吟詠公爵と文珠使い1
投稿者名:アース
投稿日時:(05/ 1/19)
《事務所からの帰り道で》
ある夜、いつものように美神の事務所からアパートに帰る途中であった。今日も今日とて某犬チック狼の人類耐久フルマラソンにつき合わされ、捻くれ狐に油揚げを奢らされ、入浴を覗こうとして雇い主の鉄拳をあびたりするなどして死出の旅に出かけていたが、おキヌの料理の新メニューによって復活を果たしていた。(料理の出来に関して、おキヌを褒めると他の三人から妙なプレッシャーを受けた)
「何で、美神さん、俺を無言で睨むかなー。あんな視線を向けるのは道楽ロン毛公務員で充分だろうに」周りの女性からの好意に全く気づかない。鈍感さが犯罪というなら、この男は真っ先に逮捕されるべきではないだろうか。
(何だ、もうアパートの近くまで来ていたのに・・・・)
周りは見覚えのない景色。まるで古戦場跡のようだった。
今更になって気づく。ここは異界だ。いつの間にか誘い込まれていた。他のことを考えていたとはいえ、全く気づかないとは
(どうする。こんなことが出来る奴が、只者のわけねえ)
「ふむ、思ったより鋭い。見かけ通りの男では無いようだ」
突然、自分の後ろから飄々とした涼やかな女の声。通常なら声を聞いた途端、襲うかかっているだろう。だが、凄まじいプレッシャーがそれを阻む。これほどの『力』を感じさせる相手は三名。フェンリル、ハヌマン、そしてアシュタロス。
「誰だ。そして何の用だ」やっとのことで、声を搾り出す。相手のことを知らなければ動きようが無い。もっとも頭の中で答えは出ていた。相手は魔神だと
「名乗ってもいいが、こちらを向いてくれんか? お互い顔も見ずでは話しづらかろう?」『彼女』が、声を投げかけてくる。まるでこちらの動揺を見透かしたように・・・・
横島は、思い切って振り向いた。それだけの動作で、体中の水分が汗に変わったようだった。
暗褐色の翼。左右には大きく捩れた角。切れ長の月の瞳。
充分美人の範疇に入り、人間の姿と殆ど変わりない。但し、翼と角を除けばだが
「驚かんのか? 大抵の人間は、この姿を見ただけで腰を抜かそうに・・・・」
彼女の声は、相変わらず涼やかだったが、その中には明らかに興味と驚きがあった。
「生憎、魔族や妖怪に知り合いがおおくてな。姿だけじゃ驚かねえよ」内心の動揺
を隠すかのように横島が言う。
「自己紹介が、まだだったな。我が名はゴモリー。吟詠公爵とも呼ばれる魔神の一柱だ」彼女、いや魔神ゴモリーは、静かに自分の名を告げた。
時間の関係でここまでしか送れません。穴だらけの作品ですが、ご一読してくださると嬉しいです。次回バトルシーンです。
今までの
コメント:
- ちょっと短過ぎる気もしますが
続きを早く読みたく思ったので賛成で。 (ぽんた)
- えっと、横島の性格と言葉遣いが少し気になります。
美人に飛び掛らなかったのは、ルシオラのことを引きずっているからだと考えられますが、言葉遣いまで成長しているのは神妙山で修行でもしたのでしょうか?
横島なら明らかな敵意を前面に出してない限り飛び掛る振りぐらいすると思ったので…
それでも、これから先の展開が読めないので期待しています。 (yuu)
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