ザ・グレート・展開予測ショー

式紙使い横島・横島捜索大作戦2


投稿者名:高やん
投稿日時:(05/ 2/19)

煙が晴れたのを確認をして、再び標的に照準を合わせる為に
ライフルのスコープを覗き込む。

「くっ、ロストしたか。 思ったよりやる様だな」

そう言って探索機を取り出すと、画面を見てから
漆黒の翼を羽ばたかせ、その場を後にした。





先ほどの場所から少し離れた所で、狙撃先を見ている横島

(黒い翼か? ……ん? あっちは、式が向かった方角
やはり、発信機か何かを付けていたという事か)

横島は、周りに敵がいない事を確認してから
自らの式を走らせた場所へと駆け出した。

(向こうは、どれ位俺の情報を持っているんだ?
狙撃してきた事から考えて、俺が近距離専門と知っているのか?
それとも、過去の俺との接触を避ける為か?
どっちにしても、厄介そうな奴だな。 ……それにあの黒い翼
多分魔族側だな。 しかも油断や驕りも見受けられない。
直接見張りを立てなかったという事は、敵は一人?
だとすると、其処が鍵になるか)

走りながらに追っ手の分析をし、対応策を立てていた。





(追っ手が複数だった時の事を、考えてこの場所に式を向かわせたが
どうやら相手に、有利に働いたか)

合流場所の、事務所に近い公園の林に着いた横島は
ピリピリと感じる殺気を感じながら悪態を吐いた。

「おい、誰だか知らんが居るんだろう。 出て来いよ」

そんな誘いの言葉を掛けるも、一向に出てくる気配が無い。

(くそっ、殺気を当て続けて、俺が精神を浪費するのを待ってやがる
仕方ない、余りやりたくないがこっちから仕掛けるか)

横島は、霊力を集中して索敵を始める。
しかし、横島の予想に反して殺気が一点に集中したと同時に
銃弾が発射される。 それを、右手にサイキックソーサーを展開して逸らす。

(ちっ、可也場馴れしてやがるな。 しかし場所は判った)

銃弾を逸らした後、殺気の発信源を目で確認し
相手が場所を変えようと飛び出すタイミングを計って、サイキックソーサーを投げる。
そのサイキックソーサーを霊波砲で相殺し出来た砂埃の後ろから三発の銃声が聞こえる。
その3発の銃弾を一発目は避け、二発目を逸らし、三発目を霊波刀で叩き切った。

「やっと、御対面か」
「流石に、軍の上層部に狙われるだけ合って良い動きだ」

砂埃が晴れ、声をする方に直ぐに反応できる体制のまま体を相手に向ける。

「な! お前ワルキューレか」
「私を知っているという事は、やはり時間逆行者か」
「ああ、その通りだ。 未来では随分世話になったがな」

横島は、平然と受け答えをしているものの、内心は焦っていた。

(よりによってワルキューレか。 今の段階での遭遇事態最悪なのに
その上、下手に殺すと未来が変わるかも知れんから、殺す事も出来ん。
殺さずに追い返すのか、出来るか?)

「しかし、何で時間逆行しただけで魔族の上層部に狙われるんだ?」
「さぁな? 私は貴様を殺す事を命じられただけで詳しい事は知らないな」
「じゃあ、その辺の詳しい事を聞いて来いよ。 それまで此処で待っててやるから」
「ふ、そう言って置いて近くに居る横島と同化するつもりか?」
「さぁ? それは如何かな」

出来るだけ、この会話の中でワルキューレの持っている情報を聞き出す横島。

(同化の件を知ってるって事は、同化した後は諦めてくれるのか
そうなると、俺の正体も知っているのか?)

「ただ言える事は、同化して拒絶反応が出て殺す手間が省けるかもしれないって事だな」
「確かに、その通りだがその為の文珠だろう?」
「文珠?」
「惚けても無駄だぞ。 貴様の能力はある程度聞いているからな」
「そうか、じゃあこんなのは聞いてるか?」

そう言って、残り一枚の身代わり用の護符を取り出し変幻させて
ワルキューレに体当たりを仕掛けさせる。
会話の最中の不意打ちに、備えていたのだろう。
ワルキューレは、拳銃の構えて式紙の眉間を撃ち抜き
次はこちらに狙いを定める。 しかし、予め式紙の後ろに隠れる様に
サイキックソーサーを投げていたので、そのサイキックソーサーを
避ける為に、身を翻す。 それを見て、横島が霊波刀を出し追撃を仕掛ける。
その霊波刀を、手に持つ拳銃で受け離れ様に、二発横島に向けて発砲する。
銃弾を左に飛んで、躱す。

「俺の霊波刀を受けられるとは、相変わらず良い銃使ってんな」
「貴様も、その年齢で尋常じゃない戦略だな」

お互い正面に構え、相手の隙を見計らっている。

(やはり、正攻法じゃワルキューレ相手には、荷が重いな。
しかも、このままやってもジリ貧だ。
一か八かに賭けるしかないか)

横島は、過去の横島を担いでいる式を、横島を降ろす様に命じると
隙を見てこちらに来るように指示を出した。

「ワルキューレ、駄目元で一様聞いておくが見逃してくれないか?」
「未来での私を知っているなら答えも知っているだろう?」
「だから、駄目元で聞いてるんだろうが」
「確認するまでも無いと思うが、答えはNOだ」
「だろうな」

ふぅ、と溜め息を付いた横島は、左右にサイキックソーサーを展開して
ワルキューレとの距離を一気に詰める。
対するワルキューレはバックステップで横島の足目掛けて拳銃を撃つ。
その銃弾を、片方のサイキックソーサーで逸らしつつ、もう片方の
サイキックソーサーをワルキューレに向けて投げ
空いた方の手に霊波刀を出し更に距離を詰める為に駆け寄る。
ワルキューレも、後退するのを止めサイキックソーサーを避けつつ
霊波砲を放ち、武器を剣に持ち換えて横島に接近する。
横島はその霊波刀を切り、サイキックソーサーでワルキューレの剣を
受け流しながら、投げつけたサイキックソーサーをコントロールさせて
ワルキューレに飛ばす。 その事に気付いたワルキューレがそれを横に躱す

「喰らえ! サイキック猫騙し」
「くっ!」

そう言って、ワルキューレの躱したサイキックソーサーと片方の手に展開させている
サイキックソーサーをぶつけて、発光弾の様に光を飛び散らせる。

「更に、煙幕ならぬ砂煙!」

霊波刀を消し、両手で特大のサイキックソーサーを作ると後退しながら、
地面に叩き付け砂埃を発生させる。

(良し! 今だ来い!)

式を自分に接近させて、「重」の文字を込めた文珠を式に渡し
ワルキューレの方に近づかせ、文珠を発動させる。

「ぐうぅぅっ……舐めるなあぁ!!」

「重」の文珠で、体に重圧を受けて倒れ込む瞬間に、拳銃のマガジンを
横島の方に、投げ付けマガジンの中に入っている精霊弾を爆発させる。

「ぐわあああぁぁ!」

砂煙により、視界が曖昧だった為にその爆発をもろに喰らってしまった。

(ぐぅぅ…くそっ、今使った文珠の所為で治療が出来ない
このまま、同化するしかないか)

横島は「同」「化」の文字を込めた文珠を出し、眠っている過去の横島に発動した。

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