ザ・グレート・展開予測ショー

青春代理人(9)


投稿者名:コンキリ
投稿日時:(00/ 5/12)


九回の表、0−0
俺達は守備で俺はピッチャーだった・・・。

「よしっ・・・。文殊の力は衰えているけど・・・。
 まだいけるッ!」
タイガーがいつものようにキャッチャーミットを動かす。
俺に球を要求する。
「行くぜッ!!」
どざぁッ!!
『横島選手、投げましたぁッ!
 ・・・・空振り!スットライク!!』
「よしよし・・・。」
タイガーが投げた球を受け取る。
このまま行けば守り抜ける!俺はそう思った。
このまま行けば・・・。

タイガーはHスライダー外角低めいっぱいを要求してきた。
「い・・・・くぜッ!!」
『さぁ横島選手振りかぶって・・・投げたぁっっ!!』
スポーーーーーン!!
「だぁぁあああっっ!?」
「よっ横島サンッ!」
『おおっと!これはすっぽ抜けました!キャッチャー捕れない!
 それを見てバッター振りました!
 振り逃げです!振り逃げです!
 しかしキャッチャー落ち着いて球をとって一塁送球ッ!
 アウトッ!アウトですッ!!
 
 ・・・・しかし、危ない場面でした。
 どうしたんでしょうか、横島選手?』

確かに今のは危なかった。
原因は・・・文殊・・・?
文殊の力が限界に近いに違いない。すぐさま文殊をだそうとする俺。

しかし考える。

今は九回の表だ。
今、文殊をだしてこの回を乗り切ったとしてもきっと延長戦になるだろう。
きっと延長戦の途中で俺はばてて、チームは負ける・・・だろう
それよりは、この回を乗り切り、
この文殊に、俺の打席の全てを賭けたほうが・・。
しかし、次の回は9番からだ。
俺まで回ってくる可能性は・・・いや・・しかし・・・。

俺は考えた。考えた。考えた。
そして、俺は、賭けてみることにした。
九回裏の、サヨナラ勝ちに。
九回表の、俺の実力による投球に。

キッとタイガーのサインを見る。
外角Hスライダーか・・。
俺のHスライダーが通用するかは解らない。
でも・・・。やるしかなかった。

『横島選手投げましたっ!!
 ・・・おおっと!緩いボールにタイミングが合わせられません!
 ワンストライク!』

よし・・・・。第2球ッ!

『横島選手、続いては・・・・、
 高め、ストレートです!これはバッター見送りました。
 バッター追い込まれてしまいました!』

これで、ツーアウトだッ!3球目ッ!!

『さぁ、投げました!』

カーーーーーーーン!

『打ったーーーー!!
 打たれました横島選手!ボールはアーチを描き、ピエトロ選手の方へっ!』

頼む・・・、捕ってくれッ!
ピートがフェンスへダッシュする。

「ハァ・・ハァ・・ハァ・・・
 
 ・・・・このまま・・、守りきるんだ!
 僕たちは、勝たなければならないんだ!!でやぁっ!」
『ピッ、ピエトロ選手、跳びましたっ!!
 高いですっ!!高いですっ!!』
「この、ボールは捕らなければならないんだ!」

ガシッ!・・・・・・・スタッ。

『とっ、捕りましたッ!!あのボールを捕りましたッ!
 ファインプレーですっ!!と、とにかくツーアウトですッ!!』

「ピート・・・。恩に着るぜ。」
俺は最後のバッターになるであろう男の目をにらんだ。

もう皆には頼ってられない!

ドザァッッ!
砂煙が巻き起こる。

『横島選手ッ!投げましたっ!
 内角、ストレートッ!空振りです。やはり、タイミングが合わないようです』
    
ダッ!!
左足を思いっきり前へ踏み出す。

『さぁ、これは・・・。』

カキーーーーーーーーーン!

『良いあたりッ!しかしファールです。ツーストライク!』

フォンッッッ!!
右手を思いっきり前へしならせる。
ラストボールだっ!

スゴォォォォォォォオオオオオオオオッッッ!!

「!」

その時バッターはボールが燃えているように見えた。
横島の威圧感、プレッシャーがいたいほどに感じられた。
この球は打たせない!打たせてたまるものか!!
バッターは、動けなかった・・・・。

ズドォォォオオオオオオン!

『ストラーーーーイク!バッターアウトッ!!』

「ヨッシャァァァァアアアア!!!」
チームメイトがもう試合に勝ったかのように俺に近寄る。

しかし、九回裏に得点がとれなければ・・・。


横島の賭けは的中するのか!?
どうするどうなる次号、最終回!!

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