ザ・グレート・展開予測ショー

いつかのメリー・クリスマス!


投稿者名:ロックハウンド
投稿日時:(04/12/11)


 12月24日 昼間は晴れで、夜は寒くて、雪がいっぱいです。




 もう夜の6時半なんですねぇ。

 お外はすっかり真っ暗で、どっちかと言えば、雪明かりのほうが強くて、きれいです。

 雪も降ってます。とってもゆっくりと、空からのんびり。

 街灯に照らされて、青白くて。ちょっとだけ、なんかこわい気もしちゃいますね。



 【晴れでしたけど、曇って、雪が降ってきました】



 ・・・・・・なんて、ちょっとヘンな書き出しですよね。

 うーん・・・・・・お元気ですか、っていうのもおかしいかも。

 わたしってば、日記を書いてるはずなんですけど、こーいうのも、ちょっとした心境の変化って言うんでしょうか?

 今日の日記はお手紙みたいにしてみようかと。



 それにしても、自分でもなんでかよくわからないんですけど。

 今夜は、あなた宛に。

 本当に、不意に、突然なんですけど。

 お手紙を書いてみたくなりました。



 きっかけと言うか、お夕飯の下ごしらえをしている時に、ちょっと思いついちゃったんです。

 パピリオちゃんがニンジンの皮むき、シロちゃんはブロッコリーの水洗い、タマモちゃんがジャガイモを切っていて。

 わたしがお鍋に水をはって、シチューの準備をしてたんです。それで、なんでお手紙を考えちゃうんでしょうね?



 ま、まぁ、それはともかく・・・・・・。

 あなたに届くことはありませんし、読まれることも無いかもしれません。

 でも、今の気持ちはどうしても、こんな風に書きたくなっちゃって。

 英語で言うと『せんちめんたる』でしょうか? ・・・・・・な、なんか違うような気も。

 あー、もう。自信ないなぁ。




 「おキヌどのー。お湯が煮えてきたでござるよー」

 「早く来ないと、つまみ食いしちゃうでーちゅよー♪」

 「おキヌちゃーん、早く作ろうよぉ。お腹すいたー」




 あ、いけないいけない。うっかりお料理のこと忘れてました。

 下からみんなが呼んでます。急いで行かなくちゃ。

 うう、夢中になると忘れっぽくなっちゃうのは、あいかわらずです・・・・・・。

 え、えと、その前に。うーん・・・・・・・・・・・・。





 『拝啓 ルシオラ様』





 ・・・・・・やっぱり、ちょっとかしこまってるかなぁ?






 ―――――――――――――――――――――――――――――――――

               いつかのメリー・クリスマス!

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 今、下から戻ってきて、続きを書いています。

 台所では、シロちゃんにタマモちゃん。そしてパピリオちゃんが火の加減を見てくれています。

 なぜか知りませんが、さっきの3人がどうしても見ていたい、って言うんですよ。

 もちろん、台所でトランプしながら。うふふふ・・・・・・。

 あ、お手伝いしてくれたのは、やっぱり嬉しいですよ、うん。

 ほ、ホントですよ? け、けっして、日記の続きが書きたいからっていう、そういう言い訳じゃありませんからねっ?



 ごほん・・・・・・あ、そ、そうそう。もうすぐお夕飯の準備が整うんです。

 さっきも言った通り、今夜のおかずは鮭と鶏肉にお野菜がいっぱい入ったクリーム・シチューにしました。

 付け合せのクリスマス・プディングも、焼きたてのパンも、アルコール抜きの発泡ワインも。

 もちろん七面鳥の丸焼きも、大きいのが一羽、ちゃーんと用意できてます。

 あ、わたしが用意したのはシチューだけなんですけどね。えへへへ・・・・・・。



 実は、魔鈴さんのお手製なんですよ。

 魔鈴めぐみさん。『レストラン・魔鈴』のオーナーで、魔女さんです。GSのお仕事もなさってます。

 すっごくお料理が美味しいんですよ。わたし、時々レシピを教えてもらってるんです。

 あ、でも、中にはちょっと変わった材料なんかもあって、人間界には無いものなんかもあったりしちゃいまして。

 ま、魔界にしか生えない植物だとか、数百年に一度しか手に入らない昆虫を乾燥させて、すり潰したスパイスだとか・・・・・・。

 そ、そーゆー時には、丁重にお断りしてまーす。あ、あははは・・・・・・。



 あ、そうそう。ルシオラさん。パピリオちゃんはとっても元気ですよ。

 ヒャクメ様に、こっちでお祭りがあるって聞いたらしくって。(クリスマスのことなんですけどね)

 えーと、小竜姫様の先生(ハヌマン様だったかな? パピリオちゃんは『老師のおじーちゃん』って言ってましたけど)に頼み込んで。

 その後、小竜姫様に駄々こねて。鬼門さんたちに送って来てもらったそうなんです。

 すっごくにこにこしてましたよ。一生懸命だったんでしょうね。


 『ままははみたいに、いーっじわるな小竜姫に言われた宿題、ぜーんぶやりとげて来たでちゅ。誰にも文句は言わせないでちゅよ!』


 元気に胸を張るパピリオちゃんはあいかわらず逞しいなぁ、なんて思っちゃいました。



 それに、今日は横島さんと2人でお買い物に行ってきたんで、パピリオちゃんは一日中すごくご機嫌でした。

 明後日には帰るので、妙神山の皆さんへのお土産を買いに行ったそうなんです。

 チャイナ・ドレスやら、扇やら、新しいゲームソフトが10本とか、提灯が2つとか、木刀だとか・・・・・・。

 だ、誰が選んで、どう納得して買ったのか、良く分からないんですけどね。あ、あははは・・・・・・。

 ま、まぁ、パピリオちゃんが『とってもないすな買い物ができたでちゅよー♪』って喜んでたから良いんですけど。

 あ、チャイナ・ドレスと扇に関してですけど・・・・・・青、赤、紫の三色。つまり3人分ありました。

 なんとなく誰へのお土産か、とってもよくわかっちゃったので、とりあえず、横島さんのおかずは一品減らすことにしました。



 あと、パピリオちゃんが、お姉さんへのお土産を見つけたことをとても喜んでましたよ。

 ・・・・・・べスパさん、でしたっけ。

 わたし、横島さんとパピリオちゃんに見せてもらっちゃいました。すっごく綺麗な髪飾りでしたよ。

 アゲハ蝶を模ってあって、羽根には石がはめ込んであるんです。淡い水色、薄い緑色、透き通る紫色。

 光を受けると、なんだか蛍が光ってるみたいで、ほんとにステキでした。

 横島さんが商店街のとあるお店で見つけたって言ってました。パピリオちゃんも見るなり、すぐにおっけいだったそうです。

 彼もとても喜んでましたよ。『ええチョイス出来たよー、わっはっはっ』って。



 ふふっ・・・・・・おかずの一品抜きは、勘弁してあげても、いい、かな?




 「おキヌちゃーん、すっごくいい匂いがしてきたよー」

 「おキヌどのー。お鍋がくたくた言ってるでござるよー」

 「お味見タイムでちゅよー。わたちがやってあげてもいいでちゅけどね♪」




 ・・・・・・なんか時間が経つのが早い気がします。

 いろいろ考えちゃうからなのかなぁ。その割には、あんまり筆が進んでないし・・・・・・。

 ま、まぁ、いいか。急いだってしょうがないですもんね。



 それはそうと、横島さん、まだ帰ってきてないんですよ。

 美神さんが注文したケーキ、取りに行ってくれたんですけど、ね・・・・・・。

 自転車で片道15分くらいのところにあるって、美神さんは言ってましたけど。

 でも、いくらなんでも、2時間は遅いって思います。な、何かあったのかなぁ・・・・・・?




 「おキヌちゃん、そろそろ食べよっかー?」




 あうう、美神さんまで・・・・・・。

 仕方ないなぁ。横島さんが帰ってくるまでは、なるべく待っていたいんですけど。

 やっぱり、みんなで一緒に食べるほうが美味しいですもんね。

 じゃ、続きはまた後で書きます。ルシオラさん。





 ☆―――――――――――――★―――――――――――――☆―――――――――――――★――――――――――――☆





 ・・・・・・けーっきょくぅ・・・・・・!

 あ、あれ・・・・・・ごほん・・・・・・。

 結局、横島さん抜きで、パーティーを始めちゃいました。

 よし。なんとか意識が、って・・・・・・・・・・・・ひっく。

 よ、酔いが回るのが早すぎですぅ・・・・・・!



 えぇ、そーです。少し飲んじゃいました。

 うー、全身がほかほかしてます。

 シャンパン・・・・・・って言うんだったかな。グラスに2杯だけだったんですけど、けっこう酔っちゃいますねー。

 金色で、泡がたくさん浮かんできて、しゅわしゅわって音が一杯はじけて。

 すっごくきれいでしたよ。うっふっふっふー。

 ・・・・・・・・・・・・うぃっく。



 シロちゃん、タマモちゃんと3人そろってサンタさんの真っ赤な帽子をかぶって。

 ゲーム・ステーションやらトランプやらで、はしゃいじゃったりして。

 隊長さん・・・・・・って、美神さんのお母さんですね。もちろんひのめちゃんも一緒に来てくれたんです。

 みんな、とても楽しそうでした。それにご飯が好評で良かったです。

 手前味噌じゃないけど、シチューも良く売れちゃいました。えへへへ・・・・・・。

 もちろん魔鈴さんには感謝しなくちゃいけません、はい。



 それにしても・・・・・・あの人は相変わらず帰ってきませんねー。

 せっかく、ご飯も美味しくできたっていうのになぁ・・・・・・。

 あー、そうそう! あの人、前のクリスマスのときも確かそうでしたよ?

 わたしがまだ幽霊やってたときのことでした。うん、ちゃんと覚えてます。ちゃーんと。

 横島さん、すーっごく遅れてきたんですよ。



 わたし、プレゼント用意して待ってたんです。あの時は手編みのマフラーでした。

 美神さんとわたし、横島さんと3人だけでしたけど・・・・・・。でもすっごく嬉しいプレゼントを横島さんからもらったんです。

 それは、幽霊も着られるお洋服。

 横島さん、とんでもなく険しい山に登ってまで、もらって来てくれたらしくって。

 幽霊だったわたしにも、そこまで一生懸命になってくれたんです。

 本当に・・・・・・泣きたくなるくらい嬉しかったんですよ。



 そうですよね。

 横島さんったら、バカで、スケベで、考えなしで。

 振り回されることばっかし、ですけど。

 ・・・・・・たまに。ときどき。ほんとうに、ときどきなんですけど。

 とっておきに、全身がどきどきしちゃう事を、してくれたりするんですよねぇ。

 やんなっちゃうなぁ、ホントに。



 あの人は、ヒーローなんて言えない人で。

 世界で一番、女の子好きで。情けなくって。

 怖がっていても、怯えていても、嫌がっていても。

 それでも、何とかしよう、って。

 泣きながら行くんじゃないかな、って。

 そうしちゃう人なんじゃないかな・・・・・・って、思っちゃったんです。

 ルシオラさんが大変だったときに、戦う横島さんを見ていて。



 わたしも、似たような経験あるから。

 なんとなくわかっちゃったんですよね・・・・・・。

 『死津喪比女』って妖怪を退治したことがあったんですけど。

 みんなを守りたい、って思って。

 自分が犠牲になってもいい、って考えてました。

 実際、そうしちゃったし。

 ま、まぁ、運良くっていうか・・・・・・助かったんですけどね。

 人間にもなれましたけど。



 でも・・・・・・ときどき、思い出すんです。

 美神さん、横島さん。そして、ずっと昔の、一緒に過ごしていた子供たち。

 そして、女華姫様。

 みんなの泣き声が、聞こえるような気がしちゃって・・・・・・。

 あ、後悔してるとか、そういうんじゃないんです。

 あの時は、無我夢中だったし。

 あの方法しかないって、自分でも必死でしたから・・・・・・。



 でも、やっぱり。

 生き返った今になって、なんか思っちゃったりします。

 ・・・・・・わたし、いろんな人を泣かせちゃったのかな、って。

 わたしが犠牲にならなきゃ、みんなが助からないって、わかってはいました。

 みんなに生きていて欲しくって、やったことでしたけど。

 でも、どっちにしても、泣く人はいるんだって。

 わたしのせいで、泣かせちゃったのかなって・・・・・・。



 生きていられるから、こんなこと考えられるんでしょうね、きっと・・・・・・。

 横島さんが、あなたのために泣いた時だって。

 こう言ってはなんですけど・・・・・・わたしの時と重なっちゃって。

 わたしも、みんなを置いて行っちゃったんだ、って。

 気がついたら、泣いてました。



 美神さんも、横島さんも。

 みんなのこと、いっぱい・・・・・・大好きなのに。

 なんで。

 なんで、泣かせたりしちゃったんでしょうね・・・・・・。



 あと、こんな事、言っちゃいけないって思いますけど・・・・・・。

 横島さんが泣いていた時。

 あなたのことを・・・・・・ほんの少し。

 いえ、かなりです。うらやましくなって・・・・・・。

 そして、妬いちゃいました。

 ・・・・・・ごめんなさい。




 「おキヌどのー! 先生が帰ってきたでござるよー!」

 「こらー、ヨコシマー! わたちに待ちぼうけ喰わせるなんて、いー度胸じゃないでちゅか」

 「・・・・・・ちょっと、横島。なに、それ?」




 わたしは、酔いも忘れて。

 でも、目尻を拭うことだけは忘れないで。

 急いで、部屋を駆け出ちゃいました。





 ☆―――――――――――――★―――――――――――――☆―――――――――――――★――――――――――――☆





 横島さんは、やっぱり優しい人でした。

 あっという間に3人前のご飯を食べちゃった後、オフィスの床に転がって、すぐに寝ちゃってます。

 彼の傍には、広く浅めの洗濯籠でタオルに包まれて眠っている、4匹の子猫ちゃんたち。



 そうなんです。

 ケーキを買って帰る途中、川原に捨てられていたのを見つけたらしくって。

 4匹とも凍えて震えていたんで、横島さんは慌ててあちこち駆けまわっていたんだそうです。

 自分のジャンパーに猫ちゃんたちを包んで。コンビニだとか、ペットショップだとか。

 なんとか猫用のミルクも手に入って、急いで事務所に連れてきたって言ってました。

 近所のお店はしまってたから、隣町にまで行ったらしいんですよ。この寒い中を。



 ふふっ・・・・・・でも、みんな、おかしかったなぁ。

 美神さんは怒るに怒られなくなっちゃって、むすっ、ってしてましたし。隊長さんとひのめちゃんは笑ってましたけど。

 シロちゃん、タマモちゃん、パピリオちゃんの3人は、きゃーきゃー言って、猫ちゃんたちの周りを囲んでます。

 猫ちゃんたちもあの人の近くに居たいらしくって、最初は寝ているあの人から離そうとすると嫌がっていたんですよ。

 やっぱりわかっちゃうんでしょうね。



 あいかわらず酔ってるせいで、洗い物の手はあんまり進まないですし、頭の中はぐるぐるですけど・・・・・・・・・・・・けぷっ。

 でも、なんとなくわかった気がします。さっきの続きじゃないですけど。



 そのとき、一生懸命だったから。

 みんなの事がが、ほんとうに大好きだから。

 自分にできる精一杯のことで、みんなが生きていてくれるんだったら。

 自分に優しくしてくれた誰かの、命が助かるのだったら。

 多分、そうしちゃうのかな、って。

 だからルシオラさんは、多分、そうしたんじゃないのかな、って。

 本当に、あなたは横島さんの事が好きだったんだな、って。

 横島さんが、命がけであなたたちを救おうとしたように。

 なんとなく、そう思いました、はい。



 だから、って言うのもヘンですけど・・・・・・えへへ。

 いつかまた会いましょう。ルシオラさん。

 勝負事はすっごく苦手だし、そんなに積極的な方でもないし。

 自信もあんまりないですけど・・・・・・。

 それでも、わたしも、みんなも待ってます。あの人の娘としてのあなたにも、もちろん会いたいし。

 その次の世界でだって。きっと会えます。絶対。



 千年とか、二千年とか・・・・・・ううん、もっといっぱい経っても。

 きっと、みんなで会えます。わたし、自信があるんです。

 って言っても、予言なんてものじゃないですけど。あははは・・・・・・。

 わたし、三百年前の人間ですけど。

 でも待ってた甲斐はありましたよ。うん。

 ・・・・・・ひぃっく。



 名字が、付きました。

 家族が出来ました。

 お友達がたくさん出来ました。

 学校にも通ってます。

 いっぱい冒険もしてます。

 そして・・・・・・。

 好きな人が出来ました。



 ええ、そうです。あの人です。

 オフィスの床で寝てる、バカで、スケベで、明け透けな人です。

 お互い、苦労しちゃいますよねー?

 いや、わかってはいたこと・・・・・・かもしれませんけど。

 ああ、思い出すだけで腹立っちゃうなぁ、もう!



 ・・・・・・やっぱり勢いを付けるには、たまにはお酒も飲まなきゃいけないんですね。

 そうです。負けないです。負けてられません。

 と言っても、あの人のお母さんだけには、ぜんぜん勝てそうに無いですけど。

 それでも、いまさらあきらめたくないですもん。

 『氷室キヌ、ごー・ふぁいと・うぃん!』ですっ。

 ・・・・・・え、えと、これって、パピリオちゃんの受け売りなんですけどね。あははは・・・・・・。



 あわわわ、ちょっと力みすぎたかな。ふわふわな頭が、一気にふらふらしてきちゃいました。

 洗い物も終わったし、猫ちゃんたち、見てきますね。

 やっぱり、横島さんと一緒に寝ているんだろうなぁ。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちぇー。



 台所から出てきてみれば、みんなは思い思いに寝てました。

 美神さんは自分の椅子に。シロちゃん、タマモちゃん、パピリオちゃんはソファーに並んで。

 さすがに隊長さんだけは、ひのめちゃんを客室で寝かしつけてるみたいですけど。

 もー、いくら暖房が効いてるからって。

 ・・・・・・まぁ、横島さんは仕方ないですけど。



 彼の傍に座り込んでみれば、猫ちゃんたちはさっきと変わらず、よく眠ってました。

 おなかが一杯って事もあるんでしょうけど、やっぱり助けてくれた人が近くにいるからなのかな?




 「こらー、横島さーん」




 よく眠っている彼の横顔に、顔を近付けながら、ちょっと文句でも言ってみたくなっちゃいました。

 たまには良いですよね? うん、良いんです。うふふっ。

 ・・・・・・・・・・・・ひっく。




 「なーんで、わかってくれないんですかぁ?」




 知ってました、ルシオラさん?

 横島さんのほっぺたって、結構ふにふにしてるんですよー。

 わたしは今知りました。

 新発見って楽しいですねー。きゃー♪




 「えいえい」




 あー、眠いよー。

 完全に酔いが回ってきちゃいましたねー。

 なんか、もー、限界かもしれません、はい。

 


 「にゃ〜」




 あ、起こしちゃった?

 ごめんなさい、猫ちゃんたち。

 でも、わたしだって、たまにはこーしてみたいの。

 あったかいお部屋で、一緒に寝てみたくぞある・・・・・・。

 こんな古文あったっけ?

 そーいえば・・・・・・前にも。

 こんな風に、横島さんの隣で寝たことありました、ねぇ。

 チャンスって、やっぱり突然なんだなぁ・・・・・・うふふっ♪



 あ、ごめんなさい、ルシオラさん。

 お手紙の続き、明日にしますね。今夜はもうダメみたいです。

 英語で言うと『のっく・だうん』です・・・・・・たぶん。

 パピリオちゃんが横島さんと一緒にお昼寝してる気分が、やっとわかっちゃいました。

 あーあ、いいなぁ。



 わたしたち・・・・・・きっと、また仲良しになれますよね。

 だって、ね?

 同じ人を好きになれたから。

 貴女の分まで、なんて言いません。

 わたしはわたしで。わたしなりに。

 彼のこと、また一つ好きになれそうです。



 では、また書きます。

 また明日・・・・・・って、なんか朝起きるのが怖い気もしますけど。

 ま、良いですよね。

 お休みなさい、ルシオラさん。



 ・・・・・・・・・・・・ぐー。










                おしまい。―――そしてMerry Christmas♪。

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