ザ・グレート・展開予測ショー

横島忠夫奮闘記 13〜高すぎるハードル〜


投稿者名:ぽんた
投稿日時:(04/12/ 1)

六道家を辞した後、部屋まで帰り着いて、ようやく人心地ついた処でタマモが口を開いた

「ねえヨコシマ、さっきの話は一体なんだったの?」

あぁ、尋ねたいのをずーっと我慢してたんだな〜、余計な心配は掛けないようにっと・・

「いや、別に大した事じゃないよ。お前の編入先を世話してくれるって話とGSとして
復帰しろってだけの話だよ。」

「復帰ってヨコシマ、辞めてからすごくサバサバしてたじゃない?もし私の学校の事が関
系してるんなら、学校なんてどこでも良いのよ?」

やっぱ、あんな説明じゃ納得してはくれんか・・・俺の事を気遣ってくれてんのか?
「違う違う、六道女史はお前の正体を知ってただろう?つまり優秀な能力者を自分の学校
に集めたいんだよ。それが学校の宣伝になるからな。」

「・・・・復帰の件は?」

「書類の不備だ保留だって話か? 多分でまかせだろうとは思うけどね・・・だけど交換
条件で映画への協力の件を持ち出されたんじゃ〜断れないよ。」

「・・・なんか隠してない?」

鋭いな〜ホントに、とはいえタマモ相手に下手な誤魔化しはしたくないしなぁ〜
「うん、隠してる。ただ俺にも全体像がまだ見えてないんで少し時間をくれないかな?」

「・・・どうせ少しでも私が困らないようにって考えてるんでしょ?過保護すぎない?」

ハハ・・・オ見通シデスカ、タマモサン・・・
「ま・まぁ今日はもう疲れたろ?明日編入手続きに行くから早く寝ようぜ?」

妙に疲れた一日は終わった、明日の事は明日また考えよう。



{六道学園理事長室}

タマモの編入手続きと制服の採寸が終わったのでタマモの制服姿でも想像しながら帰ろう
としたら理事長室に向かうよう言われたので二人で入っていくとそこには六道理事長と
何故か今日も美神隊長がいた・・・

「横島君〜タマモちゃんの事なんだけど〜授業料他全額免除の〜特待生として〜迎えよう
と思うのよ〜」

は?いや、そりゃ助かるけど幾らなんでも話が美味過ぎないか?美味しい話しには裏があ
るっていうのは世の中の常識だよな?

「昨日〜貴方には〜冥子のサポートをお願いしたでしょう〜?あの後冥子に〜事務所の業
積書を持ってこさしたの〜まずはこれを見てくれるかしら〜」

そういって渡されたレポートを見ると・・・
「・・・あ・あの〜ここに書いてある”依頼達成率6%”ってのと今期の赤字”21億円”
っていうのはいったい・・・?」

「要するに〜50件の依頼を受けても〜3件しか成功してないって事なの〜しかも成功しても
物件の破損が大きいから〜その補償と失敗した違約金で〜赤字が累積しているの〜」

「・・・・・・それで一体俺にどうしろと?」

「赤字は気にしなくて良いから〜達成率を上げて欲しいの〜しかもできれば〜一流の条件
といわれている〜90%以上まで上げて欲しいのよ〜お願いね〜」

・・・どうやって?いやいやいやいや、神よ!確かに”裏”はあるだろうとは思いました
でも!できればもうちょっと違う”裏”が・・・あれ?まてよ?さっき変な事言ってなかったか?赤字がどうこうって・・・

「あの・・・赤字は気にしなくて良いって?」

「それはね〜冥子の事務所の赤字は〜六道グループの税金対策になってるから〜気にする
必要はないんだけど〜このまま失敗が続くと〜免停処分になりそうなのよ〜だから〜もう横島君だけが〜最後の希望なの〜」

なんでさっさと免停にしとかなかったんだよ!GS協会っ!しっかし娘の赤字が税金対策
って金持ちの考えって馴染めんな〜。やっぱこの人コワイわ・・・

「私も母親として〜冥子にはできるだけの事はしてあげようと思うけど〜横島君の負担が
大きすぎると思うから〜せめてタマモちゃんに関しては〜これぐらいの事はさせて欲しい
のよ〜私だって血も涙も無い鬼じゃないから〜娘の事で他人に迷惑を掛けて〜知らん顔な
んてできないもの〜」

なるほどね。これだけ高いハードルを与えられるんなら特待生の件は受けても良心の呵責
は全っ然!感じなくてすむな。おや?なんか隊長の方から物凄い怒りのオーラを感じるが
・・・・・きっと気のせいだな、うん。

「・・・わかりました。一旦引き受けた以上なんとかやってみます。」

「助かるわ〜、それじゃ条件については〜「あ・お任せします」

「え〜?自分の条件なのに〜興味ないのかしら〜?」

これは本当にどうでも良かった。少なくとも目の前のこの人は金銭に関してはケチでも強
欲でもない。そんなひどい条件にはならないだろう。

「そんなんどうでも良いっスよ。それより映画の件がどうなったのか聞かせて下さい。」

映画に関しては面倒な話はなかった。以前の話にあった通り俺が監修役を務める事を条件
にGS協会は2作目も公認する。追加条件として六道グループがバックアップしてくれる。
(冥子さんのお守り代としての追加料金だそうだ)
あと監修役が見習いじゃ格好がつかないとの事で正式なスイーパーに俺が認定されたそう
で隊長が真新しい免許を俺に手渡してくれた。

「え?・・ランクS?・・なんスかこれ?しかも身元保証人が六道幽子と美神美智恵?」

「何か問題が?貴方はランクSのスイーパーとして認定されました。ランクSのみは保証
人が二人必要なので六道先生と私の連名になっています。」

隊長が物凄く普通の口調で言い切ったが、その内容は普通には程遠い。

「ちょっと待って下さいよ?ランクSなんて簡単になれるもんじゃないでしょう?今まで
はランクEの丁稚だったんですよ?順番ってもんがあるでしょう?それにお二人が保証人
って俺とは縁もゆかりもないじゃないですが!」

「横島君、お願いだからもう少し自分の実力を自覚してちょうだい。貴方に関してはランクSSにという声もあったくらいなのよ?ただそれだと目立ちすぎて貴方が嫌がるだろう
と配慮してランクSに落としたの。保証人にしたって本来別の”美神”の名前であるべき
だけどあのバカ娘には他人の実力を見抜けないから母親としての責任を果たしたまでよ」

「私も〜貴方の実力の一端は昨日みせてもらったから〜保証人になったのよ〜。」

決定事項らしい。しかしランクSって日本では唐巣神父と美神さんしかいなかったよな?
じゃあ俺は”第三の男”ってやつか、おぉ映画関係者っぽいか?

結局、協会内部の調整と映画製作サイドへの書類作成に1週間程かかるとの事で、その間に
早速冥子さんを特訓してくれと理事長に言われたが「心の準備をさせて下さい。」と泣き
ついて先延ばしにしてもらった。何をどう特訓すればマシになるのか見当がつかん・・・

タマモの制服ができるのも1週間先だといわれたので、二人で出かける事にした。

困った時の神頼み・・・・

そうだ、妙神山に行こう!




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(あとがき)
今回、六道母と美神母のドス黒モノローグを省いてみました。
脳内補完でお願い致します。

前回、ドス黒モノローグに引きずられて自分の感情がボロッと
出てしまったのを反省して省略してみました。
それともあった方が楽しめますか?

次回は妙神山相談から映画撮影に・・・

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