ザ・グレート・展開予測ショー

横島忠夫奮闘記 43〜バトル・オブ・六女〜


投稿者名:ぽんた
投稿日時:(05/ 1/ 4)

雪之丞がややフラつきながら立ち上がる。

「クソッ!まさかカウンターを喰らうとはな、しかも七星天分肘かよ。同じ技の使い手な分
先に覚えたお前の方に一日の長があったって訳か、だがまだ終わりじゃねえぜ?」

普通なら完全KOのはずだが、相手のタフさは並外れている。ここで終われば楽だったのにと
思いながらも霊符を取り出し雪之丞に応じる。

「解ってるよ、言ったはずだぜ?出し惜しみは無しだってな!清浄なる泉より来たれ、水精召喚!」

召喚された水精が雪之丞の全身を包み込む。このままなら窒息するだろうがそんな甘い見通しが
通じる相手ではない。雪之丞が全身から霊気を爆散させて水精を吹き飛ばす。
雪之丞を中心にして辺りが水浸しになる。その時には既に充分に距離を取っていた。

「こんなもんで勝負がつくと思ってんのか?舐めんじゃねえぞ!」
「いや?思ってねえよ、これが続きだ。吼えよ天空の牙!雷精召喚!」

雷精が雪之丞に襲い掛かるが間一髪でかわす、だが辺り一面が水浸しになっている為、通電した場所からは
逃れられない。電撃が雪之丞を駆け巡る。

「グアアアアアアアッ!」

実際のダメージよりも体に痺れが残る事を期待しての攻撃だ。まずは動きを鈍らせてからだ。

「行くぜっ!サイキックソーサー!」

掛け声と共に霊気の盾を投げつける。

「喰らうかっ!そんなモン!」

雪之丞が無理矢理痺れの残る体で回避に入る。

「散っ!」

横島の声と共に霊気の盾が四つに分裂し雪之丞の両手両足に直撃する。
これで格段に動きが衰えるはずだ。だが更に相手を追い詰めるべく精霊を召喚する。

「大地よ我が敵を戒める手となれ、地精召喚!」

大地が盛り上がり雪之丞の両足を固定する。

「クソッ!なんだこりゃ?」

雪之丞が困惑の声を上げるが横島は斟酌しない。一気に決めるべく間合いを詰める。
霊波刀を顕現させ一気に出力を上げる。

「とどめだっ!ハンズオブグローリー!」

それはまるで詰め将棋のような攻撃。見る人によってはエゲツなく映るかも知れないが横島は弟子達に
負けない為の闘い方を学んで欲しかった。将来弟子達が実戦の場に立った時、命を落とす事が無いように
ジワジワと相手を弱らせるようなやり方を見せておきたかった。弟子以外の者達にどう思われようが
横島の知った事ではなかった。この時点で教師としての自覚など欠片もない。
横島はどこまで行っても横島だった。自分の身内と認めた者をどこまでも優先する。

これまでの闘いを終わらせるべく霊波刀を袈裟懸けに切りつける。
切り捨てた雪之丞の幻影を見たような気がしたがそこに相手の姿は無い。
背筋を冷たいものが走り咄嗟に文殊を生成する。その時上空から霊波砲が降り注いで来た。

なんとか急所は庇ったがまともに喰らい吹き飛ばされる。必死に首を巡らせると雪之丞が宙に浮いている。
背中から巨大なコウモリのような翼を生やし、滞空している。

「どうだ、こいつが奥の手の魔装の翼だ。単体戦闘で相手の上を取った方が有利なのはわかるだろ?
この翼で常に有利なポジションが取れる訳だ。名づけるならデヴィルウイングってとこか?」
「・・・魔装翼の方が良いんじゃねえか?」

全身を襲う痛みをこらえながら、必死で集中を切らさないようにするがどうしても言っておきたい事もある。
どうにも雪之丞のネーミングセンスに納得いかない横島が異を唱えるが、それを合図にしたかのように
攻撃が再開される。案外気にしていたのかも知れない。
咄嗟に生成しておいた文珠で防御結界を形成し攻撃を防ぐ間に両手に陰陽文珠をそれぞれ生成する。
刻む文字は《浮》《遊》と《飛》《翔》で攻撃の合間をぬって中空に浮き上がる。
浮力を得たうえで高速機動性を確保している。

周囲から一斉にザワめきが沸き起こる。それはそうだろう、人間同士で空中戦などありえない。
雪之丞だけの時は呆気にとられて見ていたが、横島までが浮き上がったのだ、騒がしくもなる。

「こらーっお前ら、模範戦闘や言うたやろ!そんなん生徒達に真似できるかい!人間の闘いをせえ!」

無理もないのだが、鬼道から苦情の声があがる。こんなものが模範なら明日から授業ができなくなる。

「なんか外野が色々言ってるみたいだぜ?」
「知った事か!空中戦なんざ初めてなんだ、楽しまねえとな。折角お前が滅多に使わない文珠まで
出したんだ、ここで終わっちゃもったいねえぜ!」

雪之丞の頭の中からは生徒達に見せる為、という事は完全に消え失せている。だが闘いに没入するあまり、
余計な事まで口にしている。空中戦の経験が無い事など言うべきではなかった。
当然、横島はそこにつけこむ方法を考える。

「行くぜ!横島!」

雪之丞が右手に漆黒の霊波刀を出現させ気合と共に切りかかり、横島も霊波刀を出し応戦する。
激しく切り結ぶが互いの刃は相手の体に届かない。鍔迫り合いのようになり膠着するが互いに相手を
突き放す。距離が空いた瞬間に雪之丞が霊波砲を撃ち放つが、横島も霊気の盾を投げつける。
雪之丞の砲撃を突き抜け、霊気の盾が迫る。慌ててガードするが表面で派手に爆発する。
そしてその爆煙が晴れた時には雪之丞の視界から横島の姿が消え失せていた。

「クッ、どこに消えやがった?」

雪之丞が戸惑ったように前後左右を見回すが見つけられない。周囲の観客からすれば雪之丞の困惑が
理解できない。横島は雪之丞の真下にいるので周囲からは丸見えだ。だが人間の足元には普通、確固とした
地面がある。人は大地に根ざして生きている生物なのだ。三次元での敵の把握には通じていない。
雪之丞が何かに思い当たったように上方を探す。上を取られたかと思ったのだがそこにもいない。
その時、雪之丞の背後に浮き上がった横島の霊波刀が喉元にあてがわれる。

「これで終わりだ雪之丞、ギブアップしてくんねえ?」
「いったいどこから?・・・これで終わると思ってんのか?」
「お前の首には霊波刀が押し付けられている。どう動いても頚動脈が切れる。切れたらピューっと血が
しぶいてとっても痛い。痛いからさっさと降参してくれ・・・っていちいち全部言わすな!」
「チッ、解ったよ!今日のとこは俺の負けでいい、ひとつ借りとくぜ。」

雪之丞のその言葉を合図に戦闘が終了し、地上に降り立つ。雪之丞も魔装術を解き二人してフィールドを出る。
それを見てようやく鬼道が我に帰り声を張り上げる。

「あっ、そ・それまで!試合終了や。」

だが終了の宣言はしたものの、どう批評を加えて良いのかわからない。
鬼道の知る限りでの対人戦闘ではない。生徒達に至っては殆ど理解できていないだろう。
表向きだけでも平然としているのは、理事長と現役GS達のみ。経験の差だろうか。

「あ〜横島君、今の闘いの解説を頼むわ。僕にはどう言えば良いのか解らん。」


鬼道からそう言われても、横島としても戸惑ってしまう。途中から弟子達以外の生徒達の事などきれいに
忘れていたから尚更だ。決着の原因を話すぐらいしか思いつかない。

「え〜っと、今の勝負での俺の勝因は実力じゃなくて、三次元戦闘での経験の差です。今日が初めての
空中戦だった相手に対し、俺は何度か経験済みだったので空中では足元が死角になる事を知ってました。
勝負を分けたのはそれだけで、実力の差じゃありません。」
「変に気を使う必要は無いぜ、経験も含めての実力だからな。」

横島としては気を使ったつもりは無く、単純に事実を述べたつもりだった。月面での戦闘や文珠を使用して
小竜姫と行った一対一の空中戦の修行などでさんざん経験を積んでいる。一方雪之丞は斉天大聖にしか
師事していない。体術と魔装術のバリエーションに重きをおいて空中戦までは手が回らなかったのだろう。
だが雪之丞はその事を理由に逃避しようとしない。総てを自分に刻みつけ更なる高みを目指すのだろう。

生徒達は遠巻きに見つめ近づこうともしない。その瞳には畏怖を通り越して恐怖の色が浮かんでいる。
理事長を先頭に、GS達がゆっくりとした足取りで近づいて来る。その横をすり抜けて来る影があった。

「二人共お疲れ様、カッコ良かったよ。雪兄ぃも気を落とさないでね、勝負は時の運って言うから。」
「さすがは横島先生でござる、完勝でござったな。」
「凄いスゴイすごいや先生、相手の人も凄いよ。鍛えれば人はあそこまで強くなれるんだ、感動です!」

タマモ・シロ・不動が口々に感想を言って来る。怯えたように遠ざかっている他の生徒達とはえらい違いだ。
まあ弟子が師匠に怯えていては話しにならないのだが。タマモは雪之丞に対する気遣いを見せ、
シロは贔屓の引き倒しで横島を褒める。注目すべきは不動だった、負けた相手の実力も見逃さず自分との
大きすぎる実力差にも絶望せず、自分の可能性を信じようとしている。心が折れるという事が無い。
横島としては誇らしい思いが込み上げてきて、なんとも面映かった。

「そっちの嬢ちゃんは初めて見るな、誰だ?なかなか見所がありそうじゃねえか?」

雪之丞も不動の言葉からある程度を察したのか、不動に興味をひかれている。

「ああこのコは俺の弟子だよ、一度お前に紹介したかったんだ。絶対に気に入ると思うぜ。
できればお前にも色々と教えてやって欲しいんだよ。」

初めて他人に弟子として紹介された不動は大喜びで横島に纏わりつく。

「ええっ?僕まだ霊波刀を出せないのに、正式に弟子にしてくれるんですね?」

しまった、とは思ったが横島の中では既に弟子として扱っていたのでまあ良いか、で済ませてしまう。
どのみち時間の問題なのだ。じきに出せるようになる。

「初めまして、僕は横島先生の二番弟子、不動明音です。お名前を教えてもらえますか?」

弟子の部分を強調して誇らしく名乗りを上げる。誰かの弟子を名乗るなど初めての事で嬉しくて仕方がない。

「伊達雪之丞だ、横島が自分から弟子を取ったのか?珍しい事もあるもんだな。」


雪之丞は横島の性格をある程度把握している。身内の事以外は面倒臭がって関わろうとはしないはずだ。
あの横島が自分から面倒事を抱え込むのが単純に珍しかった。どんな弟子なのか横島に目で問い掛ける。

その視線を受けて詳しく説明していく。複数の武術を取り込み独自の格闘スタイルを確立しており、
天衣無縫でおよそ型にはまったところが無い。どんな風にでも形を変える雲のような性質で、自分の中に
限界を作ろうとしない。彼我の実力差を把握し、それを埋める為には手段を選ばない。
ベタ褒めと言って良い内容で不動は赤面しているが、当然シロとしては面白くない。

「卑怯な手段はどうかと思うでござるよ。やっぱり武士は正々堂々でござる。」

シロとしては当然の言い分だが、横島にとって最も気がかりな部分がこれだった。

「シロ、武士道ってのは生き方だけにしとけ、戦いの場には持ち込むな。敗者は何も語れない。
死体はものを喋れない。卑怯もなにも生き残って初めて言える事だ。」
「その通りだぜ人狼の嬢ちゃん、第一そんな事言ってたら美神の大将んとこにゃいられねえだろ?」

雪之丞も言葉を添えるが、ある意味卑怯と反則を極めたような美神の所に居候して尚、影響を受けていない
というのはシロの頑固さも筋金入りだ。シロは元々の身体能力が図抜けているからそんな事に拘って
いられるのだろうが、現実に横島の体術には及ばないでいる。将来そんな敵に出会う可能性もあるのだ。

「犬塚は強いからそんな事が言えるけど、僕は弱いから生き残る為には手段を選ぶ余裕なんか無いよ。」

不動からそう言われるとシロとしては自分が人狼の能力にあぐらをかいているだけのような気がして
不承不承ながらも黙るしかない。


そして今の発言で雪之丞は文句なしに不動の事が気に入ってしまった。
今の自分の弱さを自覚して力を求める為には手段を選ばない。かつての雪之丞にどこか似ている。雪之丞は
危うく闇に身を堕としかけたが、横島に出会えて救われた。不動という少女も横島に出会えたことで
道を誤る事から逃れられるだろう。ならば自分も不動の修行を手伝ってみても良いだろう。

「なるほど確かにこいつぁ俺の好みだ。教えてみるのも面白えかもな。」
「好みとはどういう事です、雪之丞?」

何時の間にか背後に近寄ってきていた弓が深い怒りを湛えて問い掛けてくる。
中等部の生徒達が怯えて近寄れない代わりに高等部の生徒達が側に来ている。
雪之丞は別に女性としての好みを言った訳ではないのだが、そこしか聞こえなかった弓には解らない。

「あ・あの弓さん?雪之丞は俺の弟子の人柄を気に入って、鍛えてくれようと言ってくれただけだよ?」

横島が慌ててフォローにはいる。自分の弟子が原因で二人の仲がこじれてはたまらない。

「弟子ですって?貴方が?随分とご出世したものですわね?」


弓の頭の中は混乱の一語に尽きる。目の前で見た現実が信じられない。雪之丞が強いのは知っている
つもりだった。だが自分の知っていたレベルなど遥かに超えている。更に人もあろうに横島如きが
その雪之丞に勝利を修めたのだ。横島が強いというのは雪之丞から何度も聞いていた。だが弓の知る
横島像がどうしてもそれを否定したがる。だがたった今目の前で見た紛れも無い現実をどう判断すれば
良いのか。これ以上の混乱に耐えられなくなった弓は最も手っ取り早い手段を取る事にした。

「横島さん私とも手合わせをお願いします。」


横島としては耳を疑う思いだった。自分の実力は今目の前で見たはずだ。あれを見て尚挑んでくる者が
いるとは思わなかった。そこまで横島の実力を認めたくないのだろうか。かつて高等部で晒した醜態の
数々は自分の撒いた種ではあるが、何時までもひとつの事に囚われて現実を認識できないようでは
その姿勢において不動より遥かに劣る。どう言って断ろうかと思案していると、

「横島君、かまへんから相手してやってくれんか?」


鬼道からそう声が掛かった。鬼道から見た六女の生徒達は世界が狭い。学内での対抗戦や順位などに
血道をあげているが、鬼道からすれば所詮コップの中の嵐だ。そして弓はそんな六女の象徴のような者だ。
自分より遥かな高みの相手がいる事を肌身で感じて硬直した物の見方を変えるきっかけにして欲しかった。


雪之丞も何時までも親友の真価を認めようとしない、自分の彼女に苛立ちを感じていたので良い機会だと
思っていた。横島が止めて欲しそうにこちらを見てくるが目で、やっちまえ、とメッセージを送る。
横島に限って言えば、女に怪我をさせたりなど考えられない。自分よりは手加減も上手いだろう。


横島は誰も止めてくれないのを見て既に諦めていた。まさか雪之丞までが止めないとは思わなかった。
そして弟子達三人はあからさまに不機嫌だ。横島が侮辱されたように感じているのだろう。タマモなど
弓に対して悪感情などなかったはずだが怒り心頭の顔をしている。機嫌を直してもらう為には仕方が無い。
覚悟を決め、弓と並んで闘場へ入る。初手で《縛》の文珠で動きを封じてそのまま放置するつもりだった。

「横島君〜ハンデとして〜文珠と〜召喚術は〜禁止ね〜。」

理事長からそう言われいきなり横島の目論見は破綻する。弓は侮辱されたような顔になったが何も言わない。
直接相手に思い知らせるつもりなのだろう。無謀にも。

「はじめっ!」

鬼道の声が掛かり、闘志を全身から溢れさせた弓が構えを取る。

「弓式除霊術奥義、水晶観音!手加減なしで行きますわよ!」

霊水晶に自らの霊気を通わせ強化服のように纏う、弓式除霊術の奥義であるが魔装術には遠く及ばない。
腕が六本に増殖しているので、攻撃時の手数が増えるぐらいだろうか。
この期に及んでまだ笑止千万な事を言っている。もはや何を言う気も起きない。

「俺も暇じゃないんでね、さっさと終わらせよう。」
「ッ!戯言を!六臂砲!」

横島の言葉に激昂して、怒りに任せて攻撃してくる。六本の腕から霊波砲による攻撃が一斉に降りかかる。
横島は霊気の盾を出し防ぎ続ける。反撃は一切しない、止めてくれなかった雪之丞への意趣返しのつもりだった。
弓は一旦攻撃を手控え様子を窺う。

「これで反撃が来るはず、お手並み拝見といきましょう。」

爆煙が晴れると平然とした様子で横島が立っているが反撃の気配が無い。

「無傷なのに反撃してこない?・・・試してみましょう。」

横島の態度を訝しんで試しに霊波砲を撃ち込んでくる。それを盾ではじくがやはり攻撃してくる様子は無い。

「なるほど手加減してるつもりですか?怪我させない為に私が霊力切れになるまで防ぎ続けるつもりですね?
ならば私を甘く見過ぎです!間合いを詰めての連続攻撃、防ぎきれますか?」

手加減されてると感じて、余計に怒りが募ったのか一気に飛び込んでくる。それを見た雪之丞が、

「あっ、バカ・・・」


雪之丞はそう呟くと天を仰いで目の辺りを片手で覆う。この後の展開が目に見えるようだった。
先程、止めて欲しそうな様子を無視したのを根に持っているのだろうが、全く厭味な男だ。


不用意に飛び込んで来た弓に対して霊気の盾が投げつけられる。弓が六本の腕を交差して防ぐが
増殖した四本の腕が砕け散り、水晶の鎧全体にもひびがはいりボロボロだ。
弓が体制を立て直した時には既に目の前に横島が立っており、喉元に霊波刀を擬している。
横島の瞳には何の感情も含まれて無い、好意も悪意も無い、殺意も害意も闘志すら宿っていない。
それは淡々と作業をこなしているだけで、目の前に敵がおり、それを倒す手段がある。ただそれだけだ。
そこにあるのは厳然たるリアル。揺ぎ無く存在する力の差。

目の前にいる男はかつて醜態の限りを晒し、憧れの美神に対し狼藉を働いた、弓にとっては害虫以下の存在
自分の付き合っている男が常に褒め、我が事のように自慢されても理解も納得もできなかった。
だが目の前に横たわる現実が、弓に対して認識の修正を求めてくる。

「・・・参りました、私の負けです。」


断腸の思いで弓が己の敗北を認める言葉を搾り出す。
鬼道はそれを見て、荒療治ではあったがやはり闘わせたのは正解だったと安堵する。
ほんの小さな一歩ではあるが、少なくとも新しい世界への第一歩だ。どんなに小さくても大いなる前進だろう。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(あとがき)
文字数制限の為、また中途半端なとこで終わりました。できるだけ次を急ぎます。
横島対弓はある人とのバトルの再現なんですが、上手く伝わりましたでしょうか?

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa