ザ・グレート・展開予測ショー

目覚めて見れば…2


投稿者名:K.M
投稿日時:(05/ 1/15)

何とか生きている…ようだ…

アレから美神さんの地獄のような………イヤ忘れよう…

とりあえず多少まだ疑っているようだが何とか疑いを晴らす事が出来た。

今、俺は美神さんと一緒に試験会場の前に居る。

「じゃ、ここからは別行動よ。私が来てるのは秘密にしといてね」

「はい…了解しました…」

「ほら!しっかりしなさい!男の子でしょ!」

バシバシ背中を叩く美神さんを恨みがましく見る。

いや…無理…殆ど寝てないのに…

って美神さんも同じ筈なのに…なんでそんなに元気なんですか…

「うっ…そんな風に見ないでよ…だ、

大体アンタが急に変わるのが悪いのよ!まだ疑ってるからね!」

そお言うとそそくさと行ってしまった。

て言うか逆切れ?美神さん…それはちょっと酷くない…

でもま仕方が無いと言えば仕方が無いか…

たしかこの頃の俺って女と見れば見境無くモーション掛けえてたもんな…

なんつーか…若気の至りというか…

今じゃやろうとしても恥ずかしくて出来ないし…ハーこれから憂鬱だな…


目覚めて見れば…2


「横島さんも来てたんですかぁ…!教えてくれれば良いのに」

「あっ…ピート…おはよ…昨日急に決まってな…」

「そうなんですか…それと横島さん…何か疲れれません?」

「…聞かないでくれ…」

横島の憔悴した様子にピートはその事に付いては触れない事にし、話題を変える事にした。

「でも、横島さん受けるんですよね…実は誰も知り合いが居なくて心細かったんですよ…」

「何で?別にピートの実力なら何の心配も要らないだろ?」

「だって!故郷の皆も期待してますし!…唐巣神父だって頑張れって…期待してるって言ってましたし!

落ちたら応援してくれる人たちの期待を踏みにじるのかと思うと…あああ!!僕は!僕は!!!」

(おいおい…700年も生きて来て今更何言ってんだよ…)

錯乱気味のピートと見ながら横島は小さくため息を付く

「落ち着け…ピート…良いか?ハーフとは言えバンパイアだ…力やタフネスは勿論、

霊力だって並のGSじゃ歯が立たない物を持ってんだ…

普通にやってればGSの受験者程度じゃ負けないよ…」

「ほ、本当ですか…?」

「ああ」

横島が力強く肯定するとピートが落ち着きを取り戻す。

「ありがとうございます…落ち着きました…」

「そりゃ良かった…」

「あの…ところで横島さん…なんかしゃべり方が変じゃないですか?」

「えっ?」

「何時もはもっとなんと言うか…その……荒っぽいと言うかなんと言うか…

そんな印象だったんですけど…なんか落ち着いた感じで随分丁寧なしゃべり方じゃないですか?」

「いや…そんな事無い」

(しまった!話し方は前(未来)に美神さんが

『アンタももう一流なんだから話し方に気をつけなさい』って言って矯正させられたんだった)

横島が何とかこの場を凌ごうと考えていると突如視界が暗くなる。

「よっこしまサーン!!ワッシは…ワッシはキンチョーして!!」

「ぐほっ…た…タイガー…か?…チョーク…チョーク…締まって…」

「タイガー!横島さんの首を絞めてる!」


〜暫くお待ちください〜


「げほっ…げほっ…げほっ…」

「横島サン…申し訳ないですノー」

大きな体を出来る限り小さくし横島に謝る。

当然、昔の横島なら謝ったとしても『殺す気か!』と

怒鳴ていたが今はそんな事はしない。

「…ハー良いよ…同じ事をしないでくれれば…」

横島としては正直8歳も年下を怒鳴るのも大人気ないという思いと、

先ほどの話題から話が逸れたと言う事もありそう言った。

「気を付けますノー…」

「たく…お前もプレッシャーに弱いのか…あのな…

二人の師匠の唐巣神父やエミさんは超一流のGS何だぞ?

その人たちが受けて来いて言ってんだから自信もてよ…

それになタイガーの精神感応はエミさんの助力が有ったとはいえ美神さんを追い詰めただろ?受験生位なら楽勝だよ」

「本当ですかいノー?」

「ああ、ピートもタイガーも自信持てよ…」

「そうですノー何か自信がわいできたですジャ!」

「そうですね!」

(全く…でも…二人とも良く俺の言葉なんか信じられるよな…

自慢じゃないが、昔の俺ってGS試験の時って丸っきりの素人なのに…)

………
……


「それでは足元のラインに沿って並んで霊波を放出してください」

周りにいる奴らが各々のやり方で霊波を放出を開始する。

(え〜…確かこの時って心眼の力を借りて合格したんだよな…)

『心眼…心眼…お〜い』

『……何か用か?』

横島の思念の呼びかけにけだるそうに答え、バンダナが目を開く。

『悪いけど俺の霊力を使って合格出来る程度に霊波を出してくれないか?』

『ふん!そんなのお主がすればよかろう!』

『いやいやいや!ちょっと待って!』

有無を言わず眠りに付こうとする心眼を慌てて横島が止める。

『…なんだ…まだ用が有るのか?』

『いや!頼む!霊波を出すのを手伝ってくれよ!』

『フン!何を馬鹿なことを…お主に我など必要なかろう…』

最後の方は思念のトーンが下がりながら返事をする。

ようは心眼はサーポートすべき横島の実力を知っているのだ。

どう考えても歩行器が必要な実力では無い。いや歩行器など邪魔にしかならない実力を持っているのだ。

当然そのことが分かっている心眼は自分の生まれた意味が無い事も十分に分かっているのだ。

『本当に手伝ってくれないのか?』

『何度も言わせるな…お主に私は必要ないだろ…』

『どうしても?』

『くどい……』

『…なら俺にも考えがある…手伝ってくれないなら俺は何もしない!…ここで落ちるぞ!』

横島の余り意味の無さそうな脅しだが心眼は直ぐに反応した。

『ちょっと待て!お主何を考えておるんだ!』

『だって…お前が手伝ってくれないんだろ?それじゃ困るんだ』

『だからと言って!』

『心眼はGS試験で俺をサポートする為に生まれたんだろ?

心眼が生まれた理由を放棄するなら俺もGS試験を放棄する!』

『何だ!その子供見たいな理由は!というか私が手伝わないのと試験を放棄するのは何の繋がりも無いだろ!』

『そんなの関係ない…心眼が手伝わないならここで試験は終わり…手伝ってくれるならコレが試験の始まり…』

絶句(?)している心眼に追い討ちを掛けるように

「13番のバンダナ集中しなさい!」と言うアナウンス声が聞こえる。

『さあ…どうする?』

『くっ!…ええーい!手伝ってやる!』

その思念と共に横島から勢い良く霊波が放たれる。

『ば、馬鹿!強すぎるって』

『煩い!煩い!煩い!!!』

『ちょっ…ちょっと落ち着いてくれ!!』

………
……


「凄いじゃないですか横島さん!」

「本当ジャノー」

一次試験が終った途端横島の周りにピートとタイガーが寄ってくる。

「ああ…ありがと…」

心眼が全力で発しようとする霊波を何とか制御しつつ心眼を宥めていたため精神的疲労が大きかった。

「スゴイ霊力でしたけど…一次試験からあんなに飛ばしていたら先が持たないんじゃないですか?」

「えっ?」

タイガーでもピートでもない第三者から行き成り声を掛けられ横島がそちらを振り向く。

そこにはチャイナ服に眼鏡の女性が居た。

(あっ!そう言えば美神さんこんな格好してたっけ…)

「え〜と何か御用ですか?」

「一緒にお昼ご飯でもどうかなと…私はミカ・レイ…同じ受験生です」

「分かりました喜んでご一緒させていただきます」

『なっ!』

事情を知らない後ろの二人が驚きの声を上げる。

まあ普段の横島を知っている二人にとってミカ・レイ自身に飛びつかなかったことに驚いた居たのだ。

(何故そこで驚く?)

それがわからない横島は心の中でそう突っ込みミカ・レイこと美神と一緒に館内の喫茶店まで一緒に行った。

………
……


「で…何か御用ですか美神さん…」

この横島の言葉に美神が飲んでいたアイスコーヒを思い切り噴出し面白いくらいにうろたえる。

「な…アンタ」

「…これでも美神さんとの付き合いながいんですよ?

ちょっと変装したくらいで騙されませんよ…

しかもミカ・レイって名前、苗字と名前の最後を一字削っただけじゃないですか…」

「…何時から気付いていたのよ!」

「声を掛けられて直ぐです…格好と名前がこんなに似て声まで似てれば直ぐピンと来ますよ…」

「グ…うっさい!」

顔を真っ赤にし、レテ隠しにか横島の顔面に拳が飛んでくる。

「いい!私の正体は誰にもしゃべっしゃダメだからね!」

「りょ、了解…」

殴られた鼻を押さえながら何とか返事をする。

「あ〜あ…こんなに簡単にバレるならもっと凝った変装するべきだったかしら…他の連中にバレてないかな…」

「声さえ聞かなければ大丈夫だと思いますよ…

それに、美神さんに確かに似てると思う人は居ると思いますが、

まさかS級GSがGS試験を受けてるとは思わないんじゃないですか?」

「そうかも知れないけど…メドーサにバレたら変装した意味がなくなるじゃないの」

「まあ…そうですけど…でも、

メドーサだって美神さんの事を良く知っているわけじゃ無いんですから大丈夫じゃないですか?」

「うう…でも…アンタにこうもアッサリバレるとね…やっぱムカつくわ」

美神さんそう呟き、少し考え込んでいる。

「ところでアンタ…さっきの霊力は何?」

(やっぱり聞かれるか…)

横島の変化をことを少なからず疑っている美神があの霊力を見て何も言わないわけが無い。

当然横島もその位の事はちゃんと考えてある。

「ああ、小竜姫様から貰ったバンダナのお掛けですよ…」

「そういえばバンダナに目が有ったわね…その御陰?」

「はい…でも、凄く疲れたんですよ…

霊波を自分で出したって言うか強引に搾り取られたって感じでしたから…」

「……なるほどね…」

一次試験の事と終わった後のことを思い出し合点行ったのか美神がそう呟く。

「まぁ、そう言う事ならいいわ…二次試験あんたなりにがんばりなさい…

どんな理由だろうと一次試験でアンタにも結構注目が集まってるから余り無様に負けて私の看板に泥を塗らないでね」

そう言って美神さんは伝票を持って席を立つ。

「オゴってくれるんですか?」

「まっ…理由はどおあれ一次を受かったんだからお祝いにね…あっ、でも追加注文するなら自腹でしなさいよ」

「ありがとうございます」

恥かしかったのか横島の言葉に何も答えずレジへと向かった。

「危なかった…」

出ていく美神の背を見送った横島はため息を付きそう呟く。

もしあの霊波を自力で出していたら横島への疑念をもっと大きくなっていただろう。

が…それでは終わらない奴が居た…

『お主…誰が強引に搾り取ったんだ?』

低く何かを押さえ込んだような声が横島の脳裏に響く…

『し、心眼?』

『嫌がる我を脅しまでして強引にやらせたのにそう言うことを言うか…?』

『…何か…その言い方イヤらしいぞ…』

『貴様!!一応主だと思い下手に出てれば!

この後に及んでそんな馬鹿なことを言うか!』

『いや…下手に出られた事なんて無いと『黙れ!!!』

横島の言葉(思念?)を心眼が遮る。

『お主のその曲がった性根を叩きなおしてやる!』

………
……


「はっはっはははははっ!!小僧、貴様が相手か…?どうした小僧…なんかやつれていないか?」

「…………大丈夫…だと思う」

カオスの疑問に横島がそう答える。

心眼に二次試験が始まるまでずっと頭の中で説教され続けたのだ…

思念なものだから逃げる事も耳を塞ぐことも出来ずストレスの局地だった。

そんな横島の様子にはかまわず審判がルールの確認をし、確認の合図をする。

開始のゴングと共に横島はカオスに意識を集中する。

戦った事も勝った事も覚がある…が、なにせ横島にとって7年以上も前の事だ…細かい事は殆ど覚えていない。

(さてと……さっきの説明だとこの結界の中ならマリアの攻撃は無効になったばずだよな…

カオス怪光線に注意すればいいと思ったけど…え〜と…前はどうやって勝ったんだっけ?)

そんな事を横島が考えているとマリアのロケットアームが

横島の前で結界に阻まれ落ちたかと思うと直ぐにカオスの怪光線が飛んでくる。

(おっと!アブね…)

バシュァァァッ!

バシュァァァッ!

連続で放たれる怪光線を避けながら考えを巡らす。

(ヤバイな…どうやって倒すか…まさか文珠を使うわけにはいかないし…)

今の横島は昔の横島の体に未来の魂が入った状態と言えるだろう。

そのため横島の思いとは裏腹に体が動きに付いてこない…

最初の攻撃も、もっと安全に避ける積りだったが体が上手く動かずギリギリになってしまった。

だが魂は未来の物だから霊力などは殆どそのままだ。

肉体を酷使するような術以外なら殆どが問題なく行使できるだろう…

が、そんな事をすれば自分に何か起こったかバレてしまう…

そうなれば神・魔族に処刑される可能性もある…それは流石避けたい…

そのため今横島に出来る事はカオスの攻撃を避け続け、

前にどうやって勝ったかを思う出し、同じように勝つことしか出来ないのだ…

「え〜い!ちょこまかと逃げおって!さっさと当たらんか!!」

「無茶苦茶言うな!…当たったら痛いだろうが!」

「えぇい!小癪な!マリア!小僧の足を止めるんじゃ!!」

「イエス・ドクター・カオス」

(あ…思い出した…)

横島がそう思うと同時にマリアは腕からガション!という音と共に仕込んでいたマシンガンを出現させ、

それを躊躇無くぶっ放す。

当然、物理攻撃なために横島には届かないがの周りを穴だらけにされたため動きは止まる。

「食らえ!!」

ピピーーーー!!

勝利を確信したカオスの声を審判の笛が遮る。

「ドクター・カオス選手! 銃刀法違反で反則負けです!」

「……なんじゃと!!……し、しまった!迂闊じゃったぁ!!」

(あ〜そうそう、前もこうやって勝ったんだったな…)

「勝者、横島選手!」

プロレスの様に審判に手を挙げられながらそんな事考えていた。

「きゃーーー!勝ちましたよ横島さん!!」

(ありがと、おキヌちゃん…でも…俺何にもやってないんだよね…)

観客席喜んでいるおキヌそお突っ込む横島だった…

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