ザ・グレート・展開予測ショー

〜 『キツネと羽根と混沌と』 第18話 〜


投稿者名:かぜあめ
投稿日時:(04/12/20)



「そもそもさ・・・」

・・と、彼は言った。

仰々しい監視装置が目立ち始めた通路の片すみ。Gメン施設最奥に近いそのエリア内では、警報ブザーが鳴り続けている。
眼下に見下ろす通路には・・『何もない』。
待ち構えているハズの蟲たちも存在せず、逆に、小奇麗なまでに片付けられた白い廊下。

横島が口を開いた理由は・・なんのことはない、ただそれしかすることが無かった、というだけの話である。

「そのイーターって野郎・・何だって、Gメンなんかをつけ狙うんだ?地味な上に収穫も少ないだろ・・こんなことしても。」

理論の上でなら、霊波そのものを完全に無効化できるなどという・・正真正銘、折り紙つきの化け物。
単なる愉快犯だとでもいうのなら、他にいくらでもやり用はありはずだ。予告状を送りつけてきた爆弾魔などが。その典型と言える。

「・・・まぁ、半分以上は僕への当て付けだろうがな・・。それとは別に、栄養補給という側面も・・考えられなくはない。」
表情を崩さず、西条が答えた。
イーターとの過去を、わざわざ仄めかすようなその言葉に、横島は一瞬、眉をひそめる。

「・・・?・・ま、いいや・・それより何だよ?その栄養補給ってのは・・」

「言葉通りさ。イーターは、その特殊な生態が起因しているせいか・・まともな方法ではカロリー摂取が行えない。
 草食動物が牧草を食むように、ヤツは霊的に質の高い、神魔族の肉を常食としている。」

言いながら、彼は足先で地面を指し示した。
・・・この下は、上質なご馳走で溢れているだろう?皮肉げに口歪めると、横島に渇いた視線を投げかける。

「な〜る・・魔族を封じた牢獄なんざ、ヤツにとっては食材の見本市ってわけだ・・。ひょっとしてバチカンを襲ったのも・・」
「・・あぁ。だからこそ、今回の件は『遊び』だとも言える。アレだけ食い溜めしたんだ・・・しばらくは活動に支障などないだろうからな。」

・・・。

それもまた、皮肉な話だと横島は思う。
誰が意図したわけでもなく、自然のままに築かれた生態系のピラミッド。食物連鎖の連環は、捕食者だけでは立ち行かない・・。
イーターは人間を超越することによって、ある意味、人間よりも過酷な生存競争を強いられているのだ。


「・・代償、か。きっとアイツは、そんなこと気にも留めていないんだろうがな・・。
 『すべてを投げ打ってでも、手にしたいモノがある』。最後に言葉を交わした時、そう言っていたよ・・。」


哀しげに・・しかし、かすかな懐かしさを伴う口調で・・西条がつぶやく。
それでも表情を動かそうとしないのは、彼なりのプライドの表れか・・・。

「得意のダンマリか・・。秘密主義が友達を失くすぜ?」

ちなみに、オレは最初から友達じゃないけどな・・。付け加えつつ、横島は軽いため息を吐いた。

「・・・ん?興味が湧いてきたかい?」
「お前がこの関連で多弁になるのは珍しいからだよ・・明日は雨だ、間違いねーよ。」

人を食ったような西条の問いに、横島は半眼で・・・・しかし、肯定と取れる答えを返す。
面白い、と思ったのかもしれない。普段、飄々としたこの男の、あまりにも『らしからぬ』その態度を・・。

「全くだ・・・。あるいは、話してみたくなったのかもしれない。自分と似たような経験を共有する、第3者にね」

天井を見上げ、懐から煙草を取り出す西条に・・・・

「・・・・。」

横島は一つ、肩を竦めた・・―――――――――――


                                       
                               ◇



白く煙る、水晶のような光の渦。

氷結する世界の中で、紅髪の少女が悠然と微笑みを浮かべ、佇んでいる。
彼女を囲む黒い人形たちは・・一斉に間接を曲げ、奇襲を放つ態勢を取った。

『力を・・味あわせる、ねぇ・・。言うじゃないかお姫様。』

歪んだ愉悦を湛えた声に、神薙が疑問符を浮かべたのは一瞬のこと。ジリジリと間合いを詰める分体たちを、彼女は鋭い瞳で睨め付ける。

『マイナス6で・・残り14体。不意打ちで半数以上を減らせなかったのは・・残念だったな?』

たった一撃でここまでの打撃を受けたことには、正直、驚きを禁じえないが・・そのおかげで、逆に相手の手の内を知ることが出来た。
先の攻撃・・あれは仕掛ける側としては、まず間違いなく、最高と言っていいタイミングだった。
力を出し惜しみする理由もない。・・つまり、今の神薙には許された行動は・・一度に6体を迎え撃つ氷戟が限界。
裏を返せば、それ以上の数には対応しきれない、ということになる。

『顔色が悪いぜ?姫君・・なんなら俺が、その頬を血化粧で染め直して差し上げようか?』

「・・クス。試してみますか?貴方の想像と、おそらくは真逆のことが起こると思いますが・・―――――――」


―――――――・・刹那、神薙の体が弾け、陽炎のような歩法を開始する。

舞うようなその動きは疾く、そして無音と言っていいほどの静けさを伴う。
飛び交う鞭を翻弄し、手を下すことなく・・・彼女はイーターの行動を圧迫し始めた。


『っ・・!小賢しい・・っ!!』

予想外の奇妙な動作に業を煮やし、14対の分体が、ほぼ同時に跳躍する。威勢とは裏腹・・イーターの心理に戦慄の波紋が広がり始めた。
《この女に近づいてはならない》
そう告げてくる本能の囁きが、彼らの脳裏に遠距離戦という手段を選択させる。
すなわち、鞭による、空中からの多角複数打撃・・・・・地を走る神薙にはかわしようがない。


「・・もう後手に回る必要は無さそうですね。イーター・・・貴方を殲滅します。」


淡々とつぶやいて、神薙が音も無く床を蹴った。
赤髪が宙にたなびく。少女が、ゆっくりと手の伸ばした虚空の先・・・・そこには・・・・・

『―――――――なっ!?ガハァアアアアアアアアアア!!!!』

瞬間、白銀の光が一閃した。
急激に加速した神薙は、分体の1対へと突進し・・・斬音とともにソレを貫く。
黒い人形に大穴が穿たれ、さらにその穴を亀裂として、残骸が散り散りに破砕していく。

壮絶、とさえ形容できる殺傷力。


『――――――・・・刺突剣〈レイピア〉・・だと・・?』


着地した神薙の掌に握られていた得物。一振りのシンプルな細剣を見つめ、イーターは慄きの声を上げた。
月光の如く輝きを放つ、半透明な青い刀身。鞘を床へと置きながら、神薙が薄く嘆息する。

「霊波絶対防御を誇る、イーターの装甲。計測上では、究極の魔体の主砲をすらも、弾き返すことができるそうですね・・。」

『!?』

「貴方のその力・・正直、感服しますが・・対抗手段が無いわけではない。コレがその、1つの答えです。」

レイピアをかざし、彼女は静かに言葉を紡ぐ。
無類の防御力を保持しているのは、あくまで表層部のみ・・それさえも、物理衝撃の前では完全とは言い難い。
――――・・一点突破を目的とした、貫通力の高い霊具を以ってコレを穿つ。
おそらくは、イーターに対して最も有効な攻撃手段と言えるだろう。

・・。

『なるほど・・考えたな・・。だが、その仮説には重大な欠陥が存在する。』
「?欠陥、ですか?」

キョトンとして首をかしげる神薙に、イーターは短く、小さく、嘆息する。
他でもない、神薙本人を指差し・・一言。

『・・術者、だよ。霊武具を扱う上で、最も重要な所有者の腕。
 見たところ、大分、修練は積んでいるようだが・・・そんなお上品な剣で俺を捉えることなど・・―――――――っ!?』

イーターの台詞が押し止められた。
声を発していた分体が吹き飛ばされ、さらにはその両隣の2対も粉砕する。
・・・これで、残り10体。視界から消えた神薙の舞いが、11体目を刺し貫いた。

「メドーサも同様の感想を述べて、私の立合いに敗れていますよ。それに、私に言わせれば・・・」

―――――・・。

分体の背後に回りこみ、少女はスカートをひらめかせる。
呆然と立ち尽くすイーターは、この期に及び、ようやく自らの油断を痛感した。

(『俺は・・・何を見ていた・・・!?』)

制服に身を包む、清楚な姿。華奢な体つきをした、非力な少女。その外見に惑わされ、敵の本質を見誤っていた。

(『―――――・・これが・・・魔神ドゥルジか・・・・!!』)


―――――・・。

「貴方たちの動きには・・いささか、典雅さが欠けています。」
凛とした声音で忠告した後、神薙は12対目の分体を薙ぎ払った。


 
                                ◇



「・・コカトリスには昔、人間の妻君が一人いたんだが・・それは知ってるかい?」

ペースを落とし、歩くような速さで先へと進む。
ポッカリとあたりに広がる純正の闇を、吐き出された煙草の紫煙が侵食していく。先行する西条の後を尾いて・・・横島は鉄製の扉をくぐり抜けた。

「いや、初耳だな。結婚してたこと自体、知らなかったぞ?」

首を振る横島。その様子を眺め、西条のマユがピクリ、と動く。
・・そこから話さなければならないのか・・。決まり悪そうの独りごちながら、彼はかすかな微苦笑を漏らした。

「なら、僕のイギリス暮らしが長かったことは?ハイスクールも、大学も向こうの出なんだが・・」
「ま、それぐらいはな・・。っていうか、お前がいつも自慢げに語ってるじゃねえか・・」

呆れた口ぶりで応対すると、かまわず西条は続けてくる。
次の発言が・・・・また突拍子もなかった。

「じゃあ、少し話してみようか。僕が『彼女』と初めて出会ったのは大学の教室・・・まだ5月半ばの、春先のことだ。」

「・・・・は?」

思わず口をハの字にして、横島がその場に立ち止まる。
コカトリスの妻君の話は?と、突っ込もうとする衝動を必死で抑えた。
というのも、西条が『最後まで聞け』と視線で訴えかけてきたからなのだが・・・。

「『彼女』は不思議な女性でね。何しろ第一声が、『変な寝顔・・。』・・だったからな。まったく、ムードもへったくれも無い。」
「おいおい。その人ってまさか、お前のイギリス時代の・・・」

うめくように訊くと、意外なことに西条は、それを首を振って否定してくる。
まだ未練があるのか、手のひらで額を押さえながら・・・・。

「・・残念ながら、一方通行だったよ。いや、もうちょっとのトコロまではいったんだが・・・・あの時、キスで済まさず最後まで・・・っと」

「・・・・。」

「・・・ゴホン。とにかく、彼女は病弱でね。しょっちゅう入退院を繰り返していたから、君が思ってるような関係じゃないよ、本当に」

言い訳がましく付け加えてくる西条に、横島は引き吊り気味の笑みを浮かべた。
・・まぁ、この男のことだ。自分と関係を持った女性の事実を隠そうとはしまい。
本当に『ただの』友人どうしか・・あるいは、お互い好意は感じていたが、一線を越えることの出来なかった『友人』どうしか・・。

おそらくは後者だ・・横島はそう思った。


「『彼女』も日本国籍でね・・授業の合間にはよく話した。恥ずかしいことに初恋だった。
 クラスでは100人斬りの異名で通ってたんだがな・・・彼女の前では、何故か上手く舌が回らなかったよ。」

愉快げな口調。
横島は再び目を丸くする。言われるまでは気づかなかった・・。
今の容貌からは想像することも難しいが・・・そういえば彼にも、学生と呼ばれた時代は確かに存在している筈なのだ。

それを当然と感じる自分と、なんとなく信じられない自分が混在している。
月並みに言うなら、『青春時代』。少なくとも、目の前の西条にはもっとも似合わない単語の1つだ。

「・・いいところを見せようと、大分、馬鹿もやった・・。バスケットの試合で、教官に喧嘩を売ったりな・・。
 あれは正直、極めつけだったが・・」

「は、はぁ!?お前が!?冗談だろ?」

「冗談なんかじゃないさ。これでもいいセン行っていたんだぞ?選手に選ばれるぐらいにな・・」

タバコを投げ捨て、西条は腕だけシュートの動きを再現してみせる。
なるほど・・全体像を見たわけではないが・・たしかに綺麗なフォームかもしれない。

「時々、発作のように懐かしく思う時があるよ。そうだ・・あの頃は、まだ間下部も・・・」

・・?
不意に、彼の口からこぼれた見知らぬ名前。はっきりと曇る西条の瞳に、横島は小さく首を捻る。
数秒の間だけ、2人を置き去りにする沈黙が流れた。

「・・脱線したな。まぁ、それはともかく・・この話は割とありがちな展開に向かって収束していくわけだ。
 すなわち、『幸せな日々は、そう永くは続きませんでした』・・とね」

「昔話の王道・・だな」

苦笑する両者の顔に、薄っすらと昏い闇が影を落とした。当たり前だ・・もう終わってしまったからこそ、物語なのだから。

「『彼女』と出会って2年・・今から数えると、6年前だな。魔鈴くんと知り合ったのも、丁度そのころだ。
 当時、僕らが在住していたロンドン市街で、ちょっとした事件が起こってね・・」

「・・・あぁ」

いまいち要領を得ない、ぼかされた台詞。ぼかされた事実。
わざわざ魔鈴のことを持ち出すからには、彼女がらみということか?・・どちらにしろ、これ以上ヒントは出そうもない。

「結論だけ言おう。『彼女』は事件に巻き込まれ、失踪した。僕は、全治2ヶ月の重傷を負った。」

「・・・探したんだろ?診断通り、2ヶ月も引きこもってるようなタマじゃないもんな。」

「あぁ・・それこそ血反吐を吐きながらね・・。だが、恥の上塗りだった。足取り1つ掴めなかったよ。」

言葉を切って、西条は小さく自嘲気味な嗤いをつくる。
これもある意味でポーカーフェイス。思い出してみれば、彼の笑顔には、どんな時でも似たような色が宿っていた。
例え、美神や魔鈴の前であったとしても・・・それは決して変わることがない。


「だから、あの時は、心底驚いた・・。探して、探して・・・自分の前から彼女が消えたと・・ようやく自覚し始めた、あの時」

「・・コカトリスと、そしてまだ幼い少女と戯れる・・・『彼女』の姿を見かけたときは・・・」


――――――!?

横島が驚きの声を上げたことには、2重の意味がこめられていた。
1つは西条に対するものだが、もう1つは・・・・

「・・コイツら・・!まだ隠れてやがったのか!」

ダクトや排水溝を突き破り、一部ではあるがその異様を覗かせる灰色の蟲たち。無数の虫眼が、ギョロギョロと横島たちの姿を捉える。

「あ〜無視していいから、さっさと続き話せ、続き。」 
「・・おいおい。片手間で倒せるほど、弱い相手じゃないだろう?」

苛立たしげに先を促す横島へ、西条はわざとらしく肩をすくめた。
そう・・・この怪物たちは、決して弱くない。動きが鈍重で間接部が以上にモロいこと。知性の感じられない単純な動き。
弱点を挙げればキリがないが・・・しかし、霊力だけはケタ違いに高い。闘い方を誤れば、横島や西条とて、十分に不覚を取ることも考えられる。

「どうやら、今回はここまでのようだな・・一通り聞いた感想はどうだい?」

ニヤリと口元を緩めながら、西条は霊剣を抜き放った。蟲たちに霊弾を叩きつける横島に、無意味な質問を投げかける。

「・・どうもこうも・・。謎は深まるばかりだよ。2人と一緒にいたっていう女の子・・子供にしちゃ、年齢が合わない。
 イーターとの繋がりも、はっきり言って見えてこないな・・。」

お手上げだ、とばかりに両手を広げる横島を、西条は満足そうに一瞥する。・・実際、彼は満足していた。

「それだけ分かれば合格だ。君の疑問は・・・まあ、この次までの課題だな」

そう答えた後、西条はニヒルに一つ笑ってみせる。
横島がどうあっても真似できない―――――――真似したいとも思わないのは、彼のこういった部分なのだが・・・。
あえて口にする気も起こらず、彼は黙って頷いた。



「最後にもう一つだけ質問を。君は・・『神』を信じているかい?」

真意の見えない漆黒の瞳。横島は大儀そうに口を開いた。

「・・何をいまさら・・。こんな仕事して、しかも散々コキ使われてるんだぜ?信じたくなくても信じ・・・・」

「――――――僕は無神論者だ。」


言葉をさえぎり、西条は、チラリと聞き手の表情を覘き見る。
口調は相も変わらず冷めたままだが・・その奥底には炎のような感情が窺い知れた。

「《喰らう者》の目的を、教えておこうか?アイツは有神論者であり、なおかつ神を憎悪している・・・」

長髪が揺れる。鋭利な瞳をさらに細めて、彼はポツリとつぶやいた。

「唯一無二、絶対の『神』。ソイツをこの手で引き裂きたい・・・。あいつにとって、ただ一つ残された望みなんだそうだ・・」


                                  
                             ◇







例えば、こんなおとぎ話がある。





――――――・・昔々あるところに、白一色で包まれた、果てしない平面の広がる世界があった。


どこまで行っても白い平面。どこまで行っても先は見えない。
その中心に男が独り。


男は世界の原点・・・±ゼロの一点に腰掛け、ただただ座り込むばかりだった。歩くことができないのだ。


あぁ・・私はここを動いてみたい。私の世界を、他でもないこの双眸で見てみたい。



・・・ある日、白い世界の一端に、紺碧の雲、漆黒の雨が降った。
この世界はただの平面。『上』はない。なのに・・・・しかし、それでも雨は降った。染み出してきた。

漆黒の雨は雫となり、大地を侵し・・・やがて、波紋となる。

波紋。波紋。

白い世界は汚された。純色の平面は輝きを失い、灰色となり・・・・。


男は世界が嫌いになった。


―――――――・・。


「・・・・?」

タマモが薄っすらと目を開けたのは・・・ぱちぱちと飛ぶ、火の粉の熱気を受けたから。
軽い頭痛と・・止まない眩暈。ドクドクと脈打つ心臓を押さえ、彼女は苦しげに呼吸をした。

「な・・に・・?今の・・・」

視界が、混濁する。
自分は一体、どれだけここで眠っていたのだろう?閉じた意識の深遠の中・・・ひどく奇妙な光景を垣間見た気がする。

「―――夢、見てたんだ?私の力に当てられたせいだね・・・アナタみたいなただの妖魔には、ちょっと刺激が強すぎたかな?」

頭上から響く声。苦痛をこらえ、ぼんやりタマモが顔を上げた先には・・・抜けるような青空と、灰の少女が浮かんでいる。

「平面上の原点・・それが君の『神』のイメージ?哲学的だね〜」
「・・・。」

クルクルとよく変わる横顔に、タマモは小さく身構えた。理由は分からない・・しかし、この少女は『危険』な気がした。

「・・初めて、見る顔ね・・。私に何か用?」

「ユミールだよ、タマモちゃん。あたしね、アナタと遊びにここへ来たの。」

鼻にかかる、うっとりした調子で囁きながら・・ユミールは自らの髪を弱々しげに梳き上げたのだった。


『あとがき』

いやはや〜展開予測ショー移転完了おめでとうございます〜。かぜあめです、改めてよろしくお願いします。
さてさて、読者さまの反応が気になる今回。西条のスクール時代の話は・・実はすっごく煮詰めてあって長編を一本書けるぐらいなんですが・・。
無理だろうなぁ・・。主人公、西条。ヒロイン、オリキャラ。ライバル、間下部。サブヒロン、魔鈴。
・・設定に魅力が無さ過ぎます(笑
そして、何故かヘタれてるイーターさんですが・・ここからのドゥルジさま、実はピンチです。
制服ビリビリで、彼女が『ハァハァ』言う場面も当然のごとく用意していますので(核爆)ご期待ください〜


・・・それにしても、NLBさんは凄いです(汗)貫通力の高い武器・・見事な先読みに感服いたしました。


神さまは人それぞれでイメージの違う存在だと思います。今回タマモが垣間見たモノはあくまで比喩です。
『聖痕』で蒼髪の少年が、人格を持った主神たちについて触れる部分があるのですが(appendix.『邂逅』)そこにちょっと関係があったりなかったり・・。
それでは〜次回は、クリスマスです。みなさん、サンタさんにプレゼントを貰いましょう(笑)
注:正しくは、「味あわせる」ではなく「味わわせる」と表記するらしいのですが・・。微妙に読みにくいので、あえてこちらで書かせて頂きました(笑

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