ザ・グレート・展開予測ショー

英雄のその後…-1-決断!


投稿者名:熊
投稿日時:(04/12/ 6)

「…よく頑張ったな、横島」

「そりゃそっすよ…留年なんてしたらアノ!おかんに何されるかわからないっすから」

「……確かにな…」

職員室で堂々と買収行為に及び、怒鳴り散らす親だ想像するのも怖い…

「まあいい、期末でも平均点を越えたし…この一週間の補習と追試で今までの出席は何とかしてやるよ」

「ありがとうございます!」

「全く…お前は頭が悪いわけじゃないんだから…二学期はもっと頑張って…って聞いているか?横島!…横島?」

周りを見回すが…どこにもいない。見ると先ほどまで横島が立っていた場所に小さな紙切れが落ちていた・・・何か書いてあるようだ。

『先生〜長くなりそうなので帰りま〜す。あそうそう…説教が長くなるのは年とった証拠ですよ…

老婆心ながら忠告させていただきます・・・では良い夏休みお〜   by 横島』

「…あの糞餓鬼が!!」

………
……


学校から逃げ出し(?)何時ものように美神の所で夕食をたかった後だ。

おキヌは今キッチンで食器を洗っている。

「美神さん…お願いがあるんですけど…」

横島らしくもなく、控えめに切り出す。

「何?時給でも上げろっての?」

「えっ?上げて「だめ」

横島の言葉を遮り美神が言い放つ。

「あはは…やっぱり…でも違います…その…休みが欲しいんです」

「?休み、良いわよどうせ今開店休業だし、休むなら給料を払わなくて済むから…で、どの位?」

「その…夏休み全部休みたいんですけど…」

「ハ〜?何馬鹿言ってんの?そんなに今の状態が続く訳無いでしょ?それとも何クビにして欲しいワケ?」

「…それでもしょうがないんですけど…心の整理がしたいんです…」

あの戦いが有ってからまだたいして経っていない。

戦いも終わりひと段落着いた今が横島にとって一番辛い時期だろうという事が美神に分かる。

まだ、休まることも無く動いていた方が気は休まるかもしれないが今はそれもできない…

「…はぁー…分かった…好きになさい…おキヌちゃんには何て言っておく?」

ワザワザおキヌが居ない時に切り出したのだ知られたくないのだろう。

「夏休みの間、両親の所に行くとでも言っといて下さい。ありがとうございます」

早く行けと手をヒラヒラ振る美神に見送られアパートへの帰路に着く。

(見ててくれよ…惚れっぽいんじゃなくて、お前に見る目が在ったってことを証明してやるからな…ルシオラ…)

翌朝、妙神山へと向かう横島の姿があった。

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