ザ・グレート・展開予測ショー

THE MOVIE「踊るゴーストスイーパー」(1)


投稿者名:3馬鹿鳥男
投稿日時:(00/ 5/10)

はじめまして、3馬鹿鳥男といいます。
ここには随分前からROMをしていましたが、思い切って投稿します。
以後お見知りおきを。

題 THE MOVIE「踊るゴーストスイーパー」

現場の指揮を任せられた轟警視が無線機を握りしめ叫んだ。
「横山、なぜ持ち場を離れた!」
「うるさい!事件は現場で起きているんだ!」
横山は乱暴に無線を切り、廃墟の工場へ走った。
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手足がもぎ取られた男の死体が転がっていた。
「これは君がやったのか・・・」
横山は目を見開いて、振り返った。
そこには、先ほどまで犯人と思われた男に捕まっていた少女が寂しそう笑っていた。
「そう、私がやったの・・・こうしなければ生きていけなかったから・・・」
すると、その少女の隣にふわふわ浮いた物体がしゃべった。
「殺すとこ見たんだから、こいつも殺すんだろ。だったら俺に食わせろ」
少女はそいつを睨め付け、つぶやいた。
「だめよ、もう殺しは嫌なの。」 
「へっ、あいつがそんなことゆするかね」
物体・・悪魔ベイリアルが、けたけた笑った。
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轟警視は横山を抱えながら叫んだ。
「横山、しっかりしろ!死ねな!」
横山は、薄く目を開いて
「彼女は?」
轟警視はうなずいた。
「あの少女なら、無事だよ・・・君がかばったおかけで掠り傷程度だ。」
横山はよかったとつぶやくと、静かに目を閉じた。
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病院の廊下は明るく、静かだった。
轟警視は、横山の横に座り話し始めた。
「あの少女は記憶封鎖の処置が決まったよ。悪魔ベイリアルはローマに預かってもらうことになった。」
横山は、表情を硬くした。
「ほんとうに、その方法しかないのですか」
「わからん、強制的とはいえあれだけの人を呪い殺したのだから。まだ、15才の少女にはつらいだろう」
「けど、あの子の気持ちは!」
「すべて終わったわけではない。また、やり直せばいいんだ。」
そう言うと、轟警視は立ち上がり歩いていった。
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横山は退院をすると、少女を訪ねた。
そこには、養女として引き取られた少女が明るく笑っていた。
それを見た横山は微笑んだ。
「そうか、また出会えばいいんだ」

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場内が明るくなった。
「ん〜、やっと終わったね。おキヌちゃん」
横島は背伸びをして、横を向いた。
「それが感想ですか。もっと他には言うこと無いんですか」
おキヌは、微笑みながら席を立った。
「やっぱり、近畿くんて、かっこいいですね」
「ふん・・・。でもあの少女綺麗だったな。特にあの服が破けるシーン、えがったな。」
横島はでへでへ笑った。
おキヌはそんな横島を睨んだ。
「そんなとこばっかり、身を乗り出して見ているんだから。恥ずかしい。」
横島も席を立った。
「でも、あの呪術の殺し屋美少女のストーリーよくできているよね。だれが協力しているのかな。」
パンフレット広げて、演技協力の欄を見た。
「あれ、エミさんの名前がある」
「えっ、ほんとですか?」
おキヌは横からパンフレットを覗き込んだ。
「あっ、ほんとだ。美神さんの名前もある。結構いろいろ協力していたんだあのひと。」
横島はパンフレットを閉じ、歩きだした。
「さて、これからどうしようか。おキヌちゃん」
おキヌはあきれた顔をした。
「何言っているんですか、近畿くんに試写会招待してもらったのだから、会いに行くんでしょ!」
横島の手を引張った。
「げど、招待券3枚あったけど、今日美神さん来れなかったし。銀ちゃん美神さんは是非ともと言っていたし。」
「あれは横島さん宛ですよ。友達でしょ。」
おキヌは横島の腕を取り、うきうきとして歩きだした。
(それに、二人きりなんて久しぶりだし、まるでデートみたい。)
ぽっと赤くなったおキヌであった。
そんなおキヌを見て横島は、しかたないなとつぶやいて歩きだした。

ロビーでは、ファンの人たちにサインをしている銀一がいた。
横島に気が付いた銀一は手を振った。
「横っち、こっちこっち」
誘われるまま、横島たちはサインや握手をしている銀一の側へ来てた。
横島は憮然として声をかけた。
「相変わらず、モテモテやね銀ちゃん」
銀一はムっとした表情で
「そっちこそ、ええ感じやないか」
と、腕を組んでいるのを指した。
「いやっこれは。」
横島たちは赤くなって離れた。
ゴホンと咳払いをし、気を取り直している横島たちを、じと目で見ながら
銀一は言った。
「横っち、これが終わったらいっしょに食事でもせんか?」
「え?」
問い返す横島にかまわず、紙を渡した。
「ちょっと相談があるねん。おキヌちゃんもいっしょでええから・・
 それじゃ後で、まだ仕事があるやさかい」
と、銀一は慌ただしくマネージャーに呼ばれて行ってしまった。

その紙には、食事する時間と場所、そして絶対に他の人には教えるなと記されていた。
「銀ちゃん。どうしたんだろ」
横島は首をかしげた。
「どうしたんでしょうね。ちょっと真剣な表情でしたよ」
おキヌは再び横島の腕を取り、自分の腕時計を見て、
「これからどうします? 約束の時間まで2時間以上ありますよ」
「そうだな・・・」
横島は、目の前を美女が横切っていくのをじっと見ながら思った。
「さすがに芸能人が招待する試写会だけあって、美人が多いな。
 よし、つまずいたフリをして抱きつくとか、ナンパでもするか・・・・イテテテ」
おキヌが横島の耳を引張った。
「声になっていますよ。ほんとにばかなんだから。すること無いのなら私の買い物につきあって下さい。」
と、耳を引っ張りながら歩いた。
「ちょっと、離して。おキヌちゃん。いたたたた」

2時間後、横島たちは某高級ホテルの最上階のレストランに着いた。
「なんだか場違いだね。俺達」
「そうですね。こんなに素敵なレストランと知っていたら、もっとお洒落すればよかった」
おキヌは自分のワンピースを見た。
今は7月初旬でやたら暑い日が続いていたので、ラフな白いワンピースだった。
横島にいたってはジーパンにTシャツだ。
「入り口で待っててもしかたないな。入ろう」
「そうですよね。もう近畿くん居るかもしれないから」
ドキドキしながら入っていた二人の前に、ウェイターがやっていた。
「ご予約は?」
「横島ですけど・・・」
「横島様ですね。近畿様のお連れの方ですね。御連絡承っています。こちらへどうぞ。」
そういうと、ウェイターは横島たちを奥のテーブルまで案内した。
そこは、他の席から見えにくい位置で町の夜景が見渡せる6人席であった。
すでに銀一は来ていて、その向かいに座っている一人の美少女と楽しく話をしていた。
「もうすぐ来るとは思うんやけど。そいつな、俺の友達でプロのゴーストスイーパーなんや」
「そうなんですか?だったら私の悩みを解決してくれそうですね。でも・・・・信用できるかしら?」
「大丈夫やて・・・おっ?」
横島はその美少女に気付くと素早く手を握った。
「そうです!信頼できるゴーストスイーパー横島忠夫です!あなたの悩み何でも解決してみます。
今すぐでも二人っきりで相談にのりましょう。いだ!!」
「横島さん!!いいかげんにして下さい!」
横島の頭を叩いたおキヌは拳を握って怒りでプルプル震えていた。
頭を抱え涙目になった横島はうらめしそうにつぶやいた。
「おキヌちゃん。最近、美神さんみたいだ・・・」
「誰のせいです!誰の!」
それを見て少女はクスクス笑った。おキヌは恥ずかしそうに横島を引っ張った。
銀一は呆れ顔で、二人に取りあえず席に座るようにすすめた。
ウェイターが居なくなるのを待って
「横っち、自己紹介やけど・・・。こちらは織田ほたるちゃん。で、このアホな男が俺の友達の横島、一応プロのゴーストスイーパー。その隣が横島と同じ事務所でゴーストスイーパーの見習いをしている氷室キヌさん・・・」
おキヌはにっこり笑って握手を求めた。
「はじめまして。織田さん。私のことはおキヌと呼んで下さい。」
少女、ほたるが微笑んで握手した。
「こんにちわ。おキヌさん。そして・・・横島さん。」
おキヌは横島の名を言う前に、妙に間があったのを気付いた。
だが、横島が再び少女の手を両手で握ろうとしたのを見て、
「横島さんはもう握手したからいいでしょ。」
と、横島と少女を離すのに気を取られてすぐに忘れた。
銀一はどたばたしている・・・はた目から見ればいちゃついているカップルにしか見えない2人を見て人選を誤ったかもと後悔していた。

第1章終わり。
第2章へ続く。

シリアスにしたかったのですが自分で文章を考えると難しいですね。
感想を書いて頂けたらうれしいです。

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