ザ・グレート・展開予測ショー

横島忠夫奮闘記 5〜Boy meets 子狐〜


投稿者名:ぽんた
投稿日時:(04/11/28)

 {那須高原}

「おキヌちゃん、横島クン、そっちに行ったわよ!」

私と横島さんは美神さんの準備した結界のそばで待機していました。
「横島さんっ!そろそろです!」

「うん、なぁおキヌちゃん今回の契約やけに罰則事項が多かったと思わないか?」

「それは私も思いましたけど・・・」  ガサッ!!

「かかった!」  「え?」

「子・子狐?」
罠にかかったのは小さな子狐でした。

「よ・横島さんどうします?こんな小さな・・「助けよう!」 え?」
間髪を入れずの即答でした。

「ザックの中に隠して吸引札を燃やして退治した事にしてしまおう!」

「わ・わかりました! お願い少しの間だけおとなしくしててね?」
私はそっと抱き上げて上着でくるんでザックの中に入ってもらいました。

しばらくして美神さんが自衛隊の人達と一緒にやってきました。その後ろから何故か苦虫を噛み潰したような顔をしたオカルトGメンの美神隊長と西条さんもついてきてます。

「それで退治はしたの?」 と美神さんが確認します。

「はい吸引してから燃やしました。」 そう言って横島さんが札の燃えカスを示します。

「まったくアンタって娘はどうして無害のものまで退治するのよ!」

「しょうがないじゃない!お金が好きなんだもの!」
隊長が青スジたてて怒っているのに対して美神さんが必死に言い訳しています。

「無害ってどういうことです?」横島さんが青ざめながら尋ねています。

「実はね・・・」隊長が詳しい事情を説明してくれました。

「じゃ・じゃぁ退治する必要なんてなかったんじゃ?」

「ま・まぁそうだけど、退治しちゃったもんはしょうが無いじゃない。どのみちあんだけ追い回したんだし恨まれるのはアンタって事で・ね?」

横島さんの顔から表情が消えました。
「み・美神さん そんな言い方したら横島さんにあんまりじゃ・・・」

「う・うるさいわね!ほら撤収!帰るわよ!」
隊長はため息をつきながら美神さんをみていましたが、視線を横島さんに移すとそのままじっと見つめていました。 バレたのかしら?
その日の帰り横島さんは一言も口をききませんでした・・・




その日の夜、俺は子狐とにらめっこしながら途方に暮れていた。触れせてくれないのだ。
そうしているうちに、おキヌちゃんが訪ねてきた。

「横島さんどうですか?」

「どうもこうもないよ。気がたっててケガの治療もさせてくれないんだ。」

「とりあえずお腹もへってるんじゃないですか?何か食べたら少しは落ち着くかも・・」
おキヌちゃんも本気で心配してくれてるようだ。美神さんとはエライ違いだな・・・

「でもなぁ〜狐って犬科だからと思ってドッグフード買ってきたんだけど見向きもしないんだよ。何なら食べてくれるのかな〜」
悩んでても仕方がない、俺は自分の食事用にカップうどんにお湯を注いだ。

ピクッ!
おや?今一瞬・・・・そうか!

「お前、油揚げが好きなのか?」  よだれが出ている。

「よ・横島さん!すごく好きそうですよ!?」
俺が目の前に油揚げを置いてやるとほんの少し躊躇った後でかぶりついた・が・

「クゥンッ!!」・・・・・・・・・・・・・・・・・熱かったようだ・・・

「ご・ごめん熱かったか? おキヌちゃんっ!冷たい飲み物を深皿にいれてあげて!」

「は・はい!」
俺は油揚げを息を吹きかけて冷ましてあげて自分で噛んで熱さを確かめた。

「ほら、もう熱くないからな!冷たいので口の中を冷やしてからゆっくり食べろよ。」

「横島さんやっと食べてくれそうですね!」おキヌちゃんも嬉しそうに見守っている。
子狐は少し飲み物を舐めた後で猛然と食べ始めた。すると食べ終わった直後 ボゥンッ!

「へ・変化?」 目の前に12〜13歳の少女が出現した。

「ちょ・調子にのるな!妖力を取り戻す為に食べてやっただけだからな!」
何やら怒っているようだ・・・って当たり前かあんな目にあわされればなぁ〜

「うんわかった、のらない。だからとりあえず座らないか?」

「なんだと?」 う〜ん怒り心頭って感じだな〜。どうしよう?

「食い物は足りたか?」 お・絶句している。食い足りないようだな。

「おキヌちゃん悪いけどコンビニでいなり寿司とあと何か油揚げ関連を買ってきてくれ」

「わかりました。今すぐ」 おキヌちゃんがかけだしていった。

「というわけで、もうすぐお食事第2段がやってくるから座って待ってたらどうだ?」
おぉ渋々ながら座ってくれたぞ。後はおキヌちゃんが戻るまで待つしかないか。




私は横島さんに言われて急いでコンビニまで走った。いなり寿司とあとインスタントだが油揚げのお味噌汁があったのでそれも買って急いでかけ戻った。

「横島さん買ってきました。」 何やら微妙な緊張感を漂わせて二人が見詰め合っていた

「あぁ、ありがとう、おキヌちゃん」 横島さんが素敵な笑顔でねぎらってくれた。

「はいっおいなりさんよ!今油揚げのお味噌汁も持って来るからちょっとまっててね。」
お味噌汁をお湯で溶いて持っていくともうおいなりさんを食べてる途中だった。
あっと言う間に食べ終わると横島さんを睨みつけながら話し掛けてきた。

「どういうつもりだ?」

「なにがだ?」

「なんでアタシを助けた?」

「助けたかったからだ。」

「ふざけるな!お前はあの女の仲間だろう!」 やっぱり美神さんの事だろうか・・・

「確かに仲間だが考え方まで同じってわけじゃない。あの人は金の為なら何でもするが俺は違う。ただそれだけだ。」

「違うって?どういうことだ?」

「俺の目にはお前が弱きもの、守るべきものに見えたってことだ。」

「アタシを馬鹿にしてるのか!?」

「してない、これは単なる事実だ。お前も伝説にまで謳われた大妖なら俺の力がわかるだろう?」

「くっ・・・・・・・・・・」 そういえば横島さんは以前にも猫又の親子を助けていた

「とりあえずだ、お前はこれからどうしたいんだ?」

「・・・山に帰る。」

「どうやって?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「わかった。現代の移動手段の説明をしてやる。それと必要なものもな。」
横島さんが現代の交通機関と通貨の説明をした後で

「とりあえず現代では金が無いとどうにもならんからな、これをもって行け。」
そう言って財布を丸ごと渡していました。し・信じられない!あの薄給で赤貧の横島さんが!?やはり横島さんの中で大きな変化があったんでしょうか?

「馬鹿にするな!施しなんかいらない!」 急に怒り出しました。あれ?照れてる?

「わかった。じゃぁ取り引きにしよう。」

「条件は?」

「怪我の治療をさせてくれ。」  よ・横島さん、それは条件とは言わないんじゃ・・・

「喧嘩を売ってるんなら買うわよ?」

「う〜ん・・・じゃぁ追加条件で  名前を教えてくれ。俺は横島忠夫。」

「わ・私は氷室キヌ」

「・・・タマモ」

「へぇ きれいな名前。」  あれ?顔が赤い?

「う・うるさい!」 え?あれ?眩暈が・・・

「存思の念 まやかしを禁ず!」 横島さんの声が聞こえたのと同時に視界がはれてきた

「俺に幻術は通じないよ。あきらめて怪我を治療させろっての。」

「・・・わかったわよ。」 さっきのは一体?何がおこったの?

キィーン! 横島さんが文殊を発動させていた。刻まれた文字は「癒」
「よ・横島さん・・・・文殊?」

「あぁ、そういえば久しぶりだっけ?文殊を出したのは。」

久しぶりどころじゃありません、あの時以降初めてです・・・そして一瞬で完治して・・

「なによこれ?」タマモちゃんが不思議そうにしています。

「横島さん、それよりさっきのは一体?」

「あぁタマモが俺たちに幻術を使おうとして俺がそれを防いだ。それだけだよ。」
それだけ?そんなレベルじゃありません。それにあんな術は今まで一度も・・・

「おキヌちゃん詳しい事は明日にしよう・・・ね?」
とりあえず翌朝に説明してもらう事にして私は横島さんのアパートを後にしました。





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(あとがき)
あぁ〜やっとタマモを出せた!
あと美神ファンの人ごめんなさい。どうしてもタマモをたててから、おキヌちゃんを贔屓すると美神が悪役に・・・
次回、美神がもっと悪役になりますんで美神ファンの人はスルーして下さい。

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