ザ・グレート・展開予測ショー

ピートの母の物語


投稿者名:まきしゃ
投稿日時:(00/ 4/26)

「皆のもの、よいかっ? この娘を今日から余の妻とするっ!」
「ブラドー様、ばんざ〜い! 御后様、ばんざ〜い!」
ブラドーの妻と紹介された娘は、まだあどけなさの残る清楚な美少女だった。
昨日まで、ウンブリア地方のお姫様として大事に育てられてきたのだが、
ブラドーによって連れ去られてしまったのだ。

「ふふん、なかなか勝ち気な面構えをしておるな。それもよかろう。
 絶対服従させるには血を吸うだけでよいのだが、おまえの血は、まだ幼くて
 吸う気にはなれぬ。 よし、おまえが二十歳になるまで、この島で人間のまま
 過させてやろう。 おまえの二十歳の誕生日が、吸血鬼に生まれ変わり
 余にひざまづくこととなる新たな誕生日となるのだ。 わはははは〜!」
「ブラドーさま〜っ! もう最高〜〜っ!」

意に添わぬままブラドーの妻にされた娘は、敬虔なクリスチャンであった。
そのため自ら命を絶つこともできず、邪悪な夫に心を売らないことが、
彼女に出来る唯一の抵抗であった。
それでも、子を孕む。邪悪な吸血鬼の子を…。

彼女が18歳となり、ピエトロと名付けられたバンパイアハーフの息子が
2歳となったときのこと、1つの事件が起きた。
ブラドーがドクター・カオスによって銀の銃弾を打ち込まれ、命からがら
島に逃げ帰って来たのだ。

「余は、しばらく養生する! 余のそばに誰も近づけるなっ!」
「ブラドーさまっ!?」
それだけ言うと、残った全魔力を使って結界を張り、城の中で深い眠りの中に
入ってしまった。
そのことが島の吸血鬼たちに大きな影響を及ぼす。
ブラドーの魔力が結界に使われたために、ブラドーの支配力が大きく落ち込ん
だのだ。その結果、人間との共存を望む勢力が生まれ、人間を支配しようと
する勢力と、壮絶な勢力争いが始まることとなる。

「よろしいでしょうか?」
「ありがとう、神父さま。でも、この子のことが気にかかります…」
「我々におまかせください。 立派に育て上げてみせます。」
「わかりました…。 でも、あと1日だけお待ち下さい…。」
「はい、1日だけでしたら…」

姫から神父と呼ばれた男は、元は彼女を吸血鬼から守るために城に呼ばれた
悪魔払いであった。 力及ばずブラドーに吸血鬼にされてしまったものの、
ブラドーが眠りに入った今、共存派の幹部となっていた。

「ピート…、ごめんなさい。あなたと一緒に帰るわけにはいきません…。
 あなたの中にある邪悪な血から、あなたを守る術を私は知らないのです…。
 無力な母を許してね…。 でも、私はあなたを愛しています。」

翌日深夜、神父に連れられて実家の城に無事帰宅したピートの母おや。
神父にピート宛ての1通の手紙を託して…。

神父たち共存派に守られて成長したピートは、やがて母からの手紙を読む
ことになる。 それが彼の生き方を決める重要な要因となるのだ。

それから数百年、共存派と支配派の壮絶な争いの中、ピートは共存派の旗頭
として常に戦いの中心にいた。 この争いは、19世紀末の科学者
ヴァン・ヘルシングと協力するまで続けられることとなる…。

なおピートの母は、結婚を勧める両親の説得をも振りきり、修道尼として
平穏な一生を送ったという。 ピートのことを祈りながら…

* END * ---------------------------------

ども、馬酔木さん、Iholiさん、尉雄さんの発言を読んでるうちに、
こんなのを妄想してしまいました。 どんなもんでしょうか?

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