ザ・グレート・展開予測ショー

横島忠夫奮闘記 53〜交渉成立?〜


投稿者名:ぽんた
投稿日時:(05/ 1/28)

「全く思い出すだに腹立たしい、見つけだしたら八つ裂きにしてやるぞ! あの三つ首の魔獣めが!」

横島の背中を冷たい汗が一筋つたい落ちる。三つ首の魔獣?

(ね・ねえ、ヨコシマ?それってまさか・・・)
(ま・待て、落ち着けパピリオ、決め付けるのはまだ早い。)

小声で問い掛けてくるパピリオに対し、それ以上の小声で答えてワルキューレに問い掛ける。

「なあ、ワルキューレ、その三つ首ってどんな奴だ? 猫か? 馬か? 河馬か?」
「犬だ!」

「じゃ・じゃあ、色は? ピンクとか水玉模様とか・・・」
「そんな魔獣がいるか! 色は漆黒で、口からは炎を吐いていたらしい」

横島の儚い期待はいともあっさり崩れ去った。目撃者の証言によると漆黒の巨体で見るからに
強そうだったが一切闘おうとはせずにわき目もふらずに逃げ出したらしい。
その様子からはある程度の知性が窺え尋問すれば黒幕が解る可能性も検討しているそうだ。

(やっぱりケルベロス?)
(らしいな)

事態は深刻だった。確かに魔界のどこに出るかなど予想していなかったが、まさか魔界の
軍刑務所の結界内に転移するなどとは想像も出来なかった。だがそれで通用するような事態ではない。
さすがにマズイと思い打開策を考えるが顔中から汗が流れ落ちるのはどうしようもない。

「やっぱり魔界正規軍の皆さんは怒ってらっしゃるのかな?」
「逆だ、特に下っ端連中はな」

不可解な言い様に詳しく問い質すと、脱走した以上は全ての対象がデッド・オア・アライブ
であり、下級兵達は大喜びで狩り出しているらしい。装備は軍の物を使い放題、標的は
殺し放題とあって、大いに闘争と殺戮の衝動を解放しているそうだ。

そう聞くと本来死なずに済んだはずの者まで殺されているのか、と気になったが脱走した
連中は全員が死刑囚か終身刑の者達で乗るかそるかの賭けに出ただけだと言う。
事実、比較的罪の軽い者達は脱走せずに刑務所内に留まっている、魔界の刑務所を脱走する
という事はそれだけの覚悟がいる事なのだ。

「上の連中も黙認しているし、統制も何もあったもんじゃない!」

ようするに丁度良いガス抜きぐらいに捉えているのだろう。闘う事を生業にしている軍人達だが
今はデタントの時代だ、そうそう大きな争いなど起こらない。訓練などでは発散できない
フラストレーションが溜まっていたのだろう。ワルキューレのように人界で実戦の任務に
就ける者などほんの一握りの選ばれた者にすぎない。アシュタロス戦役の時など早々に人界との
チャンネルを遮断されてじれったい思いをした者も多かったらしい。

「上層部は認識が甘すぎる! 真の大物は狂騒の陰に隠れて身を潜めているんだぞ!」

騒ぎが大きくなるほど注意が分散されて逃げ易くなるのは当然だ。頭の良い奴なら間違い無く
その状況を利用する。ワルキューレはそれを危惧して単独で動いているのだろう。

「なあ、土偶羅は何て言ってるんだ?」

横島は気になった事を聞いてみた。かつてアシュタロスが生み出した土偶羅は三界随一の
演算能力を誇り、戦役後ヒャクメとジークの壮絶なジャンケン勝負の結果、魔界軍情報部
の預かりとなり今では協力しているはずだった。

「その土偶羅の進言でな、かなりの高確率で人界に逃亡した可能性があるとの事だ」
「成る程ね・・・それでヒャクメの出番ってわけだ」
「えへへぇー、久しぶりにお役に立てるのねー」

役立たずの代名詞のように思われがちなヒャクメだがその能力は本物だ。アシュタロスとは
戦力差があり過ぎた為、テのうちようが無かったがそれで無能という訳にはいかない。
周囲の評価については本人のお気楽な性格にも起因しているのだが当のヒャクメは気付いていない。

「ですがその転移を行った存在が気になりますね。神族のデタント反対派の可能性もありますが
現在はなりを潜めています。となると人界からですが、そこまで力のある魔族が潜んでいるという話は・・・」
「もしくは悪魔崇拝などを行う人間の集団があるかだ。だが人間にそんな力は無い。となると
”力”ではなく”術”という事になるが小竜姫よ、人界にそんな術があるのか?」

小竜姫の考えをワルキューレが補足し、推理を展開しているがその方向が的外れになりつつ
あるのを見ながらどの段階で口出しするかを横島は決めかねていた。このままトボけるという
選択もあるが、心配そうにしているパピリオを見るとそれは出来ない。ケルベロスの身の安全が
気になっているのだろう。その確保の為にも介入するしかない。問題はタイミングだ。

「現存する中にはありませんね。可能性があるとすれば既存の召喚術などを独自にアレンジする
ぐらいですが、私の知る限りではそんな非常識な発想をする人間など・・・」

「「「横島(さん)?」」」

神魔三人の声が揃う。一方横島の方はといえば、介入のタイミングは計っていた処をいきなり
切り込まれたようなもので言葉に詰まっていた。顔といわず背中といわず汗だくで狼狽する様は
怪しい事この上ない。それを見てワルキューレの疑念は確信に変わる。

チャキッ!

ワルキューレの構えた拳銃が横島の頭をポイントする。おかしいとは思ったのだ。
魔界内の出来事なのに随分と興味があるようだった。降りかからない火の粉など関係無いはずだ。
人界に逃げたかもしれない奴の事が気になるのかとも思ったが、横島の質問はどちらかと言えば
原因になった魔獣の方に重点が置かれていた。常識で考えればありえない話だが目の前の男程
常識という言葉を当て嵌めるのが虚しくなるような相手はいない。いてもせいぜい美神令子ぐらいだ。

「横島、何か私に話す事があるんじゃないか? この引き金は軽いぞ?」
「ばっ、馬鹿! 危ねえだろ! 周りに当ったらどうすんだよ?」

銃口を向けられた横島は慌ててパピリオを膝から降ろし、壁際まで下がった。
ここなら周囲を巻き添えにする事も無いと思い、ワルキューレに控えめに話し掛ける。

「なあ、落ち着こうぜワルキューレ。俺達の間にはまだ話し合う余地があるはずだ」
「貴様の出方次第だな、それによって私の対応も変わる」

なんとか宥めようとする横島に対しワルキューレが冷然と切り返す。銃口は微動だにしない。
だがその状況に耐えかねて動こうとした者達がいた。

「先生に何を・・・」
「動くな! シロ、明音!」

横島の身を案じた二人が割って入ろうとしたが、横島の鋭い声に金縛りにあう。
残りの者が動かないのは、成り行きに興味があるというのもあるが、皆横島の事を良く知る
からこそだ。銃を向けられたぐらいで、どうにかされるような男ではない。


ワルキューレの視線は動かない、子供の戯言など耳を貸すまでもない。優先すべきは真相の究明、
横島は間違い無くこの件に関わっている。それを聞きだす事が今の最重要事項だ。

「魔界軍の拳銃はあまり軽量化されていなくてな、長時間構えるのには向かないんだよ」
「え〜と、降ろせば楽になるんじゃないかと・・・」

なんとか友好的にいきたい横島が提案するが無言のうちに却下されたようだ。

「最後だ、言え、事の原因に貴様は関りがあるのか?」
「う〜んと・・・や、やっちゃった、テヘッ♪」

何とか場の雰囲気を和らげようと可愛らしさを演出してみたが結果は見事なくらいダダ滑りだった。
さすがに寛大な小竜姫も眉を顰めている。対照的にワルキューレは完全に無表情だ。

「横島、重たい銃を軽くするのに一番手っ取り早い方法を知っているか?」

てっきり、テヘッ♪じゃないっ!、とかいう鋭いツッコミが来るものと思っていたのだが
予想外に静かな口調で話し掛けて来る。だが銃口の向こうに怒気が陽炎のように揺らめいている。

「な、何でしょうか?」

機嫌を取るような口調で問い掛けるが、相手はにべも無い。

「中身を出す事だ」

ドドドドンッ!

一瞬で怒気が殺気にまで昇華してフルオートのような斉射が襲い掛かる。咄嗟に霊波刀で
切り払うと攻撃が止み、空になった弾倉がグリップから落とされる。
次のマガジンを篭めようとしないので安心して苦情を言う。

「殺す気かっ!?」
「まあな」

ドンッ!

言い終わると同時に空のはずの銃から最後の一弾が撃ち出される。
それがモノの見事に左胸の部分に命中し、その衝撃で壁に叩きつけられ前へと倒れ込む。

「ヨコシマッ?」
「「先生っ!」」
「横島サンッ!」

慌てたようにタマモ、シロ、不動、タイガーが駆け寄って行く。いきなりの銃撃にも驚いたが
それを霊波刀で切り払ったのには更に驚いた。だが相手がマガジンを落としたのを見て完全に
弾切れだと安心していた時に不意打ちの銃撃だ。モロに心臓の位置で致命傷のはずだった。
その割に出血が無いのだが、動転している四人はその事に気付けない。

対照的に全く動じていないのが神魔の四人だった。ワルキューレは空になった弾倉を拾い
小竜姫達の方に戻り、暢気に茶を啜っている。

「今のは?」
「ああ、予めチェンバーに送り込んでおけば、弾倉分より一発余分に装填出来るという訳だ」

小竜姫の短い問いかけにワルキューレが簡潔に答えている。

「成る程、相手の認識を逆手に取るとは見事ですね。横島さんにも良い勉強になったでしょう」
「だと良いがな」

小竜姫の賞賛に今度はワルキューレが短く応じる。

「でも横島さん流石なのねー、あのタイミングで反応出来るなんて」

総てを視るヒャクメの目には何が起きたかは一目?瞭然だったが、そこまで視認出来なかった
四人には神魔の面々の暢気そうな様子が理解できない。当然怒って詰め寄ろうとするが、

「あ〜、死ぬかと思った」

そう言いながら、何事も無かったように横島が起き上がった。服の左胸の部分に穴が
空いているが、出血の跡は見られない。その部分からポロッと銃弾が零れ落ちる。
それを見た四人が恐る恐るといった口調で問い掛けた。

「「「「不死身?」」」」
「んなワケあるかっ! 霊気の盾で防いだだけだよ。しっかし衝撃までは無理だったな〜」

横島が簡単に種明かしをするが誰にでも出来る事ではない。横島にとってもギリギリだったのだ。
普段なら服の上で防ぐのだが、今回は皮一枚だ。殺気が消えていない事に気付かなかったら
まともに喰らっていただろう。ワルキューレ程の者なら殺気を消して撃つぐらいの事は自在のはずだ。
それをやらなかったという事は本気ではなかったという事だ。単なる憂さ晴らしだろう。
横島以外なら間違い無く死んでいたであろう憂さ晴らしだが。

「何時までそこにいるつもりだ、サッサとこっちに来て詳しく事情を話せ」
「へ〜い」

ワルキューレからのキツイ催促の声が飛ぶ、本番はこれからだ。
元の位置に戻り、ナルニアでの一件を詳しく説明した。退魔の依頼を受けて出向いた先で
旧知の者と再会した。困っていたので相談に乗った。故郷に還りたがっていたので力を貸した。
送り先については何の特定もせず、魔界の”何処か”に送還した。
言葉にすればこれだけだ。だがそれでは到底納得出来ない者もいる。

「魔獣と旧知とはどういう事だ? そんな奴と何処で会ったんだ?」

ワルキューレが当然のように詰問してくるが、少々答え難い質問だった。
できればパピリオの事は話さずに説明したかったのだ。面倒事になりそうな予感がしたので。
だが人界でその辺をうろついているような存在でもないので白状するしかない。

「出会ったのは逆天号の中だよ、暫くはルームメイトだった。それから諸共に人間側から
殺されそうになったりもしたから、まあ言ってみりゃ、共に死線を越えた仲ってヤツかな?」


横島の発言を聞いてその内容を吟味してみる。逆天号に連れて行かれた経緯は聞いている。
最初はペットにする為に捕われていたはずだ。ならば魔獣は逆天号で飼われていたペットだろう。
同じペット小屋で飼われていた魔獣をルームメイトと呼称する神経は理解できないが、それを言うなら
そもそもペットにする為に横島を首輪に繋いだ張本人が現在横島の膝の上に座っている。

殺されかけたというのは恐らく、美神美智恵の指揮の下で行われた人間側の逆襲だろう。
人界に駐留していた神魔悉く歯の立たなかった魔法兵鬼逆天号をあわや撃墜かという処まで
人間が追い詰めたというのは軍では有名な話だ。それは同時に軍部の恥でもある為大っぴらには
語られていない。人間が諸共に殺されかけた話など尚更だ。それについて同情するつもりなど
ワルキューレにはない。戦士たる者一旦戦場に出た以上はどんな形であれ死の訪れは覚悟すべきだからだ。
だが命の危険を共に潜り抜けるような経験をすれば共感や連帯感が生まれるのはよくある話だ。

「つまりその魔獣はアシュタロス一派の残党という事か?」
「残党とは言わんだろ? アイツの指揮下で闘った訳でもないし、どっちかって言や戦災被害者?」

アシュタロス一派の残党と同一視されたら残党狩りに会うかもしれないので必死に言い繕う。
何とか殺傷対象から外してもらいたかった為、口車は全開だった。

「ケルベロスが一人取り残されて淋しい思いをしてたのも、元はと言えば戦後処理が
不完全だったからだろ? 俺がやったのはその後始末みたいな物じゃないのか?」

正しく盗人猛々しい言い草だが、逆天号の乗員を徹底追跡しなかったのは事実だ。
アシュタロスとルシオラは死亡、ベスパとパピリオの身柄は確保していた為、急を要するとは
思わずに大した熱意も湧かなかったと言った方が良い。今回そのツケを払わされる形になった訳だ。

「だがその話とヤツをどうするかは別だぞ」
「だからそれを頼みたいんだよ! 俺に出来る事なら何でもするからアイツを殺さないでくれ!」

横島としてはここが踏ん張り処だ、何とかワルキューレから交換条件を引き出したかった。
ケルベロスに何かあればパピリオが悲しむ、多分盛大に泣くだろう。そんな事は絶対に避けたかった。

「頼む! ワルキューレだけが頼りなんだ、アイツを助けてくれ」

形振り構っていられない横島はパピリオを優しく膝から下ろして思い切り土下座した。
周囲から驚きの声が上がっているようだが知った事ではない。

「俺に出来る事なら何でもやる、いや、出来ない事でもやってみせる! だから、お願いだ!」


ワルキューレは声も無い。これは共感や連帯感などから起因するような行為ではない。
自分なら土下座するぐらいなら死を選ぶ、横島とて自分の認めた誇り高き戦士のはずだ。
その男がここまでやる以上は何か理由があるはず、それが解らない限り首を縦に振るつもりは無かった。

「とにかく顔を上げろ、私の認めた戦士がそんな情無い真似などするな、たかが魔獣の為に」
「たかが? たかがだと!? お前にとっちゃ”たかが”でも俺にとっては違うんだよ!
情無かろうが格好悪かろうが関係無え! アイツの命の方が大事なんだ!」

これ以上横島の土下座など見たくなかったので声を掛けたのだが返って来た反応は予想外のものだった。
絶対におかしい、余りにも不可解すぎる。何か口に出していない理由があるはずだ。

「理由を言え、お前がそこまでして魔獣の命乞いをするのは何故だ?」
「理由が無きゃおかしいのか? 死んだらそこで終わりなんだぞ?」

横島は一向に口を割ろうとしない、このままでは押し問答が続くだけだ。

「横島さん、”誰”の為なんです?」

二人の膠着した様子を見かねて小竜姫が取り成すように口を挿む。
だいたいの理由は想像がつくが、本人の口から語られなければ意味が無い。

「”誰”って何の事です小竜姫様? 俺にはサッパリ・・・」
「ワルキューレ、私からもお願いでちゅ、ケルベロスの事許してくだちゃい」


あくまで惚けようとする横島の後ろからパピリオの声が上がる。
自分を庇おうしてくれた横島の気持ちを台無しにする事になるが、これ以上黙ってなどいられない。

(ばっ、馬鹿! もうちょっとだったのに何で黙ってなかったんだ?)
(もう良いんでちゅ、横島の気持ちだけで充分嬉しかったでちゅ、これはパピの責任でちゅよ)

小声で叱責する横島に対し、パピリオが涙ぐみながら抱きついてくる。
パピリオの涙を見たくないからこその交渉だったはずが、これでは本末転倒だ。
こうなったら最後の手段、開き直りの逆ギレから場合によっては実力行使だ。

「ワルキューレッ! もしもケルベロスを殺してパピリオを泣かすような奴がいたら
この俺が許さねえ! 魔界の果てまで追い詰めて、この手で嬲り殺しにしてやる!」

横島が立ち上がり、殺気全開で睨みつける。今までの必死さがそのまま殺気に変わったようだ。

「例えそれが戦友たる私であってもか?」
「例えそれが戦友たるお前であってもだ」

ワルキューレの、相手の覚悟を試すような質問にも間髪を入れずに答えてくる。
その言葉の中には一切の迷いは含まれていない。覚悟を決めた戦士の誓言だ。  
ワルキューレの胸の奥から何かがこみ上げてくる。正体は解らないが決して不快な物ではない。

「初めからそう言えば良いのだこの馬鹿者が。お前は魔族との交渉の仕方が解っていない。
我々は人間とは違う、最初に覚悟を見せ付けなければ駄目なんだ」

抑えようとしても抑え切れない笑みがこみ上げる。理由が解れば納得も出来る。
ルシオラの妹であるパピリオの為なら、確かにこの男なら魔界全体を敵に廻す事も躊躇わないだろう。
些か行き過ぎのような気もするが、果たせなかった誓いの代わりにしたいのであれば止められない。

「私がお前の頼みを無碍に断るとでも思ったか? 理由さえ解ればどんな便宜でも図ってやる」
「へっ? じゃあ、良いのか?」


突然風向きが変わったような気もするが、追い風ならば大歓迎だ。
横島はパピリオは抱き上げて喜びを共有した。

「良かったなパピリオ、アイツきっと助かるぞ」
「うん、嬉しいでちゅ、全部ヨコシマのお陰でちゅよ」

首の辺りにポタポタと温かい涙が落ちてくる。結局泣かせてしまったが嬉し涙なのでOKだろう。

「安心して良いぞ、他ならぬ横島からの頼みとあらば大抵の無茶は通るだろう。何せ
”アシュタロス戦役の英雄”であり”魔神殺し”の横島忠夫の名前の持つ威光は絶大だからな」
「何だそりゃ? 俺の名前なんかに効力があんのか?」

思いもよらなかった事を聞かされて思わず疑問の声を上げてしまったが、返って来たのは
呆れたような視線と声だった。それはもう心底呆れ返ったような。

「お前は自分を知らんにも程があるな。魔族の最高指導者はお前の事を最も高く評価しているし
他の魔王達の中にも興味を持っている者はいる。現在、魔界で最も注目を集めている人間がお前なんだ」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(あとがき)
容量オーバーな為、無茶苦茶中途半端なとこで切る破目になりました。
話が全く進んでません、まさかここまで進まないとは・・・
ああ、何時になったら写真撮影に辿り着くやら・・・

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa