ザ・グレート・展開予測ショー

GS美神 EP2 No,7 復活


投稿者名:純米酒
投稿日時:(04/12/ 7)


(アイツがくれた物・・・)

出会いから別れまでを振り返る。

初めて会ったのは、病院に担ぎ込まれた雪之丞とその彼女の見舞いの時だ。

ギャグで言った一言と、効果のなかった文珠のおかげで、パピリオに気に入られて強制的に同行するハメになった。

ペットから下働きの下僕のような待遇になり、言い付けられた事を完璧にこなしていた。
命惜しさの為に彼女たちの機嫌を損ねないよう、精一杯卑屈に振舞っていた。
一人になれば、敵愾心を露わにして虚勢まじりの言葉も出てきた。

だが・・・彼女達の儚い運命を聞いて、迷った。

彼女たちも、俺たちとなんら変わりは無いではないか、と。

限りある命のなかで、目標を全うするために努力する。
そんな姿と、生き物を愛でる心、美しい風景に感動する心に、自分の心が動かされた。

そして、造られた命に架せられた枷は同情するのに十分過ぎた。
邪な下心もあったが、彼女に約束をした。

「アシュタロスは俺が倒す」と・・・・

最初に貰ったのは、自分で行動する『勇気』


アシュタロスを出し抜いて帰還した後、自分を待っていたのは世間の批難の声。
家だけに留まらず、学校でも誹謗中傷の言葉に晒された。

それが誤解だと分かっていても心は痛んだ。

だが、彼女と一緒に夕焼けをみて、彼女の笑顔をみて、救われた。
自分のやった事が間違いではない事を感じることが出来た。

次に貰ったものは、『自信』


――――そして最後に、傷ついた身体を癒す為に『命』を。


(そうか・・・俺、こんなに沢山のものを『アイツ』から貰ってたのか)

【そうだ。そうして変わった『俺』を奴らヘンな物でも見るような目つきでみていたじゃないか。
 都庁の地下で魔女裁判もどきがいい例だ】

(いや、でも・・・今までの行動から考えると自業自得って気がしないでもないんだが・・・)

【他人の成長を認められないだけだろう・・・ゴーマンでイケイケでタチが悪くてわがままで・・・】

(だけど、時々可愛い所もあって、強くて、イイ女・・・だろ?)

【イイ女だからこそ、『アイツ』を否定するのが許せなかった・・・それに「これでハッピーエンドってことにしない?」
 だって?冗談じゃない、『アイツ』が『娘』になったらヤることもできないし、余所の男のモンになるかもしれないんだ
 『アイツ』はオレのモンだ!誰にも渡さん!!】

(・・・・・な、なんだか急に親しみ易くなったような気がするなぁ・・・)

【当たり前だろ・・・『おまえ』は『俺』なんだからな・・・】

(そっか・・・そうだよな・・・『俺』はもうタダの荷物持ちのセクハラ野郎じゃないんだよな・・・
 『アイツ』と出会って自分の意思でGSとして行動しようとしたんだ・・・
 だから・・・もう逃げない、自分から目を逸らさない)

【・・・・・・・・・『俺』を受け入れて『お前』でいられるとでも思うか?
 『俺』は『アイツ』以外には冷たいぞ?】

(いいんだ。『俺』は変わりたいんだ、『アイツ』が・・・『俺』自身が誇れるようになるために)

【そうか・・・・その言葉、忘れるなよ・・・】








横島の居る修行場の入り口をジッと見つめているシロ。

雪之丞に説得されて、横島を信じて待つ事にした。
が、横島の辛そうな顔を思い浮かべては側に居たいという思いを募らせる。
手には知らず知らずのうちに力がはいり、「せんせぇ・・・」と呟きがもれてしまう。

その、入り口に変化が起きた。

中から釣竿を担いだ横島が、頭を掻きながら出てきたのである。

「あ、どうも・・・何とか決着つきました・・・ってアレ?小竜姫さまは?」
その顔は、何かを吹っ切ったような清々しい物だった。
横島の表情を見て、シロの曇りがちだった表情にも明るさが戻ってくる。

「先生!拙者は信じてたござるー!」
言うと同時に飛び掛り、横島の顔を舐め回す。

「お、おいやめろって・・・そんな事だからタマモに犬とか言われるんだぞ」「犬じゃないもん!!」
横島の苦笑する笑顔にかつての憂いは見当たらず、まさに『彼らしい』笑顔だった。

シロの叫び声に気付き、小竜姫とヒャクメ、雪之丞の三人がやってきたのは、それからまもなくだった。

「・・・ようやく吹っ切ったようだな、それでこそ俺のライバルだぜ」
肩を組むように腕をまわしかるく力を込める雪之丞。
横島はまたもや苦笑するが、親友の存在を心から感謝していた。

「うるせぇ・・・って言いたい所だけど、お前のおかげで気付く事が出来たんだ。ありがとうな」

「へっ・・・オマエが男に感謝の言葉だなんてなぁ・・・あしたは槍でも降るか?」

「ウルセー、俺は人間としてもGSとしても成長したんじゃー!」
横島と雪之丞が男臭い友情を深め合っていると、後から小竜姫が声をかけたきた。

「気分はどうですか、横島さん?」

「あ、小竜姫さま。なんかさっぱりしましたよ」

「そうですか・・・」

そういってヒャクメと顔を見あわせる。
ヒャクメも以前見えた霊基構造の変化がなくなってる事を心眼でみてとったのか、小竜姫に無言で頷き返す。
小竜姫の顔が自然とほころぶ。

(これなら大丈夫そうですね)

小竜姫の目には、出会った頃と変わらない、それで居て一回り大きくなった横島の姿があった。

「ところで・・・あの修行は何なんだったんですか?砂漠で釣りだなんて・・・」
唐突に横島が小竜姫に尋ねる。
修行開始時からずっと引っかかっていた事だ。未だに何のためにあのような行為をしていたのか腑に落ちないのだ。

「アレですか?特に意味はありません。強いてうなら無意味である必要があったのでああしてもらったのです」
横島は小竜姫の言いたい事がいまいち理解できず、?マークをあたまに浮かべるだけだった。
そんな横島を見てヒャクメがフォローする。

「要するに『無心』になれってことなのねー」

「いや・・・それならもっとこう・・・座禅組んだりとか・・・それらしい方法があるじゃないですか。
 なんでわざわざ回りくどい事を・・・・・」

「・・・横島さんに座禅を組んで『無心』になれと命じたとしても無理だと思ったので・・・」

「そんな人をバカみたいに言わんで下さいよ・・・」

そう言う横島だが、したり顔で頷く雪之丞やシロを見て、

「チクショーーーーーー!!どーせ俺はそーいうキャラだよーーーーーーーーー!!」
ある意味最も彼らしい絶叫を上げることになるのだった。



「さて、これで横島さんの修行も終わりましたし・・・下界に帰るのなら鬼門に送らせたほうがいいのかしら?」
小竜姫の言うとおり、今の時間は深夜・・・早朝といっても差し支えの無い時間帯だ。

だが、横島はこれを断った。

「すいません・・・俺、やりたい事があるんでもうちょっとココに居たいんです」

この言葉に一番驚いたのシロだった。
彼女にしてみればようやく横島と帰れると喜んでいたのだ。

「そんな・・・事務所に帰ってからでは無理な事なのでござるか?」
その言葉は全員の気持ちを代弁したものだろう。

だが雪之丞の呟いた「アイツに関係ある事なのか?」と言う言葉に頷く横島を見ると、シロを除く全員が納得をした。

一人、得心のいかないシロに対して横島が話し始める。

「あぁ・・・そうだな、何から話そうか・・・」
そう前置きを置いて、自分とアイツ――ルシオラとの出会いと別れについて朗々と語る。


話の内容に、シロは時折涙を拭ったり俯いて嗚咽を堪えたりしていたが、静かに横島の言葉に耳を傾けていた。
雪之丞や小竜姫、ヒャクメも黙って横島を見つめている。三人ともなんとも言えない表情でただ見つめている。


「で、結局ルシオラだけが復活できなかったんだ。俺の所為さ、俺がもっとしっかりしてればなぁ・・・」
そこまで言葉にすると、いつの間にか握っていた拳に視線を落とす。
やがて、思い立ったように言葉を続けだす。

「まぁそれでも、復活の手段が無い訳じゃない。ルシオラは魔族だからな。霊基構造が足りていれば復活できるんだ。
 でも霊基構造を俺に譲り渡した所為で復活できなくなった。
 俺は人間だからな、魂をいじってしまうと原型が保てなくるから、俺から霊基構造を取り出すのは無理だっていう結論になった。
 で、他に復活の可能性があるのが「俺の子供として転生させる」って言う事なんだ」

横島の言葉が切れると、小竜姫とヒャクメは身を強張らせた。

((まさか私に「ルシオラを生んでください!」っていうつもりじゃぁ・・・))

そんな二人を見て、二人の考えている事が解ってしまった横島は、頬をかきながら日ごろの自分の行いを呪った。
自分に苦笑して、一旦きった言葉を続ける。

「でも俺はそれじゃぁ嫌なんだ。生まれてくる子供がルシオラの転生だったとして・・・
 違う形で幸せにしてやれるかも知れないけど、それじゃ俺は満足出来ないんだ。
 情けない話でさ、ルシオラが居なくなって初めて自分がルシオラの事を「ヤらせてくれる女」としてしか見てなかった事に気付いた。
 でも、ルシオラは命をかけて俺を愛してくれたんだ・・・今度は俺もちゃんとルシオラを愛したいんだ。
 ・・・まぁ子供を愛する事で、って言う事に納得出来ないのは俺の我侭なのかもしれないんだけどさ・・・」
横島の独白にただただ、感心のため息が漏れる。
が、

「まぁ、ぶっちゃけ本音を言うとルシオラが娘になっちゃうと流石に俺でもヤれないし、
 何よりどこの馬の骨とも分からん男にルシオラが取られるのも我慢出来ないっちゅーか・・・」
この一言で横島に対する感心が吹き飛んでしまう。
尊敬の眼差しが、一気に冷ややかなものへと変わっていく。

「せ、せんせぇ〜感動が台無しでござる〜・・・・」
「・・・コレで『人間としてもGSとしても成長した』って言えるオマエの神経がわからん」
「貴方という人は真面目なのか不真面目なのか・・・良く判らなくなりました・・・」

だがヒャクメはただ一人微笑みながら横島を見ていた。
これが彼の照れ隠しであると言うことを知ったからだ。そして照れ隠しでも無理に演技された物ではなく、自然に出てきた物だとも。

「まぁまぁ・・・これでこそ横島さんなのねー。
 ところで横島さん、何か良い方法でも思いついたの?私たちも色々復活の方法を探してたけど、
 今のところ子供に転生させるっていう以上の方法は見つかってないのねー」

ヒャクメのフォローで話題が変わった事で、横島がまた真剣な表情に戻る。

「その事なんですけど、あの修行が終わったあとちょっと一人で考えていた案があるんですけど・・・
 思いつきだけだから小竜姫さま達に聞いてもらおうとおもってたんですよ・・・・
 で、その方法なんですが・・・やっぱり俺の中にあるルシオラの霊基構造を使うのが確実かなぁと思いまして・・・」

この言葉には誰もが耳を疑った。
横島は自分で言葉にしていたので知らないはずはないのだ。

「え?でも先生・・・先生は人間だから魂をいじったりしたら原型が保てないはずではござらんか?」
シロの言葉も最もだが、横島は説明を続ける。

「あぁ・・・問題はそこなんだけども、そこさえ何とかなれば一番確実な方法だ。
 だから『俺からルシオラの霊基構造を上手くとり出す』方法を考えるようにしたんだ。
 で・・・その中の一つの方法なんですけど、俺、文珠作れるじゃないですか。
 文珠みたいにルシオラの霊基構造を操れないかな〜と思って色々試してみたんですけど、いくらやってみても操れませんでした。
 でも俺の霊力っていうか霊基構造なら自由に出来るんで・・・間接的にルシオラの霊基構造を一つにまとめることは出来ました。
 そこが限界だったんですけれど・・・そこから何らかの方法で一つにまとまったルシオラの霊基構造を切り取れないかな〜って・・・
 そう考えていくと、一つ思い当たることがありまして・・・」

そこで一旦ことばを区切ると、シロと雪之丞の方に顔を向ける。

「シロ、雪之丞。この前の除霊・・・覚えてるか?
 あのとき死神の鎌を持ってて奴が教えてくれたんですけど、死神の鎌なら霊体も切ることが出来るんです。
 それと、さっき言った霊基構造を一つにまとめる奴を使えば・・・上手くいくんじゃないかと思いまして」

横島の説明が終わっても、一同は黙って考えてるしかなかった。

一見、横島の案は完璧に見えた。
文珠使いという自分特性を活かした見事な案だと言えた。

だが、

「でも・・・切り取ってしまった所は霊体的にも肉体的にも治る事は無いんですよ。それでも良いのですか?」
小竜姫が皆を代表したかのように問いかける。
だが横島は、ルシオラの為にその身を盾にすることすら惜しまない。今更傷を負う事に躊躇いが無いことは解っていた。

「あいつの為なら腕の一本や二本、安いもんですよ」

想像通りの答えが返ってくるが、横島の言葉はそれだけで終わらなかった。

「でもそんな事しても、たぶんルシオラが怒るだけだろうと思いましてね、切り落としても問題の無い所を探しました」

この言葉には全員が驚いた。

「俺・・・以前に呪われた人形の除霊をやって失敗したんですが、俺の霊力は髪を切り取る事でごっそり吸い取られたんですよ。
 それと同じように、髪にルシオラの霊基を込めれれば俺の体にも問題はなくなるんじゃないかなぁって」

しばらくの間は静寂があたりを包んだ。

いち早く再起動をはたしたヒャクメが、あぐらをかいて座り込み、持っていたトランクを開けるとキーボードを物凄い速さで叩き始める。
なにやらブツブツ呟きながらの作業に一同は黙って待つことにした。

キーボードを叩く音だけがこだまする一種奇妙な時間が過ぎてゆく。

急にヒャクメが目を見開いて、ディスプレイを覗き込む。
何事かと皆もヒャクメの周りに集まり、後からディスプレイを覗き込む。

そこに映っていた文字は横島達人間には読めなかったが、小竜姫はしっかりと読み取る事が出来た。

「・・・すごいです横島さん・・・この方法ならルシオラさんの復活も可能です」
声が震えるのもお構い無しに喋る。

「まぁちょっと補足しておくけど、普通に髪の毛を切っただけじゃぁ無理だったのねー。
 でも横島さんが幽体離脱の最中なら確実にルシオラさんの霊基が切り取れるのねー」
二人のお墨付きを得て、横島は安堵する。
これでルシオラと会える日が来ることを喜んでいた。
そして、

「よーし、後は死神の鎌を探してこないとな、この前の除霊現場にいけばまだあるはずだから・・・」
そう言ってシロと一緒に走り出そうとした横島だが、雪之丞がその肩を掴み、その場に押しとどめる。

「待て横島・・・今回おれがココに来た仕事ってのがその鎌を神様に返す事だったんだ・・・だから・・・」

「死神の鎌がここにあるのか!?」

「ああ・・・しかし、一緒にきた嬢ちゃんなら気付いてると思ったんだがな・・・一緒に走り出そうとしたのには驚いたぜ」
笑いながらシロをみる雪之丞に、シロはばつの悪そうな顔をする。

「まぁ何にせよ、これでお前の女の復活の舞台が整った訳だ。良かったじゃねぇか」
横島の背中を力一杯叩く。
横島はそんな痛みもいまは心地よいものに感じていた。



小竜姫が封印を解いた死神の鎌をもって、ヒャクメがパピリオを連れて妙神山で保管されていたルシオラの霊基を持って現れた。
だが、これからルシオラの復活だというのに何故か横島の腰は引けていた。

「いーか雪之丞!ちゃんと手加減しろよ!幽体離脱じゃなくて本当に死んじまったら意味ねーんだぞっ!!」

「ハッ!俺が本気で殴ったくらいで死ぬタマかよ!」
雪之丞は金属バットを担いでいた。

幽体離脱のというのはかなり特殊な事である。

意図的に行うには慣れか、或いは相当な霊的知識が必要になる。
だが、そんなものを無視して強制的に『幽体離脱させる方法』がある。

今一番ポピュラーなのは「幽体離脱バーガー」なるものを食べる事だが、そのハンバーガーが出来る前は、
金属バットで頭を叩く事で幽体離脱させていたのだ。

一歩間違えば死に至る恐ろしい方法ゆえ、何度経験しても恐怖心が先に立ってしまうのだ。

「嬢ちゃん、横島がうごかねぇようにしっかり押さえて置けよ!」
素振りをしながら横島を拘束しているシロに確認をとると「任せてくだされ、雪之丞殿!」と元気な返事が返ってきた。

横島は少しだけ逃げ出したい衝動に駆られたが、ルシオラの為と覚悟を決めた。

「ようやく覚悟したか・・・よし、いくぜ!!」

鋭く風を斬る音のあとに鈍い音が響いた。

横島が自分の体を抱きしめるシロを見下ろし、幽体離脱の成功を実感していると、ヒャクメから声が掛かる。

「急ぐのねー横島さん!魂の緒が切れないうちに全部の仕事を終えないと体に戻れなくなるなるのねー」

その言葉に慌てて霊基を操るために集中する。
横目でみると小竜姫が鎌を振りかぶって、すぐにでも斬ることの出来る体勢に入っていた。
ヒャクメは全神経を集中させて横島の中の霊基の動きに注目している。

「頑張るでちゅよ、ヨコシマ!」
義妹となるであろう彼女からの励ましの声に応え、集中力を増す。

ルシオラの霊基構造が横島の頭髪に差しかかったその時、

「今なのねー、小竜姫!」
「ハッ!!」

ヒャクメの合図と同時に、短く裂帛の気合の言葉と共に鎌が振り下ろされる。









―――マ!

――シマ!

―コシマ!

ヨコシマ!

夢の中でルシオラの声を聞いたような気がした。
鈍く痛む頭をを振って起き上がると目の前には・・・手のひらサイズの・・・小さいけれど、それは確かに彼女だった。


「夢じゃ・・・ないんだよな・・・」

「もうっ!呼んでもなかなか起きないんだもの・・・心配したわよ」

「あぁ・・・会えたら言いたい事が沢山あったのに・・・なんでかな?言葉にならないや・・・」

言葉の代わりに目から零れ落ちる滴。

「急がなくても私たち、時間はちゃんとあるんですもの・・・私はにげたりしないから、ね?」

「本当だな?・・・ウソだったら承知しないぞ?俺、もう・・・お前が居ないことには耐えられそうもないんだ・・・」

「ウソついちゃってごめんね・・・もう貴方を悲しませないわ」

ルシオラは彼の手に乗る。
横島は彼女を胸に擁く。

二度と離れないように、二度と離さないように、力強く、そして優しく。



「よかったですね横島さん・・・」
「なのねー」
「拙者、あんなに嬉しそうな先生を見るのは初めてでござる・・・」
「コレであの事件が本当に終わったことになるな・・・良かったな横島」
「ルシオラちゃんもヨコシマも・・・とっても嬉しそうでちゅ」
再会を喜ぶ二人と、祝福する五人の姿は朝焼けに照らされて、神秘的な光景になっていた。

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