ザ・グレート・展開予測ショー

THE MOVIE「踊るゴーストスイーパー」(4−1)


投稿者名:3馬鹿鳥男
投稿日時:(00/ 5/25)

第4章(その1)「美神 令子(2)」

「二人とも止めて下さい。」
おキヌは立ち上がり、二人の仲裁をした。
「だいたい美神さんの言いたいことはわかりました・・・けど、
今のほたるちゃんには関係ないじゃないですか。
別に人を殺したこともないでしょうし・・・」
二人はおキヌの言う事を聞いていないのか、
席を立ち、歩みよって顔近づけ「ふふふ」と睨み合いながら不気味に笑っていた。
「私、前からエミの色ボケグセを直そうと思っていたんだよね。」と美神。
「私も令子の不細工な顔を直そうと思っていたワケ。」とエミ。
そして、掴み合いになると思われた瞬間、
二人の間を引き離すように、間に入り込んだ人物が言った。
「そうですよ。おキヌちゃん言う通りですよ。
喧嘩は止めて下さい。
それに、過去が何だっていうんですか!
織田家がどうだったかは関係ないです。
困っている人・・・・。
今のほたるちゃんを守らないで何がゴーストスイーパーですか!」
美神とエミは驚いたように横島をまじまじ見た。
そして、ジト目で
「あんた今どこ触わっているの?」
「えっ、二人の胸ですけど」
どかっ
二人は同時に拳で横島をぶっ飛ばした。
「いい度胸しているわね。横島君。」
「そんなに死にたいワケ?」
そう言うと怒りをあらわに仁王立ちになり、指をバキバキ鳴らした。
「ちょっと待って下さい。僕は二人の喧嘩を止めようと・・・」
わたわたして横島は片手を上げ殴られた所を擦りながら後ろに下がった。
「問答無用!」
どかっバキっベキっドスっ・・・。
美神たちは横島を袋打たきにし、静かになったのを確認してから、「ふんっ」とお互いに離れた。
美神は自分の席まで歩き、隣の席で立っているおキヌに
「もうなんだか気が抜けたわ。おキヌちゃん帰るわよ。」
と言うと自分のハンドバックを取り、帰り支度を始めた。
「でっでも・・・」
おキヌは横島を心配そうに見て、そしてほたるを見た。
ほたるはおキヌの視線に何を勘違いしたのか、
「わかりました」と言って立ち上がり、横島の側に行き
「大丈夫ですか?横島さん。」と言いながら介抱のため、
気絶している横島の頭を自分の膝に乗せ、顔をお手ふきで拭き始めた。
銀一もほたるの後を追い「おい大丈夫か?」と心配そうに横島を覗きこんだ。
おキヌはほたるの膝枕姿を見たとたん、何故か「ムカっ」とした。
そして、美神に振り向いてにこっと笑い
「私はまだ帰りません。美神さんは先に帰ってて下さい。」
と言うと、横島の側に座り、ほたるから乱暴に横島の頭を自分の膝に乗せた。
その時「ゴキっ」と横島の首が変なふうに音がしたが、
気にせず横島にヒーリングをかけた。
ほたるはおキヌの行動にあっけにとられてた。しかし、おキヌから怒ったように
「もう一つお手ふきをお願いします。」と言われたので、慌てて取りに立ち上がった。
美神はそんなおキヌたちの行動に苦笑した。
そして、横島を一瞥して「ふんっ」と鼻を鳴らし、不機嫌そうにエミに振り返った。
「エミも帰って、今日ママ・・・美神隊長から頼まれた事をしたら?」
エミは自分の服をぱたぱた叩いて「しょうがない」と呟いきながら自分の席まで歩いた。
「令子に言われなくても解っているワケ。じゃあね。銀一君。
今度は二人きりでお食事しましょうね。」
と言うと、銀一に投げキッスをし、自分のヘルメットを取り、
さっさとレストランを後にした。
美神はエミが出て行った方向を見て「い〜だ」と変な顔をしてから
四人に振り返った。
「おキヌちゃん。私は仕事があるから先に帰るけど、
くれぐれも織田家とかかわり持っては駄目よ。わかった?
それと、銀一君。今日はごめんなさいね。
あと・・・。織田さん。」
ほたるは再び横島の側で心配そうに見ていたが、美神の低い鋭い声にはっと顔を上げた。
美神は真剣でかつ敵を探るような目つきでほたるを見た。
「あなた、まだ何か隠しているでしょ。
それは別にいいけど・・・・
みんなを傷つけたら容赦しないわよ私は・・・。」
そこまで言うと美神は銀一に向かってバイバイと手を振り、レストランを出ていった。
おキヌは美神が最後に言った言葉が気になったが
横島の頭を両手で挟むようにしてヒーリングで癒し続けた。
銀一は、ほたるとおキヌに心配そうに介抱されている横島を
(あいかわらず、モテモテやね。横っちは。)
と思いながら、おキヌに聞いた。
「横っち大丈夫か?」
「もう大丈夫です。ちょっとあぶなかったけど・・・
 ほんとうに手加減を知らないのだから美神さんたちは。」
おキヌは自分の事は棚に上げ、本気か冗談なのか判断付かない言い方をした。
銀一は冷や汗を額にかいて「あっそう・・・」と呟いた。

美神は地下にある自分のコブラに乗り込んだ。
エンジンをかけ、サイドブレーキを外し、
アクセルを乱暴に踏み込みタイヤの音を鳴らして発進した。
(ほんとうにおキヌちゃんは横島君に甘いんだから・・・・。
でも、このまま横島君に任しておけば、明日までは大丈夫でしょ。)
そう考えた美神は自分の母であり、ICPOの隊長でもある「美神 美智恵」が、
今日自分達に依頼した内容の事を思い出していた。




第4章(その1)終わり
第4章(その2)に続く

すみません。文章が長すぎたらしく入らなかったので4章を二つに分けます。

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