ザ・グレート・展開予測ショー

魔剣が奏でる小夜曲(後編)


投稿者名:アース
投稿日時:(05/ 3/ 3)

私こと妖狐タマモは、奇妙な夢を見ていた。
それは夢だとハッキリとわかる。何故、こんな夢を見ているのかについても心当たりはある。何にしても、今見ている夢には興味があった。

現在、上空数百メートル。私が、というよりも私が感覚を共有している男が、黒い龍に乗って、空を飛んでいた。
『彼』の側には、銀の大鎌を背負った男が、黒い魔鳥の上で口笛を吹いていた。

そんな彼らの前後左右を、大勢の連中が、自分の羽やら騎獣にまたがるなど、それぞれの手段で飛び回っている。
恐らくは、彼らの配下の軍勢なのだろう。

遥か下の方には、豆粒程の大きさだったが、彼らの地上部隊らしき者達も見えた。



彼ら二人、魔龍に乗った方が、『剣の公爵』、黒い魔鳥に乗った大鎌の男が『座天使公爵』と呼ばれていた。 今までの経緯を踏まえての私の判断だが、彼らは魔族で、魔界での地位と実力は相当高い。魔神クラスに違いない。
そのためか、彼らは他の者達から一度も本名で呼ばれていない。これは魔界の慣習なのだろう。
そして、もう一つ彼らが今、いるのは紛れも無く人界。人界の空気や木々、風景などがそれを証明していた。


彼らクラスの魔族が軍団を率いて、人界に来ているということは、まだこの頃は神や魔が人界を戦場としていた頃なのだろうか?


私の前世である九尾の狐も、生まれてすらいない遥かな昔・・・・・・
そう思うと、俄然興味が湧いてくる。

私が知らない世界が見える。
ひとまずは、この夢を楽しむとしよう。

彼らは、現在、人界で神族の軍勢に追い詰められている『吟詠公爵』とその配下の二十九軍団の救出に向かっていた。だが、そう簡単に事は運びそうも無かった。

何故なら、目的地までのあちこちに、神族の精鋭部隊が待ち構えており、一気に進もうにも彼らの妨害によって、進路が塞がれていたからだった。
しかも、彼らやその部下の話からすると、『吟詠公爵』の一隊と交戦しているのは神族の中でも、上位クラスの智天使指揮下の部隊らしい。

『吟詠公爵』の部隊と合流するには、少なくとも一週間はかかると思われた。それまで、生きていてくれればいいのだが・・・・・

(さっきも、主天使の一隊が襲って来たわね・・・・)
『彼』の知識や部下達の報告から、敵の素性はわかる。頭の中に、電子辞書がある感覚だったので敵の強さがわからなくて、困ることは無かった。

神族の連中も必死で向かってくるため、殲滅に時間がかかってしまう。魔神クラスが、出れば話は早いのだが、神族側の強者が待ち構えている可能性も考慮すると、少しでも力を温存しておく必要があった。ここまでの道のりで、軍団の五分の一が負傷、または死傷していた。彼らを水や食料など、ある程度の必要品と共にその場に残し、先へ進むことにした。

万魔殿の方へ、救援要請をしておいたので助けが来るだろう。



目的地まで、あと三分の一といった所。
この辺で、降りて野営をすることになった。地上に降りてみると、伝令を受けた地上部隊は既に準備を整えており、簡素だが頑丈なテントが張られていた。
『剣の公爵』は、地上部隊の面々にねぎらいの言葉をかけてから、行軍予定について決めるため、テントの中へ入っていった。

今まで見てきて、『剣の公爵』について解ったことが一つあった。『彼』は、魔界の盟主サタンの部下というよりも、同盟者といった立場にあるということだった。
だから、魔界最上層部は、今回の一件でも『命令』ではなく『要請』という形をとったのだ。
(いずれにしても、この『剣の公爵』って奴は盟主サタンにとって、一目置き、かつ敵に回したくない奴の一人って訳ね)

そうだとすると、自分は凄い奴の生き様を見ていることになる。強い男に惹かれる妖狐の習性が働く。タマモは、『彼』が内に秘めた底知れない強さと同時に、暖かさを感じ取っていた。そして、『彼』の奥底に濁流のように流れる底知れない『闇』も・・・・・・

(もしかして、こいつは『魔神教会』で見た名前の無い魔神じゃないかしら・・・)
フードをかぶり、素顔の見えなかった魔神の姿が脳裡にフラッシュバックした。こういう時の犬神の勘はもはや、予知に近い。恐らく、その通りだろう。

(これはぜひとも、見届けなくちゃねえ・・・・)

そんなことを考えながら、私は『彼』の視点から現況を見ることにした。どこか、『彼』に『アイツ』と同じ空気を感じながら・・・・



「現在、『吟詠公爵』とその一隊がいるのは、ここだ」
そう言って、『座天使公爵』は地図上のある一点を指差した。そこは、現在の人界でいえば、ヨーロッパとアジアの境の辺りだった。

そこは、死を運ぶ砂漠や谷があり、人間にとって危険な所であり、油断すれば魔族でさえも命を落とす可能性もあった。
実際に、『座天使公爵』の部下にはこの砂漠で命を落とした者がいるのだ。その者は死霊となっても、偵察隊の一員として彼に仕えていた。
「それと俺の死霊偵察部隊から、悪い知らせだ。今回、神族の戦力として参加しているのは、天使軍だけじゃないらしい。竜神族の中からも、参加している。率いているのは斉天大聖・・・・ハヌマンらしい」『座天使公爵』は、死霊となった部下からの報告を苦々しい表情で口にした。
「あの暴れ猿か? 仏教系竜神族とキリスト教系天使軍が手を組んだのか?」今まで、話を聞いていた『剣の公爵』が口を挟む。その声には、僅かながらも驚きが混じっていた。

『彼』の口調から推測するに、宗教上の理由から竜神族と天使軍は仲が良くないのだろう。
盟主サタンの独裁という弊害を除けば、ほぼ一枚岩になれる魔界とは違い、神界は独裁を否定した代わりに各宗教の勢力が分立している状況らしい。竜神族の中には、キリスト教からすると、『邪竜』と定義される者もいるとのこと。
(それだけに、竜と天使が手を組んだのは予定外・・・・・どうするのかしら?)
私は、『剣の公爵』がどんな判断を下すのか興味があった。『彼』の視点から、周りを見渡す。

「幸いなことに、連中の結束は固くない。竜神族の指揮を取っているのが、道教系のハヌマンというのがいい証拠だ。天使側にとっては、竜神族に大きな顔をされたくはないのだろう」
「敵の結束が弱いのは好都合だ。連中がどの位置にいるかわかるか?」
「ああ、ハヌマンは『吟詠公爵』と交戦、勝負はつかなかったが、ハヌマンは重傷を負って、戦線離脱。『吟詠公爵』は、その後に智天使の部隊に遭遇、徐々に追い詰められているらしい」
『剣の公爵』の問いに、『座天使公爵』は頷き、適確な報告をした。

さらに、彼は二つ付け加えた。
一つは、ハヌマンに代わって、竜神族の指揮を取っているのが副官の竜神であること、ついでに、その竜神は名高き神剣の使い手で百戦錬磨の強者、竜神王の信頼も厚いとのことだった。
もう一つは、自分達の進路の斜め後ろから神族側の援軍が迫ってきていること。
選択肢は二つ。正面から進み、竜神族の軍勢を蹴散らしていくか。
それとも、回り道をしてでも、神族の援軍を潰し、後顧の憂いを無くしていくか。

一同が、その場の決定権を持つ『剣の公爵』の言葉を、息を呑んで待っていた。

そして・・・・・・
「正面から進み、竜神族の手勢を潰し、『吟詠公爵』の救出の道を切り開くことを優先する。時間がかかれば、それだけ彼女の命が危険になる」
『剣の公爵』の静かだが、決然とした言葉に異論を挟む者は無かった。

(うーん、やって来る神族の援軍はどうするのかしら? 『彼』程の男が、何の策も無いと思うんだけど・・・・)
そんな私の疑問をよそに・・・・・

部下達が、その場を離れた後、『彼』は、『座天使公爵』を呼び止めた。
「君と同系出身の「彼」が率いている<あの旅団>と連絡がとれるか?」
「<あの旅団>とか? 取れると思うが、まさか・・・・」
「そう、『彼ら』に神族の援軍の足止めをしてもらう。率いている「彼」も私と同格の実両者だ。私には負けたがね」
成程、彼らにとっての悪友が、率いている「彼」の力を借りようということか。
『剣の公爵』の言葉に、『座天使公爵』は苦笑交じりに頷くと、部下に伝令をしにその場を立ち去った。

「間に合えばいいが・・・・・時間との勝負か」
私を除いて、『剣の公爵』の呟きを聞く者はいなかった。


夜が明けて、再び、軍団は進撃を開始した。程無くして、砂漠の真ん中で竜神族の一軍と出くわす。どうやら、こちらをここで仕留めるために、向かってきたらしい。

(どう戦うのかしら? 『剣の公爵さん』?)
私は、そんなことを考えながら、『彼』の視点で、目の前の竜神族の軍勢に視線を向けた。


「向こうの指揮官は私が仕留める。残りの者は、私の魔龍と共に、お互い援護しながら、確実に相手をたおして行け。無理はするな!! お前も活躍してこい、ベルク!!」

そう言って、『剣の公爵』は魔龍から飛び降り、指揮官の竜神の方へ駆け出した。

一方、指揮官の竜神も、『剣の公爵』の方へ神剣片手に迎え撃つ。

キイン!!
甲高い音を響かせ、神剣と魔剣がぶつかる。
どうやら、相手の竜神は、最上位クラスの竜族らしい。
生憎、『彼』に次ぐ実力の『座天使公爵』は偵察隊を率いて、付近の探索中だ。『彼』が相手をする他無い。

もっとも、顔色から察するに、相手の竜神も同じ事を考えていたようだったが。

お互い、相手の実力を測り、真正面から対峙する。
先に仕掛けたのは『剣の公爵』だった。
斜めから斬りかかり、相手は神剣で受けて素早く切り返す。
竜神の攻撃は鋭い上に速く、魔術を使う隙を与えてこない。かといって、魔術を使える距離に下がれば、間合いを素早く詰めてくる。接近戦で戦うしか無さそうだった。
鋭い斬撃を上に跳んで避けると、そのまま魔剣を叩きつける。
強い衝撃で、相手の竜神の体が揺れる。それをきっかけとして、素早く攻勢に出る。


相手の竜神は、防戦一方になる。だが、その眼は勝負を捨てた眼では無かった。
『剣の公爵』もそれを察し、相手の狙いを見極めようと集中する。斜め下から切り上げ、神剣を弾き飛ばす。その返しで、魔剣を逆袈裟に振り下ろした。だが、その魔剣は空を切った。
竜神の姿が掻き消える。時が止まったかのような感覚。

同時に、右腕と脇腹に走る激痛。

(何が起こったの・・・?)
『彼』の感覚と視点を共有しているので、彼の苦痛も自分の物として感じてしまう。

「ぐ・・・・」
それでも、声をあげず、膝もつかないのは流石というべきか。

「竜神族の秘技、超加速か・・・・・」
「御明察ですな・・・・彼我の実力差は歴然。それ故に刺し違えるつもりで、この秘技を使う機会を待っておりました」
いかに魔神と言えども、最上位に近い竜神の気を、神剣で体内に送り込まれてはただでは済まない。現に、『剣の公爵』の体は、高圧電流でも流されたかのように痺れ、それが私にも伝わってきた。

「成程な・・・・しかし、それでも力の差は大して変わらない。十あった力の差が、五になったような物だ。それに、竜気を使い果たした今、貴方に何が出来る?」
「確かに・・・・それでも、私の竜気はしばらくは抜けませぬ。これでも、竜神王陛下の近衛隊長も務める身。その痺れが抜けぬ体で、後に控える智天使を相手に出来ますかな?」

「私の心配より、自分の時世の句でも考えることだ。今のボロボロの貴方を倒すぐらいの余力はある。智天使を倒す算段は、貴方を倒してから考える」
『剣の公爵』は、痺れが取れない体で魔剣を水平に構えた。この竜神は、相当な実力者だった。戦闘での駆け引きだけならば、『恐怖公』よりも上だろう。

『彼』は、竜神に向けて踏み込む。それは普通の神魔レベルでは十分な速さの動きだったが、万全の状態の時と比べるとかなり劣る。

それでも、『彼』が竜神と肉薄するまで、五秒とかからなかった。
上から飛び掛るように、斬りかかる。魔剣を受けた神剣が折れ、さらに竜神の顔に赤い線が走った。そして、素早く沈み込み、胴を薙ぐ。止めとばかりに、回転斬りを繰り出す。

竜神の装具が引き裂かれ、その下の体にも深傷を負わせた。竜神の体が崩れ落ち、赤い血が流れ、砂漠の砂に吸われていく。

だが、重傷ではあるが、命に別状は無さそうだ。やはり、体内に残った竜気のせいで手元が狂ったらしい。

何にせよ、勝負はついた。

結局、終わってみれば圧勝。相手の超加速さえなければ、勝負はもっと早く付いていただろう。

「ハーミラシュテーゼまで使わせるとはな・・・・・少々驚いた」
「ゴフッ・・・グ・・何ですかな・・・それは?」
「サタン堕天以前の魔界に伝わっていた剣の流派の技の一つだ。もう私以外に、使い手はいないが。どの道、それ程の傷では、貴方は武人としては終わりだ」
「確かに・・・・ゴフッ・・・ですが、神魔随一の剣の名手である貴方と戦い、手傷を負わせた。この結果に自分は満足しております。さあ、止めをお刺しなさい」
「何か、言い残すことは無いのか?」
「武人としては見苦しいことですが、生まれたばかりの娘の顔が見られぬのが、心残りですな・・・」
「娘だと・・・私にはわからんな。家族を持ったことが無かったし、これからも無いだろう」
心なしか、『剣の公爵』の声に寂しげな色が混じる。

「哀しいまでに強く、孤独な方ですな・・・・側に居てくれる者を見つければ、変われるでしょうに・・・・」竜神の顔が、悲しげに歪む。
「戯言だな・・・・時間が惜しいので、さっさと止めを刺すぞ」
そう言って、『彼』は魔剣を振り下ろした。
しかし、その剣の切っ先が、竜神の体を貫くことは無かった。

首の側の地面に突き刺さった魔剣と、短い黒髪の整った顔立ちの魔神の顔を見比べながら、竜神は問う。
「何故、止めを刺さないのですか?」
「気が変わった・・・・戦意を失った者に止めを刺す気はしない。それに、貴方は武人としては『死んだ』・・・・ 生き恥をさらして生きるがいい・・・」
「それでも構いませぬ。娘をこの手に抱けるのならば・・・・それに、武人としてではなく、父として娘に教えられることもありましょう・・・」
竜神は、倒れたまま笑う。


『剣の公爵』は、黒い外套を翻して立ち去っていた。

そんな『彼』を見送りながら・・・・



「お前と決着がつけられぬのが残念だ。すまんな、ハヌマン・・・・私の代わりに、我が娘に武を授けてくれ・・・・」竜神は、誰ともなしに呟いた。





そんな竜神の声を背中越しに聞きながら、『剣の公爵』はとうとう後ろを振り返ることは無かった。

恐らく、指揮官を倒したことで、竜神族の士気は下がっただろう。今なら、撃破も容易いはず・・・・・神族の援軍が来ない所を見ると、連絡を受けて駆けつけた「恐怖公旅団」が足止めしてくれているのだろう。

『剣の公爵』は、砂を踏みしめながら、進む。まだ、若干体に痺れは残っていたが、撤退するわけにも行かないだろう。目的地は目の前なのだから。



「側にいてくれる者か・・・・私には無縁な言葉だな。今までも、そして、これからも・・・・」
自分は『闇』を抱えて、戦い続けるだけ・・・・自分に言い聞かせるかのように、『彼』は呟いた。






ああ・・・・・やっぱり、『彼』は『あいつ』に似ている。
夕焼けを見ている時の『あいつ』と・・・・・





そして、私は口やかましい相棒の声で、夢の中から現実に引き戻された。
どうやら、相棒であるバカ犬も同じ夢を見たらしく、興奮した口調で喋っていた。
私は、バカ犬ことシロの声を適当に聞き流しながら、二人して同じ夢を見ることになった原因らしき物に目を向けた。

私の視線の先には、地獄の名を冠する魔剣が小さなたんすの上に置かれていた。

この剣は、シロが惹かれるものを感じ、独立したあいつから、一日だけ預かったのだ。
独立することで、寂しがる弟子のわがままを聞いてやるあいつも甘い。

朝御飯を食べに階下に下りていったシロを見送り・・・・ふとした興味に動かされ、魔剣の所まで行くと、それを持って自分のベッドに腰掛けた。
改めて、剣を見てみる。
黒塗りの鞘。柄の方は、質素な灰色で所々に銀色の線が走っている。日本刀の鍔元に当たる部分は、獣の角と蔦が絡み合うかのような装飾があった。それ以外は目立った特徴は無い。
少なくとも、表向きは。
剣を抜いてみた。魔剣だからといって、乗っ取られることは無いらしい。涼やかな音と共に、白銀の光がこぼれ出る。朝日に照らされ、刀身が神秘的に輝く。
剣の長さは、西条さんの霊剣より、やや短いだろうか。
刀身の部分には、小さな文字が数行書きこまれている。

美智慧の話では、剣に書き込まれているのは、古代の力ある古き言葉らしい。
鞘の方にも、同じような言葉が書き込まれていた。また、この剣を構成しているのは、普通の金属ではないらしい。少なくとも、人界には存在していない物質だと。


見た目は、質素な装いの剣にしか見えない。だが、異能の力を持つ者ならば、抜き身のこの剣が放つ、静かだが、強烈な気配がわかるだろう。

恐らく、鞘に書き込まれた言葉は、この剣の力を抑えるものなのだろう。

シロ曰く、『この剣に比べれば、人狼族の秘宝、妖刀八房も遠く及ばない』といっていたが・・・

(魔剣さん・・・私達に何を教えたかったの? 何を見せようとしたの?)
私は、この剣の刀身に触れながら、声には出さずに問う。
当然、答えが帰ってくるはずも無い。

シロは、『剣の公爵』の強さと力に感心していたが・・・・・

(『剣の公爵』は確かに強いわ・・・・でも・・・)
誰よりも強いからこそ、他者を頼ることを知らない。
『あいつ』とそっくりだ。
『彼』も『あいつ』もたとえ、自分の心が傷だらけになっても、一人で進んで行ける。


(私じゃ駄目なの・・・・?)

「あんたの元御主人様と横島は関係があるの・・・・?」
僅かに震える声の問いに対する答は無い。


ただ、朝日に照らされた剣は、神秘的に輝くのみ。

タマモは知るよしも無かったが、剣の刀身に刻まれた言葉の意味・・・・



『我が愛しき娘、サラヘ・・・・・汝が心と魂の平安を願う・・・』


それは、『彼』が心惹かれた人間の少女の名であった。
『彼』自身、否定し、忘れていた感情を教えた少女だった。

だが、それにまつわる『真相』を知る者は、もはやいない。






後書き 『剣の公爵』の強さに目が行くシロと、『彼』の内面に注目するタマモ。この辺は、二人の気質の違いでしょうか。それと、『彼』に倒された竜神は・・・・・・・実力的にはハヌマンとほぼ互角だけあって、相当強いです。そして、彼の娘が・・・
『彼』が後の智天使戦で苦戦した理由の一つがこれです。最上位竜族の竜気が体に残っていて、やや動きが鈍っています。『彼女』と『彼』の出会いは別の機会に・・・・

そして、魔剣は何を伝えようとしたのか・・・・・
そして、サラはトビト書に出てきます。彼女は横島にとってのルシオラと同じ位置にいます。

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