ザ・グレート・展開予測ショー

コロニーの中で・・・(続き)


投稿者名:NEWTYPE[改]
投稿日時:(00/ 5/20)

「ああ、分かってる。(ったくなんでこの娘達がパイロットなんだ!?)以後無線封鎖する。すべて視認による行動に移るように!」
「ラジャー!」
会話が終了するや、西条のロボットは速度を増した。
つづく二機のロボットは、縦になって西条のロボットを追尾しややあって左右に分かれていった。
西条は注意深くコロニーに取り付くと工業用ハッチのハンドルを握った。
「頼む・・・うまくいってくれ!」
西条は未来を信じてハッチを開けた。


一方その頃横島は・・・。
「あいつらカオス教の連中だぜ!ったく偉そうにしやがってよ・・・。」
「しっ!横島さん聞こえますよ。」
見ると周りにはたくさんのカオス教の兵士が厳重配備を敷いていた。最近になって反地球連邦組織『ICPO』がゲリラ活動を行っている噂が広まっていたからである。
カオス教はもともと地球連邦政府がジャオンの残党狩りを目的として設置した特殊部隊である。だが名前からして怪しいこの団体は「裏でなにやってるか分からん」「エリート面」「みんな威張ってる」といった理由などで周りの人間から毛嫌いされていた。
横島もその一人だった。しかし横島にはもう一つ嫌いな理由があった。
なんと、セクハラ行為をこの連中に目撃されると一週間の独房行きを命ぜられるのだ。
今までは一日で済んだのに・・・・・。
横島は既に十回ほど捕まっていた。そのおかげで学校の出席日数が足らなくなり休み返上で学校に通わざるを得なくなっていたのだ。もちろん自分が悪いに決まっているのだが本人はちっとも自覚する様子が無い。


横島とおキヌはチャリに乗ると自宅へ戻り始めた。時間をかなり食ってしまい、もう美神隊長と逢えないと諦めたからだ。
と、その時一台の車が30mほど前にある大きな工場の前で停まった。
中から二人の女性が出てくる。
「美神隊長だっ!!」
横島は思わず声をかけようと近付いたのだが隊長の横にいるもう一人の女性に目が移った。
「(キュピーン)ムッ!!・・・・・90点!」
横島は訳の分からん台詞を吐くと美神隊長の前で直角フェイントを使った。
シュバッ!!
「やハッ!僕はニュータイプ横島っ!!これから僕と宇宙遊泳でもしに行かない!?」
「な、何なの一体!?」
「あら・・・小竜姫中尉の知り合いじゃないの?」
「知りませんよ、こんな人。」
「知らないだなんてそんな〜、僕ら前世からずっと赤い糸で・・・イデデ!?」
振り向くと青筋を立てたおキヌが刃物のような鋭い眼で横島を睨みつけていた。
口元からコゥゥーという何か得たいの知れないものを吐き出している。
「横島さん・・・セクハラは駄目だって言ってるでしょっ!!」
「い、いやおキヌちゃん、これはセクハラじゃなくてナンパ・・・・・。」
「セクハラもナンパも同じですっ!!」
「いや、それは違うんじゃあ・・・。」
「違いませんっ!!」
「は、はい・・・・・。」
おキヌの凄まじい気迫に押されてアリンコのように縮こまる横島。
その様子を見ていた小竜姫が微笑みながら口を開いた。
「うふふ・・・あなた達仲がいいのね。ひょっとして恋人同士?」
「えっ!?い、いや私達は只の幼なじみで、あの、その・・・。」
途端におキヌの顔がカァ〜ッと赤く染まる。
横島も少しドキッとした様子で下を向きっぱなしだ。
小竜姫はふふっと笑うと真剣な顔つきで美神に向き直った。
「美神中佐、これがMK-Uです。」
小竜姫が指した工場の中には全長18メートルほどのロボットが立っており多数のメカニックマンによって整備されていた。
「私には今、このロボットが必要不可欠です。一刻も早くジャオンの残党を掃討しなくては。」
「小竜姫中尉・・・あなた騙されているわ。」
「騙されてる!?どういうことです!?」
小竜姫が納得できないといった表情で美神に詰め寄る。
と、その時・・・ギュルル・・・ドウーン・・!!
コロニーを揺する地響きがした。
「爆撃!?」
横島がとっさに振り向く。
「敵襲だっ!ICPOだ!」
兵士達が、音の下方向にドッと走り出した。
「!」
横島は一瞬誰かに呼ばれた気がした。キッと空を見上げると遥か上空から赤いロボットが急降下してくるのが見えた。
「赤いMS(モビルスーツ)・・・・・。」
横島はボソッと呟いた・・・。





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