ザ・グレート・展開予測ショー

英雄のその後…-3-修行開始!


投稿者名:熊
投稿日時:(04/12/ 7)

「久しぶりじゃな…小僧…」

「…お久しぶりです…」

光の門の門は斉天大聖老師の私室に繋がっていたのだ。

横島の部屋に入ってまず最初の感想がなぜ洋室?!だ。

そうなのだフカフカの絨毯、赤茶色を基調とした落ち着いた壁に

一目で高級品と分かるソファー…壁際には洋画と大きな暖炉まで存在する。

その中に中華風の服を着た斉天大聖…

(妙神山は銭湯…自室は洋室…着ている服は中華風…

とどめに吸っている物は煙管…神族の感覚ってほんまようわからん…)

まあ…深くは問うまい…

「で…わざわざ小竜姫とパピリオに内緒でワシに用とはなんだ?」

「あ…はい!修行をつけてもらいたいんです…お願いします!」

気を取り直しそう言うと横島は頭を下げる。

「修行…な…お主はすでに最難関の修行コースを終え

人として限界近くまで鍛えてある…

人間界でお主のに比肩する者も殆どおるまい…これ以上何を求める?」

「…足りません…」

「何?」

「全然足りないんです!もっと…もっと力が欲しいんです!

南極の時もうちょっと力があったらアシュタロスをあそこで倒せたかもしれない…

コスモプロセッサの中の時だってもうちょっと早く飛べれば生き返らせたかも知れない…

それ以前にべスパの時だってもう少し霊的防御が高ければ…

過去にたらればを付けるのは意味が無いのは分かっています!

でも!…足りないんです…欲しいんです!

…もっと…もっと程強くなりたいんです!」

頭を上げずに怒ったように横島が怒鳴…

斉天大聖老師の目には横島が泣いているようにしか見えなかった。

「…先ほども言ったがお主はもう人間の限界近い強さを持っている…

確かに霊力練り方…体術…

その殆どがお主は未熟だ…それらを極めればもっと強くなれるだろうが…

じゃが…人を捨てることになる…」

「え…はい?」

「お前の中にはルシオラと言った魔族の霊基構造がある…

今は休眠しているのでこのまま普通に生きて幾分には問題ないが…

ワシの修行を受ければその霊基構造が活性化するだろう…」

「…魔族になるってことですか?」

「…魔族とは限らんがいずれにせよ人間ではいられんだろう…

それでも受けるか?」

斉天大聖老師が射抜くような視線で横島をにらむがそれに怯むことなく見返し、

ゆっくりと言葉を紡ぐ。

「…よろしく…お願いします」

そう短く言うと頭を下げた。

………
……


「し、師匠…ここは何ですか?」

あの後、斉天大聖老師に弟子入りを認められた横島は直ぐに修行を始めることとなった。

前に雪之丞と一緒にいた加速空間に似ているが消耗が半端ではない。

「前にも来たことがあろう?」

「でも、前はこんなにきつくなかったと思うんですか…」

「当たり前じゃ、前と同じでは修行にならんだろう?

それに前は潜在能力を引き出すために一時的にお主らの霊体を加速したにすぎんかったが、

今回は直接お主自身に負荷をかけておるじゃから前よりキツイだろう…」

確かにキツイ…だが、どれほど厳しい道だろうと今の俺は避けて通るという考えは無い。

「さて…小僧…いや横島…霊力を練って見ろ…」

「…え〜とどうやってですか?」

「…何?」

「霊力を練ってどうやるんですか?俺、知らないんですけど」

「言い方が悪かったかのぉ?ようは…」

………
……


「全然わかりません!」

自信満々に言い放つ横島を前に斉天大聖はまるで痛みを堪える様にコメカミを押さえた。

「お主にも人間の師匠がおろうが…何も教えておらんのか?」

「はい…修行って言ったら前に雪之丞の一緒に師匠につけて貰った以外やったことがありません」

「…じゃあ何か?、お主は修行らしい修行をしたこともなくこの妙神山、

最難関の修行を受けたのか?」

「…そうなりますね…」

横島の何気ない言葉を聞いて斉天大聖老師はついに頭を抱た。

本来、妙神山は修行に修行を重ね、

自身では超えられない壁にぶつかった時その門を叩くのが普通である。

まさか、修行の'いろは'も知らん奴が居るとは夢にも思わなかったらしい…

「…良く分かった…お主には本当に基礎の基礎から教えねばならないようだな…」

そう言うと斉天大聖老師は足を館の方に向けた。

心なしか背中が煤けている。

「あれ?師匠?修行は…」

「…修行のプランを新たに直さねばならん…それに、

とんでもなく疲れた…今日は休みじゃ…」

そう言い終わるとさっさと館に引っ込んでしまった。

「えっ?」

後に残されたのは出鼻を挫かれた横島だけだ・

英雄の修行は初っ端から前途多難だった…

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