ザ・グレート・展開予測ショー

英雄のその後…-4-卒業!


投稿者名:熊
投稿日時:(04/12/ 9)

〜斉天大聖side〜


凄まじい…それが斉天大聖の横島への感想だった。

修行を始める前はどうなることやらと思っていたが。

全て杞憂だった。いや、いい意味で裏切られた。

斉天大聖にとって一から弟子を育てるといった経験が無く横島の修行は新鮮で有った。

変な癖も付いておらず下手なプライドも無い…

そのため教えた先からメキメキと力を伸ばしていくため正直面白かった。

「よし…今日はここまでにするか」

「…大丈夫です…もう少しがんばります」

面白い…本当に面白い今のこの修行とて決して楽ではないにもかかわらずだ…

「無茶をすれば良いと言うわけではない…休むのも修行じゃ、師の言うことは聞くものだぞ?」

「…わかりました」

「…ほぼ霊力の扱いは覚えたようじゃな、もう次のステップ…本格的な修行に行けるじゃろう」

「本当ですか!」

「ああ、楽しみにしておれ…ところで一つ気になっておたんじゃが何故小竜姫に内緒なんじゃ?お主の場合ワシより小竜姫の方がうれしいかろ?」

「もちろん!当然じゃないですか!

老師より若くてきれいでかわいい小竜姫様の方が断然いいに決まってるじゃないですか!」

分かっていたこととは言えこうまで力いっぱい肯定されると少しムカツクの…

「ならば何故?」

「…やさし過ぎるからです…ルシオラの件で随分自分を責めてましたし…

ちょっと自分に厳し過ぎると思うんです…だからこれ以上負担は掛けたくないんです…」

「…そうか…」

こやつ…何も考えていないようで案外考えているのか…

そう思うと同時に一つ小さな疑問が浮かぶ。

「ならば小竜姫の気持ちにも気付いているのか?」

「気持ち?何がですか?」

やはり気付いておらぬ!小竜姫の性格を言い当てさらに気を使えるのだから鈍い分けでは無かろうに…

ようはこやつに遠まわしに好意を示しても無駄だと言うことか。

そういえば、ルシオラという魔族は最初からストレートに攻めていたようだしの…こんど小竜姫様に忠告しておくか。

「えっと…何か?」

「いや…なんでもない」

「?そうですか…じゃあ俺、食事の支度をしてきます」

そう言うとワシの態度に不振がりながらも横島は館の方に駆けていった…

休めと言ったのに聞かんやつじゃな、まあ良い…それより、これからあ奴をどの様に鍛えればよいかの方が重要じゃな…

あやつは、霊力の圧縮と指向性を持たせるのに向いていおる。

その最たるものが文殊だろう…霊力を圧縮し指向性を持たせるでたらめな能力。

霊波刀はどちらかと言えば圧縮の方になるだろう、

ならば指向性を持たせ使う術…陰陽術等が良かろうか…それとも…

………
……


「師匠〜!メシですよ〜!ってどこに居るんだ?」

館の方からワシを呼ぶ声がするのに気が付く…

随分長いこと考えていたらしい調理を終え弟子がワシを探しているようだ。

さて…待たすのも悪い…サッさと行くかの…

それに近頃アヤツ料理の腕も上がってきたし今日のオカズが楽しみじゃ♪


〜横島side〜

「木行を持って土行を哭す!」

力ある言葉が自作の符に流れ込み目の前に迫った巨石を打ち砕く。

だが、完全に打つ消せたわけではない、まだ、幾つか残っている大きな破片を霊波刀で迎撃する。

今は、師匠と実践形式の修行の最中だ。

いちよう'本格的な修行'に入ってか成り経っている。

正直、時計は勿論昼も夜も無いこの世界ではどの位の時間が経ったのか分からないが、

ようやく詰めの修行まで漕ぎ着けた。

先ほどの術も師匠に教えてもらった天心五行正需法と言うらしい…

「そら!」

師匠の声と共に巨大な鉄棍が迫ってくる…今の霊波刀では受けきれない…なら!

「土行を持って金行を足らしめる!」

五行の相克上、金行は土行によって強化される…霊波刀は金行なので土行の符の力により強化されるのだ。

一時的ではあるが一気に出力の増した霊波刀で鉄棍を弾き一気に切りかかる…が簡単に避けるられた。

やっぱり正攻法ではだめだ…

しかも…今の一撃でかなりに符を消費してしまった…精々後一回の攻撃が防御の分しか残っていない。

…やることは考えるまでも無い…攻撃だ!

バックステップで師匠との距離を稼ぐ、そして

「行きます!」

掛け声のと共に一気に突っ込む。

目くらましに幾つかサイキックソーサーを投げつけ、先ほどの要領で霊波刀を強化し切りかかる。

そんな力任せの攻撃が師匠に通じる分けも無く、サイキックソーサーを迎撃され霊波刀は受け流され体が泳ぐ。

当然、師匠がそんなスキを見逃すはずもなく一気に攻勢にでる…だが、

掛かった!俺は心の中で喝采を上げた。それと同時に左手にハンズ・オブ・グローリーを纏わせ一気に師匠の方に伸ばす。

だが、ドン!

と言う音と共にハンズ・オブ・グローリーが当たる瞬間を見ぬまま腹に強烈な一撃を受け意識を失った。

………
……


「…アレ?」

気が付くと見慣れた天井が有った…

「えっと…確か…師匠と修行をしていて…?」

どうも記憶がはっきりとしないが、何時までも寝ているわけにも行かないので起きようとする…が、

「ぎょえ〜〜」

奇妙ね叫び声を上げ布団の上をのた打ち回る。腹が痛いのだそれはもうむちゃくちゃ…

「む…起きたようじゃな」

「師匠?」

俺の悲鳴を聞いたのか隣の部屋から師匠が入ってくる。

「大丈夫…ではなさそうだな…」

「はい…めっちゃくちゃ腹が痛いんですけど…その…文殊使っていいっすか?」

文殊の使用は修行にならないので師匠に禁止されている。

まあ、今は修行ではないので構わないとは思うがいちよう聞いて見が、すぐ首肯する。

「で…どうなったんですか?」

「覚えておらんのか?ワシの棍の一撃を受けふっ飛んだんじゃぞ」

「あ…ちょっと覚えています…」

「なぜ…あんな危険なマネをした?」

ギロリとこちらを睨む。

斉天大聖はどうやら怒っているようだ。

まあ確かに防御を全くせず自分を囮にしてカウンターに全てをかける…なんて命知らずどころの騒ぎではない。

「…師匠に何とか一撃入れたくて…すんません」

「…お主は守る力が欲しいのであろ?自分自身も守れぬ者に他者を守ることなどできん…覚えておけ」

「はい…肝に命じておきます…」

横島の様子を斉天大聖がため息を付く。

だがすぐ顔を引き締めてが厳かに言葉を紡ぐ。

「横島 忠夫 お主の修行は本日をもって終了する。これからも驕らず精進し、更なる高みを目指せ…」

「…へ?終了って?どういうことですか?もしかして…クビ?」

「ちがう!どうゆう耳をしておる!ようは免許皆伝といったところじゃな」

「えっ…今怒ったばかりじゃ…」

「まあ…な…じゃが不完全とはいえワシに一撃を与えたのじゃ力量としては十分過ぎる」

「はぁそんなもんすか…それで俺ってどのくらい強くなったんすかね?」

(てーかあの攻撃当たってたんだ…)

はっきり言って自分ではどの位強くなったのか分からない。

始終老師に良い様に嬲られてたのだから…強くなったという実感が全く無い。

「ハァーお主もう少し自身を見る目を養った方が良いぞ…文殊を使えば小竜姫と真正面からでも戦えるだろう…」

「小竜姫様と!?…もしかして人間界最強?」

「ハァーー本当に…当たり前じゃ…未熟とはいえ小竜姫は竜神族…それと互角に戦える者等、人界にいる分けないじゃろう…

じゃがな…そんな強さの物差しに大した意味は無ぬ…意味があるかどうかはお主が決めることだ…

それで…横島よその'最強'の力をもて何をする?」

「何って…俺は大切な人達を守りたいだけです」

「守る…か、お主の'守る'とは力で守ることばかりを指すのか?そうではないじゃろ…

…正直…ワシはお主が戦いに向いているとは思えない…少し自分を見つめなおし考えて見るといい…」

「…どういうことですか?…」

横島の質問には答えず自分で考えろというように首を横振る。

「…分かりました…ハァー頭を使うのは苦手なのに…あっ!ところで俺はどのくらいの時間修行してんですかね?」

重い雰囲気を嫌ったのか明るい声で斉天大聖に横島が聞く。

「さて…の…多分二.三十年といったところか…長くても五十年未満だと思うぞ」

「ちょっと待ってください!二十年と五十年じゃ違いすぎます!

つーかここでたら行き成り七十近い爺になる可能性が有るってことか!いやや!

若い姉ちゃんとまだ熱〜い一夜を過ごしていないのに〜!」

横島の脳裏に頭部のみ後光の差した年老いた自分の姿が思い浮かぶ…

「…安心せい…前の修行と違い今回は肉体を持っての修行じゃもう既にここで過ごした時間が刻まれている…」

「えっ…じゃぁ」

「そう…もうお主はに「禿げることは無いのか!!!」

重々しく人間ではないと斉天大聖が言おうしたが横島の言葉にずっこける。

「お主!まず反応するのがそこか?!そうではないだろ!ウン十年生きて変わっていないのだぞ!?

もう人ではないのだぞ?普通はそのことを心配するものではないのか!?」

「えっ?それは最初に言っていませんでしたっけ?」

「!…お主…」

「覚悟はできています…」

横島の言葉に斉天大聖は今更ながら己が見誤っていたことに気が付いた。

「…そうか…そうだな…ならばよかろう…外では1ヶ月程の時間が過ぎている…

もしも時間があるならパピリオ達に会って行ってやってくれ…」

そいって棍を振るい通常空間に戻す。

「分かりました。俺も久しぶりに小竜姫様や、パピリオに会いたいと思っていたんですよ。

じゃぁ失礼します…っても直ぐ会いますけど…」

そういって入ってきた時と同様に光る門を斉天大聖の前から姿を消した。

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