ザ・グレート・展開予測ショー

マジカル猫ちゃん


投稿者名:HF28号
投稿日時:(04/10/11)

家から電車で少々行くと妙にぼろっちいアパートメントが転がって、いや、建っ

ている。入居者は金に縁が無い者から、わけのわからん高校生、2足歩行化した

動物もいる。せっかくの休暇だ、奴と語らうのもまた一興か。


ガタタン、ガタタン


景色を目で追うと、あまりのスピードにクラクラおえーっ。あれは、ダメだ、見

ていけない世界である。
諦めて、車内見渡せば一心不乱に携帯電話を操作する姿があったり、漫画を読み

微妙な笑みを堪える男がいたり。


ガタタン、ガタタン


開いた窓から、虫が飛び込んできた。蛾1匹程度であわてふためくなんざなんと

脆弱な精神構造をしているのだ。体格、力、全てにおいて楽々しとめられるくせ

に。そうそう、止まったところで、仕留めれば、いい、の、に。
ついつい、目で、追って
(!)
止まった、止まったよ、明らかにズラってる頭の上に・・・
くっくっく・・・気づいていない、気づいていない
そろーり、そろっ(停止)り、り
気分はどこぞのスパイか探偵か、気配を押さえ息をかみ殺す。
っり〜そろっ
(今だ!)
バシッ!!


『とまあ、後は推して量るべしだニャ』
目的地に到着した黒猫は、節足動物に今日の武勇伝(?)を語る。
『ほうほう』
頷く節足マン。
『そりゃ災難だねえ』
『獲物を仕留めた快感があったとおもったら、身も凍る殺気を当てられて堪らな

かったニャ』
状況を理解したくない哺乳類1匹。わなわなと震え、おもむろに文珠を生成しだ

す。



「横島クン、ちょっと忘れ物・・・」
一昨日から徹夜でひっぱりまわし、流石に寝不足気味だったバイト少年が美神の

愛車に鞄を1つ忘れていた。大した物がはいっちゃ居ないが、財布が入っている

事ぐらい知っている。カンカンと足音を響かせ、部屋の前に来たところで異変を

見つけた。


嫌な汗が背中を伝う。


開けっ放しのドア、不自然に黒いドア、黒い・・・

ミョミョンッ

揺れる触角、円らな瞳。



『生命力は確かにあるが、サイズといい思考能力といい、人間の方が明らかに有利だろうに』
『それはそうだがニャ〜』
黒猫と節足マンは、脱出口を確かめると仲間に目配せしばっと外へ逃げ出す。あ

る者は空を飛び、またある者は仲間を咥え、ある者は・・・とにかく、美しき友

情がそこにあった。



きゃーわーどかーんっ♪ 



『黒い生き物友の会:練馬支部』
参加資格:練馬区周辺在住、生き物であり黒い事
参加種族:季節の爬虫類、季節の鳥類、季節のカビ、季節の・・・などなど。
節足動物連絡長:節足マン(仮名)
猫科連絡長:使い魔(黒猫)

不本意ながら本日『は』閉会。


―終―



うう、HNが長くて省略するハメに・・・
ふ、本当は『ハイパーフラワー28号』と入れたかったのさ。
長い?長いか、そうだろ、長いよな〜・・・
すまん、愚痴だ。忘れてくれ。

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