皆本さんの受難♪ 後編(絶対可憐チルドレン)
投稿者名:偽バルタン
投稿日時:(04/11/18)
「か〜お〜るぅ〜」(怒)
ドスの利いた低い声…あぁ…コレはかなり怒ってるなぁ…(汗)
僕が目を向けたその先には…全身から、どろどろと怒りのオーラを噴出させ、鬼気迫る表情で僕等を睨みつける超度7の瞬間移動能力者…野上 葵の姿があった。
皆本さんの受難♪ 後編(絶対可憐チルドレン)
「…痛ぅ〜〜…んッだよ、コラ!邪魔する気か!?葵!!」
復活した薫…アタマに出来たコブをさすりながら、涙目になって吼えかかる…やっぱりかなり痛かったみたいだ。
…スゴイ音だったからなぁ…(汗)
「あったり前や!
…ちょーっと目を離してる間に、皆本はんにちょっかいかけるたぁ…ったく油断も隙もあらへんな!」
対する葵も怒り心頭…コメカミに青筋を浮かべながら、キツ〜イ眼差しで薫のコトを睨みつけている…
「ちょっかいかけるってなんだよ!皆本の方からくれって言ってきたんだぞ!?」
「ふん!どーせアンタが自分の都合のいいよーに解釈しただけやろ!?この脳筋(のーきん)ムスメ!」
「んだと!?貧乳のクセに!!」
「「むぅぅ〜〜」」
ふたりの不毛な言い争いは、程なくして低次元な肉弾戦へと発展した…
ようするに、コドモらしい(…とゆーのもヘンだが)取っ組合いのケンカだ。
…お?カラダが動く…薫の集中力が葵とのケンカに向けられた為だろう、念動能力が解かれたのだ。
解放された僕は、へなへなとその場に座り込んだ。
きーきー!ぎゃーぎゃー!!と甲高い声を上げながらのふたりのケンカは、何となくネコ同士のそれを思わせる…
…本来なら仲裁に入るべきなのだろうけど…恥ずかしながら薫との遣り取りですっかり疲弊した今の僕にはその気力は無い…
や、決して止めに入って巻添えを食らうのがイヤだから…ってゆーワケじゃないぞ?うん。
…と…
「…皆本さん…大丈夫?」
「あぁ…なんとかね…ありがとな紫穂」
何時の間に来てたのだろうか…へたり込んだ僕の手をそっと取ながら、心配そうに声をかけてきた少女…三宮 紫穂に、僕は苦笑いを浮かべつつ応える。
情けないトコ見せちゃったかな…激しく今更な気もするけど。
「そ…良かった♪」
…言うや、紫穂は僕と向き合う形でちょこんと目の前にしゃがみこんだ。
そしてなにやらスカートのポケットをごそごそと…
あ…ナニやら猛烈に嫌な予感…(汗)
「……それじゃあ…(はぐ)…ん♪」
何が『それじゃ』なんだ!なんでそーなるんだ!?
僕と向かい合った紫穂の顔…その形の良い桜色の唇には小さな飴玉が咥えられている…
つまりコレは、先ほどの薫と同じ状態…僕に『クチ移しでこの飴を食べてね♪』とゆー彼女の意思表示に他ならない。
…キミもなのかい…紫穂…(涙)
「……」(汗)
「ん…♪」
…しかし、胸の前で手を組み、頬に朱を散らし、頤を挙げ両の目を瞑った紫穂の顔は…どーみても“きす”をまってるよーにしか見えないワケで…(汗)
「…あ…あのなぁ…紫穂?」
「…薫ちゃんはいいのに…私はダメなの?」
僕が動かないと見るや、紫穂はクチから飴を外し、目を潤ませつつ哀しそうな表情で僕を見つめてきた…いやいや、さっきのは未遂…薫とは何もシてないぞ?
…とゆーかアレは僕の方が被害者(?)っぽいよーな気が…
「……」
「…ダメ……なの…?」
あぁ…そんな泣きそうな顔は止めてくれ!なんか僕がスゴク悪いコトしてる気になってくるじゃないか…
「…いや、そーゆーワケじゃ…」
「じゃあ…ね♪」
はぐ…
そういいながら、再び飴を咥えじりじりと迫ってくる紫穂…
薫と違い、チカラづくでない分性質が悪い…止めさせよーとすれば泣かれるのは必至だし…
うぅ…ど、どうしようか?
と、進退窮まっていた僕に意外なトコロから救いの手が…
「「こらぁッ!!」」(怒)
「きゃ…」
ぐいぃっ…
いきなり、後ろから延びて来た二本の腕によって、ぺいっと僕から引き剥がされる紫穂…
言うまでも無い…薫と葵だ。
「こんの…紫穂!あたしと葵とがケンカしてる隙に皆本に迫ろーなんてずっこいぞ!!」
「“漁夫の利”っちゅーワケか?目的のためには手段を選ばずか!?腹黒いやっちゃな!!」
「あ〜ん…折角うまくいきそうだったのにぃ…」
そしてそのまま3人のケンカが始まった…
とは言っても、取っ組み合いのケンカでは無く、舌戦…つまりは言い争いの口ゲンカだ。
紫穂は取っ組み合いのケンカとか出来ないからな…そこら辺、薫も葵も解ってるのだ。
なんだかんだで3人は仲が良いんだろう…こんなのでそれを証明されるとゆーのもどーかとは思うが。
兎に角ぎゃんぎゃんと喚きまくる薫…
理屈へ理屈織り交ぜて理詰めで迫る葵…
二人に比べ言葉少ないながらも、その一言一言に破壊力がある紫穂…
コレは勝負がつきそうにないなぁ…しかし、熱くなった3人は、僕のことすっかり眼中に無くなってるみたいだ。
…3人には悪い気もするが…やれやれ助かったかな。
…と、そのときはそー思ったんだが…僕はまだまだ甘かった…
なぜならば、後日…
「皆本ぉ♪」
「皆本はん♪」
「皆本さん♪」
「な、なんだ、どうしたんだ3人とも…」
ぱくx3
「「「ハイ、…ん〜♪」」」
「…え……」(滝汗)
ケンカしてた筈の前日から一転…一致団結した薫、葵、紫穂の3人から一斉に『ん〜♪』の同時攻撃を受けるとゆー…更なる困難に直面するハメになったからだ…
いや…ホントもー勘弁してくれないかな…3人とも(汗)
「「「ら・め♪(ダ・メ♪)、ん〜〜♪」」」
「………」(大汗)
終
今までの
コメント:
- お久しぶりです。
前3作とは違い、徹底的におバカなお話にしよう…
…と思い書き始めたのですが、散々悩んだ挙句にこんなへっぽこなお話しか出来ませんでした…精進が足りませんね…反省。
こんなのでも、ご指摘とか突込みとか頂けると幸いです。 (偽バルタン)
- ふ…甘いな…一人が成功させてから、バラすぞ。と脅して次々と、しかも少しづつステップアップで泥沼スパイラルッ!気付けばいつのまにか(中略)な事にっ!?
………………そーなったらここで書けないかw (MAGIふぁ)
- なんつ−かこ−・・・
相手が子供とはいえ、皆本に小さくない殺意を抱いてしまうのは男として
正しい精神状態ではないかと愚考する所存です。
まぁ・・・平和で仲良しなのはよいことで。
この状況をどう切り抜けたのか気になります。 (シンペイ)
- 耳年増な三人に苦労させられる皆本くんに幸あらんことを(笑)。 (武者丸)
- そういえば、「絶対可憐チルドレン」の連載が来年の春に決まったようですね。どんな風に活躍するのか。アシュ事件のようなシリアス色の強いものではなく、コメディに重点を置いて欲しいと願います。連載開始が楽しみです。 (武者丸)
- レス有難うございます。
・MAGIふぁさま…
あの三人を相手だと、皆本さんには”受け”以外ありえませんねぇ(笑
泥沼スパイラルなお話…いいですねぇ(爆)…間違いなく年齢制限付になっちゃうでしょうけど。
・シンペイさま…
3人に迫られてる所を、朧さんか局長が発見、結局未遂に終るも、皆本さん局長からキツいお叱りを受ける…とゆーお決まりの展開になるかと思われます…皆本さん一人でアノ状況から抜出すのは不可能でしょう(笑 (偽バルタン)
- ・武者丸さま…
薫嬢は、オヤヂ向けの週刊誌なぞ愛読し”予習”(笑)に余念が無さそーですから…そのうち本気になって迫っていきそうですね。
本誌連載は、ホントに楽しみです…あの集中連載からの続きとなれば、基本は勿論コメディなんでしょうが、幾分シリアスの方にも重点が置かれるのは間違いないかな…と思ってます。 (偽バルタン)
- ↑痛恨のミスです。
…間違って賛成の欄にチェック入れてレス返しをしてしまいました(汗
本当にスイマセン。 (偽バルタン)
- いやもう可愛らしくて(笑) 特に力尽くが出来ないから漁夫の利を狙う紫穂が(爆)
時に、偽バルタンさんの絶チルSSは、みんな同軸上に有る様にも思うのだけど、それでいいんでしょうか? (逢川 桐至)
- ・逢川 桐至さま
そうですね…原作でのあの予言を見る限りは、皆本さんx薫嬢となる可能性が一番高いのかもしれませんが…3人娘の相手は、皆本さん以外に考えられない…とゆーかイヤなのです自分は(笑
逢川 桐至さまが、書かれているように横島君もいいかも知れませんが…彼にはほら、もーお相手候補がどっさりいますから(笑 (偽バルタン)
- ↑初めまして。折角ですから、偽バルタンさんの賛成票を頂きます。
ほのぼの〜。 (キリュウ)
- 疲れた時には甘い物を…と言ってもこれはちょっと甘すぎます(汗)
喧嘩する時もそれぞれの持ち味を活かし合って、最後には一致団結。そんなチルドレンならではの繋がりを感じさせられます…いや、この場合、皆本君がマヂで受難なのですが…屈服して受難じゃなくなる日も近いのかも。
甘酸っぱい日々とその後に僻地か鉄格子が彼を待っている(笑)。 (フル・サークル)
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