ザ・グレート・展開予測ショー

フォールン  ― 09 ―


投稿者名:フル・サークル
投稿日時:(04/10/13)




 タマモが孤立しているのと対照的に、シロは人気者だった。Gメン内にもガチガチの妖怪嫌悪者・撃退論者がいない訳ではなく、この前の喧嘩が空気に影響してもいたが、周囲に好かれ、今年になって入って来た後輩からも慕われているのは、ほぼ間違いなかった。

 吸血鬼や妖狐ほど危険視されていないにしても、人狼族だって決して人間に信頼されきっている訳ではない。Gメンにとって人狼族は、「辻斬り・八房事件」を起こした種族として記憶に新しい。彼女の人気はひとえに彼女の人(犬?狼?)柄によるものと言えるだろう。
 表面的に穏やかで礼儀正しくても親しい者以外には距離を置きがちなピート、距離どころか最近では壁まで作っている感じのタマモと違い、彼女には気さくな人懐っこさがあり、朗らかさを絶やさない。それだけでなく、真剣な局面ではとことん筋を通し仲間の為に自分の役割を全うさせようとする誠実さ、そんな所も彼女が信頼される所以だろう。

「失礼。・・・タマモは、まだ来てないのでござるか?」

「え?・・・あ、いえ・・・たしかさっき、ヴラドーさんに呼ばれて向こうの方へ・・・。」

 タマモのいる班のテーブル、タマモの席が空いたままなのを気付いて、職員の一人に声をかけると怯えた声で返事が返って来た。
 ここしばらく遠目で見るだけだが、一人で現れて一人で仕事して一人で帰る・・・挨拶も掛け合う言葉もなく・・・タマモは随分長くそれを繰り返していた。勿論ピートや西条は声を掛けて来るが、庁舎内で彼らと会う機会自体がめったにない。

 実の所、タマモの態度への怒りはとっくに失せていた。ただ、仲直りのきっかけが掴めないでいる事と、こうして、自分や西条達がいなければいつまでも一人でい続けるだろう彼女を何となく腹立たしく思う気持ちとがあった。

「自分が仲間外れだとか塞ぐ事をいつも浮かべてるから、つまらん事でカリカリする様になるのでござる・・・」

 それはタマモを通して見た自分の鏡像でもある事に気付いていた。横島との埋まらない溝にどこかで気付き苛立っていたからこそ、タマモの言葉に爆発したのだと。
 だが、そう言う種類の怒りも苛立ちは、自分から近付こうとして行く内に、触れ合って行く内に解ける場合が多い。シロはその事を人間界で過ごした経験の中から知っていた。

 背後で、自分に向けられた険悪な気配と舌打ちの音とを感じた。タマモが戻って来たかと思って振り向いたが違う・・・例の妖怪撃退論者の職員だった。
 書類の束を抱えながらシロの脇を通り抜けて行く。去り間際に呟いた。

「ったく、保健所が野犬雇ってる様なモンだぜ・・・」

「――拙者、犬ではなく、狼でござるよっ。」

 不快な気分を隠して明るくその背中に言葉を投げ返す。職員は顔を僅かに歪め、答えず去って行ったが、シロの心境からはそれで十分だった。

「愛想よくするのはあの女狐には無理でござろうが・・・もう少しこんな風に和やかになれればいいのに・・・。」

 朝から気に掛かっていた横島の事、それに加えてタマモの事。シロは立ち止まりながら少しの間、貌に憂いを浮かべた。



   ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―



「そんなの、西条が監視員の配置を細工してるからに決まってるでじゃない。」

「やっぱり、そう思いますか・・・。」

 2日前の夜も廃ホテルに出向いた筈の横島について監視員の報告が全くない事を、どう思うかピートに尋ねられたタマモはにべもなく言い放った。

「調査段階も終わって、Gメンはもうすぐ霊的装置の解体に移るって情報もアイツらには筒抜けだったんでしょ?アンタは敢えて何も言わないのに。」

「ええ、西条さんが彼に協力しているって事は僕は最初から知っていましたよ。直接その事で西条さんと話した事はないですが。だから、大体の事は説明が付くんです。・・・しかし、これは・・・」

 そう言ってピートは書類コピーが綴じられたファイルを彼女の前に置いた。美神令子が美神美智恵に監視通告を受けた翌日、最後の調査を行ない、その結果をまとめたものだった。

「僕は一応見ているんですよ。上の階のロビー横で、実験用に横島さんが自分の名前とルシオラさんの記号の入った小さな召喚陣を展開したのを。実験後、その召喚陣は破棄してましたが、痕跡くらいは残る筈・・・美神さん達には隠し切れない程に・・・
なのに、報告書のどこにもそれは書かれていない。最初に隊長が目にするものだから西条さんが消せる訳もない。美神事務所で消されていたって言う事です。横島さんは調査メンバーから外されているのに。」

 ピートが示したその場所を探査したのはシロだった。彼女は実験用の召喚陣の痕跡を嗅ぎ付け、それを美神に報告しなかったと言う事だ。
 作業の分担については報告書にも記載してある。ピートも気付いているだろう。

「シロさんは・・・・・・君とも僕達ともまた別の立場を選んだ、のでしょうか?」

「そりゃあ、私と同じじゃないでしょうね。私はこっちに火の粉が飛ばなければ別にどうだって良いし。・・・でも、あのバカ犬がそれだけで片付く筈はないでしょ?」

「でも、君だって、横島さんを心配してる。」

「・・・私はバカ犬の方が心配よ。」

 何の気なしに言ってしまったが、自分の言葉の意味に後から気が付いてタマモは頬を紅潮させた。
 ピートはタマモの思わぬ本心の吐露にクスクス笑うのを押さえられなくなっている。

「ちょっと、や、やめてよ・・・」

「す・・・すみません。でも・・・やっぱり、心配してたんだなあって・・・」

 彼の笑いが治まったのはしばらく後だったが、真顔に戻った彼はタマモに訊ねた。

「それで・・・今の所はタマモさんも、隊長や美神さんに横島さんの事を報告しないつもりなんですか?」

「えっ!?・・・・・・そ、それ、は・・・。」

 口ごもるタマモ。しかし、それに続くピートの口調には幾分厳しい響きが含まれていた。

「君が報告しなくても、もうすぐGメンも美神さんも全て気付くでしょう。そして、条件を殆ど揃えた横島さん達もその前に動こうとするでしょう・・・例え最善のものが見つからなくても、自分の立場を早く決めなくてはならなくなります。僕も・・・君も。」

 自分が「何を望む」「誰の為に」、「何をしたいのか」、知らなくちゃならないんだ。ピートは呟く様に小さく付け足した。



   ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―




        ・

        ・

        ・

    どこまでも甘いことが そして どこまでも幻であることが
    鎖であり 灼けた鉄であり 棘であり 杭であり

    それがどこまでも優しく 救いをもたらすことこそが
    疫病だった

        ・

        ・

        ・

    うたかたに たそがれのゆめ

        ・

        ・

        ・

 ひとしきり叫んだ後、無性に喉が渇いた。横島は目の前の蛇口を反射的に捻る。水が勢いよく噴き出すのを見て初めて、そこに水道が通っている事を知った。
 例の夢を毎日見る様になってから、起きた時のパニック状態・・・叫び出し、周りの物を引きずり倒したくなる衝動。そして眩暈と脱力感・・・も比例して激しくなった。とても人の近くで眠る事は出来ない。
 それでも、今回はまだマシな方だ。起きてから10分もしない内に平常心を取り戻せたのだから。・・・最後には見る事もなくなる・・・夢に見る必要も、夢でしかないと認識する必要もなくなるのだから。

 横島は腕時計に目を通す・・・もうすぐ、出勤の時間だ。
 通り沿いにある潰れたカラオケルームの一室。ここは彼のアパートよりも美神事務所に近く、時間には余裕を感じる。窓を少し覗いてから、携帯で西条に自分が通過する場所を指定した。
 身支度を整えて外へ出る。しばらく歩くと、指定した場所から尾行が付いた。彼は「アパートからずっと横島を尾行していた」事になってるのだろう。

 廃ホテルにも24時間体勢で監視が付いている。西条のシフト操作で“誰も付いていない”時間を少しずつ確保し、その中で仕上げを行なって来た。
 ――多分、今週中にGメンは霊的装置の撤去と館内の除霊に乗り出すだろう。西条の読みを聞くまでもなかった。しかし、こちらの準備も全て整っている。次、あそこへ行く時は――本番だ。

 誰にも邪魔させない。横島はポケットに突っ込んでいた右手を取り出し、顔の前で広げる。その掌には微かな波動を放ちながら、実験で召喚した小さな蛍が乗っかっていた。もう一度、心の中で呟く。
 誰にも邪魔させない。終わらせない。生き返ったお前を、生きてるお前を今度こそ・・・世界に祝福させてやる。



 美神事務所に着くと、横島は普段の様に扉を開け、廊下に向かって呼び掛けた。

「ちわーーっす、横島っす。美神さーん。所長ーーっ・・・あれ?いないのか・・・?」

『こんにちは横島さん。オーナーは只今、入浴中です。』

 少し間があり、人工幽霊壱号が彼の呼び掛けにテレパシーで答えた。「入浴中」の単語に、ボーッと辺りを見回していた横島の顔色が変わる。

「―――何っ!?本当かっっ?鍵も開いてんのにっ?」

『はい。先程外出から戻られまして、気分転換にシャワーを浴びたいとの事ですぐに・・・』

「ぬううう・・・なんて不用心な・・・ムフフフけしからんっ、けしからんぞーっ。フフフ・・・フフフフッ!」

『・・・・・・。』



ザーーーーーーーーッ・・・

ひた・・・ひたひたひた・・・

「全く・・・ダメじゃないですか美神さん。その真っ白な肌とナイスバデーと極上のフェロモンを晒してシャワーを浴びるのに、誰もいない事務所で鍵を掛けとかないなんて。どんなヤローが入り込んで来るか分かんないっすよ・・・」

 ブツブツ言いながらバスルーム前、脱衣所の床を匍匐前進する横島。

「でももう大丈夫!こーしてこの俺がここに一番乗り・・・もといっ、特等席を陣取り・・・もといっ、ちゃあーんと見張ってておりますからね〜〜〜・・・美神さんを。」

 誰がどう見てもお前が一番アブない。そんな作者のツッコミを無視して横島は目を凝らす。ガラス戸の向こうに立ち昇る湯気と裸身のシルエットがぼやけて浮かんでいた。

ザーーーーーーーーッ・・・

「――小隊長殿!やはり鮮明な情報を得る為には、いささかのリスクを負うべきであります!」

 シャワーの音は長く続いていた。横島は意味不明な報告をしながらガラス戸ににじり寄り手を掛けると1cmばかり横に引き開け、ゆっくり顔を隙間に近付ける。

「横島上等兵、只今任務により―――ぎゃんっ!?」

―――――ドガッッ!!

 不意に背後から蹴り出された。横島は勢い良くガラス戸を引き開けながらシャワールーム内に転がり込む。
 開け放たれた戸口から立ち込めていた湯気が流れ出る中、横島はシャワー付近に視線を向け、硬直した――シャワーを浴びていたのはマネキン人形だった。
 事態を飲み込めないで呆然とする横島の背後から声がする。

「・・・そんな風にドアを開けて堂々と入れば良いじゃない。」

「マネキンを置いて騙すなんてええっ!そこに女のハダカがあるから覗く、そんな成年男子の純粋な気持ちを裏切り踏み躙・・・え?」
 
 横島が身体を起こして振り返ると、美神は右手を腰に当てた姿勢で入口に立ち、彼を見下ろしていた。その冷たい目付きと口調からは普段の様なリアクションも、感情を読み取る事も出来ない。

「えっと・・・美神・・・さん・・・?」

「見たかったら、そんな窓や隅っこでこそこそ覗いてないで、見たいと言ってそのまま入って来なさいよ。そして・・・触れたければ・・・抱きたければ、そう言えば良いのよ。
私だってぶん殴って追い出すとは限らない・・・ガキのセクハラじゃなく、大人の男が本気でそう言ってんのなら――」

 美神の左手には書類の束らしきものが握られていた。言葉途中で彼女は横島にその束を放り投げる。綴じられていなかった束は空中で解け、横島の周囲にバラバラと舞い落ちた。
 それらの書類は全て横島の計画に関するものだった――美神がGメンへ提出した報告書だけではない。神内コーポレーション附属の研究所とドクター・カオスによる共同研究のレポート、横島自身がカオスに預けた資料なども混じっているのが横島から見て取れた。
 書類が舞う中、美神は言葉の続きを放つ。

「――アンタの子供として生まれる“あの娘”の母親が私で良いと、言ってんのならね。」

 書類が全て濡れた床に落ちる。横島は少し長く息をつくと、その後すぐに顔を上げて言った。

「あーあ、もうバレちゃいましたか・・・思ってたより早かったすよ。やっぱり美神さんには敵わないよな・・・。」

 横島の表情には微笑が浮かんでいた。そのどこか寂しげで乾いた優しい空気は、普段の彼じゃない様に感じられつつも、彼以外の誰も持ち得ないものだった――美神は過去何度となく、横島のそんな表情を見て来ている。

「・・・いつ、分かったんすか?」

「アンタの今の顔を見るまで、確信は持てなかったわ・・・小竜姫が来てパピリオの話をした時も・・・神内さんの研究所で検討されたルシオラの復活方法にカオスが絡んでいると聞いた時も・・・」

「神内の所で出ている案は、殆ど俺らが先に思い付いたのばっかりっすよ。」

「アンタに任せていた使用済み札処理・・・業者の回収費用が本来かかる筈の額の3分の2しか出てないわ。浮いたお金の半分くらいはアンタが持って行ったみたいだけど、それでも、道理で予算が最近楽になってた訳よね。
そして、今回の調査。アンタの分担した所を調べ直したら・・・召喚陣の隣に霊体固定の陣なんてあるのを早く知っていたら、それだけ正解に近付けたわ・・・アンタはそれの特徴にデタラメばかり並べて報告した。
・・・それらを知った時でも、そして、カオスの奴をとっ捕まえてアイツがアンタの名前を出した時でさえ・・・確信は出来なかった。」

「美神さんが怪しむって事は・・・カオスの奴、よっぽど簡単に口を割ったんでしょーね。まあ、アドバイザーのアイツに俺の事を秘密にしておく義務もないんですけど。それに、本番前に周りにバレるのはまあ予想内の事でしたし・・・。」

「予想内・・・つまり、どんな策があるのか知らないけど、それでも続けるつもりね。」

「ええ、勿論っすよ。」

 横島がそう答えた次の瞬間、美神は2歩ばかり踏み出すと彼に強烈な平手打ちを喰らわせていた。

「“勿論”?・・・何なのよ、それっ!?人を騙して、掛けられた期待や信頼までも裏切って、それがバレたら開き直って“勿論それでも続ける”!?アンタはそーゆー男なの!?」

「そんな奴になったんだと・・・思って下さい。」

 打たれた所を手で押さえ、痛みに少し顔を引き攣らせながらも横島は、笑みを取り戻してそう答えた。
 その答えと笑顔の意味は美神にも十分に分かっていた。「自分がどうなろうと」「何と言われようと」目的を達する・・・特に誰かを救ったり守ったりすると言う事は口にされる程の生易しい事ではないと。
 その為に、卑怯にも冷酷にも仲間を騙す者にもなる・・・単に「そう言われる」だけではなく実際に「なってしまう」覚悟。そんな人間の姿を彼女も知っている。
 そして、目の前の青年が「誰かを救う為に」彼女を騙したり裏切ったりしたのは、今日が初めてではなかった筈だ。

 しかし、「それでもこの男のこの気持ちを汲んではいけない」と言う思いが彼女の感情を掻き立て、更に大声を出させる。なぜいけないのか。理由をこじつける事は幾らでも出来るが、その思いの本当の出所は彼女自身にも見出せないだろう。

「アンタ一体何考えてんのよ!?あの娘の復活については、自分の子供として生まれてくる可能性に賭けてみるって、自分で決めたんじゃない!?ここに来て信じられなくなったって言うの?待てなくなったって言うの?」

 大声で怒鳴りながらも頭の隅で美神は気付いている――その可能性に賭ける事を横島に半ば強引に納得させたのは、他ならぬ自分ではなかったか・・・それも彼やルシオラの為ではなく、自分が一刻も早く罪悪感から逃れたいが為に・・・。
 そして、提案した彼女自身、それが信じて待つに値する可能性であるかどうかを真剣に考えた事はなかった。思い付きで口にして、横島が乗って、それで一件落着と思っていたのだ。

「・・・もう、いいんです。美神さん。」

「えっ・・・?」

 不意に聞こえた言葉に、美神は聞き返した。横島が笑顔のまま言葉を繰り返す。

「もういいんですよ。俺はもう気付いています。」

「気付いているって・・・何を・・・・・・?」

「その方法では、ルシオラは復活しないんだって。」

「・・・復活しない・・・?何よ、それ・・・!?」

 美神が驚き、動揺したのはその方法でルシオラが復活出来ないと言う「内容」だけではなく、横島がそれを「美神は既に知っている・知ってて提案した」かの様に話している事にもだった。彼女はそんな話を聞いた事すらない。

「誰が言ってたの・・・そんな事?カオス?それとも雪之丞?そして、どーゆー事なのよ・・・?」

「誰も言ってませんよ。俺が、気付いたんです・・・言われなくても、ちょっと考えれば分かる事だった・・・確かに、俺の中にはルシオラの復活に必要な霊体が大量に眠っています。だけど、それが丸ごと、それだけで子供の霊体として受け継がれますか?
父親から受け継がれる霊体はそのごく一部っすよ・・・そして、母親から受け継がれる霊体もある。復活に不充分な量の霊体を他の霊体で補うと、どうなるんでしたっけ?」

「―――!・・・それは・・・。」

「全く別の魂となる。生まれてくる子供は、もうアイツですらないんですよ。」

 間髪入れずに横島が答えた。その後に流れた沈黙は僅かの間だったのだが、美神には非常に長く、重苦しいものに感じられた。その方法を思い付いた時、そして現在まで、美神は自分の提案についてそんな所まで考えた事はなかった。
 沈黙を破ったのは横島だった。意識して軽く話そうとしている様にも見える。

「でもまあ、それで良かったんです。そもそも、生まれて来る子供にアイツの復活を期待するなんて事が大間違いなんすから。子供には子供の未来があり、魂がある。前世や過去を背負わせちゃダメっすよ。もしアイツだったとしてもそう考えるべきでしたけどね。」

「で、でもっ!それでもよ?もしそのアイディアが変だったら、小竜姫やワルキューレだって、ママだって聞いていたんだから、絶対NG出てた筈じゃない?何か、それが可能になる原理があるのよ・・・きっと・・・。」

「そう。小竜姫様とワルキューレ・・・そして隊長が・・・同意したんですよね。」

 美神の焦る様な反論は進むにつれ、自信なさげにすぼんで行く。そして、「彼女達」の名前を口にした横島の言葉には何か強烈な含みが感じられた。

「そうよ、だから・・・」

「あの人達が、本当にルシオラの復活を望んでいたと思いますか?」









   ― ・ ― 次回に続く ― ・ ―



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