ザ・グレート・展開予測ショー

横島忠夫奮闘記 4〜非凡な男の平凡な日常〜


投稿者名:ぽんた
投稿日時:(04/11/27)

 {妙神山 加速時空間内}

斉天大聖が厳かに言葉を紡ぐ。

「横島よお主の修行は本日をもって終了じゃ」

「へ?終了って?」

「うむ、免許皆伝といったところじゃな」

「はぁそうスか・・・ 俺ってどのくらい強くなったんすかね?」

なんとまぁ、こやつ自覚しておらんのか・・・

「わかりやすく言うと人界最強というとこかの」

「えっ!?それって人間で俺より強い人はいないってことですか?」

「そうじゃ。ただしそれにどういう意味があるかはお主が決めることじゃがな。横島よ
その最強の力をもて何をする?」

「何も・・・俺は大切な人達を守りたいだけです。」

「・・・そうかその気持ちを忘れるでないぞ。」

「ところで俺はどのくらいの時間修行してんですかね?」

「さて、この中では10年程がたっておるが外の進み具合はわからんのう。」

「わからないって、どういう事ですか?」

「要するにお主の魂の柔軟性がどれほど残っておるかで変わってくるのじゃが、今のお主は純粋なヒトではないからのう最悪10年そのままという可能性もある。」

「げっ!?それじゃ俺はいきなり10歳年をとっちまうって事ですか?」

「いや、どのみち既にお主の肉体には10年の歳月は刻まれておるよ。」

「でも全然変わった感じはしないんですけど・・・」

「それが魔族化するという事じゃよ。さて、こうしていてもラチがあかん、通常空間に戻るとするか。」

斉天大聖が如意棒を一振りすると全員が通常空間に戻って来た。



小竜姫が通常空間に戻ってすぐに時間の経過を確認すると・・・呆れた事に4週間しか経っていなかった。

「え?たった4週間?」

「そうです、貴方があの空間にいたのは外界時間で4週間です。」

「で・でも最長で10年かもって老師が・・・」

どうやら彼には全くわかっていないようだった。

「要するに貴方の霊力は未だに成長期の只中にあるということです。」

「じゃぁまだまだ俺は強くなれるんですね?」

「ただし、それは即ち魔族化の進行を意味します。あの中でも言いましたようにくれぐれもそれは控えて下さい。」

「・・・そんなに忌避するようなことですか?魔族化って。」

「貴方は!・・・今の貴方は見た目は17歳ですが既に中身は27歳です。徐々に時の流れから切り離されているのですよ?人の世で生き難くなる道を自ら選ばないで下さい。これは永い永い歳月を生きてきた私から貴方へ贈る師としての言葉です。」

「・・・わかりました。小竜姫様のお言葉は肝に銘じておきます。」

「そうして下さい。それで、すぐに下山しますか?」

「いや、せっかくなんで許可が頂ければ2〜3日パピリオの相手をしようかなと。」

「本当でちゅか?ヨコシマ!だったら一緒にゲームしてお風呂に入って同じお布団で眠るでしゅ。いいでしゅよね小竜姫?」

「まぁ貴女も一緒に修行してきたのだから、それぐらいは認めましょう。ただしその前に横島さん貴方の魔族化を少しでも遅らせる為に霊力を封印しておきましょう。」

「封印って完全にですか?」

「そうですね、だいたい10分の1程度ですがそれでも修行前の霊力の2割増ぐらいですね」

小竜姫は横島の額に手をかざし呪言をとなえる。

「我、竜神族小竜姫の名において力の源を封印す。」

それに斉天大聖が続けて

「我、猿神斉天大聖の名において力の源を封印す。」
「さてこれで我ら両名の許可がなければ封印は解けぬ。少しは効果があろうよ。」

「ありがとうございます。さて、それじゃパピリオ早速遊ぼうぜ!」

「もちろんでちゅよ!」

「またんか!お主らゲーム大会ならワシも混ぜんかい!」

「喜んで!老師」
それから横島は3日間遊び倒した後、ようやく下山した。




 {美神除霊事務所}

俺はひと月ぶりに来るバイト先の前で深呼吸していた。
「さ〜てまた今日から俺は俺らしく、いきますか〜。(皆に心配かけないよう以前と同じように心掛けんとな〜)」

「ちわーっす!お久しぶりに横島出勤しました〜。」

「あら、横島クンちょうど一月ぶり・・・

「あぁっ!美神さんあまりのご無沙汰に、ぼかぁ〜もぉっ!」

「それをヤメロっちゅーとろーがーっ!」 グシャッ!

美神さんの渾身の右ストレートが炸裂した。以前より破壊力が増しているような気がする
頭から湯気を出して怒っている美神さんの横でおキヌちゃんが苦笑しつつ宥めてくれている。以前と同じ「日常」だ。 俺は戻って来た・・・。

「まったく!馬鹿な事やってないで、早速仕事にかかるわよ!」

「「はいっ!」」



良かった!一月ぶりに横島さんに会えたけど見違えるように元気になったみたい。以前と同じようにふるまっている。私は除霊現場に行く途中話し掛けてみた。

「横島さんお久しぶりですね!元気にしてました?」

「う〜ん、ちょっとづつ元気になっていったって感じかな〜」
無神経な質問だったろうか?話題を変えた方が良いかもしれない。

「そ・それより3人での除霊は久しぶりですね。」

「そ〜だね〜おキヌちゃん達の足を引っ張らないように気をつけるよ。」

と言っていたのですが実際の現場での横島さんは終始落ち着いていて無駄な動きも減ったような気がしました。やはりあの大変な事件を経て成長したという事なんでしょうか?
そして私は少しは成長したのだろうか?あの時の横島さんに掛ける言葉すら見つけられなかった私は・・・・

美神さんも横島さんの戦い方の変化に気付いたみたいでこの日以降、横島さん単独の仕事が随分と増えました。




「う〜ん最近やたらと単独の仕事が増えたような気がするな〜」
近頃急激に仕事の量が増えたけど”任されている”と取るか”押し付けられている”と取るか微妙なところである。

「まぁ片付けるのは問題ないとしても極力霊力消費を抑えながらってのがな〜」

そう、俺は小竜姫様の言いつけを守る為に四苦八苦していた。チームで動く時は主に霊波刀で相手のチャクラを狙う省エネ戦法で、単独の時は符術をメインにしていた。ちなみに霊符は自分で作れるので(威力は全盛期のDr.カオス並だ)コストはゼロである。

「最近美神さんが俺の低コストぶりに味をしめて更に酷使されてるよな〜。」

だが俺は更なる省エネ法を検討している。具体的に言うと「糸」だ。1000分の1ミクロン程のチタン製の糸を霊波でコーティングしてひと指毎で計10本、これなら相手に気付かれず一瞬でバラバラにできるって寸法だ。ちなみにこの糸は西新宿の某せんべい屋で手に入ると噂になっている。

「さってと明日はデカいヤマがあるって美神さん言ってたから今日は早く寝るか〜」

以前と同じようで少しづつ違ってきている日常を過ごす横島忠夫17歳(実質27歳)の秋。









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(あとがき)
最強になった後で元のままの日常を送ろうとするとどうなるのかな〜。
次回やっとあのコが出せる。な・長かった〜

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