質に今までの待遇でいきなり藩の事と言われても、納得出来ないのも当然である。
憮然として家老に何といってやろうか考えている母子の前に。更にくのいちが一人やってくる。
「九麗の御頭、お久しぶり〜」
「!百目ではないか、お主は江戸詰めではなかったのか?」
なんともノリの軽いくのいち、彼女は江戸家老の葉沼に付き添ってきた百目(ヒャクメ)である。
「失礼致しますよ〜、奥方様、お姫様、御頭。私は江戸詰のヒャクメと言うのよね、で、お殿様が、奥方様を御呼びですよ、今すぐにとの事です〜」
「そう、殿様が、御呼びですか。いいでしょう、わらわも参りましょう」
そそとして、立ち上がった奥方美智恵様であった。

さて。
美神藩の藩主、美神公彦は病を患っていることになっている。
人の心が読める事により、気鬱の毛があるのだ。更に元が頭の回る御仁故でもある。
「さて、殿様本日は脈も食欲もよく、よい気分で御座いますな」
藩主の治療に当たっているのが、典医、こちらも老境ながら白井の姓を賜った男である。
とかく、食欲不振に陥りやすい藩主の為に神酒配合の調薬が如何いう訳か、良く効いているのだ。
「うむ、そちの薬、五臓六腑に染み渡る、余の体には打って付けの様じゃ」
「勿体無きお言葉に御座います。お殿様」
平伏する典医の白井である。
面倒な事だが、一万石以上の殿様、大名には付き合い方一つに型があるのだ。大病ならともかく、椅子に座れる程度であれば、遵守せねばならぬ。
今と違い真に持って一事が面倒な時代なのだ。
「それはそうと、白井、市政では今、どのような噂があるのじゃ?」
「さい、で御座いますな、巷では『当藩が魔物に狙われている』と目下の噂に御座います」
事実である。藩主の顔に陰りが落ちている。
「左様か・・。してお主は如何に思う?」
「拙者も当藩には長く居住しております、どうも他国よりも物の怪との共存が図られておりますな、故然程珍しい事では、ですが人を襲うと相成れば怖い話に御座います」
「そうじゃのぉ。じゃが早い時期にこの問題は解決しようぞ、と、余は思う」
ははー、これで何度目となるのか、頭を下げたと同時に。
小姓をしている、真友康則が入っていて、殿様に耳打ちをする。
何か医者には聞かれたくないことがあるのだろうと、見て取った典医の白井。
「では、これにて失礼致します」
と、既に帰り支度を済ませていたので、すいと、出て行ったのである。
耳打ちの内容は、江戸家老の葉沼様が突然の帰藩の件である。
既に隣の部屋に待機していると知った公彦公は。
「皆、揃っておるな、入れ」
声をかけると、美智恵御前は、後ろにいる筆頭家老の薫栖を睨むようにして入ってくる。
そして葉沼江戸家老、手下のヒャクメが入ってくる。
目付けの持郁も更に後ろに付き添っていた。
謁見の間とでも言おうか、藩主の座る場所は一段高くなっている。その横には奥方様が座している。
そして、四人が、殿様の前にひれ伏している。
「苦しゅうない、表をあげぃ」
それでも位順から、体を起していく。
「江戸家老、葉沼悟空、緊急の用により、戻りまして御座います、殿の身体不調の事は幾度となく耳に届いておりますが、壮健そうで何よりで御座います」
型どおりの挨拶が始まっている。
「うむ、葉沼も健康そうでなによりじゃ、してどのような用じゃな?」
「はい、評定会議にて来年の参勤交代の折、殿には上様側用人の任をとのお達しで御座います」
「なに、左様か?葉沼殿
「左様で御座るよ、ご家老。又それにより、老中田沼様が密かに内偵者を美神藩に寄こしたとの事です、が・・申し訳御座らぬが、たれかは、判らぬ仕舞ですじゃ」
「!」
言葉を失ったのは家老の薫栖である。
「薫栖、その内偵者とやらは、数馬なる御仁ではなかろうな」
「・・・御前様、それは先ずありえませぬ。数馬様のお身柄は既に調べつくしております故、それにしても、上様側用人役とは・・」
つまり、来年は将軍様の付き人をせよ、との命なのである。参勤交代の意義は諸兄もご存知だとは思う。幕府を守る為の行為であるが。
何もただ江戸にいればいい、という事でもなく、仕事を命ぜられるのだ。特に有力な外様であれば有るほど。
堀の修復やら、上下水道の完備などが、あてられているのだ。しかも自費で、である。
美神藩も外様大名の一つなのだが、この待遇は。
「よもや葉沼、殿の能力が江戸に知れたのでは有るまいな?」
考えても見たら、人の心が読める者を傍におく。これ程心強い事は無い。
「いや・・違うようじゃよ薫栖殿、もっとも、何か聞き出したい事がある、という事じゃ、百目」
後ろに控えている忍の百目を呼ぶ葉沼。
「裏で調べたら我らが美神藩、最大の秘密が漏れている、との事じゃな」
「そうなんですよぉ、お殿様、ご家老様、なんでも『美神藩の牢獄の更に牢獄の奴』に付いて知りたいとか」
これを聞いて、公彦公、薫栖、美智恵御前の三人、顔が青くなった。
ワシもそうじゃっと、言いたげな葉沼が其処にいた。
「それともう一つ御座いましてな。殿様、薫栖殿、我等が藩の異変をも江戸表は既に仕入れております、何でも妖怪に狙われているとか・・」
更に青くなる家老薫栖の顔色。
それもそうであろう。統治の失敗は即御取り潰しである。だが、直ぐに気が付いた。
「その件は早めに解決せよ、というのが、江戸表の見解かな?葉沼殿」
うむ、と頷いて江戸家老。
「逆の見方をすれば、名の有る妖怪はこの美神藩に集まる、江戸、常盤、武蔵野は妖怪沙汰は少なくなって悪い事ではない、と言っておったそうじゃ」
のぉ。百目と、確認を取ると、そうだとばかりに首をふる百目がいた。
「あ、あの、ご家老様、宜しいですか?」
いままで黙っていた目付けの持郁傳李徒が顔を上げて。
「その、『牢獄の更に牢獄にいる奴』とは一体何なので御座いますか?」
それは・・、と言い澱む家老職の二人。だが、殿様が声を出して。
「のぉ、薫栖、葉沼、もしや妖怪共も、『あ奴』の事を知った上で我が藩に来ているのではないか?」
殿様が口にする『あ奴』に付いては又別の機会にしよう・・。



一度市井に目を移させてもらおう。
少し前の事になるが・・。
美神藩の関戸(税関みたいな物)にて、子供があふれているという奇妙な事変が起こっていた。
それを解明する為に派遣された筆頭与力の関俊介を始めとして数人で調査に向かったはいいが、馬醫羽(バイパー)という、
西洋の妖怪に屈し、子供化する前に精霊石の力で自らを石にしていたのだ。
尚、失敗を咎で、比延蕩・武等都(ピエトロ・ブラトー)は謹慎を申し付かっているのである。
その関俊介であるが、意識は石にされてもあったのだ。
元々この男も霊能が強く、地元の山神との接触に成功していた。自らを腕陀穂夏瑠(ワンダーホーゲル)と名乗っている山神である。
『山男にゃほ〜れ〜るなよ〜ってかっ、おんや?何だいこの地蔵は』
【いや、地蔵ではないのだ・・。カクガクシカジカで、私は自らの体を石にしている】
『そりゃ又ご災難で、で関さんとやらは元に戻れるのかい?』
【うむ、私はその馬醫羽の力を逆利用して地蔵モドキになっているのだ・・でこの山の何処かにその馬醫羽が隠した金の針があるのだ・・そいつを見つけて欲しい】
『わかりやしたぜさ、この腕陀穂夏瑠としても山に悪霊が住み着くのは嫌だからなぁ・・。直ぐに見つけまさ』
流石は山の神といおうか、山に巣食う様々な生き物を使い、直ぐに関に針を渡しているのである。
時間的な問題なのか、腕陀穂夏瑠自身ではなく、土竜が持って来たのであるが。
【こいつを、誰かに渡さねば・・】
そう思っていると、仇討ちの旅を続けているみぃ。けいがやってきたのである。
そして、その針は今蛮平信(ヴァン・ヘイシン=ヘルシング)の手元に有るのである。
「では、これは間違いなく馬醫羽を倒す金の針なのですな?めぐみ殿」
その平信がいるのは旅籠魔鈴である。
このめぐみという女将はどうやら諸外国の魔物に詳しいという事だ。
「そうだと思います。鈴女、あんたならはっきりと判るでしょ?」
旅籠魔鈴に勝手に巣食ったいる妖精の鈴女、これも外来品であるが、今更目くじらを立てる事も無い。
小さい妖精にとっては、畳張りにも満たない小さな針も長剣の如くである。
一人ちゃんばらをやりつつ、匂いを嗅いでいると。
「うん。間違いないわね、これはバイパーの弱点、金の針よ」
「左様か・・・でこれで子供になった者共を刺せばよいのかな?」
「いえ、違います蛮様。これで馬醫羽を退治出来る、という事なのです」
「そ、そうか、ふぅむ」
実際、何人もの者が子供化されている。中には元祈祷師にして、家老の養女となったエミや、芽道邪(メドゥーサ)を追って江戸からやってきた岡引の鬼道屋政樹(鬼道政樹)親分がいる。
「それでな、何でも山の神がその馬醫羽の居場所を教えるとの事なのじゃ、あまり時間を費やしたくないでの、とっとと美神藩から消えて欲しいのじゃよ」
自分ひとりでは心許ないという所である。だが、他の同心は残念ながら霊能に長けているのはいない。
めぐみとて知識はあるのだが、技能に関しては自身が無いのである。
部下の比延蕩(ピート)は謹慎の身、つまり蛮にとって手詰まり状況になってきたのだが。
其処に見覚えのある女性がやってきた。
「めぐみはん、失礼するどすえ」
京都からやってきた呉服問屋の氷室屋おキヌがやってきたのである。氷室屋夫妻、何度も筆記している通り。
おキヌ様は皇室に連なり、忠夫本人も関白の父を持つ従二位という地位の持ち主である。
もっともそれを嫌ってから町人姿での旅を続けているという事だ。
「おキヌ様、これは如何されたのですか?」
「いやなぁ、旦那様と散策をしていたんどすえ、なぁ〜」
外に声をかけると、旦那様にあたる忠夫も店に入ってきた。
身分は違えど女同士、季節の事でおしゃべりの華を咲かせ始めている。
そうなると、平信は美神藩にいる仲でも最高霊能者と言われる氷室屋忠夫に話をするのも当然である。
「まぁ、天気もよろしいし、なんや付き纏ってたおしろはん達もちぃと、暇与えてのぉ、夫婦二人で来た訳やけど・・。何や祈祷師のエミはん、馬醫羽にやられたとか」
「左様に御座います氷室様、子供にされて今は六道屋のご令嬢様に預けております」
「さいかぁ。でも何時までも子供のままやアキマヘんですわなぁ、何かお奉行はんは考えでもありますのか?」
「はい、既に馬醫羽を退治する為の道具は用意出来まして御座います」
「ほなら、ちゃっちゃか、遣りましょか、おーい、きぬ、散歩がてらその馬醫羽とやらを倒しにいこうや」
めぐみと話し込んでいたおキヌも。
「せやなぁ、ほないきまひょか」
との答えである。
いや、危ないからと遠慮を見せる平信であったが・・。
「かまへん、かまへん」
と、意に介さない様子であった。
「で、では氷室様あなた方は安全第一でお願いいたします、万一美神藩で亡くなったとあらば、御取りつぶしは間違い御座いません故・・」
無骨な老人らしく、恐縮の呈であった。
めぐみ、鈴女も軽い旅支度で馬醫羽退治の用意にしている。
日はまだまだ高い。
時間的に言えば丁度奉行西条の敵討ちに加わったおしろが覇亜非亥(ハーピー)のいる洞窟を探している頃になろうか・・。
同時刻では典医の白井が城から出た頃になろうか・・。

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