ザ・グレート・展開予測ショー

終わらせる者 ー前編ー


投稿者名:蒼空
投稿日時:(04/10/13)

「GS美神令子が極楽に逝かせてあげるわ!!」

美神がきめ台詞を最後の悪霊に神痛恨と共に放つ。


「終わりましたね、美神さん」
「ええ。さぁ帰りましょ」

おキヌの言葉に答えみんなに帰るように促す。


ー事務所ー


「お〜っほっほっほ。ぼろ儲け!やっぱりこうでなくっちゃ」

美神が札束を数えながら高らかに言う。


「先生!散歩に行くでござる!」

シロが横島を散歩に誘う。


「わかったわかった。そんな引っ張るなって」


横島も笑いながら答える。
いつもと変わらぬ日常。誰もがいつまでも続くと思っていた平和。


だが、いつの世も平和は唐突に壊れるものである。





あのアシュタロス大戦から3年。横島も高校を卒業し美神除霊事務所に正社員として働いていた。
美神も相変わらずの守銭奴ぶりながらも横島を励まし少しずつだが素直になってきて。
(ちなみに横島の給料だが・・・横島が美神が壊れたと大騒ぎし鉄拳制裁されたとだけ言っておこう)
おキヌも相変わらず優しく美神と横島のドツキ漫才のなだめ役だ。
居候のシロタマは、シロは毎日日の出とともに横島を散歩に誘いにいっている。
タマモは無関心を装っているが毎日楽しそうだ。
横島も大戦後すぐのころは美神達が見ていられないほど落ち込んでいたが仲間たちに励まされ
今はルシオラにもらった命で毎日を大切に生きている。
そんな日常。だが一つの事件から運命は動く。





事務所に一人の女性が来ている。
ジャンパーにミニスカを履いている女子大生ぐらいのきれいというよりかわいいと思われる女の人。
だが、人と異なるのは頭についている角が二つ。竜神族の小竜姫だ。


「で、今日は何のよう?めんどうごとはお断りよ」

神様に失礼なことをいうのは美神。だがいつものことなので小竜姫も気にしていない。


「はい。今日お伺いしたのは実は先日人界で魔力が観測されたのです」
「それだけ?別に珍しいことでもないでしょ?」

美神がこういうのも仕方ない。アシュタロスのコスモプロセッサで蘇った魔族が魔界に帰らずにいるのだ。
帰らずというってもそれはごく少数でほとんどが力が弱い最下級の魔族で自力では帰れず、人界に
いるのだ。美神もどうせこんな魔族の魔力だとおもったのだろう。
しかし、小竜姫は首を横に振り、


「いいえ、一瞬でしたが魔神級の魔力が観測されました。あなたたちがわからなかったのもむりありません。ほんとうに短い時間でしたので」

この言葉を聞いた美神達はアシュタロス大戦を思い出した。
またあの悲劇が起こされるのだろうか。
あの戦いも宇宙意思が味方したからこそ勝てたのだ。次も勝てるかわからない。
いや、負ける確立のほうが格段に上だろう。
そこに小竜姫がさらに絶望的なことを伝える。


「このことについての神魔の決定は静観。人界を助けたいものは自分の意志で動け。
しかし、あくまで個人であり神界、魔界の助けはなしだそうです」
「そんな!アシュタロスの時役にたたなかったくせに今度は初めから見捨てる気!!!」

小竜姫の話を聞いて美神が切れる。ほかのメンバーも困惑の表情だ。


「落ち着いてください。神界、魔界は確かに動きませんが私やワルキューレ達は最後まで
一緒に戦います」

話が終わり美神は美知恵に連絡を取り、仲間を集める。アシュタロス大戦の英雄達。そして、横島の心の傷を知るものたち。





数日後、事件は起きた。
始めは少しずつ悪霊退治の依頼が少なくなってきた。これだけ事件とはいえないがある日ばったりと依頼がなくなった。
他のGS仲間やGメンに聞いても同じようになくなったらしい。
そして、美神の事務所で話し合いをしている時・・・そいつは現れた。



そいつは、一言でいうえば・・・黒。光を宿さぬ漆黒の黒。
服装だけでなく存在感そのものが漆黒の黒なのだ。
みんなはその雰囲気に圧されなにもしゃべれなかった。
しばらく沈黙の中対峙していると横島が声をかけた。


「おまえは・・・何者だ?」

その男はしばらくして口を開いた。


「おれは・・・エンド。終わらせる者」

その声はどこまでも冷たく感情の欠片さえ感じさえないような声だった。
その声を聞いてみんな背筋に悪寒が走り、冷や汗が流れた。


「・・・ここは場所が悪い。」

エンドがそういうといきなり回りの景色が変わった。


「こ、ここは!?」

みんな突然のことに驚きが隠せない。


「ここは・・・樹海?」

美神が声に出す。


「そうだ。ここは富士の樹海。瘴気がまい人界にして人界にあらず」
「そんな!魔力もなにも感じなかったのに!!」

小竜姫が叫ぶ。


「おれにとってこの程度造作もない。」

男の答えを聞きみんな戦闘体制に入る。


「慌てるな。まだおれは戦うきはない」

男の言葉を聞いてもみんな気を緩めない。
気を抜いたら男の持つ怖さに動けなくなるのを本能的に理解しているらしい。
そこに横島が声をかける。


「なら、なぜこんな場所に連れて来た?」
「これからお前達に戦ってもらう」

エンドは横島の言葉には答えず言う。


「質問に答えろ!!」

エンドはそんな横島は無視し腕を振るう。


「!!!!」

横島はとっさにガード体制をとり目を瞑る。
しかし、なにも起こらないので目を開けると、そこにはみんなおらず
自分とエンドだけがいた。


「みんなはどうした!!」

横島はエンドに叫ぶ。


「戦ってもらうといったはずだ。お前以外のやつらはな」

横島の怒気にも気にした風もなく淡々と答える。





その頃、美神達は恐るべき相手と対峙していた。
その凄まじい魔力とエンドにも負けず劣らずの存在感。
誰もが驚き声もだせない状況の中べスパが呟く。


「ア、アシュ様」

そこにいたのは、かつて戦いそして死に魂すら消滅したはずのアシュタロスだった。





ー某所ー
「ほんまにこれでよかったんかな〜?」
「そうですね。あの少年がこれを望むなら私達は何も言えませんよ」
「せやな。わしらはなんも言えん。止めることさえな」

こう呟くのは神界、魔界静観の最終決定を下した
神魔最高指導者だった。

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