ザ・グレート・展開予測ショー

式紙使い横島・プロローグ後編


投稿者名:高やん
投稿日時:(05/ 2/17)

これからやろうとしている事は、カオスやマリアの
死を冒涜することになるだろう。
それでも横島は、確固たる決意の元に家に帰ってきた。

「お帰りなさい・オーナー」
「ただいまユリア」

そう言ってユリアは、家の扉を開けて出迎えてくれた。
横島は、出迎えてくれたユリアに挨拶をして事務所の方に歩いていく。

「なぁユリア、テレサは事務所に居るのか?」
「はい・テレサは今、事務所のソファーで寝ていますが
どうかなさいましたか?」
「ちょっとな、テレサと一緒に聞かせるよ」





「おい起きろテレサ」
「ん〜? 何だ帰ってきたのか」

寝ぼけ眼のテレサが、横島に向かって如何でも良いと言う感じに
応対している。

「今帰った所だ。 それよりも話があるんだちょっと良いか?」
「何だ? また護符でも作って欲しいのか?」
「いや実はな、これから過去に戻ろうと思うんだ」
「「は?」」

横島の突然の告白に、二人の声がハモる。

「オーナー、それは如何いう事ですか?」
「…ルシオラを蘇えらせたい」

ユリアの問いに俯きながら答える横島

「横島、姉さん達の事忘れた訳じゃないだろう?」
「…もちろんだ。 それでも俺は、ルシオラを…」
「まぁ、あの子に付いては私達が何か言える事じゃないからね。
好きにすれば良いさ」
「はい・オーナーは、自分の信じる道を進んでください」
「テレサ…ユリア、ありがとう」

横島は、顔を上げて二人にお礼を言った。

「しかし、横島は文殊辺りで過去に戻るにしても私達は如何すれば良い?
私達は、横島から定期的に霊力を分けて貰わないとこの体が維持できないんだぞ?」

テレサがそんな疑問を横島に問い掛ける。

「もちろん二人にも、俺に付いて来てもらうさ。
それじゃないと、ルシオラを蘇えらせられない」
「しかし・オーナー、宇宙意思の問題からそれは難しいのでは?」
「それに付いても考えてある。」

確かに宇宙意思の問題で、ルシオラをあの大戦から死なせずに助けるのは難しいだろう。
最初は、平行世界に飛んでルシオラの死なない結末に持って行こうと考えた。
だが、平行世界のルシオラは必ずしも横島の知っているルシオラとは限らない。
それにその場合は最悪ルシオラの代わりに他の誰かが死んでしまうかもしれない。
だから横島は考えた。平行世界ではなく、そのまま自分の体験した過去に戻り
ルシオラを蘇えらせる。その為に二人には付いて来てもらわなければならない。
一つは、これまでの記憶を正確に憶えているユリアの存在。
そしてもう一つは、魂の情報を呪符から正しく取り出すカオスの知識を持った
テレサの存在だ。それと最後の一つ、横島がこの方法を取るのに
必ずしなければならない事を二人に伝えた。

「それに付いては、分かったけど宇宙意思と神魔族はどうするんだ?」
「それに・オーナーは・ルシオラさんの事……耐えられるのですか?」

二人が横島の考えを聞いて、それぞれ質問をしてきた。

「まず宇宙意思だが俺の考えでは、過去の俺と同化する事で解決するはずだ」
「何でだ?」
「俺は、あの大戦で多分居なくてはいけない存在だ。
だから、宇宙意思が俺を殺さない様に働くはずだ。
そしてその宇宙意思を逆手に取って、神魔族が手を出せないようにする」
「それは分かったけど、肝心の時間移動に対して干渉されたらそれまでだろ?」
「それに付いては、確かな確証が有りませんが多分大丈夫だと思います」
「如何いう事だ?」
「多分・オーナーは憶えていないと思いますが、過去に一度未来の・オーナーが
貴方に接触しています。
その時には、文殊を使っての時間移動だった為か宇宙意思の干渉はありませんでした。
その事から考えて、文殊は物理法則だけじゃなく、時間移動等の場合も
宇宙意思の干渉無しで行える可能性があります」
「そうなると、過去に戻ってから横島が過去の横島と同化するまでが勝負か」
「そうなるな。 それとルシオラの事だが、正直今日までは踏ん切りが付かなかった。
でもルシオラが今の状態で居て幸せなはずが無い。だから俺は、自分がした事の
清算をしなければならない。その為には耐えてみせるさ」
「分かりました・オーナー、私は貴方を全力でお守りします」

そう言ったのユリアの姿は、横島と同じ決意を決めた顔をしていた。

「さて色々決まった所で具体的に私達は、どのタイミングの過去に戻るんだ?」
「やはり・あの大戦の直前でしょうか?」
「だろうな、下手に戻りすぎて未来が変わったら、私達じゃ対処できなくなる可能性もある」
「いや、戻るなら美神さんに雇われる前じゃなければならない」
「何故ですか?」
「何故だ?」

自分達の予想以上に、過去に戻ろうとする横島に二人は当然の質問をした。

「何故ってそりゃ決まってるだろ。 あの時の俺は自給255円だぞ!
俺一人なら何とかなるが、お前ら二人にルシオラが蘇えったら三人だぞ!
当然あの時の自給じゃ食っていけん。
そんな苦労をルシオラに味あわせる訳にはいかんだろ?」
「「・・・・」」

二人は唖然としてしまった。
これから、世界に挑戦しようという者がそんな理由で
不安要素を増やそうと言うのだ。
まぁある意味、横島らしい気がしないでもないが

「それに、俺達以外にも協力者が必要だ。最低でも神魔族で一人づつ位は
欲しい所だ」
「神族の方は如何とでもなるが、魔族は難しくないか?」
「それに付いてもある程度は考えている。
その為にも出来るだけ戻れる方が良いだろうからな」
「ならそっちの理由を先に言ってくれれば良いじゃないですか・オーナー」
「まぁ軽いジョークだ。 それにそっちの方が問題なのも確かだ」

しかし表情は、かなり深刻そうにしている横島に、二人は溜め息が漏れる。

「はぁ〜、まあ良いじゃあ早速行くか?」
「いや、準備があるから決行は明日の夕暮れにしよう」
「分かりました・オーナー」
「じゃあ私は今の内に寝ておくか」







「じゃあ二人とも、準備は良いか?」
「はい」
「ああ良いよ」
「良し! じゃあこの文殊をそれぞれ持ってくれ」

そう言って横島は、二人に「時」「間」「移」「動」「追」「尾」の
文殊を持たせて、自分は「記」「憶」「模」「索」「時」「間」「移」「動」と
年代の入った文殊を持って、各々の文殊を発動した

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