ザ・グレート・展開予測ショー

終わらせる者ー中編ー


投稿者名:蒼空
投稿日時:(04/11/ 4)

ーYOKOSHIMA サイドー

横島は叫ぶ。

「おまえ!美神さん達をどうした!!」
「場所を変えただけだ。そして、ある者と会っていいるだろう」

横島の言葉にもエンドはまた淡々と答える。

「ある者?」
「そのうち分かるさ」
そう言ったエンドに初めて感情が表情に出たように横島は思った。
悲しみ・・・という感情が。



ーMIKAMI サイドー

べスパは呟く。

「ア、アシュ様」

アシュタロスが口を開く。

「ふむ。久しぶりだな、べスパ。そして、GS諸君」
「アシュ様。生きて、らしたんですね」

べスパは涙を流し、他の者はまだ驚きで固まっている。

「いや、わたしは消滅したんだがいろいろあってね。それにここは」

アシュタロスはそう言いあたりを見渡す。

「ふむ、なるほど。そういうことか」

なにか納得しているアシュタロスに美神が叫ぶ。

「ちょっとあんた!なに一人で納得してるのよ!!」

みな美神の叫びに再起動するが、次のアシュタロスの言葉にまたいても固まる。

「それは言えないのだがここがどこだか分かっているかね?」
「どこって富士の樹海に決まっ・・・!?」

アシュタロスの言葉に切れ気味に言うが、周りを見て止まる。
美神たちが今いるところはさきほどまでいた富士の樹海ではなく一言で言えば、闘技場。

「どこよ!?ここ!?」
「ここは異空間とでも言えばいいのかな?君達も会っただろ?あの者が作り出した空間だ」

アシュタロスの説明に返す者がいた。
小竜姫、ヒャクメ、ワルキューレの神族魔族組だ。
パピリオはまだ勉強不足でよくわからないような顔をしており、
べスパは目の前にアシュタロスがいることだけでまだまだ他のことを考える余裕がない。

「空間を作るですって!そんなの不可能です」
「そうなのね。一魔族には不可能なのね」
「そうだ。たとえ魔神だとしても作っただけで魔力の大半がなくなる。立つのがやっとのはずだ」

上から小竜姫、ヒャクメ、ワルキューレだ。
ヒャクメも緊張しているのかいつもみたいに語尾は伸ばさない。
だが、アシュタロスの答えを聞いて絶句する。

「こんなこと、あいつには造作もないことだ」

本来、空間とはそう簡単に作れるものではない。力が足りなければ自分が死ぬこともあるのだ。
力があってもすこしでも力の配分を間違えると空間の狭間に挟まれ二度と出てこれない。
仮にできたとしてもそれを維持するためにはこれまた大変力がいる。大概の者は維持さえできずに力を全て吸われ死ぬ。
神魔最高指導者達が会談する空間もデタントによる中立地点として作られているのだ。
そうでもなければ、そんな危険を犯してまで空間を作ろうとはしない。
あの猿神の最難関コースで使う所も特殊な部屋で猿神が魂だけ超加速させているだけだ。
それでもすごいことはすごいのだが。
GSメンバー+パピリオはヒャクメに説明を受けて同じく絶句。

「さぁ、おしゃべりはここまでにしてそろそろ始めようか」

アシュタロスが固まっているみんなに声をかける。

「あ、アシュ様?始めるとは、な、なにをですか?」

べスパが恐る恐る尋ねる。

「決まっているだろう?戦いをだよ。元々、べスパは違うが私と君達は敵同士だろう?」

そこまでアシュタロスが言うとみな戦闘姿勢をとる。
だが、べスパだけは立ちすくしている。

「そんな。アシュ様。」
「べスパ。お前は私にとって娘でしかありえない。それ以上でもそれ以下でもない」

アシュタロスの突き放すような言葉にべスパは言葉を失う。

「どうやら戦うしかないようね。みんな、いくわよ!」
「「「「おう(はい)」」」」

美神の掛け声にみんな答える。
布陣は南極でパピリオと戦ったときと同じ。
そこに美神とシロが前線に加わり、オキヌの代わりにヒャクメが。オキヌはネクロマンサーの笛でタマモと後方援助。
神魔族組は小竜姫が切り込み、ワルキューレが遠距離からの狙撃。
べスパは後ろで立ちすくみパピリオはべスパを守るように前に立っている。

「ふむ。お相手いたそう」

そう言うアシュタロスはどこか・・・悲しそうだった。

「しかし、私をなめてもらっては困るな」

そう言ったアシュタロスから凄まじい魔力が溢れ出す。
アシュタロスを中心にした魔力の奔流。まさに、魔力の台風。

「私をその程度でどうこうできると思ったか?」

アシュタロスの魔力によりタイガーのテレパシーが遮断。
さらに、霊的防御が他の者より低いオキヌ、冥子が戦闘不能。

「ふん!」

そして、その隙を突いてきたアシュタロスの攻撃にGSメンバーの大半が戦闘不能。
死んではいないが見るからにこれ以上の戦闘はむりだ。
残っているのは神魔族に美神令子、雪乃丞、カオスにマリアだ。

「そんな」

こう言ったのは誰だろう。全員だろうか?
だが、みなそう思っているだろう。
一瞬。まさに一瞬でほとんどのものが戦闘不能。

「残った者は8人か。ではその他の者には退場してもらおう」

アシュタロスがそう言うと戦闘不能の者が消える。

「!!アシュタロス!みんなをどうしたの!?」

美神が叫ぶ。

「心配するな。この空間から出て行っただけだ」
「みんな無事なの?」
「ああ。生きている。気絶しているだけだ。(治療もしてあるしな)」

アシュタロスの言葉を聞き一応あ安堵する。ほんとうかわからないが今は信じるしかない。
そして美神は思う。


(やはり、強い。まったく歯が立たない。南極の時の同期攻撃でさえ少し傷をつけただけ。
全く勝てる気がしない。どうすれば)


他の者も考えることはほとんど大差ない。
だから皆きずかない。みんなが
死んではいない
ということに。


考えてもみてほしい。たかが人間が魔神の攻撃を受け生きていられるだろうか?
答えは”否”だ。
普通なら跡形もなく消し飛ぶか良くても即死だろう。
だがみんな生きている。
今は確認のしようがないが確かに消える前、みんな気絶はしていたが
みんな”生きていた”のだ。
この矛盾にきずく者ははたして誰かきずくだろうか?


しばらくの沈黙後、アシュタロスが口を開く。

「・・・べスパ。いつまでそうしているつもりだ?」

ビクッ!と、べスパの体が揺れる。

「お前は私の真の願いを知っているだろう?なぜ動かない?」
「そうよ!あんたは自分の真の願いである己の死を叶えたんでしょう?なぜここにいるの?」

美神がアシュタロスの言葉からの疑問を問う。

「その答えを今答えるわけにはいかんな。知りたければ私を倒してみろ!!」

その時、べスパが口を開く。

「・・・わかりました。私がアシュ様の願いを叶えましょう。それが私にできる、最初で、最後の・・・親孝行です!!!」

そして、戦いが始まる。


ー2時間後ー

美神側は残っているのは、美神。べスパ。パピリオの三人だけだ。
三人とも満身創痍と云った感じだ。
アシュタロスも所々傷はある。そんなに大きな傷ではないがアシュタロスは辛そうだ。肩で息をしている。
美神は思う。


(おかしい。なんで私は残っているの?小竜姫たちさえいないのに。ただの人間の私がどうして?
アシュタロスもたいした傷でもないのに辛そうだし。
おかしいというえば、初めの攻撃でみんなが生きていたのも今考えたらおかしいわね。
魔神の攻撃に人間が耐えれるはずない。気絶だけっておかしいわ)


美神がそこまで考えた時アシュタロスが口を開く。

「ふむ。残ったのは三人だけか。・・・そろそろ、終わりにしよう」

そして、アシュタロスは魔力を高める。

「べスパ!私とパピリオがあんたに力を送るは。いいわね、パピリオ!これで最後よ。全力で!!!」

べスパとパピリオは無言で頷く。
そして、べスパも魔力を限界まで高める。

「はぁぁぁぁぁ」
「やぁぁぁぁぁ」

そして爆発。
徐々に視界が晴れてくる。

「どっちが勝ったの?」

美神が弱弱しく呟く。
そして、煙がはれた所に立っていたのは・・・べスパだった。

「はぁはぁ。アシュ、様」
「勝、勝ったの?」

美神の問いにべスパは頷く。
美神たちは倒れているアシュタロスに近づく。

「べスパ、見事だ。そして・・・ありがとう。我が愛しき娘よ」

その言葉にべスパの瞳に涙が浮かぶ。

「アシュタロス。あなた、どうして手加減しての?」

美神の言葉にべスパとパピリオは驚いた顔をする。

「手加減などしていないさ。あれは、正真正銘全力だった」
「それはわかってる。私が言ってるのは初めのことよ」

べスパとパピリオはわからない顔をしているので美神は説明した。
その説明を聞いて二人はようやくハッとする。

「それは・・・殺す必要がなかったからさ」
「必要がない?あんたたちの目的って何?」
「私の目的はお前達の足止めだ」
「それだけ?ならなんで人間の私が残っているの?神魔族さえいないのに」
「それは・・・ただの気まぐれさ」

そう言ってアシュタロスは笑う。

「・・・そう。ラスト二つの疑問あんたはどうやって復活したの?それと、あの男は誰?あいつの目的は?」

アシュタロスの様子から本当の事は言いそうにないので最も気になることを聞く。

「・・・それだと三つだが?」
「うっさい!!」

アシュタロスの指摘に美神は赤くなって叫ぶ。

「ふ〜、まぁいいだろう。それは・・・」
「「「それは?」」」

「それは・・・私の口からは言えないな」
「こんだけ引っ張っといて結局それか!!」

三人ともアシュタロスの言葉に額に青筋が。

「それが知りたけばあいつに聞け。そのドアを通ればあいつがいるところに行けるだろう」

そういうとみんなの後ろにドアが現れる。

「さぁ、行け。あいつのことがわかっても気をしっかり持て!私からの最後の忠告だ」

そう言い、アシュタロスは笑う。

「・・・さようなら、ありがとう。・・・お父さん」
「さよならでちゅ、パパ」

そして、三人はドアのむこうに消えていく。

「父親か・・・悪くない。愛してるよ、愛しき娘達」

そして、アシュタロスは消えていく。
その顔はどこか・・・幸せそうだった。




ー某所ー

「アシュタロスが消えましたね」
「そやな。どや?準備のほうは?」
「順調ですよ」
「そか。・・・つらいなぁ」
「・・・そうですね。しかし、私達には何もできません」
「わかっとる。わかっとんねんけど、つらいわぁ」

二人の前には美神達、そして横島。
そして、仮面が取れその顔があらわになったエンドが映っていた。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa