ザ・グレート・展開予測ショー

幻花(後編)


投稿者名:黒衣の僧
投稿日時:(04/10/11)


〔マンドラゴラ〕

 マンドレイク、アルラウネとも呼ばれる。
 各種の魔術的伝承を持ち、媚薬ともされた。

 花言葉は「幻惑」。6月22日の花である。


―――――――――――― 幻花(後編)


「皆本さんから離れなさい、水無月麻樹!」

部屋に飛び込むなり、紫穂は彼女に似合わぬ命令口調で、こう叫んだ。

「紫穂…それに葵。いったいどうしたんだ?」

超能力を使ったことがばれないよう、葵と紫穂は研究所から少し離れた場所に跳び、
そこから走ってきた。
ちなみに薫は“荷物になる”ため置いてきた。事態は一刻を争うのだ。

「ここには来ないよう言ったのに、なぜ…」

「あなたを守るためです。」

皆本の質問に紫穂はキッパリと答えた。
その間も紫穂は麻樹から目を離さない。
部屋には皆本と麻樹の二人だけ。そして麻樹は変装用の眼鏡をしていなかった。

「紫穂、君は多分誤解をしているよ。僕の話を…」

「待って。」

皆本を遮ったのは麻樹だった。

「この娘の話を聞きましょう。」

麻樹は初対面の時と同様、ベッドの上で半身を起こしていた。
その表情には余裕すら見える。大人が子供を見下ろす態度だ。
それに負けないよう、紫穂は努めて平静に言った。

「私たちは、あなたの過去について調べました。
 あなたの周りでは、あなたと親しい4人の男性が死んでいます。
 全部あなたが原因ですね。」

麻樹はこれを聞いても落ち着きを失わなかった。

「確かに、私の親しい人が死んだことはあるわ。でも、どうしてそれが私のせいなの?」

「あなたはエスパーですね、精神感応能力を持った…。
 でも、それだけじゃない。
 あなたは他人…それも異性の感情を調整できる…自分の望むままに。」

麻樹は否定も肯定もしなかったので、紫穂は説明を続けた。

「私は感情調整ができるエスパーがいるなんて聞いたこともありません。
 でも、あなたがその種の能力を持ったエスパーなら、余りにも重なりすぎた
 不可解な死を説明できます。」

「私が感情調整のできるエスパーで、その人たちの死を望んだから、と言いたいの?」

「死を望んだ、というのは違います。
 あなたは“自分を好きになって欲しい”と望んだんじゃないんですか?」

この部屋は紫穂と麻樹の対決の舞台になり、皆本も葵も成り行きを見守っていた。
紫穂は言葉を続けた。

「どんな形であれ、自然の感情を捻じ曲げることは、相手に良い影響を与えません。
 それは強いストレスを与えるのと同じ。
 なお悪いことに、あなたは自分の能力に気付いていなかった。
 だから、相手の精神を破壊するまで、無意識のうちに感情調整を続けてしまったの。
 人の心は許容限界以上のストレスが溜まると、思考や行動に影響が出始める。
 注意力や思考力が鈍った結果、事故などにも遭いやすくなるわ。
 もし、感情調整が強力すぎると、ストレス程度では済まなくなり、
 完全に頭脳活動を停止させることになる。
 それが、3件の事故死と1件の急死の原因 … 違いますか?」

紫穂は核心を突いた自信があった。
だが、麻樹の方も舞台を降りる気はないようだ。

「もし“感情調整”なんてことができたら、そういうこともあるかもね。
 でも、私がそんな能力を持っているなんて、証拠でもあるの?」

「ひとつは、あなたの名前と誕生日です。
 それが偽造だと分かった時点で、私たちはそれには何の意味もないと
 思い込んでしまいました。
 でも、それは間違いでした…。
 もっと早く気付くべきでした、“水無月”と“6月”が重なる不自然さに…。
 “麻樹”という名前も、植物を暗示するものだったんですね。
 もしやと思って調べてみたら、思った通りでした。
 マンドラゴラ、6月22日の花。
 媚薬とも言われているけど、実は猛毒を含む植物。
 だからあなたは、この名前と誕生日を選んだのでしょう?」

「ふうん、なかなか面白いけど…。他には?」

「もうひとつは、初対面のとき。
 私は接触感応能力で、あなたが私と同種のエスパーだと知りました。
 でも、それだけじゃないとも思ったんです。
 弱い超能力しか使えないので確認できなかったけど、それが精神調整だとすれば、
 あなたが中学生の時、相手が不自然な好意をあなたに抱いたことを説明できます。」

「超能力の使用は禁止のはずだけど…、まあいいわ。他には何かあるの?」

紫穂は言葉に詰まってしまった。
ここまで来ても、麻樹がシラを切るとは思っていなかったのだ。

「他になければ、私から反論させて貰うわ。
 まず、名前と誕生日の件だけど、これだけじゃ、ただのこじつけに過ぎないわよ。
 あなたは誕生日と花を結びつけた。
 でもその気になれば、同じ日付を全く別のものに結びつけることもできる。
 例えば、同じ日に起こった歴史上の出来事とか、同じ誕生日の人物とかね。
 それに、私がエスパーだという主張も、本当に正しいのかしら?
 あなたはESPリミッターを付けていたんでしょう。
 あなたの勘違いということはないの?」

「そんなに言うなら、理由を説明してください。
 あなたが素性を偽っている理由と、バベルに来た理由を。」

「あなたに説明する必要があるかしら?」

麻樹の表情から当初の穏やかさは消え、今度は紫穂が受身の立場になった。

「大体、あなたたちが調べたことは、バベルならすぐに調べられることばかりよ。
 バベルが正体不明の危険人物を、そう簡単に組織に招いたりするかしら?」

「あなたが、バベルの上層部を“調整”したのかもしれないわ。」

「でも、誰も死んでいないわ。
 私の能力が死を招くようなものなら、なぜ皆本さんは生きているの?」

「あなたの“調整”がまだ浅いからかもしれない。」

「なら、本人に確かめてみれば?
 まだ“調整”とやらが浅いとすれば、私にESPリミッターを付ければ、
 安全でいられるのよ。」

言われて紫穂は、麻樹から視線を外し、皆本の方を見た。

「麻樹君にESPリミッターを付ける必要は全くないよ。」

これは、紫穂が最も恐れていた答えだった。
麻樹を全く疑わないほど深く、彼が“調整”されている可能性があるからだ。

目の前の女は感情調整能力を持ったエスパーだ。
それには絶対の確信がある。
なのに、彼女の言葉にうまく反論ができない。
こうして手をこまねいている間にも、彼には危険が迫っている。
捻じ曲げられた精神はいつ臨界点を突破し、崩壊するか分からない。
一刻も早く、助けないといけないのに…。

歯痒さと、焦りが紫穂を支配していた。

「だいたい、あなたたちは人を告発しようというのに、ろくな準備もしないなんて
 非常識すぎるのよ。人を殺人罪で訴えるなら、それなりの客観的な証拠を…」

「証拠ならあるわ。」

紫穂のその言葉に他の全員が驚いた。
話の流れから、紫穂がまだ「証拠」を持っているとは思えなかったからだ。

「あなた自身が最大の証拠よ。
 私の接触感応能力から逃れられると思わないことね。」

そう言って紫穂は自分の右手を左手に添えた。
 … 左手の薬指に …



「紫穂!!」

皆本と葵が彼女を止めようとして動いたのは、ほぼ同時だった。
一瞬早く、皆本が彼女の左手を取った。
左手薬指の指輪 … ESPリミッター … は、まだ外れていなかった。

「紫穂、それを外すんじゃない!」

「離して、皆本さん!! これはあなたを守るためなの!」

紫穂は必死に手を振りほどこうとした。

「紫穂、超能力は禁止されとるはずや!」

「そんなこと関係ない! 皆本さんの命が掛かってるのよ!」

だが、紫穂はその後の言葉を続けられなかった。
皆本が紫穂の体に手を回し、後ろから抱きしめたからだ。

「皆本…さん?」

「違うんだ…。君が考えているのとは違うんだ。」

耳元で囁かれ、紫穂は抵抗する力を失ってしまった。

「紫穂、今から君の解禁コードを入力する。
 それで、彼女を調べるといい。
 麻樹君もそれでいいね?」

麻樹が頷くのを見て、皆本は紫穂を解放した。

紫穂は上気しているのを自覚していた。
まだ皆本に抱きしめられた感触が残っていた。

解禁コードが入力されると同時に、紫穂の左手の指輪が淡く光った。
そして、彼女の感覚は曇りが取れたように明瞭になった。

麻樹はさっきより緊張した面持ちで紫穂を待っている。
これから心の中を探られるのだから緊張するのも当然だろう。

だが、紫穂は足を進められなかった。
自分の考えが間違っている予感がしたのだ。

「どうしたの、私を調べるんでしょう?」

麻樹の声にさっきまでの、敵意は感じられなかった。
早く調べるようにと左手を差し出している。

ほんの少し前までは、皆本に逆らってまで透視するつもりだったのに、
今は完全に怖気づいていた。

それでも、彼女の左手をずっと放っておくわけにもいかず、紫穂はその手に触れた。

だが、たった数秒で紫穂はその手を離してしまった。

「紫穂、どないした! 何が見えたんや!?」

心配して駆け寄った葵に、紫穂はポツリとこう答えた。

「この人、感情調整の能力なんて持ってない…」

「えっ!?」

「それどころか、エスパーですらないわ…
 何の超能力も持ってないの…」

葵は信じられなかった。
今まで紫穂の見立てが誤ったことは一度もなかった。
それに、麻樹の能力に関する推理も、充分説得力があった。
それが根本から間違っているなんて、あるはずがない。

それは、紫穂も同じだったのだろう、顔面蒼白で今にも倒れそうだ。

「葵、椅子を持ってきてくれないか? 紫穂を座らせるんだ。
 それから君の分も…。少し長い話になるからね。」

「ちょっと、いじめ過ぎちゃったかな…。あなたの大切な妹さんなのに。」

放心状態の紫穂を見て、麻樹はこう言った。


-------


一同が(自動販売機のお茶ではあるが)一服し、落ち着いたのを見計らって、
麻樹は真相を打ち明けた。

「実を言うとね、あなたの推理はほとんど当たっていたのよ、紫穂さん。
 私に超能力がないことに気付いた時点で透視を止めず、
 そのまま続けていたら分かったはずよ。」

紫穂も葵もこの言葉に驚いた。
皆本の方は、すでに知っていることなので、驚きはしなかった。

「実の父親については、私はほとんど記憶がないわ。
 でもきっとその頃から、感情調整能力があったのね。
 私を溺愛していたそうだから。
 義父も私を可愛がってくれたわ。だから私にとっては義父が本当の父だった。
 義父が死んだときは、とても悲しかったわ。
 相次ぐ不幸に見舞われた母が可哀想だったけど、まさか自分が原因とは思わなかった。
 小学生になって、自分と仲の良い男の子が死んだとき、さすがにおかしいと思ったの。
 自分は呪われているんじゃないかって本気で考えたりもしたわ。」

「私には弱いけれども、接触感応能力があった。
 でも、紫穂さんと比べると、本当にお粗末なもので、
 表面的な感情や生理的な欲求などの単純な情報しか読めなかった。
 紫穂さんのように思考を読めたら、きっと相手の心の矛盾に気付いたはずなのに、
 私は相手が自分に好意を持っていることを確認しては、喜んでいただけだった…。」

「中学生になったとき、私は本当の恋をした。
 相手に恋人がいるのを知っていたのに、自分の気持ちを止められなかった。
 誰が見ても片思いに終わるはずの恋だったのに、彼は私を好きになってくれた。
 彼は元の彼女に心を惹かれそうになっても、必ず自分の方に戻ってきてくれた。
 私は、恋に夢中で、それがいかに不自然なことか気付かなかった…。」

「紫穂さんなら分かると思うけど、“好き”という感情を直接感じられることは、
 同じ言葉を100万回囁かれるより、強烈に心に響くのよ。
 私は知らないうちに、彼の心が元の彼女に戻らないよう“調整”を続けてしまった。
 そして、彼の心は矛盾する2つの感情の中で引き裂かれてしまった。
 私が自分の能力に疑いを持ったのは彼を失ってからだった…。」

「そのことを警察に話したら、バベルの人を連れてきてくれたわ。
 そこで初めて、私は自分の能力を知ることになった。
 調整できるのは異性の感情だけ。複雑なことはできなかったし、
 無意識の行為だったせいで、私は罪にならなかった。
 そして、私は国から新しい名前を貰い、なるべく人を避けて暮らすようになった。
 ESPリミッターも与えられたけど、根本的な解決にはならなかったわ。
 当時のESPリミッターは携帯に不便なものだったし、効果も薄かったから。
 それにもし、また誰かを好きになってしまったら、ESPリミッターがあっても
 それを外したり、壊したりするかも知れない。
 紫穂さんがさっき、そうしようとしたように…
 だから…」

ここで、麻樹は紫穂が思い至ることのできなかった事実を打ち明けた。

「私は自分の超能力を完全に除去して貰うことを望んだの。」

この話を皆本が引き継いだ。

「僕がバベルに入ったとき、研究課題のリストには“超能力の除去”もあってね。
 最近ようやくその目処がついたんで、彼女を呼んだんだ。
 何しろ世界でも初めての試みだから、ほとんど人体実験のようなものだけど、
 彼女は承諾…というより積極的に協力してくれたんだよ。
 超能力除去作業の間、僕は責任者としてここを離れるわけにはいかなかった。
 もし、万一のことがあったら、確実に対処できるのは僕だけだし、
 膨大なデータを解析する仕事もあったしね。」

「じゃあ紫穂の透視は間違ってなかったんやな?」

事情を知って安心したのか、葵が話に加わった。

「そうだ。
 ひと月前は、彼女は確かにエスパーだった。
 そして超能力除去作業の間は、君たちを近付けるわけにはいかなかった。
 何しろここは君たちに悪影響を与える装置だらけだからね。
 だから、局長とも相談して君たちを締め出したんだ。
 今はもう大丈夫。超能力の除去は成功した。
 今朝にはもうすべての作業は終わって、動いているのは無害な計器類だけだ。」

「しっかし、相手が自分を好きになってくれるやなんて、羨ましい能力持ってても
 うまく行かんもんなんやなぁ。
 でも、水臭いわ皆本はん。それやったら初めから説明してくれてもええのに。」

「そうしたら、君たちは大人しくしたかな?
 それに麻樹君のプライバシーに関わることだったしね。」

ここで紫穂がずっと疑問に思っていたことを口にした。

「なぜ、麻樹さんがバベルに来たとき、別のプロフィールを用意しなかったんですか?
 わざとヒントを残すなんて…」

麻樹はそれに答えた。

「本当はあなたたちに知って欲しかったのよ、自分のこと。
 普通に身の上話をしても大して興味は持たないでしょう?
 でも、謎に包まれていれば、より深く知りたくなる…、違う?」

「じゃあ、ウチらがあんたのことを調べまわっていることは…?」

「知っていたわ。」

「皆本はんも?」

「ああ、知っていたよ。局長や柏木さんもね。」

「くぅー…! 何もかもお見通しちゅうことか!」

葵は悔しそうに地団太を踏んだ。どこかわざとらしく。
そして皆本をビシッと指差した。

「皆本はん、事情が事情やから今回は特別に許したる。
 ウチらを一ヶ月も放っといたことも、ずーっと隠し事をしてたこともや。
 でも、この埋め合わせはして貰うで!!」

「ああ、分かってるよ。埋め合わせになるかどうか分からないけど、
 実は局長に頼んで、明日から一週間、特別休暇を貰ってあるんだ。
 だから、好きなところに連れて行ってあげるし、何でも言うことを聞くよ。」

そして、皆本は葵と紫穂の肩を抱いて、二人を優しく引き寄せた。

「みんな僕のことを心配して、一ヶ月も頑張ってくれたんだね。
 本当にありがとう。それに、傍にいられなくてごめん。
 明日からは元通り。みんな一緒だ。」

その言葉に葵は素直に喜んだ。
紫穂も、皆本の心が“調整”をまったく受けていないことを確認して、安堵した。
ESPリミッターの解禁コードは入力されたままだったのだ。


-------


結局、皆本の“埋め合わせ”は翌日からではなく、その日の夜からになった。
葵が皆本の自宅でのパーティを提案したからだ。

皆本は麻樹から最後のデータ収集作業を行っていた。
紫穂が透視をしたので、超能力除去が無事に終わったことは確実だったが、
定量的な記録は残しておかなければならない。

「皆本さん、本当にありがとうございました。これで、私の夢が叶いました。」

「どういたしまして。
 でも、僕も君を実験台に利用したんだから、おあいこかな?
 それで、麻樹君はこれからどうするんだい? また別の名前を貰うのかな?」

「いいえ、これからもこの名前を使い続けます。
 私が自分で選んだ名前ですから…自分の罪を忘れないために。」

「そうか、でも過去にばかり囚われてはいけないよ。」

「ご心配なく。私はちゃんと前を向いて歩いて行けます。
 だって、私の能力を知っても、優しくしてくれる人たちがいたから…」

「これからは麻樹君も普通の人だね。頑張るんだよ。」

( … 最後まで“君”付けは取れなかったか。あの娘たちとは違うのね … )

「やっぱり、少しだけでも“能力”を残して貰えば良かったかな…」

「え?」

「ただの独り言。
 それよりあなたの妹さん…いえ、小さな奥さんたちによろしくね。」

「君までそうやってからかうのか…」

皆本は苦笑せざるを得なかった。
そう言われたことは一度や二度ではなかったのだ。


-------


「葵ちゃんって現金ね…」

“小さな奥さん”たちは皆本の自宅に跳んでいた。
葵にも解禁コードを入力してもらい、超能力を使って移動したのだ。

「皆本さんに会えなくなってから、ずっとしょげてたのに、もう元気になってる。」

「紫穂の方はまだ何か、気になることでもあるんか?」

「うん… あのね…
 あの“超能力除去”…、いつか自分もやって貰わないといけないかな…
 なんて思って…」

「な、何アホなこと言うてんねん!」

「麻樹さんと私は似てるの。
 嫌な感情や思考なら、それを遮断すればいい。
 でもそれが“好意”や“愛情”だと、それを読む誘惑に勝つのは難しいわ…
 もし、その感情に溺れて、自分を見失ってしまったら…」

紫穂は皆本に抱きしめられた時のことを思い出していた。

(あの時、顔が熱くなって、胸がドキドキした…
 もしESPリミッターがなかったら、私… )

「やめやめ、そんな辛気くさい話。その時は、その時や。
 ウチらもおるし、最悪でも皆本はんが何とかしてくれるやろ。」

紫穂は左手の指輪を見詰め直した。

( … そうね。今日はこのことは忘れよう … )

「ところで薫ちゃんには連絡したの?
 カタが付いたら、あなたから知らせる約束だったでしょ。」

「あ…すっかり忘れとった。」

今夜のパーティでは、大怪獣が暴れ回ることになるだろう。
その一番の被害者が誰になるかは、言うまでもあるまい。


(幻花:完)


 

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