ザ・グレート・展開予測ショー

目覚めて見れば…6


投稿者名:K.M
投稿日時:(05/ 2/11)

あの後が大変だった…ちょっと調子に乗りすぎた俺は、

再起動したエミさんに殴るは蹴るは投げられるはと将来はやるK1真っ青なリアルファイト(俺がボコられるだけだったが)が展開され、

無言で美神さんと同じようにボコボコにされた…二人いがみ合うのって似すぎているから近親憎悪ってやつだな絶対!

取りあえず小竜姫様から貰った心眼の指示だって言ったら何とか納得してくれた。

心眼にはブツブツ言われたけど…

因みに冥子さんに助けを求めたが「私も〜ビックリしたの〜」と言って笑って見捨てられた式神に襲われなかっただけよしとしよう。

…ああ…なんか過去に戻ってから自分を慰めるのがうまくなったような…はぁ…

まあそんなことがあったが、とりあえず審判の方の証拠のテープを提出し白竜会の言質を取るという目標達成した。


目覚めて見れば…6


「待て!!試合はそこまでだ!!」

GS協会の役員を筆頭に、エミや横島達がわらわらとコート内に近づく。

「鎌田選手、術を解きたまえ!君をGS規約の重大違反のカドで失格とする!!」

「証拠は手に入れたわ!残念だったわね」

そう宣言し高笑いするエミの手の中にはカセットテープが握られている。

調子に乗って「玲子土下座でもしてもらうワケ」等といっている。

美神も拳を握り締め『ぐぬぬ!』とか言っているが、当然それ以上に収まらない人(?)が居た。

「証拠……?それがどうしたって言うの?」

そう言って勘九郎が横島達の向けて霊波をぶつけて来る。

「人間ごときが…下等な虫けらがあたしに指図するんじゃないよ」

(ま…こんなことで諦めるならメドーサの手下になんかなってないしなれないわな…でも、アンタも(勘九郎)も人間だろ?)

勘九郎の攻撃がバサラに飲み込まれるのを見ながら横島がそう突っ込む。

「もう遠慮は無用ね!GS美神 令子が極楽へ行かせてあげるわ!」

そういっ美神がチャイナ服を脱ぎ捨てる。

「あっ!令子ちゃんアルかーー」

厄珍を筆頭に会場に驚きの声が上がる。

エミはブーメラン、冥子はビカラを出し勘九郎へ向かう…

が、ブーメランは簡単に防がれ、

ビカラもすぐに勘九郎の一撃を受けで冥子の影に戻る。

『どうするのだ?』

『う〜ん…どうしようか?』

気絶した冥子を受け止めながらノホホ〜ンとした感じで横島が答える。

『質問を質問で返すな!って違う!何を暢気な!どう見ても旗色が悪いぞ!』

『………だな』

今は美神が頑張っているがどお贔屓目にみても分が悪い。

(エミさん接近に向いてないし…タイガーの心理攻撃は効かないし…

唐巣神父は居ないし…ちょっとヤバいな…でも、

状況的に考えて前は美神さん一人で撃退したはずなんだけど…何でだ?)

まだ成り行きを見ているのも一つの手だがそれは先ほどの決意と反してしまう可能性が高いので渋々決断する。

「ハーしょうがないか…エミさん!冥子さんの事お願いします!」

「ちょっ、ちょっと待ちなさい!」

エミの静止を無視し強引に冥子を渡し美神のそばに走り出す。

「美神さん!」

「アンタ!何しに来たのよ!足で纏いよ!さっさと逃げなさい!!」

息が乱れているにも関わらず近づいてきた横島に即座文句を言う。

「心眼が居ますけど、長くは持ちません!スキを見つけて殺っちゃってください!」

美神の言葉を無視し、両手にサイキックサソーサーを作り勘九郎に向かっていく。

一刀両断せんとする一撃をサイキックサソーサーを交差させ受け止める。

「ザコが!」

『いって〜!!心眼!出来るだけ体に無理を掛けずに、

出来るだけ受けずに躱せるようにナビゲートしてくれ!』

『なっ何!?そんなこと出来るわけ無いだろ!霊力を使え!こやつは強いぞ!』

『それは駄目!じゃあ、頼む!信用してるよ!相棒!』

『ちょ!う〜〜〜!…ええっい!任せろ!』

「グガアアア!!」

その答えに満足した横島は小さく頷き雄たけびえお上げる勘九郎を見据えた。

………
……


「横島さん!?」「横島君!?」

美神の前に出て勘九郎と対峙する横島を見て小竜姫と唐巣神父が悲鳴のような驚きの声を上げる。

確かに今回、横島はメドーサの手下を二人も倒す大金星を挙げた。

だが今回の相手は前の二人とは比べ物にならない程危険だ。

いくら心眼の加護が有ったとしても無謀すぎる。

「待ちな!」

すぐにでも割っては入ろうとする小竜姫に静止の声が掛かる。

「勘九郎の邪魔をするなら、このボーヤと会場の人間を殺すわよ!」

「なっ!」

「あの子達を助けたいなら、ここで私に殺されなさい、小竜姫…

計画は失敗したけど…あんたの命が貰えるなら悪くは無いわ」

「くっ…卑劣な…」

「あはは!魔族にとって卑劣は褒め言葉さ!さあ…何人目で命を差し出すのかね…

それともみんなを見捨てるのかい?おっ…まずはあの小僧か…」

メドーサの言葉が聞こえたかのように勘九郎が横島に凶悪な一撃を放つ…もうどうやっても間に合わない。

(横島さん…ごめんなさい…私が試験を受けろなんて言わなければ…)

ガキン!

「………え?」「なっ?」「馬鹿な!」

勘九郎の攻撃を受けた横島をみて三者三様の驚きの声を上げる。

しかも驚きはそれだけでは無かった。

今の勘九郎は魔装術に支配されかけた言わば半魔族だ。

GSのトップランクに位置する美神ですら一人で対等に戦うのは難しいのが証明されている。

それを逃げ限定とはいえ、昨日霊力を初めて使った横島が全て捌いているのだある。

驚くなと言う方が無理だろう…

最初に驚きから立ち直った小竜姫が不敵な笑みを浮かべながらメドーサを見る。

横島が何故そんなことが出来るがわからないが一つ確かな事がある。

「当てが外れましたね…向こうは彼らに任せておけば大丈夫そうですよ…メドーサ…」

「くっ…役立たずが…」

「どうです?今すぐ引くなら見逃してあげますよ?」

今は勘九郎の心配は少なくなったが横島が何時まで持つか分からない…

有利な間にメドーサを撤退させれば計画を妨害できた自分達の勝ちだとだ小竜姫は考えたのだ。

(後で事情を絶対説明して貰いますからね…横島さん!)

善戦する横島を見ながらそう誓う小竜姫だった。

………
……


(な、何だ?今凄い寒気がしたような…)

『こら!集中しろ!!』

死闘の中でキョロキョロと辺りを見回す横島に心眼が即座に注意する。

『ああ…分かってる…でも、なんか…凄くや〜な予感がして…』

『それは霊感か?』

『いや…判らん…』

『ならばすぐ'どうの'という事でなければ、後にしろ…今を生き残らなければ後など無いのだぞ!』

『了解…』

(とは言ったもののもう体が持たない…あ〜やっぱり体文珠で直しておくんだった)

二度に渡るヒーリングと負担の掛からないように戦っていると言っても、もう限界だ。

横島がやられる前に美神がスキを見てやっつけてくれる可能性があるがそれは分からない。

そう考えた横島は一つの決断を下す。

『…不意を付いたカウンターは効果が大きいんだよな…心眼?』

『そうだが…こんなときに何を…』

『いや…ブンブン煩いハエが大きなスキを見せたら相手はどう言う反応をするか…

そして行き成り飛び掛ってこられたらどうなるかな…ってことさ…飛び掛ろ役を任せるよ』

『ほー…なるほど…心得た』

横島の思惑が分かった心眼が面白そうに答える。

『…加減はしてくれよ?』

『…お主…この状況でもそんなことを言うのか?』

『命を掛けるって言ったろ?』

何となく脱力したような心眼の思念を無視し次の行動に移る。

「美神さん!」

その呼びかけで振り向いた美神と横島の視線が一瞬ぶつかったかと思うと、一気に横島が勘九郎に向かって走り出す。

「さっきからうざったいのよ!さっさと殺されなさい!」

怒声のような叫びと共に長剣を横島に向かって振り下ろす。

それを横島が二つのサイキックソーサーを使い受け止めるが甲高い音と共にサイキックソーサーは砕けるように消え、

横島自身も尻餅を付く。

『心眼!』

『言われなくても判っている!』

絶好の好機と思ったのだろう…

悠然と横島の目の前で大上段に剣を構えようとした勘九郎だが、

心眼から放たれた霊波が無防備な顔面に直撃する。

完全に不意を付いた攻撃だが、

霊波自体の威力は大したこと無いでダメージ期待できない…が、スキとしては十分過ぎる。


「美神さん!」

「言われなくても判ってるわよ!!」

(二人(?)して同じこと言わなくても…)

心眼と美神の反応に少し凹む横島の目の前で美神の手によって勘九郎の右腕が切り落とされる。

………
……


「これで私達の勝ちですね…メドーサ…」

美神が勘九郎の腕を切と飛ばすのを見て小竜姫がメドーサを睨む。

「…その様だね…確かに引き際のようね………勘九郎!!引き上げるわよ!!」

「……分かりました」

メドーサの命令に短く答え勘九郎は左手を掲げる。

「みんなここから離れて!!早く!!」

美神の指示は適切だったが少し遅かった。

すぐに三枚のモノリスが現れ閉じ込められたかと思うとカウントダウンを始める。

「火角結界か!全員で霊波をぶつけるんだ!!霊圧をかけてカウントダウンを遅らせられる筈だ!!」

唐巣の言葉で全員が霊波を当てるが大して遅くならない。

「くっ!」

「おっと…行かせないよ…」

メドーサが刺す又を構え火角結界へ向かおうとする小竜姫を牽制する。

「なっ…正気ですか!」

「ああ…あの位の大きさなら私やアンタなら大丈夫だろ?計画は失敗したしアンタの命も貰えない…

なら、原因を作った奴等位ぶ殺さなきゃ割りに合わないじゃない?」

『まずいぞ!』

『分かってるよ!』

心眼の思念にキレ気味に横島が答える。

(ちっ…何でメドーサが小竜姫様を妨害してるんだよ!

確か前は勘九郎の腕を美神さんが叩き斬ったら引いた筈なのに)

以前は横島のちょっとした活躍のお陰だったが今回はそれが無かったからだ。

例えそれを思い出したとしてももう遅い。

何とか出来ないかと横島が思案している間にも爆発へのカウントは確実に少なくなっていく。

隣ではタイガーが「エミさんーーーワッシは」とか言っている。

(あ〜もう〜何で人生ってこうも思い通りに行かないんだよ!ちきしょう!!)

発情するタイガーに八つ当たり気味にケリを入れながらそう泣きを入れ一歩下がり、みんなの様子を見る。

まあこの切羽詰まった状態で横島にワザワザ気を配っている奴は居ないだろうが念だ。

『おい!もう時間が…!お主何を…』

『しっ!』

横島はそう言って床に双文珠を放り、つま先で強く弾き人の居ない方のモノリスにぶつけた。

その瞬間パっ!と結界が光ったかと思うと、

バタバタと三枚のモノリスは放射状に倒れその全てに故障の文字が浮かんでいる。

「とっ、止まっ…た…?」

余りに唐突な幕切れに霊波を出す格好で固まっている一同を代表するかのように美神が呟く。

まあ、行き成り故障などと浮かべば仕方がないと言えるだろう。

(ふぅ〜…これでメドーサが引き上げてくれれば良いんだけど)

驚く一同を横目にそんな事を考えながら、

メドーサをチラリと見るとやはり驚愕の表情を浮かべている。

だが、何か違う

他のみんなは火角結界が止まった事に驚いているがメドーサは気のせいか横島の方を見て驚いている…

いや睨んでいると言った方がいいだろう。

キョロキョロと周りを見てみるが自分以外倒れたモノリスの周りに居る。

(…………え〜と…もしかして…見られた?)

状況的に考えてそれ以外横島が睨まれる理由は無い。

「…メドーサ様」

「分かってるわ!…引くわよ!」

勘九郎の言葉にそう答えると試験会場の屋根をぶち抜き逃げていった。

「…本当に…人生って思い通りに行かないな…」

天井に開いた穴を見ながら小さく呟いた。

………
……


「さて…横島君説明してくれるんでしょうね…」

「横島さん…私にもお願いしますね♪」

そこで横島はニコニコと笑う二人の美女に詰め寄られている。

男だったら憧れるシチュエーションかも知れないが今の横島にとっては笑顔を浮かべる二人は地獄の獄卒にしか見えなかった。

あの後、唐巣神父に後の処理を任せた(一般的に押し付けたと言う)美神は小竜姫と一緒に横島を拉致り、

自分の事務所に連れこんだのだ。

「あ〜の…お二人とも少し落ち着いた方が…」

果敢にもおキヌが説得を試みるが途中で二人の『あぁん?』という最上級の笑顔向けられ部屋の隅でカタカタと震えている。

「…で?」

「で…とは…何の事でしょうか…」

「素っ恍けんじゃないわよ!今日の事に決まってんでしょ!」

「そ、それは、心眼の御蔭で…」

「確かに横島さんには心眼が在りましたけど…昨日初めて霊力を使った人間があんなに旨く使える筈がありません」

「いえ…そお言われましても…」

横島が何とか誤魔化そうとするが二人が直ぐに逃げ道を塞いで行く。

『……やばい…心眼…何か良い言い訳できないか?』

『ウム…我も火角結界を無効化した術に付いて聞いておらんからな…説明して貰いたいな…

出来ないならば洗いざらい小竜姫様と美神殿に報告しなければならない』

助けを求めた心眼も無常にも横島の敵となる。

(えっと…もしかして四面楚歌?いや…三人(?)だから三面楚歌かな…って馬鹿な事考える暇無いだろ!!)

何とかこの窮地を抜け出そうと考えても旨い言い訳が思い浮かばない。

特に心眼には全部知っている上に文珠を見られたのだ言い訳何て出来るわけもない…

だからと言って全てを話すわけにはいかないが。

「さあ…キリキリ吐きなさい…」

そう言って美神が神通棍をカシャと伸ばし、小竜姫も神剣に手を掛ける。

(もう時間が無い…と言うか命も危ない!)

『心眼…後で出来る限りの事は絶対説明するから少し手伝ってくれ!』

『…後で?………偽りは無いな?』

『ああ』

『お主の目的に誓ってか?』

『……………………………………………誓うよ』

『ウム…返事までの間が気になるがまあ良いだろ…で何をすれば良いのだ?』

『美神さんと小竜姫様の気を数秒で良いから逸らしてくれ…方法は問わないけど…穏便にお願い』

『分かった』

「小竜姫様…美神殿…どうやらこやつ…話すつもりが無いらしいので我が仔細を話そうと思う…

そこでこやつが逃げんように拘束して戴きたい」

『ちょ!』

『信じろ』

確かにこうなったら信じることしか横島に出来ることは無い。

心眼の言葉に無言で頷いた小竜姫と美神がジリジリと横島に近づいてくる。

『やるぞ!』

美神が横島を掴もうとした瞬間カッ!とバンダナの目から強烈な光が放たれた。

当然こんな事を想定していなかった二人は光をモロに受けキャーと可愛らしい悲鳴を上げる。

『おお!ナイス心眼!』

動きの止まった二人の隙を突き横島が'記/憶''改/竄'の二つの双文珠を二人の

傍にに叩きつけた。

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