ザ・グレート・展開予測ショー

-GS横島- 遺志を継ぐ者


投稿者名:キラ
投稿日時:(05/ 1/ 8)


 プロローグ

アシュタロスの反乱から約二年半の月日が流れたロサンゼルスの市外で二つの人影が暗闇の中を疾走していた。
暗闇の中を逃げる人影を追い疾走する人物は、同じ様に暗闇の中を逃げる者を確実に追い詰めていく。
そして遂に逃げていた人影を建物と建物の間の行き止まりに追い詰めた。

「くそっ!」

追い詰められた人影は悪態をつき自分を追い詰めた人物を睨む。

「此処までだな」

追い詰めた人物は懐から一丁のリボルバー式と思われる銃を取り出し、追い詰めた人影に向けて構える。

「畜生っ、何なんだ、何なんだよてめえは、俺の楽しみを邪魔しやがってたかが人間風情が」

人影は追い詰めた人物に向って罵声を放つ。
追い詰められた人影は人間ではなく全身黒い肌をした下級魔族だった。 
この下級魔族は此処数ヶ月ロサンゼルス市内、外に関らず、深夜人影の無い場所で偶々通りがかった人間を襲って嬲り殺して手配されていた。
だが手配され自分を祓いに来たGS達を逆に返り討ちにしてから更に調子に乗り、犯行を続けていた所、目の前の人物が現れ以前のGS達と同様に殺してやろうと襲い掛かったが逆に返り討ちに遭い追われそして追い詰められたのだ。

「その人間風情に追い詰められている癖に大きな口を叩くな。 だいたいお前等魔族がそんなに偉いのか?、少しばかり人間よりも強靭な体と魔力と言う力を持つだけだろうが悔しかったら俺を殺してみろ。」

魔族を追い詰めた人物はあからさまに挑発する。
そして挑発された魔族はアッサリとその挑発に乗り襲い掛かった。

「貴様ーーーっ、人間風情が調子に乗るな死『ドオォンッ』ねギャアアアァァッ」

だが襲い掛かった魔族は自分を追い詰めた人物が放った一発の銃弾によって足を撃たれて悲鳴を上げながら地面に倒れた。

「グウウウゥゥッ、なっなぜだ、何故銃弾如きで俺の身体を傷つけられる。 例え銀の銃弾でも傷つける事は出来ない筈『ガアァァァンッ』ギャアアアァァッ」

魔族を追い詰めた人物は更にもう片方の足も撃ち動けなくなったのを見計らい魔族に近付きながら話す。近付いて来た人物は二十歳前後の男だった。

「俺の銃は唯の銃じゃない。俺にとってこの銃は神器とも言える物だ。有る理由によって様々な効果を発揮する銃弾を創り出すことが出来る優れ物で、お前の様な魔族でも傷つけ滅ぼす事も出来る。」
「まっ・待ってくれ。頼む見逃してくれ。も・もう人間を殺したりはしない。だから」

魔族は恐怖で顔を歪め命乞いをする。だが・・・

「お前は同じ様に助けてくれと命乞いをした人間を一度でも見逃したか?」
「そっそれは・・・」
「してないだろう。お前は逃げようとする人を追いかけそして追い詰めて嬲り殺しにして来た筈だ。」

男の言う事は事実であり、この魔族は今迄殺してきた人間を面白半分に追いかけ追い詰め嬲り殺して来たのだ。

「にも拘らず助けてくれなんて言うのは虫が良すぎるだろ」

軽い口調でそういう男の目には明らかに怒りの色が浮かんでいた。そう彼は激怒していたのだ命を弄ぶ行為をしていた魔族に対して。その目を見た魔族は恐怖の余り言葉も出せなかった。

「あ・・・あ・・・」
「まっ、そう言う訳で俺はお前を許すつもりも見逃すつもりもは無い。代わりと言っちゃなんだが冥土の土産にこの銃の真の力を見せてやろう。」

そう言うと男は魔族に銃を向けたまま呟いた。

「六望星展開」

言葉と共に男の身体から小さな珠が六つ出てきて右手に持っている銃の先、銃口のまえに六望星が展開される。良く見ればその珠にはそれぞれ一文字ずつ"対"魔"族"強"化"弾"と言う字が浮かんでいた。更に男の持つ銃のグリップの中心にも太極の形をした珠が存在し"破"邪"の文字が浮かんでいた。
銃に秘められた力を感じたのか、魔族は打ち抜かれた足を引きずり逃げようとする。

「うっ、うわああぁぁぁっ」

男は逃げる魔族に一言「じゃあな」と呟き引き金を引いた。

『ドオオオォォンッ』 

轟音と共に放たれた銃弾は銃弾と言うよりも巨大な霊破砲の様であり魔族を一飲みにして消滅させた。

「依頼完了っと。さて後は依頼人に報告して帰るだけだな」『ピリリリリリリリリッ』『ピリリリリリリリリッ』

帰ろうと踵を返した所、男の持つ携帯電話が鳴り出した。

「こんな時間に一体誰だ?」

呟いて携帯を見てみると日本人で有りながら世界GS協会の幹部になった人物だった。

ピッ「もしもし」
「私だが依頼は終わったかね?」
「ええ丁度終わった所です。今から帰ろうとしてた所ですが、何か有ったんですか?」
「察しがいいな」
「貴方が態々こんな時間に電話してくるなんて余程の事でしょう」
「うむっ、実は・・・

話によると日本で伝説級の化け物であるノスフェラトゥと言う吸血鬼が復活してかなり大変な事になっているらしくその援軍として日本に行って欲しいと言う事だった。

丁度君もそろそろ日本に戻ろうと言っていただろう?、良い機会だから日本に戻りたまえ会わなければ成らない人も居るだろうしな。」
「・・・判りました。日本に戻ります。手続きや手配、お願いします。」
「了解だ。君の荷物などは後で送るから君は直ぐにロサンゼルス空港に向ってくれ」
「はいっ」
「でわ頼んだぞ横島君、いやGS横島」『プツッ』
「さてと久々の日本か色々大変かもしれないが皆元気かな?」

電話を終えた男、いや横島はそう呟いて空港へと向うのだった。

























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