ザ・グレート・展開予測ショー

らぶ・サバイバル 〜第13回〜


投稿者名:殿下
投稿日時:(04/12/23)


   〜美神除霊事務所〜

チュンチュン  チュンチュン
すずめの鳴き声が聞こえる爽やかな朝
「 頼もーーーっ!! 」
美神除霊事務所の門の所からその爽やかな朝をぶち壊す叫び声が聞こえてくる。

「 頼もーー!頼もーーー!! 」
その道場破りのようなセリフで一時はそら耳かと疑ったが、直後に聞こえてきた声で現実だとわからされた。

「 ・・・ったく、一体どこのバカ女よ。今時道場破り?この場合は事務所破りかな? 」
のそのそとベッドから起きあがり、門へと向かう美神

ちなみに冥子はというと・・
「 くーーーー、すぴーーーー、くーーーー 」
先ほどの叫び声など全く聞こえてなかったみたいで熟睡中である。


「 誰よ!うるさいわね・・・ってあんた達は!? 」

「 ふっ、オラ達のこと忘れてないようだべな 」

「 あんた達は確か鬼族の・・・・・・ラ○ちゃんとテ○ちゃん! 」

ドガシャァッ!?
派手にずっこける鬼族の二人

「 あれ?違ったかしら? 」

「 夜叉鬼と弟の娑婆鬼だべ。おめー、今わざと言ったべ!わかってるくせにぃ! 」
そう、美神の前に現れたのは・・・以前横島等とミニ四駆で熱戦を繰り広げた鬼族の娑婆鬼とその姉で美神&おキヌとゴルフで勝負し、激戦の末引き分けた夜叉鬼の二人だったのだ。

「 あ〜ら、ごめんなさいね。なんたってあちらの鬼族とは天と地以上の知名度の差があるから 」

グサッ!グサッ!?
「 ぐっ!?おめー、言っちゃなんねえこと言っだな 」
「 ねーちゃん、落ち着け 」
怒り心頭の姉を何とかなだめようとする娑婆鬼

「 ごめんなさいね。正直者で通ってるから、つい本当のことを 」
「 イナカ者だと思って、この東京モンがぁーー! 」
今にも美神に飛びかかろうかと言うほどの殺気を放つ夜叉鬼
そしてそれを必死に制止しようとする娑婆鬼
「 ねーちゃん、落ち着けって!勝負しに来たんだろ? 」
「 ・・・は!そうだった。おい、美神令子!前の決着をつげるため今からオラと勝負だべ! 」

「 イヤ 」 ←あっさりと

「 ふふ、そう言うと思って、今回も前回同様の金を用意してあるべ。さあ、勝負だべ!! 」
ビシッと美神を指さす夜叉鬼

「 イヤ 」 ←キッパリと

「 ふふ、そうか。ほんだら今回の勝負方法は・・・・って、えっ?今なんつったべ? 」
美神の信じられない一言に驚き、即座に聞き返す。

「 だからイヤって言ったのよ 」
冷静にもう一度要求を拒否する美神

「 な、なして?金は用意してあるのに・・ 」
前回のこともあり、金さえあれば100%勝負してくると思っていた夜叉鬼は完全に不意をつかれた形となってしまった。

「 とにかく今はあんた達と遊んでる場合じゃないの。また今度来なさい 」
「 そ、そんな・・ 」
「 せっかくオラ達姉弟が遠路はるばる来たっていうのに・・。そうだ、オラが横島と勝負するから横島を出せ! 」
「 残念ね、横島君は今いないわ 」
「 どこにいったべ? 」
「 もういいから!私は忙しいの。勝負はまた今度してあげるから、ほら、行った、行った 」
無理矢理二人を押し返し、事務所の方へ歩き出す美神
「 ちょ・・ちょっと待『バタンッ』・・・て 」
呼び止める隙も与えず美神はさっさと事務所へと帰っていった。


「 ・・ったく、この忙しい時に・・・・でもちょっと惜しいことしたかな。でも大会が終わってから相手してあげればいいよね。あっ、そうだ。人工幽霊一号 」
”はい、何でしょうか?マスター ”
「 あの二人が入って来れないようにして!それとまた大声出されたらたまらないから声も聞こえないようにしといて!ふわぁ・・私はもう一眠りするから 」
”わかりました ”



   〜事務所前〜

「 うぅ・・、イナカ者だからって、イナカ者だからってぇ 」
事務所の門の前で勝負をしてくれない理由は、自分がイナカ者だからだと決めつけ涙を流す夜叉鬼とそれを慰める弟の娑婆鬼

「 ねーちゃん、仕方ねえよ。あの女はあきらめて横島を探しにいくべ 」
「 イヤだべ!オラはあの女と勝負するんだ 」
「 そんなこと言ったって・・・ 」

「 君達、令子ちゃんと勝負したいのかい? 」
不意に何者かが二人に話しかけてくる。

「「 おめーは・・・・・・・誰だべ? 」」
揃って同じ言葉を口にする鬼姉弟
そこに居たのは、今大会の首謀者西条輝彦だった。

「 ん?僕かい?僕は令子ちゃんと親しく付き合っている者だよ。それより君は令子ちゃんと勝負したいんだよね? 」
「 そうだべ! 」

「 実はね・・・ 」

〜会話省略〜

「 ・・・という大会が六日後にあってね 」

「 ふ〜ん、それがどうしたんだべ?オラに何の関係があるんだべ?オラは別に横島なんかに興味ねーべ 」

「 わからないかい?その大会には令子ちゃんも出場するんだよ。だから君が出場して優勝すれば令子ちゃんに勝ったことになるじゃないか! 」

「 なるほど・・・わがった。オラ、その大会に出場するべ 」

( よし! )
また出場者をゲットする事に成功し、心の中でグッとガッツポーズをする西条

「 それで君は一人で出場するつもりなのかい? 」
「 んだ。一人で十分だべ 」
自信満々に答える夜叉鬼

「 でも一人で令子ちゃんに勝つのは難しいと思うよ。ここは確実に勝つために複数で大会に臨んだ方が得策だと思うよ。こちらでチームメイトを用意するけど・・ 」

「 ふーむ。・・・・・・わがったべ 」
夜叉鬼は少し考えてから西条の提案を飲む。
前回の様に美神令子が卑怯な手を使ってくることは明々白々である。そうなれば一人で優勝するのはきついと判断したのだ。
「 そうか。ちょっと待っててくれるかな?もうすぐ来ると・・・あっ、来た来た 」
そう言って上のほうを見る西条
「 ん? 」
夜叉鬼も上のほうを見ると、何かがこちらに向かって来ているのが見える。

「 何だよ?どこに連れて行く気だい? 」
「 いいから、いいから。西条さ〜ん、連れてきたのね〜 」
西条たちの前に降り立つ二つの影
「 ご苦労様です、ヒャクメ様。それと弁財天様、初めまして西条と申します 」
二つの影の正体は、ヒャクメと七福神の一人である弁財天だった。

「 一体何の用だい?ヒャクメから大体の話は聞いてるけど、私はそんな下らないものに出る気はさらさらないからね 」
大会への参加を強く拒否する弁財天

「 どーやっても出てくれませんか? 」
「 しつこい! 」
「 そうですか。残念だなぁ、この大会で熱々のカップルが誕生してしまうかもしれないのに・・・ 」
ピクッ
「 でも仕方ないですよね。他をあたってみます 」
「 ちょっと待って 」
「 はい? 」
わざとらしく聞き返す西条
「 気が変わった。私も出ることにしたよ 」
「 ホントですか? 」
「 ああ、ホントさ。アベックは殺す!私の目が黒い内はアベックなんか作らせないよ 」


それから5分ほどして
「 つ、連れて来たぞ 」
また上から声がし、二つの影が降りてくる。
「 ご苦労さん、土偶羅魔具羅。その様子だと大変だったみたいだね? 」
「 まったく・・・連れてくる途中に何度凍らされかけたことか 」
半分凍りかけている土偶羅魔具羅が連れてきたのは以前美神令子に凍らされた雪女だった。
「 私は嫌だよ!二度とあんな女に関わりたくない! 」
頑なに出場を拒む雪女だが、
「 名水で作ったカキ氷1年分でどうかな 」
「 出場させて頂きます 」
2秒で出場が決まった。

こうして今大会初の横島に好意を抱いていない鬼娘・弁天様・雪女の3人による『うる☆やつら』チームの出場が決定した。

西条とうる☆やつらチームが去っていき、残った子鬼が呟く。
「 えっと・・・ひょっとしてオラの出番はこれだけ・・・・・・・・か? 」






その頃、横島のアパート前では・・・・・


「 やっと着いたわ 」
「 美衣殿の家からはかなりの距離でござったな。まあ、拙者には丁度いい散歩になったでござる 」
「 シロさんは凄い体力をしてるんですね。私は流石に疲れました 」
「 ホントだよ。僕なんかもうヘトヘトなのに・・ 」
「 それほどでもないでござるよ 」
照れながらも胸を張るシロ

「 二人とも、あまりおだてると調子に乗るから止めといた方がいいわよ 」
「 何を!!誰がいつ調子に乗ったでござるか! 」
「 あんたが、今よ 」
「 くぅぅ、この女狐めぇ 」
「 二人とも喧嘩はやめて早く横島さんに会いにいきましょう。ね? 」
いがみ合う二人の間に割って入る美衣
シロとタマモと会ってからそれほど時間も経っていないのだが、二人の喧嘩の仲裁役が大分板についてきたようだ。

「 そ、そうね 」
「 そうでござるな。拙者も早く先生に会いたいでござるし・・ 」
「 それじゃあ行きましょう 」

いざ入ろうとしたその時、上空から声が聞こえてきた。

「 でもヨコシマに会うのは久しぶりだねえ 」
「 わたちもでちゅ。ルシオラちゃんは毎日ヨコシマに会ってたんでちゅよね?羨ましいでちゅ 」
「 ホントに姉さんは私達と違って楽しく過ごしてたんだね 」
「 ちょっとちょっと、私だって色々と苦労してるんだからなね。シロちゃんやタマモからヨコシマを守ったり・・・って、あれ? 」
ルシオラがタマモ達に気づき、ルシオラ・パピリオ・ベスパの三人が地上に降り立つ。

スタッ スタッ スタッ

「あら、シロちゃんにタマモじゃない。どうしたの?『私の』ヨコシマの家の前で」
ルシオラがニッコリと挨拶し
「ああ、そういえば一応ヨコシマは『大会までは』ルシオラの恋人なのよね。うん、ちょっと用事があってね」
タマモもニッコリと挨拶をかえす。

ゴゴゴゴゴゴ   バチバチバチバチ

今まさにらぶ・サバイバルの前哨戦がここ貧乏アパート前で繰り広げられようとしている。





その頃横島はというと・・・・・

ゾクゥッ!

「な、なんだこの悪寒は・・・・」
部屋の中で得体の知れない寒気に襲われていた。



       【 つづく 】



   《 あとがき 》

どうも、お久しぶりです&はじめまして、殿下でございます。そんでもって展開予測ショー移転お疲れ様です&おめでとうございます。
前回の更新が3ヶ月だったから前回よりもほんのわずか早い更新ではありますが、相変わらずかなり遅れた更新でございます。前回は色々と更新が遅れた理由があったのですが、今回は自分がひたすらドラクエ[に夢中になってた事が原因であります。
エンディングに関しては不満が残りましたが、内容はかなりツボでしたぁーーー!!っとドラクエ[の感想を勝手に述べたところで内容の方に参ります。
えっとですね・・・・またまた増やしてしまいました。これからも頑張ります!としか言えませんです。
次回登場予定人物はマリア&カオスです。あと今回後半に出てきた女性陣ももちろん出てきますよ。

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