ザ・グレート・展開予測ショー

横島忠夫奮闘記 64〜戦闘開始〜


投稿者名:ぽんた
投稿日時:(05/ 2/22)

キャラット王女に行動の自由を確約してもらいようやく解放してもらえた。
再び目隠しをされて空港まで送られ自由の身となり親衛隊員が去った直後にワルキューレが現れた。

「用は済んだのか?」

闇から滲み出るようにして声を掛けてきた。一行に近付く者達がいた為に姿を隠し密かに後を
つけていたらしい。ザンス人達の前に姿を見せる訳にもいかない以上当然の配慮だろう。

「一応自由の身になったけど俺達どこに連れて行かれたんだ?」
「王宮だ」

外国人達に王宮内部を見せる訳にはいかない為の目隠しだったのだろう。
返事の後でワルキューレがマントのような物を二枚投げてよこした。

「何だこれ?」
「霊波迷彩マントだ、伊達・六道の両名はそれを身につけておけ」

理由を尋ねると横島の存在のみを目立たせて相手にこちらの人数を把握させない為らしい。
ワルキューレも同じ物を身に付けている。事前にやれる事は総てやっておく、彼女らしい慎重さだ。
そのまま空を飛び目的地に案内された。ナルニアで見たのと同様の坑道跡だ。

「ここはこの国でテロリストと呼ばれている連中が潜伏場所として利用していたらしい場所だ」

ワルキューレの説明によるとザンス原理主義の残党が廃鉱跡を改造して入り口をカモフラージュ
し、当局の追及をかわしていたらしい。エウリュアレーはテロリスト達と一緒にいるのだろうか。

「それじゃ中には人間もいるのか?」
「元人間だった物体がそこら中に散乱しているだけだ」

アジトに乗り込んで全員を殺害しその後で自分の居城として回復を図っているそうだ。
生きていても捕まれば極刑間違い無しの連中とはいえあまり気分の良い話ではない。

「中の様子は解るのか?」
「潜伏場所がバレた事を教える訳にもいかんのでな、これ以上は近付いていない」

つまり中の様子は一切不明、慎重に進まなければならないという事だ。

「呪的トラップ等の可能性は?」
「当然配慮すべきだろうな」

つまり入り口から亀のような歩みで進まなければならないという事だ。侵入がバレたら
奇襲を受ける可能性も出て来る。かと言って拙速を選んで罠に嵌っては元も子も無い。

「面倒臭えな、罠が無え可能性もあるんだろ? 一気に行こうぜ?」

短気な雪之丞が提案してくるがちょっと呑めそうにない意見だ。横島はこんな時美神であれば
どうするかを考えてみた。美神も短気な性格ではあるが同時に慎重さも併せ持っている。
嘗ては横島が斥候役だった、弾除けとも言う。横島がトラップ等にかかったのを見届けて
後から慎重に歩みを進めていたはずだ。だが同じ事をするのは嫌過ぎる。

「ウチのコ達を〜先行させましょうか〜?」

冥子が式神達による罠の確認を提案してくるがそれでは迷彩マントを使って隠行している意味が無い。
ならば横島が同じ事をすれば良いという結論になる。

「所長のアイデアを一部もらいますね」

横島はそう言うと葉っぱをちぎって集めたり、土を捏ねたりしはじめた。当然周りの者達が
何をやっているのかを問い掛けて来る、何せ子供が遊んでいるようにしか見えない。

「何遊んでやがんだ?」
「ん〜? まあ見てのお楽しみだ。陰陽師横島の実力を見せてやるよ」

横島はそう言うと印を組み呪言を唱え始めた。

「日々に陰、薄暮に乱在りて陽は陰してぞ行き
 朝夕に闇、黎明に惑在りて陰は陽してぞ行く、式神よ、在れ」

呪言を唱え終わると捏ねた土は人型になり歩き始め、集めた葉は羽族の群れになって周囲を飛び始めた。

「久しぶりだけど上手くいったな、妙神山以来だ。長くは保たないけどこいつらに罠の
有無を確認してもらう。奥まで辿り着けたらついでに宣戦布告でもしようか?」

そう言うと即席の式神達は廃鉱の奥へと向かって行った。一行も後へ続く。
地と空の両方で罠の確認をしておけば万全だろう。式神達は視覚を横島と共有させている為
中の様子は手に取るように解る。嗅覚を共有しなかったのは幸いだった。到る所に人間の
部品が散乱している。屍臭と腐臭がここまで漂って来るかのようだ。

「所長、中はかなり凄惨な状態です。覚悟しておいて下さいね」

簡潔にそれだけを伝えた。目を瞑っても臭いは防げないし、鼻をつまんだ処で闘う場所にも
死体があれば結局同じ事だ。酷なようだが慣れてもらうしかない。
羽族の群れは何事も無く奥まで辿り着いたようだ。暫く探し回ると最奥に標的らしい者がいた。
目を瞑り眠っているようにも見える、どことなくメドーサと似た面影のような気がした。
一羽だけを近づけて反応を窺うと相手の方から問い掛けて来た。

「何者だ?」
「エウリュアレーだな? お前を滅ぼしに来たGSの横島だ、妹と同じ場所に逝かせてやるよ」

ワルキューレの案に従い横島のみを印象付ける為に敢えて挑発的な事を言い放つ。

「フン人間風情が生意気な、このアタシを間抜けな妹と一緒にするんじゃないよ!」
「姉の方が余計に抜けてんのか? 首を洗って待ってろ」

横島がこう言ったのには勿論裏に計算がある。はっきり言って向こうからは来て欲しくないのだ。
相手はこちらを格下と見くびっている、余裕で返り討ちにしようとするだろう。
実際に相手がどう出るかは不明だが確率が51%あれば充分試す価値はある。羽族の式神は
まだ残しているので敵が行動を起こしたらすぐに解る。その一点においてだけでも有利だった。
そこまで考えた時に軽い衝撃が横島を襲った、土人形の式神が破壊されたようで罠に掛かったらしい。

何やら不気味な音が響いて来るが、その音は奥にも届いたようでエウリュアレーがニヤニヤと笑っている。
この罠があったので悠然と構えていたのだろう、この際勘違いしたままでいてもらえば時間が稼げる。
罠らしき場所に着くと地面に穴が空いている。落とし穴という訳ではなく中は亜空間に繋がっており
球雷が縦横に走っている。どうやら式神は木っ端微塵になったようで跡形も無い。

「何だこりゃ?」

横島にとっては初めて見る呪的トラップでワルキューレも珍しそうに覗き込んでいる。

「これは、私でもかなりのダメージを受けそうだな」
「まさか・・・縛妖陣か?」
「知ってんのか? 雪之丞」

この中で唯一雪之丞だけが心当たりがありそうな事を言っているので当然質問される。

「ああ、香港にいた頃知り合いの秘術商人から聞いた事がある。呪符で陣を構成して対象を亜空間に
落とし込み球雷で集中雷撃を喰らわす必殺の罠だ。かなり高位の妖怪にも有効だって聞いたな」

人間であればひとたまりも無いだろう。罠の正体は解ったが問題はどうすれば解除できるかだ。
迂闊に飛び越えて引きずり込まれてはたまったものではない。

「心配すんな、一枚でも呪符は剥がせば」

そう言いながら地面に貼り付けてある呪符を雪之丞が蹴り飛ばす。

「この通り無効化される」

その言葉と共に穴が一瞬で塞がっていく。念の為もう一度土人形を生成して先行させた。
さっきから冥子の声が全く聞こえないので縛妖陣を見て怯えているのかと思い様子を窺うと、

「おえ〜〜〜」

壁に手をついて嘔吐していた。バラバラに散乱している惨殺死体を見て限界を超えたのだろう。
無理も無い、軍人であるワルキューレはともかく平然としている二人がおかしいのである。

「大丈夫っスか所長?」

横島が心配そうな声を掛けて背中をさする。線の細い体の感触に改めて相手が妙齢の女性で
ある事を実感して気の毒になってしまう。だが冥子は自分で選んでこの場にいる、この期に
及んで見当違いの心配をするのは却って侮辱になるだろう。

「たークンは〜どうして平気なの〜」
「あ、俺達はもう総ての感情を殺してるんで何も感じません」

正確に言うと何も感じないように自己暗示を掛けているのだが冥子には解り難かったようだ。

「どうすれば〜出来るのかしら〜」
「ん〜と、人それぞれですけどね。我が心既に空也、虚ろにして死人と同じ。って感じで
自分に暗示を無理矢理掛けてるだけっスよ」

「私も〜やってみるわ〜、ん〜と〜我が心〜既に〜」

冥子が真似して何やら唱えているのを見ながら雪之丞が小声で話し掛けてきた。
(おい横島、何か妙に聞き覚えがある自己暗示だな)
(バレたか、昔再放送で見た時代劇のパクリだ。千葉○一がカッコ良かったんだよ)

より正確に言うと時代劇の主人公のキメ台詞と名作漫画の主人公の闘いに際しての心構えを
ミックスアレンジしてあるのだが暗示の為の言葉など単なるきっかけに過ぎない。
要はその暗示に乗れるだけの(例え無理矢理でも)精神力があるかどうかだ。

「所長、無理に暗示に掛けなくても良いですよ。こんだけ不愉快な思いをさせたのは
奥にいる奴なんだからきっちりツケを払わせるって思えばどうです?」

どうも自己暗示が無理そうな冥子に横島が妥協案を提示する。それを聞いて納得したのか
納得する事にしたのかは解らないが取り敢えず無駄な努力はやめる事にしたようだ。

「解ったわ〜皆で〜やっつけましょう〜こんな酷い事して〜許さないんだから〜」
「そうそう、いっそコッチが悪役になったつもりで情容赦無くやっちまいましょう」

口調からは解り辛いが冥子は本気で怒っていた。どの道捕まれば死刑しか無かった連中だが
冥子にとっては等しく“命”だ。無造作に刈り取られて良いものではない。しかも死者の
尊厳まで汚すかの如き死体の扱いだ。その怒りは深甚な物なのだろう。この甘さ、あるいは優しさは
美点だろうか、それとも欠点なのか。一概には判断出来ないが横島は冥子にはこのままで
いて欲しかった。勝手なのは百も承知で思う、変わらずにいて欲しかった。
それは雪之丞や横島が既に無くしてしまった、無くさざるをえなかった“甘さ”だったから。

羽族の視覚を通してエウリュアレーが怪訝そうな顔をしているのが伝わって来る。
使役者が罠に掛かったのであれば無力化されるはずの式神がまだ動いているのが引っ掛かるのだろう。
死んだフリをすれば良かったかとも思ったが冥子の事が気がかりでそこまで気が回らなかった。
悔やんでもどうにもならない以上は次の手を考えるべきだろう。

「あんな罠に掛かるような間抜けはお前ら姉妹ぐらいだろうよ。人間を甘く見るのも良い加減にしろ」

安い挑発だ。だが相手は却って気を引き締めたのか広くなっている場所の中央に陣取り
肩の力を抜いて入り口の方向を向いている。更に複数の鬼火を生成して全体を明るくしている。
入って来た瞬間に石化の魔眼を発動させるつもりなのだろうか。

「おい、何か灯りが漏れて来てんぞ。石化はどうすんだ? 文珠か?」

雪之丞はその辺に関しては横島にまる投げしていた。無視界戦闘の訓練は積んだ。ならばその状態に
持って行くのは横島が考えるだろう。これは親友への厚い信頼故だ、決して他力本願なのではない。
ついでに言うと細かい事を考えるのが面倒臭い訳でもない。多分。あくまでも厚い信頼故だ。

「最初は文珠を使うつもりだったけどな。お前と所長用のお守りにするよ、良い事思いついちゃった。
俺って天才かも? 超加速状態で使えなきゃ別の方法でやりゃ良いんだよな、う〜ん忠ちゃん天才!」

到って軽い口調で喋っているが当然周りは?な顔をしている。だが横島はそんな事はお構い無しに
準備を進めて行く。文珠を生成して《伝》の文字を刻み二人に渡す。それとは別に《癒》の文字を
刻んだ物を雪之丞に渡す、最も必要になりそうな者だからだ。冥子にはまた別の文字を刻んで
渡しておく。そしてクビラを出してもらえば粗方準備は完了する、後は光を消すだけだ。

ふと見るとワルキューレが何やら得体の知れない機械を取り出している。その機械はまるで
意思ある物のように浮かびあがり周囲を見渡しているかのようだった。

「なあワルキューレ、何だそれ?」
「中継鬼といってな、これからの戦闘をライブで魔界に伝える為の魔法鬼械だ」

なんでも軍の要請で戦闘の一部始終を記録したいという事らしい。上級魔族と人間との戦闘、
一方的な殺戮ではなく、というのは極めて珍しい例で映像記録などは無いそうだ。無論長い
歴史の中で似たような例は幾つもあるがわざわざ記録を残そうとする者などいなかった。
極めて例外的なイレギュラーだからだ。だが近年人界のGSなる者達が力を付けてきており
遂には魔神を倒すまでになった。別に力で圧倒した訳ではないが興味深い存在である事に変わりは無い。
そのレア者の戦闘ライブとあって魔界の注目は高いそうだ。つくづく娯楽に餓えた連中である。

「じゃあワルキューレは従軍カメラマンって事か?」
「どちらかと言えば観戦武官だ、出来るだけ手出しは控えるように指示されている」

ワルーキューレが手を貸せば純粋な意味での魔族対人間の図式が崩れてしまい記録の価値が
落ちてしまう。当初から激しく目的がずれているような気もするが考えても始まらない。

「いったいどんな奴の考えだ? おかしな野郎もいたもんだな」
「失礼な事を言うな、魔界正規軍最高司令官殿だ」

雪之丞のフランクな問いかけにワルキューレが丁寧に答えている。雪之丞にとっては遠い
世界の偉いサンで知った事ではないのだろうが、横島にしてみれば近々魔界へと行った際に
直接会うかもしれないVIPだ。変な事は言えないし言って欲しくもない。失言が飛び出す前に
行動を開始した方が良さそうだ。当座の目的、光の無効化を行う事にする。最初は文珠に《闇》の
文字を入れて発動させるつもりだったが節約の為、別の方法を取る。カメラ映りを気にしながら。

「あまねく光を呑み尽くせ、闇精召喚」

対象への攻撃に使えなくとも環境への働きかけには使える。召喚された闇の精霊が奥の間を
覆い尽くし闇へと包まれる。エウリュアレーは最初こそ驚いていたがすぐに目を瞑り何にでも
対処出来るように落ち着いて構えている。この状態で中継出来るかどうかは知らないが
そこまでは責任持てない。それは魔界側の技術的な問題だと思う事にしておいた。
そして冥子が戦闘開始の声をあげる。

「貴方達〜やっておしまい〜」
「「あらほらサッサ!」」

命のやり取りの直前だというのに何気に愉快な三人組だった。
そう、かのタツ○コプロの不朽の名キャラ、ド○ンジョ様ご一行のように。

全体が漆黒の闇に包まれた状態で三人が一斉に超加速を発動させる。そのまま横島が先頭で
突っ込んで行く。その直後に雪之丞が迷彩マントを纏ったまま真後ろにつき従う。このまま
あっさりと決めれるかと思ったがエウリュアレーの視線はしっかりと横島に据えられており
相手も超加速に対応しているのが見て取れた。だがここまでは予想の範囲内なので慌てる事も無い。

横島が霊波刀を顕現させて間合いに入る直前に雪之丞がマントを脱ぎ去り一気に霊気を膨れ上がらせる。
相手の一瞬の動揺を突いて横島が袈裟懸けに斬り付ける。エウリュアレーが大きく飛び退いて間合いを
外そうとしている動きを雪之丞がピッタリとトレースしている。右手に魔装剣を顕現させ突き込もうと
している。オープニングヒットは雪之丞かと思った瞬間にその姿が掻き消えた。横島が慌てて見渡すと
壁に張り付いている。足の関節が一つ増えたように折れ曲がっているので骨折しているらしい。
だが何か攻撃を受けたような気配は無かったので改めて見ると何ともささやかな落とし穴が掘ってあった。

呪的トラップなどではなく子供が悪戯で作るようなチャチな落とし穴だ。本人が動き回るような場所に
縛妖陣のような物騒な罠は仕掛ける訳にもいかなかったのだろうが雪之丞のスピードと相俟って
単なる落とし穴がとんでもない効果を上げている。つくづく罠道という物は奥が深い、そんな物が
あるとしての話だが。雪之丞の方から文珠の発動した気配が伝わって来る。万が一の為の保険が
初手から消費させられてしまった訳だ。まだ相手は何一つ攻め手を見せていないのにだ。

回復の時間を稼ぐ為に息もつかずに斬りかかる。冥子が式神を四鬼出現させて横島のフォローに廻している。
他にもショウトラを出して雪之丞のヒーリングを促進しているのでかなり回復の時間を短縮出来そうだ。

「使い魔か? 貴様が? いや、もう一人いるな、三人がかりなら勝てるとでも思ったか?」
「ほう、セコい罠だけじゃ無いってとこか?」

エウリュアレーの抜いた剣と斬り結びながら横島が声を掛ける。雪之丞が戦線に復帰するまでは自分の方に
注意を惹き付けておきたかった。開始早々一人が離脱するなど予定外も甚だしい。

「卑怯だとでも言いたいのか? だったらとんだ甘チャンだな」
「いや〜そんなつもりは無いぜ? つ〜かアンタとは何か凄え気が合いそうな気がするよ」

結構本音混じりのトークだった。子供騙しの罠で効果を最大に発揮させる辺り、かなり相通じる物がある。

「ふん、中々面白そうな人間だな。お前のような奴を殺せるかと思うと楽しくなってくるね」
「俺の辞書には“卑怯”って文字は存在しないんでね。でも出来れば違う方向に楽しみを求めて欲しいかな」

実際に横島はGS試験での対雪之丞戦での卑怯な戦法をメドーサから気に入られておりその辺りの
人間への好みは姉妹で似ているのかもしれない。だからどうした、と言われればそれまでだが。

「テンメエ〜舐めた真似しやがって〜!」

そう雄叫びをあげながらダメージから回復したらしい雪之丞が突っ込んで来る。完全に頭に血が昇って
いるようだが自業自得だ。それを見たエウリュアレーが軽い前蹴りを横島に放つとバックステップして
間合いを取った。余裕を持って雪之丞を斬り捨てるつもりなのだろう。それを察した横島は雪之丞が
脇を擦り抜ける瞬間に足を引っ掛けた。

「どわっ!」
「ぐえっ!」

真正面から斬りかかろうとしていた処を予想外に足を引っ掛けられた為に頭から突っ込む破目になった。
その為それに合わせて斬り捨てようとしていたエウリュアレーも目測を誤りモロに水月に頭突きを喰らう
ような形になった。さながらルチャ・リブレのトペ・スイシーダと言った処だろうか。
取り敢えず、形は違えどオープニングヒットは雪之丞のものになった訳だ。

「テメエ横島! 何しやがる!?」
「あ〜別に礼はいらんぞ。ちったあ頭を冷やしやがれ、この単細胞」

逆上して文句を言う雪之丞だったが横島の一言で冷静さを取り戻したようだ。
ようやくこれで訓練時と似たような状況になったとも言える。だが相手はまだ実力の片鱗さえも
見せていない。闘いはこれからが本番だった。

「ククッ、本当に面白い連中だね。お前達を殺すのは実に楽しそうで嬉しいよ。リハビリが娯楽になるとはね」

エウリュアレーが本気で楽しそうにそう言って来る。癪に障る程に余裕たっぷりだった。




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(あとがき)
何とも中途半端な終わり方になりましたが、ここしか切るとこがありませんでした。
自己暗示の言葉の元ネタ両方解る人いるのかな〜?スカパーの時代劇チャンネルとかに
加入してないと一つ目は解らないかな?
あとシリアスなはずの話でふざけた事書いてスミマセン。
な〜んか六道チームとあのご一行様が重なっちゃって、似てないのに何故だろう?

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