ザ・グレート・展開予測ショー

青春代理人(7)


投稿者名:コンキリ
投稿日時:(00/ 5/ 9)


二回戦目・八回の裏、7−0
ピッチャーマウンドには俺、横島が立っていた・・。

落ち着け・・・落ち着け、俺!
神父の教えはきっとここで役に立つ!
普段は金にうとくてさえないオッサンだけどきっと役に立つ!

タイガーは何を要求している・・?
俺はキャッチャーのタイガーのサインを調べた。
Hスライダー・・。外角高めだな?
『さぁ横島選手振りかぶって・・・、投げましたっ!!』

カキーーーーーーー・・・・・・ン

『ドカーーン!!これは大きい!観覧席めがけて一直線!
 入りましたぁっっ!一点返されてしまいました横島選手!』
「タ・・・、タイムッ!」
呆然としている俺を見て、タイガーがタイムをとった。
タイガーは俺に近寄ってくる。

「横島サン。あれじゃ駄目ですケンノー。
 池上先輩の球とは比べ物にならないくらい遅いし、
 まがっとらんケンノー。」
「そ・・、そおなのか!?」
「ワッシがこんなこと言えるかどうかは解りませんがノー、
 ワッシらは負けるわけにはいかんケンノー!
 そのためにはインチキもやむないですケンノー!」
「な、何が言いたいんだよ。」
「このままじゃ負けるって言いたいんですケンノー。」
「だっ!こっ!この野郎!」

しかし俺も薄々さっきのホームランで気づいていた。
俺の球は通用するとは言い難いと。

「つかりですケンノー。サイキックソーサーで・・・。」
「だめだ、あれはそんなに数はだせん。
 だいたいお前が捕れんだろうが。
 ・・・。それより俺に考えがある。任せろ。」
「解ったですケンノー・・。」
しぶしぶ帰るタイガー。
俺はお約束(?)通り文殊を出し、念を込めた・・・・。

『プレイボール!』

タイガーは内角一杯ストレートを要求してきた。
フッ!今の俺は球速、制球力ともに格別だぜ!

ドザァッ!
キュピィィィイイイイン!

「横島選手・・・おっ!?フォームが少し違いますがっ・・!?
 投げたぁーーーーーーっっっ!!はっっ!速いッ!」

ゴオオオオオオ
オオオオオオオオオオ
オオオオオオオオオオオオオ
ズドォォォオオオオオオオオオオオン!!

球はキャッチャーミットに食い込んだ。
『かっ、空振りです!どうしたんでしょうか、横島選手!!
 先ほどの球とは比べ物になりません!
 素晴らしい球を放ります!』

「ふっふっふ・・・。
 次は・・・、Hスライダーか・・・。任せろッ!!」

スドォォオオオオオオン!!
結果は先程と同じだった。
バッターはあまりの球速と球の曲がり具合に唖然としている。

「フハハハハハハハッッ!!
 俺の真の実力を見た会場の女性客は
 俺にぞっこんラヴじゃぁぁぁぁあああ!!」

しかし、勘のいい読者の皆さんは気づいているだろう。
横島が念じた漢字一文字・・・!!
それはあの阪神タイガースのエース、
バランスに優れ!高速スライダーを得意とし!!
完投を狙えるほどのスタミナをも持った人気ピッチャー!!!

そう、「薮」だ!!
阪神ファンの彼はとっさに薮のようなピッチングができればと考え、
実行に移したのであった!

実際に文殊が自分を薮のようなピッチャーに
してくれるかどうかは解らなかったが
彼には思いと、薮に対する願いがあった!!
ガンバレ!薮!!ガンバレ!タイガース!!今年こそ優勝だ!!
彼の脳中には六甲下ろしが合唱されていたことであろう。

そんな彼のヒキョー攻撃第2段によって、
第2試合目は幕を閉じたのであった・・・。

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