ザ・グレート・展開予測ショー

挑むのならば全力で その0


投稿者名:ホフマン
投稿日時:(05/ 2/15)



 OKOK、いつだって世の中は不条理だ。
 確かに俺も悪かった。いつもみたいに美神さんのシャワー中に突っ込んだ、それまではよかった。
その後ぶっ飛ばされるのもいつも通りだ。
 何が悪かった――って、一つしかない。
 そう、成功してしまったのだ、覗きが…というか特攻が。
 ぽにょんという生暖かい感触――あ、いかん、思い出したら…えぇい、今はそれは関係なくて…し
かしホンマえぇ乳じゃった。
 とりあえず、成功しちまった。
 故にシバきはいつも以上。おキヌちゃんやシロ、タマモまで参戦して激しくいつも以上だった。流
石に死ぬかと思った。
 まぁ、いい。たまにはそんな日もあるさ。ハイリスクハイリターン。生乳の代わりに膨大な暴力を
受けただけですんだんだ。

 ――で、だ。こっから本題に入るわけなんだけども。

 さっき言ったよなぁ? 世の中不条理だって。
 そう思わないかいやホントさ。マジで。

 集団リンチに合う、気絶する、気づく、周りを見渡す。そこまではいい、OKだ。
 でもよ、気づけば見知らぬ家の中――いや、何処かでみた、というよりは結構昔に見たような…
Oh ファンタスティック。ここはドコデスカ。
「……あっれー…」
 朦朧とする頭を振るって立ち上がる…ん? なんか視線がほんの少しっていうか…いや、結構低
いような…
 …ま、いい。落ち着いて周りを見回す……なんか、具体的に言うと…そう、凄い古くて狭くてボロい
部屋……ん、ん? んん〜…?
 ……嫌な予感がする。どれくらいかというと後頭部に漫画で言うでっかい汗がだらだらと流れる程
度に。

「……ここ、俺の部屋じゃね?」

 しかも、昔の。



    ―――挑むのならば全力で―――
                零話:とりあえずタイムスリップ



 初めまして、ゴーストスイーパー(以下GS)の横島 忠夫です。今年で22になってました。
 あれから暫くたって何故か知らないが高校を無事卒業、今でも不思議だ。そんでもってその後紆余
曲折あって美神さんの所から独立、雪之丞を副所長に据えて横島除霊事務所を設立した。
 それでもたまに美神さんの所に遊び…いや、文殊を提供しにいったりしていて、シャワーを覗きに
行くこともしばしば。
 まぁそんな事もあったけど事務所経営も順調だったし俺自身の実力も結構上がっていった。弟子も
取ったしな…えぇと、確か…名前…まぁいいか。
 流石に22にもなると所構わずセクハラってのはしてない。ルシオラの一件からなんとなくそうい
った感情が薄れていったんだと思う。

 で、だ。まぁ今はそれをおいといて。

 とりあえず今何とかしなくてはいけないのは目の前にたってる二人の…なんつーか神々しいオーラ
に包まれた人物K&Sなのだが。

「はろーはろーコンニチワ、魔界と君だけのアイドル、サッちゃんやでー」
「いきなりの事態で驚いてると思いますがとりあえず落ち着いて聞いてくださいね…あ、キーやん
です、どうも」

 なんか唐突に登場して唐突に名乗ってるし。

「いや…何がなんだかさっぱりなんだけども…」
「そうでしょうね…やはり事前に連絡しておいたほうがよかったのでは?」
「でもいきなりのほうが面白いと思うんやけどな」
「いたずらが過ぎますよ」
「最初から乗り気やったやないか」
「いやいやいやいや、ちょーっと待ってくれ、話が見えないんだが」

 何やら漫才を始めようとしてないかっていうかノリ軽くないかこいつら…
 とりあえずそんな俺の誠意が届いたのか…えーと、キーやんと呼ばれてた方がこっちに向き直る。

「改めて初めまして…私は神界の最高指導者です。こっちは魔界の最高指導者」
「まぁよろしゅう」

 シュタッと効果音をつけつつ片手を上げる魔界の最高指導者…へ? って。

「うええぇぇぇぇ!? わ、わい何かしましたかぁぁぁぁ!?」

 思いっきり後ずさる。さ、最高指導者ってマジで偉い人中の偉い人じゃねーか!?

「あぁ、そんな畏まらないでいいですよ」
「そやな。あとあんさん悪いことしたわけじゃないから安心しとき」
「そうですね……あぁ、横島さん、今の状況がわかりますか?」

 キーやん――神界の最高指導者が聞いてくる。
 今俺がいる場所は高校生の頃住んでたボロアパートだ。ついでいうと今何故か身長が少しだけ縮ん
でいる。そして――霊力がある程度落ちてしまっている。
 そこから出てくる結果というとやっぱ…

「――俺、高校生に戻ってますか?」
「正確にいうと美神さんのところに雇われる前まで戻しました」

 ―――うわぉ、タイムスリップかよ。あ、でもあの頃よりは全然強いな今…

「ってなんでまた!? どうしていきなりタイムスリップなんて…っ!」
「んー、なんつーか…あれやな、アシュタロス戦役における最大の功績者に対する…お礼?」
「疑問系かよ!」
「まぁまぁ落ち着きなさい横島君」

 うぅ、いかん。最高指導者のはずなんだけどなんか軽い…こっちもいつものノリになって微妙に失礼
働いちまうぞ!?

「そろそろ話が進まないのでまともに話したいのですが」
「そっすね」

 とりあえず正座。
 コホン、と一つ咳払いをしてキーやんさんが話し始める。


「最大の功績者である貴方に我々は出来うる限りの礼をしたいと思ってました…しかし、一体何が貴
方にとって最良なのかわからなかったのですよ」
「そんなら直接俺に聞きに来ればよかったんじゃないすか?」
「最大の礼なんやからびっくりサプライズがえぇやろ? ちゅーわけで秘密にしておきたかったんや」
「長年に渡る思考でした。あぁでもない、こうでもないとサッちゃんと話し続けた結果、やはりベス
トなのは――ルシオラさんの復活だと」
「ちなみに第二案は美女だらけのプールにタキシード着たまま放り投げるやったんやけどな」

 そっちのが良かったとは言えない。状況的にわかりやすいし…あぁ、でもルシオラ…ルシオラ、か…

「しかし私達の手でも彼女の”完全な復活”は不可能です。仮に蘇らせたとしてもそれはルシオラさ
んであってルシオラさんではあり得ない」
「そういうわけやから過去に飛ばしてルシオラを助けるっちゅーのが理想やと思ってな」
「私達は基本的に手出しすることが出来ませんから…そうなると基本的に貴方一人でやってもらうこ
とになります」
「…って、ちょ、ちょっと待ってくれ…えーと、歴史の改変ってのは…許されるのか? なんだっけ
か、宇宙意思だっけ…あれは大丈夫なんすか」
「その問題も、ありました」

 そういってキーやんさんは両手を少しあげて指を一本ずつ立てた。

「右が貴方がいた世界、それに並列して左にはもう一つの世界があります」
「パラレルワールドやな」
「右の世界のこの地点から貴方を…左の世界の…」

 といって左手の指を結構下げて。

「この地点に送りました」
「―――へ?」
「そんでもって右の世界にはまだあんさんがおって、ちゃんと未来に進んどるんや」
「―――え?」
「要するに貴方の精神をこう、ぷっちりと切って、左の世界の貴方の中に入れたのですよ」

 ……えーと……どういう事だ?

「これじゃあどっちにしろこの左の世界の未来を変えることになるじゃないか、と思いましたね?」
「へ? あ、はい」

 いや、思ってないから嘘なんだけどな。どっちかっつーとタイムスリップにさらにパラレルに移動
したことにびっくりしてたんだが。

「ワイ等もそこら辺を懸念しとったんやけど…」
「…えぇ、その…なんというか」
 妙に言葉を濁してるな…なんかあんのか?
「言いたくないなら別にいいっすよ、そこまで気にしてないし」
「いえいえ、言っておきますよ…あのですね」

 一呼吸おいて。


「宇宙意思が直々にやってきて”パラレルなら許す”と……」


 ……………………はい?

「…ってアバウトだなおい!? つーか形あるのかよ宇宙意思!?」
「ほんで”つーか送らないと大変な事しちゃうぞ”っつってな」
「決定事項かよ!? おちゃめだなおい!!」
「というわけで美女の溢れるプールに以下略で決まりかけていたのですがこれで確定しまして」
「やっぱそっちの方が簡単で楽しかったやんけぇぇーーー!?」

 なんでそんな宇宙意思まで介入してくんのや!? わけがわからんっ!?

「まぁよくあるご都合主義という」
「それで納得せい言うんかぁ!?」
「まぁ平たく言えばそうやな」
「で・き・る・かぁぁぁぁぁぁーーーーー!!」




『ここは貴方のいた世界とは――少々異なっています。貴方は高校生のままですが他の人たちがその
ままの年齢とは限りません』
『ついでいうと起こる事件も時期とか多少ずれるかもしれん。まぁあらかたは一緒やと思うんやけどな』

 頭に残るのは最高指導者たちが残していった言葉。

 出来うる限りのサポートはする、その上で――俺に、この異なった世界でやり直しを要求している。
 多分、好意なんだろうけど宇宙意思の介入ってのが気に食わないというか…何か裏がありそうな気
がする。

 ――だが、来てしまったものは来てしまったのだ。

「…やってやろうじゃねぇか」

 これはチャンスだと割り切ろう。彼女を――ルシオラを助けるためのチャンスだ、そう考えれば
いい。
 そして今日は美神さんのところに行く前日――さて、どうしようか…

 必要なものがある。そう、アシュタロスを倒しうる実力と――仲間が必要だ。
 ……よし、待ってろルシオラ…っ!


「ぜってぇ助けてやる…!!」


 まだ出会ってもいないけど、な。



「…あぁっ、しかし美神さんの所に行けばあの乳が、尻が…ぐ、で、でもなぁ…っ!」


―後書き―
初めまして。ホフマンと申します。
この度この「挑むのならば全力で」を投稿させていただきました…えぇと、続き物です。
あまり上手いとはいえない稚拙な文章ですが頑張って書いていきたいと思います。
…で、書き始めた
理由みたいなものがあります。
久々に漫画喫茶でGS美神を全巻読破し、何か他にもないかなとネットを漁っていたらこのサイトに
ぶつかりました。
そして数々の小説や展開予測を読み、”こういうのもあるのか”と驚愕しました。
読んでるうちに「俺ならこうしてみるかも」や「そういう裏があったのか」みたいな事を考えるよう
になりまして。
えぇ、そうです。「俺も書いてみたいなぁこういうの」という思いから書き始めました。
展開はよくあるありきたりな「横島の逆行もの」
その中で自分の考えるGS美神…この場合は横島ですが…を展開できればなと思っています。
ちなみに理想は横島×ルシオラです。この二人は…もっと幸せになってもいいと思ったので。
乱文失礼しました。それでは出来るのならばまた次回。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa