ザ・グレート・展開予測ショー

THE MOVIE「踊るゴーストスイーパー」(4−2)


投稿者名:3馬鹿鳥男
投稿日時:(00/ 5/25)

第4章(その2)「美神 令子(2)」

「何よママ。急に呼び出したりして。今日は横島君達と約束があったのに。」
相変わらず赤い派手なボディコンに茶色い長い髪をなびかせた美神は
国会議事堂地下にあるICPO日本支部司令部の厚い扉を開けながら文句を言った。
「令子!何度言ったら解るの!ここでは美神隊長と言いなさい。」
ICPOの制服に身を包んでいる美智恵は、
めがねを外しながら鋭い目で美神を注意した。
美神は「はいはい」と生返事を返して、司令室を見渡した。
そして、壁にもたれるように立っていた黒髪の女性に気付いた。
「あれ?エミじゃない。どうしたのこんなところで」
白い皮系の短パン、青紫のブラウス、スカートと同じ色の薄手の皮ジャケットを
着込んだエミは片手を軽く上げ、
「私も令子と同じく呼び出されたワケ。」
と短く挨拶をした。
「あらっそう。」
美神は同じように片手を上げ挨拶を返し、再度見渡してから美智恵を見た。
「ママ、西条さんは?」
「だから・・・もういいわ。あなたたち二人だけなんだし・・・。」
美智恵は軽く溜め息をし、美神達に会議テーブルの席に着くように促した。
美神とエミが席に着いたのを確認すると、
「西条君は、今は情報集めをしてもらっているわ。」
と言い、部屋の明かりを暗くしてプロジェクタで司令部の大画面を写し出した。
「今日来てもらったのは、ある事件の手伝いをしてもらいたいのだけど・・・。
先に言っておくけど、あななたちに拒否権は無いからね。」
美神はすぐにでも断ろうと発言しようとしたが、釘をさされて不機嫌に聞き返した。
「どうしてよ。ママ」
美智恵はにこっと笑って、
「聞けば解るわ。あなた達も無関係でないから。」
と楽しそうに答えた。
美神はその笑顔に何か嫌な予感がしたが、このままでは帰らしてもらえそうも無いので、
「話だけでも聞くわ。」と席に座り直した。
美智恵は美神が観念したのを見て再びにこっと笑い、大画面の方を向いて事件の事を話だした。

今回の事件は霊能力者ばかりを狙っている事。どうも霊力を奪う魔族ということ。
事件が発覚してから6ヵ月が経ち、犠牲者はすでに10人を超え、
すべて殺されていること。
殺さる手口はすべて同じで、喉に指らしきもので刺され出血多量で死んでいる事などを、
美智恵は現場の写真など使い説明をした。
「魔族・・・」
美神は腕を組んで唸るように考え込んだ。
「確かにこのままほっとけないけど・・・私たちと関係があることって?」
「今の話では関係があるのは霊能力者という事だけなワケ?」
エミは大人しく聞いていたが美神と同様な疑問があるらしく美智恵に質問をした。
美智恵は二人をじっと見つめ「織田家って知っている?」と突然話しを変えてきた。
エミはその言葉を聞いたとたん動きを止めた。
美神はエミを訝しく思い見たが、美智恵の方を向き質問に答えた。
「確か、魔族を使って呪詛殺しをする一族・・・まさか織田家が犯人なの?」
美智恵は首を振った。
「いいえ、違うわ。織田家はここ数年活動をしていないわ。」
「それじゃあ、何で織田家なの?」
美智恵は黙って自分も席に座り、出されていたアイスコーヒーを飲んだ。
しばらく沈黙が続いたが、今まで黙っていたエミがその沈黙を破いた。
「織田ほたるに関係があるワケ?」
美神は驚いてエミを見た。
「何か知っているの?エミ。」
エミは美神を無視して美智恵に言った。
「でも彼女はちゃんと魔族を支配していたワケ。最初は気が付かなかったけど。」
「そう・・・。でも変だと思わない?今まで裏社会の人間がいきなり表社会・・・芸能界なんて。」
美智恵も美神を無視してエミを見た。
エミは困惑しながら答えた。
「それは・・・殺しはもうしないからじゃないワケ?」
「それにしても、事件と同時期とはおかしくない?」
美智恵は探るような目でエミを見た。エミは黙って腕を組み考え込んだ。
そんな二人を美神は交互に見て、抗議をした。
「ちょっと私を無私して勝手に話しを進めないでよ。
織田ほたるって誰?」
やっぱり美神を無視してエミは美智恵に言った。
「半年前の事はうわさで少し聞いているワケ。確かに今思えばおかしいワケ・・・。」
「じゃあ手伝ってくれるわね。あなたには彼女の素性を調べてほしいのよ。」
美智恵は嬉しそうに手を合わせてた。
エミは方眉を上げて「報酬は?」と聞いた。
美智恵は素性だけなら100万、もし犯人の魔族を退治したら1億を出すことを言った。
どうも半年で10名の犠牲者を出して、ICPOはまだ手がかりすら掴めていないらしい。
美神は無視され続けて不機嫌そうにしていたが、1億円のことを聞いたとたん元気になって、
「ママ、私は何をするの?」と聞いた。
美智恵はそんな娘を「現金ね」と思いながら、
「令子は織田ほたるの周辺を調べてほしいのよ。
今は人手が足りなくて・・・西条君は今、ワルキューレに極秘で会いに行って居ないし。
他の捜査員は別のルートで捜査しているし・・・。
怪しいだけと自分の感だけで動かせられるのあなたたちだけなの。」
と言って席を立った。
美神は「わかったけど」と不服そうに呟き、質問をした。
「だから、織田ほたるって誰よ」
美智恵はあきれた顔で「まだ解らないの」と言い、エミを見た。
エミは軽く美神にほたるについて説明した。
美神はあの映画の彼女がそうなの?と驚いたが、早速行動するため席を立ち司令室を出ようとした。
そのとき、後から美神達に美智恵が声をかけた。
「そうそう、忘れていたわ。今回の依頼は極秘にしておいてね。
いくら織田家といっても証拠も無しに犯人扱いは出来ないし、
もし、気付かれて逃げられてもいけないしね。」
美神は「わかったわ。」と言って司令室を後にした。
その後、エミが織田ほたるに会いに行くと言うので、美神はついて行ったのであった。



美神は自分の事務所に向かって車を飛ばした。
(ママじゃないけど、確かに怪しいわねあの子・・・。
私の感も逃げた魔族が犯人だと思うし・・・。
取り合えずこれで横島君がほたるをガードもしくは監視してくれる・・・。
もし、今夜襲ってきたら横島君一人では防げないけど・・・大丈夫でしょう。
殴ったついでに発信機を持たしたし・・・・。
とにかく、今回の敵は並の霊能力者では居場所がわらないことがいえる・・・。
シロとタマモの協力がいる・・・あの子達の超感覚が必要だわ。
それと強力な封魔の札・・・相手は多分上級魔族・・・。)
美神は美智恵には今回わかった事を連絡せず、
自分達で解決して1億円の報酬を頂こうと思っていた。

第4章(その2)終わり
第5章「氷室 キヌ」に続く。

またまた、説明の章です。すみません。
うだうだつまらないですよね。
今回でしばらく美神を外します。
美神ファンの方ごめんなさい。
やっぱり自分にとって使いにくいキャラなんです。

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