ザ・グレート・展開予測ショー

式紙使い横島・プロローグ前編


投稿者名:高やん
投稿日時:(05/ 2/16)

「さて、そろそろ終わりにしようか?」
そう言って横島は一枚の呪符を取り出した。
「コロシテヤル」
「自我を持たない名も無き魔族なんぞに俺が負けるか」
横島は、呪符を自分の前に掲げて印を結び呪を唱える。
「輪廻の輪に反し我と共に在りし我が半身よ刻は満ちた
 我が契約の前にその姿を示せ……来い!ルシオラ」
すると其処には最愛の恋人の姿が現れた。
「ねぇヨコシマ。何時も思うんだけどその詠唱は何とかならないの?」
「まぁそう言うな。この方が雰囲気が出るだろ?」
「うーん…そう?」
戦闘の最中にも拘らず目の前の魔族を無視して何やら登場の仕方について
話し合っているルシオラと横島
「まぁその話は後にして、まずは目の前のコイツを如何にかするか」
「私には、余り時間が無いけどそうね。その意見には賛成だわ」
そう言うとルシオラは目の前の魔族に向かって牽制の霊波砲を放つ
その霊波砲を右に飛んでかわした魔族の真後に横島が立っている。
「とろいんだよ。破ッ!」
右手に集めた霊気を爆発させて、魔族を殴りつけてルシオラの居る方にぶっ飛ばす。
「どんな事をしても私のヨコシマは殺らせないわ。さようなら」
飛んできた反動を生かして魔族の腹に右手を突立ててそのまま上に引き裂いた。
「ギャァァァアアァァ」
引き裂かれた魔族が断末魔の悲鳴を上げながら砂のように崩れ落ちた。
「ふぅ。本当はルシオラを呼ぶまでも無かったんだがな」
「そう言って本当は私に会いたかったんでしょ?」
「それは、当たり前だろ。さて上級が来る前に引き上げるか」
そう言うと横島は、「絶」の文殊を使って
自分の霊気の痕跡を絶つと気配を消してその場を後にした。








「やっぱり夕日は良いわね」
「何時も夕日を見て同じ事言ってるよな」
「それはそうでしょ。この一瞬の時間をヨコシマの隣で見られるんだからね」
そう言ってルシオラは夕日から目を離さずに答える。
「……本当ならこの一瞬だけじゃなく、朝も昼も夜も…もっと多くの時間を
共有できるはずだったのに」
「ヨコシマ、私は今こうしているだけでも十分満たされているわ
それを言うなら私だって……追っ手に追われ続ける無限の時間を
貴方に背負わせてしまった」
「でもそれは、ルシオラを蘇えらせようとした俺の責任だ」
俯きながらそう答える横島にルシオラは優しく語り掛ける
「ねぇヨコシマ、一時は貴方の子供として転生するはずだった私が
今こうやってヨコシマと同じ時を共有できる
それに、こうやってキスだって出来る」
ルシオラは横島の正面に立ち、キスをする
「……ルシオラ」
「だから貴方がこれ以上私の事で苦しむのはやめて」
「ルシオラ…俺は」
「そろそろ時間みたい。じゃあ私は戻るね。
愛してるわヨコシマ」
「ああ、俺も愛してるよルシオラ」
二人は沈みゆく夕日をバックにキスをした。
夕日が沈むと同時に元の呪符に戻り横島の手の中に落ちた
「ルシオラ、俺は諦めない絶対にお前を元の姿に戻してみせる」
横島は呪符を大事に胸元にしまうとある決意をして家に帰った。

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