ザ・グレート・展開予測ショー

百貨店パーティー☆12F


投稿者名:ヴァージニア
投稿日時:(04/12/23)

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     ※終盤、クロスでないとありえない展開になってます。
      いきなり答えを見てしまわないよう、読まれるときご注意下さい。

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ヒュオオオ――――――−−‐

「 ‥‥誰って、あんた‥‥ 」
《 キサマの言葉で一瞬、体の機能がフリーズしたであります‥‥キサマ何者でありますか? 》

線路下の空き地にて、対峙するゼロと千鶴、そして千鶴の近くで倒れてる妖岩。

「 そうかー 日須持って人に何かされたのね、それで妖岩君やムラマサを‥‥ 」


ゼロはヨシカネ(ムラマサと交戦中)の持つ日須持の制御装置により、記憶の一部を封印されていた。
飼い主に会っても心を動かさないように、命令は絶対であるように‥‥


《 誰だか知らぬが、自分に命令されたプログラムはただひとつ! 》ギュィィィン!
「 ドリル!? 」
《 任務の邪魔をするものはすべて抹殺(ターミネイト)であります!! 》

バトルモードのゼロは、背中から出したドリルを回転させるが―――

「 ま、待て!! 」
《 はうっ!! 》

再びゼロの動きが止まる! そのスキに千鶴はゼロに駆け寄り―――

( この間にゼロの非常停止スイッチを‥‥! )

だが!

《 聴覚機能OFF!! 》 「 !! 」

あと数メートルの所でゼロの金縛りが解かれ、千鶴は慌ててゼロから離れた。

《 なにも聞こえなくなったが、これでおかしな術に惑わされることはないであります 》
ハァハァ‥
「 どうしたらいいの? ピンシャー犬尉もいないし妖岩くんも動けないし‥‥ 」

ひとり言のようにつぶやく千鶴。
すると足元にいた妖岩が、しびれた腕をかろうじて動かして、千鶴の足をつついた。

「 え? なに? 」
「 ‥‥ 」

なにかを訴えようとする妖岩。

「 ‥‥なにか方法があるの? 」

すると妖岩は、フトコロから注射器を取りだして、千鶴の影になってる部分を地面に刺した。

《 なにをゴチャゴチャやってるでありますか! 》

ゼロはドリルを回転させながら、千鶴に猛スピードで襲いかかる!
ドリルの先端が千鶴の足にヒットすると思われた瞬間―――

ヒュッ!

千鶴の姿が消えた!

《 なんだとっ!? 》

ゼロが上空を見ると、7〜8メートルはあるコンクリートの天井スレスレの位置に、千鶴が浮いていた。
とても普通の人間とは思えないジャンプ力でかわした千鶴は、そのままスタッと地面に降り立った。

「 うそ‥‥危ないと思ってちょっと避けようと思っただけなのに‥‥ 」

当然のことながら、当の本人が一番驚いていいた。

「 これが妖岩君たち忍者の忍法――― 」


           「 ―――そう、“忍法・影どうぴんぐの術”!! 」


フェンスの金網の上には、バランスよく立つ忍び服の女性‥‥氷雅が駆けつけていた。

「 氷雅!! 」
「 なにやらおもしろ‥‥いえ、大変なことになってるようですわね。 手を貸しましょうか? 」
「 けっこうです!! 」

即答する千鶴。

「 つれないですわ千鶴さん、同じオトコを愛した仲じゃありませんか 」
「 ‥‥そういう言い方やめてくれる? 」

氷雅に対してキレそうな千鶴だったが、とりあえず今は怒りを抑えた。
そしてゼロと向き合いつつ、後ろにいる氷雅にたずねる。

「 さっき言ってた“影どうぴんぐ”ってなに? 」
「 人の影に乱破特製の秘薬を注入し、その者の身体能力を一時的に上昇させる忍術ですわ、
  まあ暴走しない所を見ると、この術は千鶴さんの体質にあってたようですわね 」

( 体質にあわなかったらどうなってたんだろう‥‥(汗) )

ちょっと不安になる千鶴だったが、今はこれ以上気にしないことにした。

《 ぐぁるるるるるるる‥‥ 》

千鶴に向かってうなるゼロ。
女子高生と飼い犬のストリートファイトが今、はじまろうとしていた―――


      ◇


その頃、ムラマサとヨシカネの戦いは―――

キィィィィン 《 !? しまった! 》

ムラマサは自前のフォークをヨシカネに蹴りとばされた!

《 裏切り者ムラマサ!! ここまでのようだナァ‥‥とどめだ!! 》

武器を失ったムラマサに対し、ヨシカネが再度襲いかかろうとしたその時!


「 ごめんなさいっ!! 」
ばこん☆
《 フギャッ!! 》 グシャッ


かけつけたあゆみが、自前のカバンでヨシカネを地面にはたきおとした!

《 あゆみぃっ!! 》
「 ごめんなさい‥‥ちょっと強くやりすぎたかなぁ? 」

あゆみは、地面で気絶しているヨシカネを心配そうに覗きこんでいた。
普通なら鳥をカバンで殴りつける行為なんて絶対にしないところだが、状況が状況なだけに、
あゆみはやらざるを得なかったのだ。

《 助かったぜあゆみ、それよりゼロと忍者小僧が――― 》
「 わかってる! 千鶴お姉ちゃんのところに行くわよ! 」バリッ

振り返ったあゆみは、なにかを踏んだ感触を感じる。
靴を上げてみると、小さな機械がつぶれていた。
それは、あゆみがはたき落としたヨシカネの首につけられた、ゼロの制御装置である。

「 行こう、ムラマサ! 」
《 おう! 》

あゆみはそんなこと知るはずもなく、再び千鶴たちのところに戻っていった。


      ◇


キィィィィン
《 ぐぁる‥‥? 》

今まさに千鶴に攻撃しようとしていたその時、ゼロの唸りが消えた。

「 ? なに? 」

千鶴も氷雅も、ゼロの様子がおかしいことに気づく。

ハッ!
《 あれっ? ここはどこでありますか? 》
「 ‥‥‥‥ゼロ? 」

ゼロはキョロキョロしながら状況を把握しようとしていた。 そして千鶴を見て、

《 あっ 千鶴どの、どーしたんでありますか? 》
「 ‥‥ははっ(汗) 」

ゼロの能天気な問いに、千鶴は張りつめていたものから解放され、肩を深く落とした。
すると、後ろにいた氷雅は―――

「 元に戻ろうがそうでなかろうが、わたくしには関係ないことですわ 」
《 ムッ! キサマは!! 》

ゼロは、千鶴の後ろにいる氷雅に気づく。

「 わたくしの人生において、数少ない“敗北”の文字を刻んでくれたゼロ‥‥もう一度勝負ですわ 」

怪しく笑う氷雅に向かい、ゼロは唸りだした。 すると千鶴は‥‥

「 待って! 今そんなことしてる場合じゃないの!
  ゼロ、早くウチに戻るわよ! 陸曹長さんがあんたのことむかえに来てるんだから! 」
《 よ よくわからないでありますが、了解であります‥‥ 》

今度トラブルを起こしたら、ゼロの自宅休暇が消えてしまうかもしれない。
そう千鶴は思い、陸曹長には自分が散歩に連れていってることにしていたのだ。
千鶴は、走ってくるあゆみたちを確認すると―――

「 あゆみちゃんたちも無事みたいね‥‥妖岩君ありがと! あとですぐ戻ってくるから! 」
「 ‥‥ 」

だが千鶴とゼロの前に、氷雅が立ちふさがる。

「 氷雅‥‥ 」
「 うふふ 逃がしはしなくてよゼロ、さあ勝負ですわ! 」

とそこに、あゆみとムラマサが合流した。

《 どうなってやがんだ? 》
「 さあ‥‥ 」

あゆみたちは、千鶴・ゼロと氷雅がにらみ合ってる状態を見て戸惑っている。

「 どいて氷雅! あんたに構ってるヒマないの! 」
「 嫌ですわ。 」
「 どかないと‥‥ 」
「 ‥‥どうなさるおつもり? 」

千鶴は腕を構えると―――

「 私が相手よ!! 」

《 ち 千鶴どの!?(汗) 》

「 ふふふ‥‥わたくしを知り、なお戦いを挑むとはさすがですわ、千鶴さん 」
「 あんたとはいつか決着つけなくちゃいけないと思ってたとこなのよ 」

“忍法・影どうぴんぐ”効果で肉体面の強化がかかっているとはいえ、あくまでも千鶴は普通の女子高生。
千鶴自身も本気で氷雅に勝てるとは思っていなかったが‥‥

《 千鶴どの! 》
「 ゼロ 早く行って、陸曹長さん家で待ってるはずだから 」
《 しかし‥‥ 》
「 行って! あんた今度問題起こしたら休暇取れなくなっちゃうのよ! 」

主人である千鶴の危機を、当然のことながら見過ごすことができなかったゼロは、千鶴の前に立ち―――

がるるるるるる‥
《 主人をお守りするのが自分の役目であります! 》
「 ゼロ! 」
《 千鶴どのを守って休暇が潰れるならそれも本望‥‥
  そのとき自分はまた、隊で活躍して赤城家に帰ってくるであります、必ず! 》


千鶴とゼロの絆‥‥
家族としてお互いを守ろうとする気持ちは、あゆみやムラマサにも伝わっていた。


「 氷雅お姉ちゃん、千鶴お姉ちゃんたちがかわいそうだよ‥‥ 」
《 そーだぜ 行かせてやれよ、千鶴たち困ってんじゃねーか 》

千鶴とゼロの関係に共感する部分があったのか、あゆみたちは千鶴に味方した。
そんなあゆみたちを、氷雅はなぜかじっと見つめていた。

ジ〜〜〜
「 ‥‥‥‥今、そのネズミしゃべってませんでした? 」
「 ! 」
《 まずっ! 》

ムラマサはうっかりしていた。
妖岩や千鶴には正体を明かしていたため、隠れる必要はないと思っていた。
だが、危険人物と認知していた氷雅に正体を明かしてなかったことを、すっかり忘れていたのだ。

「 ふ〜ん、へえ〜‥‥ 」

ムラマサを見ながらニヤニヤする氷雅。 あゆみは慌ててムラマサをつかみ、かばうように抱きかかえると―――

「 ダメよ! この子弱いんだから! 」
《 コラ! 弱いってなんだよ! 》

ちょっぴりプライドを傷つけられたムラマサはさておき、氷雅は再び千鶴たちを見た。

「 まあ今はこちらのほうが楽しめそうですわ。
  さあ、わたくし戦うのはゼロ? 千鶴さん? どちらかしら? 」 

ジリッ‥
「 ‥‥ 」 《 ‥‥ 》

緊迫する千鶴とゼロ、両者が戦う覚悟を決めたそのとき―――




「 私じゃダメかしら? 」




千鶴たちは後ろを振り返った。
するとそこには、腕を軽く組み、婦警の格好をしたサングラスの女性がいた。

「 陸曹長さん!? 」
《 陸曹長どの!? 》

―――ゼロの上官、陸曹長である。

「 陸曹長さん、これはそのー 」
「 事情は聞いたわ千鶴さん、それに少し前から動向を拝見していました 」

「 ‥‥ 」
( 妖岩くん‥‥? )

あゆみは、しびれて動けない妖岩がかすかに震え、顔が青ざめていることに気づく。

「 今回の件であなたたちにペナルティーを与えるつもりはないわ。 ペナルティーを受けるのは‥‥ 」

陸曹長は、ゆっくりと後退りしている氷雅を視界に入れると―――

「 どこいくの氷雅 」
「 ヒッ! 」

その瞬間、氷雅はおもいっきりジャンプしてその場から離れようとした。
だがフェンスを越える前に、陸曹長はスカートの下に隠していたムチを取りだし、氷雅に向けて投げつける。

「 きゃっ! 」 ドサッ

ムチは氷雅の右足にからみつき、バランスを崩した氷雅はそのまま地面に叩きつけられた!
千鶴やあゆみはあまりの突然の出来事に、ただ見守っている。

ギュッ‥
「 敵前逃亡とは嘆かわしいわよ氷雅、戦う相手がほしかったんじゃないの? 」
「 な‥‥なんであなたがここにいますのよ! 」

足に絡まったムチはそのままに、氷雅は陸曹長に対しおもいっきり動揺していた。

「 今は零式犬佐の上官なのよ。 まさかこんな所であなたたちに会うとは思わなかったけど 」

‥と、陸曹長が妖岩に目をやったその一瞬―――

( 今ですわ! )

氷雅は瞬時にムチをほどき、フトコロから手裏剣を取りだしながら陸曹長に向かっていくが‥‥

スパパパッ!

陸曹長は、氷雅が投げつけた3枚の手裏剣を左手だけで受け止めると、

シュバッ!

右手でムチをしならせ、一瞬にして氷雅の胴体をぐるぐる巻きにし、自分のほうに引き寄せた!

「 はっ 離してくださいまし〜! 」
「 その程度の不意打ちで私に勝てるとでも思ってたの? 」

ドサッ‥
引き寄せられた氷雅は、陸曹長の足もとに転がるように倒れこんだ。
あまりの瞬時の出来事に、千鶴たちは驚いている。

「 な なんなの? あの氷雅があんなに簡単に‥‥ 」
《 いくら女忍者が強くても、ムチを持った陸曹長どのには勝てないであります 》

「 どうして‥‥? 」
《 自分たちサイボーグ犬部隊の指導員として抜擢されたのが、あの陸曹長なのであります。
  あのムチでどれだけの部下たちが矯正されたことか‥‥ 
  ‥‥そうして自分ら、サイボーグ犬の中でひそかに語られていた名は、別名‥‥ 》



          ≪≪≪  調教の女王(クィーン・オブ・トレーナー)!!  ≫≫≫



「 ‥‥ 」 《 ‥‥ 》



沈黙する千鶴とゼロ。 少し間をおいて、



「 誰よ、その名前つけたの? 」 《 ピンシャー犬尉であります! 》

「 ‥‥ 」 《 ‥‥ 》


‥‥一方あゆみは、妖岩に彼女たちのことを聞こうとしていた。

「 で 妖岩君、あの陸曹長って人のこと、知ってるの? 」
「 ‥‥‥‥ 」


妖岩の話を聞いたあゆみとムラマサは、


「 ‥‥‥‥えっ!? 」
《 なんだって!? 》


――――――「「「 お ね え さ ん ! ? 」」」――――――




                            「 離して下さいまし〜姉上〜〜〜!! 」


衝撃の新事実。
生物兵器編次回最終話!

【本日の対戦成績】

△ムラマサ―――△ヨシカネ
○あゆみ―――×ヨシカネ
△千鶴―――△ゼロ

○陸曹長―――×氷雅

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