ザ・グレート・展開予測ショー

横島忠夫奮闘記 6〜リストラ?リクルート?〜


投稿者名:ぽんた
投稿日時:(04/11/28)

{美神除霊事務所}

朝起きたら、タマモは」いなかった。宣言通り山に帰ったのだろう。俺は美神さんに事実を説明すべきかどうか悩んでいた。

「ちわーっす!」
挨拶とともに事務所に入っていくとそこにいたのは美神さんとおキヌちゃんと・・え・?

「た・隊長?」 美神隊長がいた。

「あぁおはよう横島君。ちょうどお茶が入ったところよ。どうぞ。」

「ありがとうございます。」俺は礼を言いながらお茶を受け取った。何かあったのか?

「それで・横島君、子狐ちゃんは元気?」 ブゥーッ!! 思わず吹き出した。

「「は・はいっ!?」」  おぉおキヌちゃんとハモってしまった。

「な・何の事でせう?」  驚きの余り日本語がちょと変だ。

「隠さなくて良いのよ。貴方に罪も無い子狐が退治できるなんて思ってないわ。いえ貴女達には・・と言うべきかしら?」

「さ・さぁ何の事やらアッシにはさっぱりでやんす・・・」やっぱり日本語が変だ・・・

「ちょっと!横島クンどういうこと!?」

「えっ?え〜っと・・・・・」これ以上ごまかすのは無理か?

「はっきり言いなさい!」

「匿って逃がしました。」   あぁ言っちゃった・・・

「あんたね〜、ばれたら誰が違約金払うと思ってんのよ!?」
やっぱり要点はそこですか・・・?

「令子いい加減にしなさい!横島君のやった事は間違っていないわ!」

「何よ!誰の責任になると思ってるのよ!?」

「元はと言えばあんたが金に目が眩んだからでしょうが!?」

「正式に交わした契約にのっとって義務を遂行しただけよ!何が悪いって言うのよ!?」
あぁ駄目だ、この人の価値観に金以上のものは無いんだな・・・

「すんません!全部俺が悪いんス!だから隊長ももうやめて下さい。」

「あぁそう!だったらアンタなんかク 「令子っ!!」・・・

「それ以上言ったら勘当するわよ!?」
うわぁ〜マズイよお〜 どうすりゃ良いんだ〜〜

「横島っ!アンタ目障りよっ!!さっさと帰んなさい!!」
とりあえず親子の破局は避けられたようだ・・・

「わ・わっかりました〜!」 俺はダッシュでかけだした。おキヌちゃんが何か言いたげな顔をしていたが目線で制してから逃げ出した。このままうやむやにできれば良いな〜〜


それからしばらくは非常に気まずい状態が続いた。まぁ自業自得だからしょうがない。
仕事上で幼馴染との偶然の再会もあったのだがろくに話しもできなかった・・・
そんな中、地方からの一本の電話が状況に変化をもたらした。

「キツネうどんを食い逃げした妖狐?」

「あ〜 どうもそうらしいって連絡がシロから・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「あの・・・・・・・・・・・・・・・・」

「とりあえず現場に急ぐわよ!」



現地に着いて色々と検証している途中で当の本人が現れた。
捕まえてから駐在所で事情聴取を終えた後、無罪放免してもらえる事になったのが・・・
「とりあえずアンタ家に来なさい。」

「なんで?」

「アンタは私が退治したことになってんのよ!バレるとマズイでしょ!?今後同じようなトラブルを起こさない為にも人間社会の常識を勉強しなさい!」

「勉強するのは良いけれど何でアンタんとこなのよ!?私は私を殺そうとする奴と一緒に暮らせる程能天気じゃないわ。」

「何ですって〜!?私に逆らおうって〜の?」 あ〜ヤバイ 切れてる・・・

「スト〜ップ!美神さん じゃ・じゃぁタマモ俺んトコならどうだ?」

「ん〜、アンタなら良いわ。信じる。」 あぁ美神さんの額に井ゲタマークが・・・

「じゃ・じゃぁ帰りましょう!」シロが何やら吼えていたが聞こえなかった事にしよう。



はぁ〜やれやれ・・・齢17(実質27)歳にして扶養家族もちか〜生活費どうしよ?
明日美神さんに相談してみるしかないかな〜 まぁあの人だって鬼じゃないだろ〜?


翌日

{美神除霊事務所}

「美神さん、お願いがあります。」 「何よ?」

「給料上げてください!」

「却下!」

「は・早っ!!」

「何よ!だいたいアンタ給料はいくらでも良いって最初に言ったでしょうが!?」

「い・いや、そりゃそうですけど・・・」

「だったらグダグダ言わない!!アンタみたいな才能の欠片も無い丁稚を雇ってあげてるだけでも寛大なのにこれ以上何か言うようならアンタなんかクビよ!クビ!」

タマモの生活費を稼ごうと思ったらイキナリくびになってしまった。・・・さてこれからどうしよう?
「わ・わかりました・・・今までお世話になりました。」

俺はどんよりした気持ちのまま家路に着いた。チックショ〜世のリストラされたお父さん達の気持ちがチョッピリ身に染みるなぁ〜・・・

そのままアパートに帰るとタマモが素っ気無くも出迎えてくれた。
「お帰りヨコシマ、早かったわね?」

うっ!やべぇ・・・ちょっとジーンとしちまった。考えてみりゃ一人暮らしを始めて以来誰かに出迎えてもらったのって初めてだけど良いもんだな・・・仕事から帰って家に着いた時に家族に出迎えられた父親の気持ちってこんなんかな?

「どうしたの?何か様子が変だけど?」 あぁいかん。考えにふけってしまった。

「ああ、実は仕事クビになっちゃってさ・・・」

「クビって・・・ひょっとして私のせいで?」

「違う違う!賃上げ交渉したらあっさりクビになっただけだよ。」

「たったそれだけで?どうして?」

「う〜ん・・・美神さんが相手だからとしか言い様が無いなぁ〜。」

「美神ってあの金の亡者みたいな女よね? ねぇどうしてそもそもアンタみたいなお人好しがあんな女の下で退魔師なんてやってるの?」

「退魔師っておいおい・・・現代ではゴーストスイーパーって言うんだがな・・・ あと俺が美神さんの下にいる理由? きっかけは若気の至りと言うか気の迷いだな〜」

「まだ迷ってるの?」

「いやもう醒めた。」 俺は自分でも意外な程即答できた。

「じゃぁどうするの? そのゴーストスイーパーとしてこれからも働くの?」

「いやGSとしては半人前の見習のままだから仕事はできないんだ。それに考えてみたらGS免許とったのも成り行きだったし、別に悪霊シバくのが趣味って訳でもないからな〜
美神さんからも才能無いって言われたし良い機会だ、他の仕事を探すよ!」

おや?何やらキョトンとした顔をしてるぞ?こんな表情をすると年相応で可愛いな。





私は思わず耳を疑ってしまった・・・ 才能が無い?この目の前の男に?
冗談では無い!平安の御世にもこれ程の力を持った退魔師などいなかったというのに・・

そもそもあの美神という女よりこの男の方が間違い無く力は上だ。妖狐の超感覚がそう言っている。今の時代では弱い者が強い者に対して「才能が無い」などと言うのだろうか?
まったく不可解な時代に転生してしまったものだ・・・

「まぁとりあえずメシにしようぜタマモ。キツネうどんで良いんだろ?」
そう言いながら私の前にうどんを置いてくれる。あっ特大油揚げ入りって書いてある。
3分間待って・・・

「「いただきます!」」
二人で食事をしながらヨコシマは妙に楽しそうなというかくすぐったそうな表情で時折私の方を見ている。あぁこの表情は以前見た事が・・・そうだ子供を慈しむ親の表情だ。
ってことはヨコシマは私の事を娘のように思っているという事か?突然同居するはめになった妖怪の私を?

本当にわからない・というか不思議な男だ。とりあえず具体的な予定が無い以上この男の事を近くで見ているのは悪くない考えだと思う。




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(あとがき)
あれ?おかしいな・・・カップリングする予定が親娘になってしまった。
さて、クビになった横島の収入源をどうしましょう?

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